プレイドのMarket Development組織は、一般的にインサイドセールスと呼ばれる業務領域を軸に、手段や守備範囲を決めきらず柔軟に、かつ効率・効果的な活動のための仕組み化も行い、成果と貢献の最大化を図っています。
今回は、金融・自動車・交通・旅行などの業界を担当するチームのマネージャーの髙橋 哲也に、Market Developmentの役割や活動に対する考え方、自身のキャリアや働くなかで得られていることなどについて話を聞きました。
法人営業を歩んできた背景、MDを選んだ理由
――まずは簡単に自己紹介をお願いします。
プレイドのMarket Development(MD)組織でマネージャーをしている髙橋です。新卒ではソフトバンクに入社しエンタープライズ向け営業を担い、その後プレイドに至るまでに3社経験しました。ときに組織づくりフェーズの人材系ベンチャー企業、ときに大手外資IT企業など、自分の興味に応じて多少の振れ幅はありましたが、ずっと法人営業に携わってきました。
プレイドには、2022年の1月に入社しました。当時のプレイドは、役割を決めきらない採用と組織づくりが行われていました。いわゆるビジネスの役割を一つのチームの中で何でもやるという体制だったので、これまでの経験もありセールスを中心に担っていました。その後、組織改編で今のMDの組織が編成されることになった際に自分から手を挙げ、インサイドセールス活動などを経て、今の役割になりました。
髙橋 哲也(Market Development)
――プレイドに入社した経緯を教えてください。
前職の環境が変わったこともあり転職活動をしていたのですが、その際にエージェントから紹介されたことが最初の接点で、会社名は聞いたことあったんですが、何をしている会社かは知らないという程度でした。ITに携わり続けたいと思っていることを伝え紹介されたいくつかの会社の一つだったのですが、データの利活用で価値を提供するというところに興味を持ちました。
振り返ると新卒時代からデータを抑えないと今後会社としても個人としても勝てないという意識があって、ずっとデータというもの自体には関わってきていました。データを活用するための土台や箱みたいなものは顧客に提供してきたんですが、どのようにデータを使って価値を生むかまで責任持って関われるビジネスやプロダクトが面白いなと感じました。
あと、働く人がみんな自分の考えを持っていて、それに共感できたこと。まず、最初に面談してくれた方とめちゃくちゃ馬が合って、会社をどうつくっていくとかプロダクトにデータを還元していくとか、そういう話で盛り上がったんですよね。自分の中ではその面談が終わった段階で受かったら入ろうと思ってました。その後も、いろいろな人と会話するなかで各々の話に共感したり興味を持ったりして、やっぱりここいいなと思って。長期的に楽しく刺激的に働けそうなイメージが持てたこともあり、入社を決めました。
――一貫して法人営業としてのキャリアを歩んできていますが、何かこだわりがあるんですか?
実は新卒でその道を選んだときからなのですが、あんまりないんですよね(笑)。新卒当時に希望したのも、自分の強みがわからなかったことや営業の仕事はビジネスの基盤だと思ったからでして、長く続けているのは、正直この道しか知らないからということが大きいです。
いろいろな会社や環境でいろいろなものを商材として扱ってきましたが、営業としては足りないと感じることばかりです。同時に、「やっぱりIT面白い」と思ったり、仕事の奥深さを実感する一方で、足りてないからこそ成果を出すために努力したり、貢献範囲を広げることに意識を持ち続けたりしたことで、頑張ってこれたのかもしれません。
プレイドで働くなかでフィールドセールスからMDに少し役割をピボットしたのは、経験上新規開拓が得意だと感じていたからです。市場や顧客を分析してどう開拓するかを考え、そのために必要な手段を実行する。マーケティングとセールスの間で双方と垣根を決めきらずに、計画を立てて実行することが好きなんですよね。
「受注につながる良質な商談の創出」のために、能動的に染み出す活動を
――プレイドのMDの体制について教えてください。
まず大きな構造から説明すると、プレイドのビジネス組織はマーケティング・セールス・カスタマーサクセスの3つの役割で区分されていて、他にもプロダクトの導入・活用を支援するプロフェッショナルサービスを担う部署や営業支援・組織マネジメントなどを担う部署などがあり、MDはセールス組織の配下にあります。
そして、セールス組織の中にMDの組織が二つあり、同じく二つあるフィールドセールスのチームと連動していて、片方は金融・自動車・交通・旅行などの業界を、もう片方はEC・コスメ・アパレルといった業界を主に担当します。私のチームは前者の業界群を見ていて、追うべき業界や企業の数は相対的に少なめですが、一件あたりの導入規模や受注金額は大きくなる傾向にある業界群ですね。
