千株式会社の執行役員CTOに就任しました の巻 | 開発について
■執行役員 CTO 竹澤 有貴 北海道出身。これまで株式会社アイスタイルやヤフー株式会社など様々な企業にて事業やプロダクト、それらを実現するテクノロジーを主として、技術分野における改善、アーキテ...
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こんにちは!人事部のSです。
今回は当社のブランディングマガジン「TORCH」で連載している「教えて!経営層の頭の中」からCTO竹澤のインタビューをご紹介します!
■執行役員 CTO 竹澤 有貴
北海道出身。これまで株式会社アイスタイルやヤフー株式会社など様々な企業にて事業やプロダクト、それらを実現するテクノロジーを主として、技術分野における改善、アーキテクチャ設計やリアクティブシステム・ドメイン駆動設計の普及やデータマネジメントや機械学習・AIなどに従事。
国内IT技術系のカンファレンス登壇をはじめ、OSSライブラリ開発、技術書籍の執筆なども行う。
幼保業界における様々な課題解決をするべく千へ参画。
Q.千にジョインした理由は何ですか?
これまでの会社選びで共通して言えることですが、ビジネスモデルや事業内容だけでなく、私の経験やスキルで今の組織の課題をどれくらい解決できるか、そしてどれくらい新しい変化を起こせるかを重視しました。「これを一つずつ達成していったときにどれくらい楽しいか」そんなところばかり見ていますね(笑)。
千の課題に対して、私ができること・実現したいことがたくさんありそうだと感じたことが選んだ理由の一つです。
また、自分の子どもが今年の春小学校2年生になり、幼稚園までのライフサイクルを一通り経験したことで、これからの幼保の環境をより良いものにしたいという想いもありました。
Q.竹澤さんの得意領域を教えてください。
私は開発全般に対応できるタイプで、技術的な部分のキャッチアップも早いため、何でもできます!その中でも、データベースの設計がとても好きですね。エンジニアになりたての頃一緒に仕事をしていた人の影響もあり、それ以来ずっとこの分野に魅力を感じていて、特に専門性を持って取り組んできました。
データベース設計だけでなく、ビッグデータの扱いやAIなどの機械学習も得意領域です。マニアックな領域である情報伝達の経路設計にも対応できます。日本のIT系コミュニティでのアウトプットや、オープンソースのソフトウェアの公開も行っています。
Q.はいチーズ!で今後取り組みたいことについて教えてください。
千に入社してから、身近な「はいチーズ!」ユーザーから連絡をいただくことがあるのですが、サービスに対して好評の声が多く励みになります。ところが、よく聞くのが「何で小学校には導入されていないの?」という質問です(笑)。to C向けにサービスを広げることで、もっと多くの変化を起こせると思っています。
現在「はいチーズ!」のユーザーの多くは、子どもが園に通うようになってから初めてサービスを利用されると思いますが、それだけでは勿体ないと感じています。サービスの範囲を拡げて様々なシーンで利用してもらうことで、ブランドの認知度や好意度をさらに高めていきたいですね。
例えば、対象を子どもだけでなく高齢者にも拡げてみると、自分の写真を残す機会自体が減っていることに気付きますよね。この問題に対し、自分達は何を提供できるのか?とあれこれ考えます。米国の言語学者が提唱する「抽象の梯子」という有名な概念がありますが、その概念で物事を考えるのが得意で「最小の価値と最大の価値」についていつも考えを巡らせています。
様々な方法があると思いますが、子どもたちの未来をより良くするのはもちろん、より多くの人に「はいチーズ!」の体験を広げていきたいですね。
Q.現在、特に力を入れている取り組みは何ですか?
我々が目指す目標、いわゆるプロダクトビジョンを作ろうとしています。(※現在はプロダクトビジョンが完成し、浸透施策中)
明確なビジョンがあれば「一つの向かうべき道」や「果たすべき使命」がはっきりし、全員の意識が一致して正しい方向に熱量を注げ、意思決定も迅速になると思います。プロダクトに関わるステークホルダーの原動力になる強力なものをガツンと作りたいと考えています!
並行して、プロダクトビジョンへ向かうために必要な技術を組織立って磨いていかなければいけません。そのために毎週技術的なハンズオンを実施しています。
また、メンバーがサービスに対して熱量を持って向き合うことも重要です。それには技術的なスキルだけではなく、メンバーの主体性・積極性も欠かせません。要望を受けてその通りに動くだけではなく、目指すべき方向性を見据えながらズレがないか考えられること、違和感や疑問点があれば自分から意見を発信できるようになることが重要です。
社外でアウトプットする機会を増やすことでメンバーの熱量を高め、そのエネルギーが外部にも伝われば、同じように情熱を持ったエンジニアが集まってくる可能性が高まります。そうなればきっと良い採用にもつながりますし「何を目指してプロダクトを作るか」という目標に向かって足並みも揃えることができます。
私自身、外部への発信が好きですし、ソフトスキルは絶対に必要だと思っています。だからこそ、皆さんにも人前に出て自分のパワーをどんどん発揮して欲しいです!
