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ネクストビートのプリンシパルエンジニア久保さんに、2023年4月に制定されたTech Vision「全員CTO」について、インタビューを実施しました。
「全員CTO」の詳細に関してはこちらをご覧ください。
久保勝也
株式会社ネクストビートのプリンシパルエンジニア。
前職では、勤怠管理システムの開発に従事。2018年にネクストビートに入社し、保育施設向けの業務支援システム「保育士バンク!コネクト」の開発を担当。その後、同プロダクトのテックリードを担い、初のハードウェア開発にも取り組み、事業成長に大きく寄与。2022年よりプリンシパルエンジニアとして、全プロダクト横断で技術課題解決を担う。
「全員CTO」というTech Visionについてどう感じた?
僕はネクストビートの中で、メンバー→テックリード→プリンシパルエンジニアというキャリアを歩んできました。
テックリードって、会社によって役割や責任範囲が変わってくると思いますが、ネクストビートのテックリードは、プロダクト全体の技術責任者の立ち位置なんですよね。
言語化はされていませんでしたが、元々、ネクストビートの環境自体が「全員CTO」であることを求めていたので、当たり前のことだなと思ったのが正直なところです(笑)
ただ、今思えばメンバーだった時も、プロダクトで起きた不具合やアラートは全部拾うようにしていましたし、自身の目標にも「8割以上の不具合やアラートを拾う」ということが含まれていたので、「高い視座を持つこと」が当たり前のカルチャーでしたね。
入社当時、高い視座を持つことが当たり前の優秀な人たちにとても刺激を受けて、頑張らねば‥と思ったのを思い出しました。
「全員CTO」を目指す組織って、どんな環境?
解決手法に制限がなく、何でも挑戦できる。
保育施設向けの業務支援システム(保育士バンク!コネクト)でテックリードを務めていた時の印象的なエピソードがあります。
保育士バンク!コネクトでは、園児の登降園の時刻を管理する機能をカードリーダーを使って実現していたのですが、そのカードリーダーが生産終了となってしまったことがありました。
普通なら別のカードリーダーに移行を検討すると思いますが、「事業の継続安定性を実現したい」ということに向き合った結果「自分たちでカードリーダーを作る」という選択を取りました。
ハードウェア開発は会社としても初の試みで、社内にも知見を持った人がいない状態でしたが、会社としても「やってみよう」の精神を後押ししてくれるのがすごくありがたかったです。
よく「技術選定から関われます」という文脈を裁量の大きさで語るシーンは多いと思いますが、ソフトウェアなのかハードウェアなのか、技術解決の手法から考えて挑戦できる環境はネクストビートらしいと思います。
自分の持っているスキルや経験領域の中だけで解決しようとしがちですが、広い視野を持つことが大事ですね。
いるだけで、自然と成長できる環境
「全員CTO」を掲げる前から、「人口減少の課題解決のプロダクトを作る、そのためには高い技術力がなくてはいけない」ということが組織の共通認識だったので、ネクストビートのエンジニアは、技術に対する感度が高い人ばかりです。
そういう人達に囲まれていると、自然と「自分もやらないと」「頑張らないと」という気持ちになって、勉強するんです。
「全員CTO」も同じだと思います。
無理に「全員CTO」を意識しなくとも、組織内では全員CTOになるための取り組みや、風土、体制が既にあるので、その環境に身を置くだけで、自然とスキルが身につくし成長できる。
いるだけでCTOに近づけるって、すごく良い環境だなって思います。
「全員CTO」を目指す上でのプロダクトや組織の課題とは?
エンジニアの事業に対する関わり方にまだまだ課題があり、特に自分の領域(技術)を飛び出さずに解決しようとする姿勢があると感じています。
技術的な専門性ももちろん大事ですが、プロダクト開発を通じた課題解決が目的なので、技術に固執しすぎてはいけない。手段が目的化すると本質を見失うので、事業が抱えている課題は何か、課題ファーストで見る姿勢が必要だと思います。
「こういう機能が欲しい」→「はい」ではなく「なんでですか?それならこっちの機能の方が良いと思います」のような、事業課題を理解した上での確固たる自分の意見を持っている人が、まだまだ少ないと感じますね。
僕がかつてテックリードを務めていた保育士バンク!コネクトは、以前は別の名称のプロダクトでした。そこから今の保育士バンク!コネクトに名称が変わるという話を聞いた時、何度も何度も役員に質問して、その背景を理解する努力をしました。
そのおかげで、事業の課題を深く理解することができ、その後の施策を考える上でも非常に役立ったことを覚えています。
また、全員CTOを目指す以上、全員が自分の書いたコード一つひとつが事業の売上、ユーザーへの価値提供にどう繋がってくるかの意識を持ち、自分がプロダクトの最終責任者である気概を持てると良いなと思います。