誠勝は2023/9/4(月)~9/8(金)の5日間で奈良県が主催する「サマーインターンシップ・キャリア教育in奈良(以下:インターン)※」の受入企業の1つとして、インターンを開催しました。
誠勝としても初めてのインターン開催でしたが、合計6名の学生の方々にご参加いただきました。
今回のインターンでは、デジタルアーカイブ構築を手掛ける誠勝が、学生の方々に対して広くデジタルアーカイブ事業を理解・実体験していただくべく、5日間を通して業界の現状の理解・資料のデジタル化実務・デジタルアーカイブを利活用した企画立案および資料の作成を行い、最終日には参加学生から代表取締役:山本大視へのプレゼンテーションを実施しました。
当記事では、誠勝のインターンの振り返りと共に、開催中の様子をお届けします!
「サマーインターンシップ・キャリア教育in奈良」とは
奈良県内外の学生(2024年3月以降に卒業予定の大学生、大学院生、高等専門学校生(※)、短期大学生)を対象に、主に学生の夏季休暇中(8月1日~9月30日)に、奈良県内の企業・団体等(奈良県内に事業所を有し、県内の事業所でインターンシップ等を実施できる企業・団体等)で現場における実際の業務に取り組む就業体験を実施します。
(※)高等専門学校生は4、5年生のみ対応
引用元:https://nara-intern-student.com/company/ を元に記載
「目的」
奈良県内の企業・団体等での就業体験を通して、学生の職業観の醸成や職業選択のミスマッチを防止するとともに、県内就職及び職場定着を促進するため
引用元:https://www.pref.nara.jp/60906.htmを元に記載
誠勝のインターンシップの概要
--テーマ「デジタルアーカイブ業界でキャリアを拓くための"自発的体験"」
今、デジタルアーカイブ業界に足りないのは、「デジタルアーカイブを利活用して、どんな課題を解決できたのか」の視点であり、この現状が学芸員・司書といった専門職の雇用機会の確保を妨げています。
株式会社誠勝では、「まちづくりの誠勝」などを通じて、デジタルアーカイブの利活用を通じた地域の人材育成に取り組んでおり、こうした私たちの想いに沿った活動の一環として、今回の「奈良県インターンシップ推進事業」でも、デジタルアーカイブの適切な利活用を通じた学生の皆さんのキャリア教育を実践することになりました。
学芸員・司書といった専門性を生かした仕事に就きたいと願う学生の方もいらっしゃった中で、まずはじめにデジタルアーカイブ業界を取り巻く現状を正直にお話しした上で、「デジタルアーカイブの保存〜利活用」の一連の内容に責任を持つ「デジタルアーキビストの視点」で、業界の未来を切り拓くために必要な職業体験を5日間かけて取り組んでいただきました。
実施内容
貴重史料のデジタル化の実習は勿論、国立国会図書館で著作権処理済み公開されているデジタルアーカイブを利活用したPBL型インターンシップ研修を行いました。特に「利活用」を意識した内容となっており、デジタルアーカイブを利活用した人材教育課題を企画する職業体験を行うと同時に、学生の皆さん自身のキャリア形成そのものにも活かしていただくようなプログラム編成としました。
また受け身ではなく、実のある経験を得てもらうべく、以下の観点を重視して行いました。
・インターンシップ参加目的と、学生個々人の現段階でのキャリア観の掘り下げ
・デジタルアーカイブ利活用により、広く就職活動に役立てていただける企業・業界研究
・個人ワークとペアワークを多用し、発言する機会を多くして、企業・業界に対する理解を深めること
・プレゼン資料の作成と発表をしていただき、こまめにフィードバックを行うこと
インターンシップ統括からの振り返りコメント
ー 社長室長 寳德真大 より
学生の皆さんにもお伝えしたことですが、このインターンシップを通して最も学んでいただきたかったのは、デジタルアーカイブの意義と業界を取り巻く現状、そしてそのキャリアを切り拓くために必要な技術と企画です。
今私自身、奈良市みらい価値共創プロジェクト研究など地域の枠組みを通してデジタルアーカイブ業界を盛り上げ、学芸員や司書の雇用状況改善に繋げるための試行錯誤を重ねています。その中で感じているのは「貴重史料のデジタルアーカイブ化にお金が支払われず、仕事が生まれない」ことです。そして、その理由は「デジタルアーカイブを利活用して、その結果どんな社会・企業の課題解決につながるか」の明確なロールモデルが不足しているからだと感じています。
逆に言えば、貴重史料を利活用した課題解決事例が増えていけば、(眠っている貴重史料の数が多いため)逆に一気に仕事とキャリアの幅が広がる可能性を秘めています。
今回のインターンシップは、貴重史料の難しい電子化から貴重史料データを利活用した課題解決企画立案など難しい内容もあり、学生の皆さんも大変だったと思いますが、これを機にデジタルアーカイブを取り巻く問題と解決策に少しでも関心を持っていただき、デジタルアーカイブ業界の未来を一緒に拓いてくれる人が出てきてくれれば嬉しいです。
代表取締役社長 山本大視 より
誠勝は2020年に奈良市と立地協定を結びました。そして、2021年2月1日に奈良支店を開設し、2年半がたちました。奈良支店開設後、初めてのインターンシップ開催でしたが、合計6名もの学生の方々に参加いただけたことをとても嬉しく思います。
今まで誠勝は中途採用を中心に採用活動を進めてきました。新卒での採用は、学生時代のアルバイトからそのまま就職していただいた方が数名いる程度です。
そして、会社設立10年を迎え、この機会に新しいステージに会社を進めるために、この度のインターンシップの開催を決意しました。今後は、新卒の方々の採用を通じ、より誠勝という会社の文化や理念に共感していただける仲間を増やしていきたいと思っています。
現在私たちは歴史的価値のある史料の保存を進めるという、社会的な課題に挑戦しています。これらが進まない原因は「貴重史料を利活用して価値を生む」ロールモデルが社会的にも定まっていないためであり、博物館や大学・自治体・法人はじめ、多くの機関が抱える課題となっています。
今回、最終日のプレゼンを聴かせていただく中で、参加いただいた学生の皆さんも、こうしたデジタルアーカイブを取り巻く課題に対して大きな問題意識をもち、解決していきたいという意欲をとても感じました。
このような学生の方々と一緒にデジタルアーカイブを取り巻く課題の解決や業界の未来開拓に取り組んでいけたら、もっと世の中をより良くすることが出来ると思います。
今回参加していただいた方々も含め、誠勝が今後選ばれる会社になるよう、より一層質の高い仕事を提供していかなければならないと気が引き締まりました。
誠勝はこれからもデジタルアーカイブの構築と利活用を推進すると共に、誠勝のミッション「"文化を継承するアメーバ"を創る。」を体現すべく、インターンシップの開催や人材育成にも力を入れて参ります。