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優秀な営業マンの大半は、営業活動のさまざまなシーンで心理学のテクニックを取り入れています。売上を増やしたいと考えるなら、営業で使える心理学の意味や使い方を学ぶことが重要です。トップセールスマンが使う、代表的な心理学のテクニックを紹介します。
営業における心理学
営業は対人で行うものであるため、心理学を知っていれば商談を有利に進められます。まずは、営業マンが心理学を使う意味やメリットを理解しておきましょう。
営業マンは心理学を使っている
結果を出し続けている営業マンは、商談時に心理学を取り入れていることも少なくありません。人の心を動かせる心理学のテクニックは、相手を買う気にさせるための有効な手段です。
現在はインターネット上に情報があふれており、製品やサービスの魅力が簡単に分かります。そのため、商談時に自社商材の良さをアピールするだけでは不十分です。
相手と直接やり取りできる営業マンには、相手の購買意欲を高める会話力が求められます。顧客の疑問や要求を引き出しながら、最終的に「買いたい」と思わせるためには、心理学の補助的な活用が不可欠といえるでしょう。
心理学を使うメリット
営業で心理学を使うと、相手との信頼関係を構築しやすくなります。特に、面識のない相手とやり取りする新規営業では、信頼関係を築いて相手に安心感を与えることが重要です。
また、心理学を使うメリットとしては、成約率を高められることも挙げられます。商材購入の可能性がある見込み客を逃すことがなく、最終的な成約に誘導できる可能性が高まるでしょう。
さらに、営業のさまざまなシーンで目的に合わせて、心理学を効果的に使い分けられる点もポイントです。各テクニックの利用方法や効果を理解していれば、性別や年齢にかかわらず誰でも使えます。
営業をやる上で知っておきたい心理学
営業におけるあらゆるシーンで役立てられる代表的な心理学を紹介します。以下にあげる三つの効果や理論を押さえておけば、商談を有利に進められるでしょう。
視覚情報を効果的に使う「メラビアンの法則」
『メラビアンの法則』とは、コミュニケーションで相手に与える印象がどのような要素に基づいて決まるのかを示す割合のことです。
『メラビアンの法則』では、印象を決める要素を『言語情報』『聴覚情報』『視覚情報』の三つに分けています。法則で提唱されている影響度は、それぞれ7%・38%・55%です。
言葉の意味や会話の内容は、相手に与える印象にほとんど影響を与えないことが分かります。人の印象を大きく左右するのは、耳や目から受け取る『非言語情報』です。
商談やプレゼンの際に、見た目・表情・しぐさなどの視覚情報を効果的に使えば、相手により強い印象を与えられるでしょう。声のトーンや話し方を意味する聴覚情報を意識することもポイントです。
押し付けは嫌われる「ブーメラン効果」
人を説得しようとして、逆に強い抵抗や反発を招くことを、心理学では『ブーメラン効果』と呼びます。勉強しない子どもが親に注意され、ますますやる気をなくす様子は、『ブーメラン効果』の典型例です。
営業の商談でも商材購入の押し付けや強要を行うと、『ブーメラン効果』により成約が遠のいてしまうことにもなりかねません。強引な会話で結論を急がせないように注意する必要があります。
『ブーメラン効果』で嫌われないようにするためには、商材の必要性を相手に気づかせることが大切です。気づきの提供を意識することで、押し付けがましいトークを避けられます。
損失を回避する心理「プロスペクト理論」
人が利益を考える場面では、得をすることより損失を回避することを重視する傾向があります。この行動心理を示した理論が『プロスペクト理論』です。
例えば、毎月100万円の利益を期待できるサービスがあったとします。『プロスペクト理論』に基づけば、『これを買えば毎月100万円稼げる』と紹介するより、『これを買わなければ毎月100万円の機会損失が発生する』と提案したほうが効果的です。
損をしたくないという感情を刺激できるため、『プロスペクト理論』は現状維持を重視する個人や企業に対し、より高い効果を発揮するでしょう。
関係を円滑にするためのテクニック
面識の浅い人と営業でやり取りする際は、相手との信頼関係を構築することが大切です。関係を円滑にするための代表的なテクニックを三つ紹介します。
相手をまねる「ミラーリング」
