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大学休学、森の国へ。4ヶ月間のインターンが私に教えてくれたこと。

なぜインターンに参加しようと思ったのでしょうか?

初めは、インスタグラムの広告でインターンの募集サイトを偶然見つけました。「森の中で暮らしながら」という言葉にとても惹かれて、そんなインターンがあるのだと、びっくりしました。その後、ホームページを調べると、記載されている様々な言葉が自分の価値観と重なっており、絶対行きたいという気持ちになりました。丁度その頃、地球の循環の中で生きたいという気持ちが高まっていましたが、それをどう実現するのか、自分らしく生きていく方法はあるのかと悩んでいました。ホームページの中に、「水のように気ままにはしゃぐ」という言葉があり、自分にぴったりかもしれないと直感で感じました。


なぜ、循環や、ご自身で農作業をやっていきたいと思っていたのですか?

高校生の頃、山岳部に所属したのがきっかけです。年に何度も山登りに行くうちに、地球や自然が大好きになっていきました。今の人間の暮らしは、その地球をどんどん破壊する方向に行ってしまっているということを様々な場面で聞いていたため、できるだけ地球に負担をかけない、自然の循環に溶け込んだ暮らしを自分はできたらいいなと思うようになりました。


実際に来られてイメージ通りの4ヶ月でしたか?

地球の循環の中で暮らすというイメージ以上に、すごく良かったです!8月はロッジの繁忙期だったのでそこで「働く」ことが中心だったのですが、そんな中でもネイチャーガイドや星空ガイドなど、お客さんとスタッフが一緒に自然の中に入る時間がすごく素敵で、一緒に参加させて頂くこともありました。9月以降は「暮らし」が中心になりました。皆さん一人一人が、様々な工夫をされて、外部から来られるお客さんを、生きることを一緒に楽しむ仲間として関わられていたり、自然に囲まれた集落で、人との温かいつながりを大切にして暮らされていたり。そこにインターン生も巻き込んでくださったので、毎日が新鮮で充実していて、素敵な生き方だなぁと感動しました。


4ヶ月やって、結構今でも記憶に残っているような出来事・イベントはありますか? 

いくつもありますが、1つは、キャンパスにゲストの方が来られた時、 例えば、ツアーのお客さんや様々な講師の方が来られた時に、スタッフみんなで料理をして、お客さんも一緒に食卓を囲んでご飯を食べる時間がすごく幸せで楽しかったです。

そこでの会話でたくさん学ぶこともあって、 印象に残っています。その食卓に、自分たちで育てた野菜とか、目黒集落の方からいただいた野菜があったりすると、より特別な嬉しさがありました。今自分は、目黒で生きているんだなという感覚と、大地への感謝が自然と湧いてくるのを感じました。

2つ目は、 植林と狩猟に行かせていただいた時間です。自然の循環の中で生きるとなった時に切り離せないことで、都会にいたらなかなか出会わない場面です。地球で生きていると、これが本来の動物としての日常というか、命をいただくありがたさとか、何十年何百年先をちゃんと想像しながら森と接していくとか、 そういう大切なことを教わった時間もすごく印象に残っています。

また、時間が空いたときに一緒に暮らすインターン生と様々な料理に挑戦でき、ここで甘酒とか麹とか、発酵食品を作ってみようとなりました。インターン生でつくった様々な麹を実際にレストランの料理に活かしてくださったのも嬉しかったですし、発酵食品を使った料理の楽しさと、自然界での微生物の役割の面白さを知ることもできました。


今でも覚えている誰かの言葉など、何かあったりされますか?

1つは、ゲストでお越しになっていた方の「生きていく上では、全ての命に対して愛を持って接するのが大事。植物とか野菜を育てる時も愛と観察が大事。」とおっしゃっていて、まさにその通りなんだろうなと思い、ずっと心に残っています。

2つめもゲストの方の言葉で、教育についてです。「これからの教育者の立場は、 先生っていうより、子供たちのガイドであるべきだよ。」というのが、心に刺さっています。大人が一方的に教育するのではなく、対等に寄り添って子供と接していく時代というか、 本来、大人ってそういう存在なのかなと思うようになりました。これまで教育にあまり興味はなかったのですが、大人と子供の関係性のあり方を見直すことも大事だと、いろんな方と話をする中で学びました。


変わらなかった価値観、4ヶ月いたからこそ変わったことはありますか?