最近我々が目標とするKPIが変わりまして、起票件数などのフロントフェーズの数値よりも、受注により重きを置くことになり、「受注につながる良質な商談の創出」を役割として掲げています。もちろん変わることによる負荷や苦労はあるのですが、セールス組織全体として目線を揃えたり、全体への貢献を日常的に意識したりするために意義のある変更だと思います。ただモチベーションや評価設計などの観点で自分たちの仕事と目標の距離感も大切なので、有効商談数など中間的な指標も考えながら運用していくつもりです。
――どのような業務を担当していますか。
基本的には、一般的なインサイドセールス業務をベースに、マーケティングやセールス領域に染み出しながら、受注に向けて活動しています。ターゲット業界・企業の情報収集・リストアップ、電話やメールや手紙などの各種手段を用いた新規クライアントの開拓、商談獲得後の受注に向けたフォロー、セールスやマーケティングへの情報提供・フィードバックなどですね。一般的にインサイドセールスとしては商談機会の獲得にフォーカスすることが多いのですが、プレイドのMDとしてはその前後の役割も積極的に関与し、ときに主体的に企画・実行する役割も担っています。
たとえば、新規獲得のためのイベントを企画・運営したり、製品デモや概要プレゼンなどの初回商談をしたり、ターゲット企業開拓に向けたアカウントプランの作成などを担うこともあります。本来マーケティングやフィールドセールスが担当することが多い部分ですし、企画・実行にあたり両部門と連携や分担をしながらにはなりますが、有効な接点を獲得して良いパスを出すために、自分たちで能動的に役割を染み出させています。
これは我々もですが、どの組織や役割も潤沢に人が揃っているわけではないので、やるべきことを広く捉えて線を引ききらずに助け合いながらという感じですね。ただ、守備範囲が広く曖昧であることで、どこまでをどの優先度で取り組んでいいかが判断しづらく、一定の制約も必要だと感じています。組織としても働く個々のメンバーが効果的かつ円滑に活動できるように、柔軟性を持ち合わせた型化を進めていきます。
――周囲の組織・役割の人たちとは、どのように連動できていますか。
フィールドセールスのメンバーとは、同じ組織ということもあり当たり前に近い距離感でコミュニケーションができていますし、カスタマーサクセスも同じ業界に相対しているので会議などでの接点が増えてきました。マーケティングのメンバーとも日々企画や実働面で会話ができています。マーケティング的な施策をこちらが主導する際に、ノウハウがあるメンバーにフラットに相談に行くことも多いです。
一方で、プロダクト側との関わり方には課題を感じています。MDは役割的に、この業界でこういうトレンドやニーズがあって、こういう機能が求められているといった一次情報を得ることも多く、ビジネスの組織・メンバーには共有できているのですが、プロダクト側に届けられていない。もっとプロダクトや全社に還元できる仕組み化にも取り組んでいきたいですね。
――他にも注力して取り組みたいポイントはありますか?
幅を広げていく活動を特徴として語りがちですが、基本的な活動における効率化や成果の最大化にも取り組んでいきたいです。たとえば、中長期的なナーチャリング設計はすごく大切だと思っていて、プレイドにはこれまでの営業活動で蓄積された多くの顧客情報を有しています。それらを戦略的に区分しつつ、たとえば定期コンタクトなどのそこまで思考が必要のない業務は自動化し、しっかりと考えなければならない企画や施策に、時間と頭を使えるようにメリハリをスムーズにつけられる仕組みを適切に増やしていきたいと思っています。
少し話が変わりますが、メンバーがもっとプレイドでMDとして働くことに誇りを持って価値を感じられるようにしていきたいです。個々人が当事者意識を強く持ち、成果を出すことに当たり前にこだわる。そして、自分の業務や役割がどのように事業や会社に貢献していること、個人としても成長できていることを、常にもしくは強く実感できるように。会社や事業への価値と自分自身が得られる価値の双方を高く両立できるような状態やそのための仕組みを作っていこうと思っています。
深く・幅広く、自分で考えて活動ができる意義
――仕事に取り組む中で、プレイドという環境の良いところ・難しいところを教えてください。
両面を兼ねてしまうのですが、プレイドがマルチプロダクト・サービスを戦略的に提供していることです。顧客の抱えるさまざまな課題にフレキシブルに対応できるプロダクトを持ち、プロダクトの導入支援はもちろん、課題発見のコンサルティング支援などの人的サービスも提供しています。つまり、フロントに立つ我々は、顧客の状況に合わせたコミュニケーションができる。裏を返せば、顧客の状況をしっかり捉えて対話することが求められるということです。
向き合う企業の定性情報を汲み取り、市場や業界の環境を考慮し、主要プロダクトであるKARTEをはじめ強いプロダクトたちの仕様や利点をしっかりと把握して、高度な言語化・コミュニケーションを行う。正直、業務の難易度は高いと思います。ただ真摯に取り組むことで、徹底した顧客思考を得ることができます。