ミラーとは鏡を意味する言葉です。心理学での『ミラーリング』とは、相手の言動を鏡に映したかのようにまねることを意味します。
自分に似たものに対して親近感を抱きやすい心理を利用し、相手に好感を抱かせることが『ミラーリング』で期待できる効果です。優秀な営業マンの多くは、無意識のうちに『ミラーリング』を実践しているといわれています。
相手が笑ったり黙って考え込んだりしていたら、同調することで簡単に『ミラーリング』を行えます。飲み物を飲むタイミングを合わせたり、話すテンポや言い回しをまねたりすることも効果的です。
継続訪問の強み「単純接触効果」
相手との関係を円滑にするための心理学テクニックとしては、『単純接触効果』も挙げられます。『単純接触効果』とは、接する回数を増やすほど好感度を高められる効果のことです。
営業先に継続して訪問することで相手の警戒心が薄れていき、自分に対する信頼感を高められます。相手と接する時間を長くするのではなく、あくまでも回数を増やすことがポイントです。
訪問するたびに用事を考える必要もありません。あいさつ程度でも十分な効果を期待できます。電話やメールで回数を増やそうとせず、できるだけ毎回顔を合わせることが重要です。
相手の発言を繰り返す「バックトラッキング」
『バックトラッキング』とは、相手の発言をそのまま繰り返す話法です。ミラーリングと同様、相手に親近感を抱かせ、自分に対する信頼度を高められます。
例えば「最近、暑くなってきましたね」と言われたら、「本当に暑くなってきましたね」と相づちを打つように返します。相手が感情を表現する言葉を使った際、『バックトラッキング』を使うとより効果的です。
ただし、会話中頻繁に相手の発言を繰り返すと、逆に印象を悪くしてしまう恐れがあります。自分の意見はしっかりと述べつつ、適度に『バックトラッキング』を使うのがポイントです。
受注率を上げるためのテクニック
営業の最終目的は、販売や契約につなげて企業の売上を上げることです。受注率を上げ、営業成績を伸ばすための心理学テクニックを覚えておきましょう。
簡単なお願いから始める「フット インザ ドア テクニック」
『フット インザ ドア テクニック』とは、最終的な目標となる成約を得るために、まずは簡単なお願いから始めて徐々に要求のレベルを上げていくテクニックです。
小さな提案を受け入れてもらえると、次の提案も通りやすくなります。一つのお願いを聞き入れた人は、その後のお願いを断りにくくなるという心理を使った営業手法です。
『とりあえず5分だけ話を聞いてもらう』『提案書を提出させてもらう』『サンプルを試用してもらう』のように、段階を踏んで小さな要求の受け入れを積み重ねていくのがポイントです。
まずは断らせる「ドア インザ フェイス テクニック」
人は相手の提案を断ると罪悪感を覚え、次の要求を断りにくくなる傾向があります。この心理を利用したテクニックが『ドア インザ フェイス テクニック』です。
『ドア インザ フェイス テクニック』では、最初に過大な要求を提案し、まずは相手に断らせます。その後、徐々に要求のレベルを下げていけば、目標に近いレベルで成約を得られる可能性が高まります。
例えば、最初に1年間の定期購読をお願いし、半年・3カ月・1カ月と要求のレベルを下げていくような流れです。いきなり1カ月の定期購読をお願いするより、最低1カ月の定期購読を契約できる可能性は高くなります。
特別感を与える「ハード・トゥ・ゲット・テクニック」
「あなただからこそ、ここまでの提案をさせてもらっている」という特別感を相手に与える手法が『ハード・トゥ・ゲット・テクニック』です。
人は自分が特別扱いされることで承認欲求を刺激され、相手に好意や信頼を寄せる傾向があります。一定の条件を満たした既存顧客を特別会員にする仕組みも、このテクニックを使ったものです。
ただし、『ハード・トゥ・ゲット・テクニック』をやみくもに使ってしまうと、希少性が薄れてしまいかねません。特別扱いするなら、特別であることの根拠を明確に示しましょう。
心理学をうまく使おう
優秀な営業マンの多くは、営業活動のさまざまなシーンで心理学を取り入れています。相手との信頼関係を構築しやすくなることや成約率を高められることが、心理学を使う主なメリットです。
営業で活用できる心理学のテクニックには、さまざまな種類のものが存在します。それぞれの特徴や使い方を覚え、実践しやすそうなテクニックから取り入れていきましょう。