Q.ご自身の強みを活かして、今後千やサービスをどのように進化させていきたいと考えていますか?
やりたいことはたくさんあります。まず1つ目は、今のデータ(ICT/アルバム/フォトの顧客データ、業務フロー全般、営業のデータなど)を事業成長につながる価値あるものに変えていくことです。時代の変化を予測することは難しいですが、社員全員がそのデータを見て次に何をすべきかをすぐに判断できるような土台づくりに取り組みたいと考えています。
判断材料となる価値あるデータがなければ、「幼保の業界を変える」「写真のあり方を変える」という目標を実現することはとても難しいです。現状を把握するだけではなく、「未来はどうなるか」をデータから導き出し、誰もが判断しやすい状態を作りたいと思っています。
以前アットコスメでCTOを務めていた際、口コミやユーザー行動、クライアントとのやりとりなど、何億もあるデータをダッシュボードに統合し、アットコスメ上のトレンドやユーザー動向を見える化し経営に活用した経験があります。
その時は10人ほどのエンジニアで、短期間である程度整備できました。千の場合は、まずあらゆる方面の整備やものごとへの向き合い方から変えていく必要があります。それでも時間をかけて着実にやっていきたいですね。
2つ目は、技術力を強化し、馬力のある開発組織を作ることです。
人間力と技術力を兼ね備えた人材を育て、千株式会社に憧れて入社したいと思ってくれる人を増やしたいです。優秀な人材が多ければ、その魅力に惹かれてさらに良い人材が集まるという好循環が生まれます。そのために、技術的にも高みを目指せるような環境を整えたいと思っています。
エンジニア界隈でよくお話ししますが、私はボーイスカウト・ルールにある「来た時よりも美しく」をモットーとしています。仕事をする上で特に意識していることです。
「自分が来たからには、来る前より良い状態にしたい」そんな想いがあります。そのために千でやりたいことがたくさんあるので、皆さま、ぜひ一緒に楽しんでやっていきましょう!
Q.あなたの宝物は何ですか?
これまでの経験です。
好きなものはたくさんありますが、宝物と呼べるものといえば「自分がやってきた経験」ですね。
もともと私はIT業界に来る前はバンドマンだったんです。ドラムやパーカッションが大好きで、打楽器を担当していました。それ以前は楽器屋の接客やライブ活動、ボランティア活動として養護施設や介護施設での演奏活動、東京に来てからはバックミュージシャンもやっていました。これらの経験が、今の自分を形成する大きな要素となっています。
特に印象に残っているのが、東京に来る前に養護施設で演奏したときのことです。そのときの子ども達の反応は今でも鮮明に覚えています。普段は誰かの支援を必要とする耳や目が不自由な子ども達が、私たちの演奏に対して驚くほどパワフルに身体で表現してくれたんです。楽器を近くに持っていけば一緒に演奏もしてくれ、その時間がとても好きで半年ほど続けていました。
そういう経験を通して「人に何かを伝えるためには、自分が思うよりもオーバーにしないと絶対に伝わらない」ということを学びました。あの時やっていなかったら一生できなかった体験でした。これらを自分で体験し、感じ、学んだことが一番の宝物だと思っています。
Q.大事にしている言葉は何ですか?
「温故知新」という言葉が好きです。これは、過去の経験や現状の理解をしながら、新しいものを創造していくという言葉です。これはまさに今、千で取り組んでいることにも当てはまります。
人間として謙虚さを表す言葉の「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉も大事にしています。周囲や過去の支えに感謝し、謙虚になることを心がけています。
Q.今までに大きく影響を受けた人物は誰ですか?
演奏活動をしていた時期に憧れていたのが、フランク・ザッパという海外のアーティストです。彼は天才すぎて理解されないこともありましたが「俺はデンタルフロスの歌を歌ったけど、お前らの歯は綺麗になったのか」という言葉がとても好きです。
これだけ聞いてしまうと良い言葉ではないので共感するのは難しいですよね(笑)
当時、輸入盤CDには映画の「R-15」や「R-18」のように暴力的な表現のある曲を検閲するためのステッカーがありました。それを促進していたアメリカの団体に対し、フランク・ザッパが「ロックを聞いたからって、そいつがすぐに犯罪者になったり地獄へ堕ちるわけじゃないだろう」という意味で反論した言葉です。そんなフランク・ザッパが大好きです。
また、ロック界隈でとても大きな影響を与えたスティーブ・ヴァイも大好きです。彼の来日公演には毎回足を運んでいますし、僕自身ギターも趣味にしているので、彼のモデルも1本持っています。そのほかにも、ロックギターを世に知らしめたヴァン・ヘイレンや、世界でもトップレベルに入る巨大なドラムセットを使い、ピアノのように演奏するドラマーのテリー・ボジオなど、既成概念に捉われない彼らに大きな影響を受けていますね。