変わってない点は、やっぱり自然の循環の中で生きたいという気持ちです。そこは変わっていません。行く前まではそういう漠然とした気持ちがあるだけでしたが、自然という、資源に溢れた環境で暮らさせてもらい、より具体的なイメージがいろいろと湧くようになりました。
例えば、生ごみをできるだけ出さないよう土壌に返すことや、都会ではガスや電気に頼っている部分を、それらをできるだけ使わず薪で暮らすことなどです。

変わったところはいくつかあります。

1つは、人間関係に対する考え方です。様々な価値観、考えを持った大人の方と話すことってこんなに楽しいんだと気づくことができました。森の国に行くまでは、コミュニケーションが苦手で、皆さんとうまく関われるか心配に思うぐらいだったのですが、皆さんが自分の意見とか気持ちを一度全部受け入れてくださって、そのおかげで自分の意見や気持ちもどんどん言えました。話を聞くのも面白く、会話って楽しいんだなと思えるようになったことが自分の中で大きな変化の1つです。

2つめは、自然への感謝の気持ちです。自分が生きているのは、大地や水、森、太陽、宇宙など自然の恵みのおかげだということを、その近くで暮らして強く実感しました。それまでは、学校で「森林から受けるサービス」みたいな言葉を聞いて理解したつもりになっているだけでした。それを暮らしを通して実際に感じることができて、食事の前の「いただきます」という瞬間に、本当に感謝の気持ちが溢れるようになりました。それらの恵みがなければ、今、目の前にあるお米やお野菜が育つことはなく、私たち動物が命をつなぐことはできないですから。


将来的にはこういう仕事もいいのかな、こういう業界に行くのかなと、その辺りって考えられたりしましたか?

森の国valleyに就職したいなという思いがあります。他の企業とかをまだあまり見ていないのはありますが、今は森の国valleyで、教育や農・食を中心とした事業がこれから加速していくところなので、そのスタート地点にすごくワクワクするのもありますし、自分もこれからの世の中のためになにか役に立てるかもしれないなという気持ちを最近持つようになり、そういうところで働けたらいいなと思います。

休学して本当によかったなって思います。 4ヶ月って言葉で言うと短い感じもしますが、何年にも感じるくらい濃い時間を過ごさせて頂いた感覚です。初めて自分らしくなれたり、新しい価値観を得て頭の中の世界が広がったりしたので、大学に行っていたら、4ヶ月間こんなに幸せには過ごせてなかったです。

これから就職したいかもって思えるぐらい自分に合った場所だったので、休学して行ってすごくよかったと感じています。大学では、過ごす時間の9割は屋内ですし、誰かと人生観・死生観を語り合うことも少ない。関わる大人も、特定の分野に集中して研究されてる方が多いため、大学では得ることができない経験をさせて頂く貴重な機会でした。


インターンを考えている大学生に背中を押すような言葉や、インターンを検討されている学生さんに伝えたいことはありますか? 

森の国Valleyに行くまでは、自然の循環の中で暮らしたいというような価値観をもつ人が周りにいなくて、自分らしさを表現する方法がわからないという状況でした。そのように悩んでいる方にぜひインターン生として森の国Valleyを訪れてみてほしいです。考えなどを受け入れてくださり、分かち合ってくださる方々、これからの生き方を語り合える方々がいます。また、森という環境があるおかげで、自然とつながって自分を解放することができると思います。ホームページなどを見て少しでも迷ったらぜひ行ってみてほしいです。

他のインターン生との出会いも大きな刺激になるかもしれません。私の場合、人と喋る時に相手に合わせなきゃなみたいなのを考えてしまい、ずっとコミュニケーションに強い苦手意識がありました。しかし、自分の気持ちにすごく素直で、振る舞いもありのままのインターン生がいて、とても素敵だなと思ってなんとなく真似をしているうちに、人と話すときに楽しさを感じられるようになりました。

本当にありがたい出会いでした。また、似ているようでそれぞれ違った考えを持つ同世代の人たちと出会えるので、みんなで語りあう時間は新しい発見がたくさんありました。生き方に悩みがあったり、自分の生き方を「問う」ことを改めてしたい方は、森の国Valleyを訪れたらきっと素敵な時間を過ごせるのではないかなと思います。

このストーリーが気になったら、遊びに来てみませんか?
四万十川源流にある270人の集落を舞台に、農や持続可能な社会を考える。
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