これは、組織や役割の名前にもつながっていて、Market Developmentという名称には、「顧客の事業に踏み込み、マーケットを創っていく」という想いが込められています。ただ目の前に提示された課題に相対するのではなく、顧客や業界や市場の成長を見据えて、潜在的もしくは将来発生しうる課題を能動的に見つけ出すことが求められます。見出した課題を顧客や社内に共有し、自分たちから良い刺激を与えられる存在でありたいと思っています。
あとは、前半でもお話しましたが、まだまだ組織や仕組みを整えている過程の段階なので、これも難しさかつやりがいになると思います。私含むマネジメントレイヤーだけでやっているわけではなく、メンバーに意見を聞いたり、大き過ぎないタスクを渡したりするようにしています。今後の事業や組織の拡大のために、まだない仕組みを一緒に作っていくことができますし、逆に今は不必要な仕組みを安易に取り入れないことも大切です。自発的に組織や業務の形を動かしていけるのは、個人的に面白みを感じています。
――キャリアを考えて、プレイドでMDとして働くことで得られることは何でしょうか。
最近他社の業務上の役割が近い人たちと話す機会があるなかで感じるのは、イベントの主導やアカウントプランづくりまで取り組んでいる人や組織はほとんどありません。特に受注の年間契約金額をターゲットにしている組織は本当に少ないんだと感じます。管理する側としても、営業活動の一機能としても、そして働く人としても、商談数などの目の前にあるゴールを追う方が効率的でわかりやすいという側面もあります。
ただ、自分たちで何をやるべきかを考える余白がある方が、もちろん大変なのですが楽しいですし、キャリアを歩むためにも良い経験になっている気がします。アカウントプランやイベント企画などできることが単純に増えるのと、連携する周囲の活動を意識できたり、意識して動けることは、本来の役割の質も上げられると思っています。プレイドのMDで働いて多くの苦労と工夫をすることで、自然にスペシャリストとして出せる武器が増え、市場価値も上がっていくことは、個人的には働く意義の一つです。
また、幅広い経験は確実にメリットだと思います。インサイドセールスという観点でも、BDR(Bussines Development Representative / 新規開拓型)とSDR(Sales Development Representative / 反響型)の両手法を同時に扱う組織は珍しいですし、インサイドセールスの範囲を越えた業務に取り組むことができる。経験やスキルを蓄えつつ、今後のキャリアの土台を強くしたいという方にとっては良い環境だと思いますね。
プレイド内の他のチームや役割への転向も柔軟に考えられます。この秋には、1年ほどMDとして働いたメンバーがフィールドセールスに異動しますし、今後も本人の想いも踏まえていろいろな選択肢が選べる・提示できる環境を作っていきたいと思います。
ちょっと無茶をしながら、貢献の最大化や理想的な活動を
――今後、MD組織に加わってほしい方のイメージを教えてください。
正直に言うと、今現在はIT業界の中でのSaaSや、広告含むデジタルマーケティングなど、我々と近い領域でのインサイドセールスで一定の経験がある方に入っていただきたいと思っています。メールや電話以外のアプローチ手法にも取り組んだ経験や、マーケティング・セールスとの交わりや仕組み化にも関心を持っていただけると理想的です。
プレイドのMDとして求められる一番のスキルは、コミュニケーションスキルです。社内外問わず明るく振る舞え、関わる人の雰囲気をより良くできるような人。これは人柄も含む要素かもしれませんが、何より大切だと思っています。全体を意識しながら目的に向かいつつ、ちゃんと個人も尊重できる人の集まりでありたいと思っているので、周囲への意識を強く持ちつつ自分を発揮できる方が増えると嬉しいです。
他にもソフトスキル面を挙げると、素直さと思考の柔軟性は必要だと思います。扱うプロダクトも向き合う顧客の課題も複雑でパターン化しきれないものが多いので、いろいろな情報を素直に吸収し、アンラーニングが得意で、失敗を恐れすぎずに上手にトライアンドエラーを繰り返してほしいです。
あとは、今回お話しした仕事の内容や求められる役割、良くも悪くも形が定まりきっていない部分などに魅力を感じる方、データやテクノロジーに興味や想いを持っている方だと、プレイドのMDとして活躍していただけると思います。
――最後に、髙橋さんが考えるプレイドのMDの推しポイントをいま一度教えてください。
MDはインサイドセールスとして、高度な取り組みを行い、相当高い目標を追いながら、仕組みづくりと他の役割にも越境している。ちょっとやり過ぎで、もう少し制御しようと思ってはいるものの、貢献の最大化や理想的な活動のために、個々人が自分で考え周囲を巻き込み、能動的に動けているのは、やっぱり良いことだと思います。めちゃくちゃ大変なんですが(笑)。どの環境でも誰でもできることに挑戦するよりも、少し無茶な挑戦であっても良さそうな方向にみんなで向かえるのは、プレイドの面白いところだと思います。
インサイドセールスとしてキャリアを歩まれてきて、さらにこの道を極めたい方や視野を広げながら進みたい方に興味を持っていただき、一緒に前に進むメンバーが増えると嬉しいです。ぜひ一度お話ししましょう。