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株式会社メンバーズの「地方企業のデジタルトランスフォーメーションを支援する」新規事業として立ち上がったメンバーズルーツカンパニー。そこで、デジタルクリエイターとして活躍するプロフェッショナル達のキャリアや素顔など「ルーツ」に迫るインタビューをお届けします。
今回は、カンパニー社長の神尾武志にメンバーズルーツの立ち上げの背景、今後の展望などについてインタビューしました。
‐ メンバーズルーツ立ち上げの背景やきっかけを教えてください。
日本にはさまざまな社会課題がありますが、そのひとつに地方人口の減少があります。メンバーズはよりよい社会をつくるために貢献するということをミッションにしており、その中で、メンバーズルーツは人口減少の課題を解決するためにできた社内カンパニーです。地方衰退の原因は、経済活動が東京や地方の大都市に集中していることです。このままいくと、2040年までに地方の自治体数は半分程度に減ってしまうともいわれています。これにより、地方の生活が不便になるだけでなく、人口が集中する東京のインフラが維持できるのかという問題もあります。では地方経済の課題は何かというと、地方の労働生産性が低いことです。また、デジタルが活用できていると、生産性が高いというデータがGoogleから出ています。つまり、地方企業でデジタルの活用を促進することが日本や社会のために重要ですし、メンバーズの「心豊かな社会を創る」というミッションからも取り組まないといけないことではないかと考えました。
*メンバーズのミッションとVISION2030はコチラ
‐ ビジネスモデルは、メンバーズがこれまで提供してきた形態とは異なるのでしょうか?
メンバーズ本体では東京・大手企業を対象にデジタル運営支援のための専任チームを提供していますが、メンバーズルーツカンパニーのお客様は地方の中堅企業を想定しているため、対象とする企業の規模やニーズを考えると同じサービスというわけにはいきません。
ですのでメンバーズルーツでは「デジタルクリエイタータイムシェアサービス」を展開していきます。
地方企業の特徴として東京大手企業と比較すると予算は潤沢ではない事が挙げられます。しかし会社の数はとても多くデジタル人材の不足感は都市部よりも深刻な状況です。
また、少ない予算・人数でサイトの運用から、広告、SNS運用など様々なことを行わなければいけないお客様が多いという点も特徴として挙げられます。
それらの課題を
1.メンバーズグループに所属する1,000人以上のクリエイター
2.リモート環境で全国どこからへでもサービス提供可能
3.1時間単位の契約(※月最低20時間~契約)によりスモールスタートが可能
という3つの要素を組み合わせて解決するサービスになります。
基本的にはこのタイムシェアサービスを主にしつつ、地方の企業が必要とするデジタルトランスフォーメーションに寄与し、デジタル運用が得意な私たちの強みが生かせる領域であれば、積極的にサービス開発していきたいと考えています。
‐ 事業の構想はどのように作られたのでしょうか?
事業の構想は、2019年の12月くらいから練り始めました。1月くらいから、実際に地方企業300~400社ほどのアンケート調査を行い、並行して30~40社に対面でのヒアリングを行いました。地方企業の持つ悩みを掘り下げたところ、先に話したような状況が明らかになり、それを解決できるサービスを考えていきました。
‐ いくつもの社会問題がある中、「地方」に着目したきっかけはあったのでしょうか?
私の妻の田舎が山口県の周防大島というところにあり、結婚してからほとんど毎年夏に遊びに行っています。周防大島はとても自然豊かなところです。子供が小さかったときには、私は会社の夏休みの間にしか滞在できませんが、妻と子供は毎年夏の間3週間ほどその島に滞在していました。歩いて2分くらいのところに海があり、いつでも泳ぎにいけるし魚も釣れるという環境のおかげで、子供は都会っ子のわりには自然に触れて育つことができたと思います。
ただ、毎年遊びに行っているからこそ、去年やっていたお店が今年は閉まっていたり、毎年亡くなられている方がいて人口が減っていったりという島の変化に気がつきました。また、魚も近くの波止場ではだんだん釣れにくくなっている、という変化もありました。若い人たちも、仕事が無いため地元を離れて働いていて、帰ってきたくても帰ってこられないと言っているのを聞いたことがあります。
このままだと自分達も周防大島に帰省することができなくなってしまうのではないか、豊かな自然を自分の子供の子供には体験させてあげられなくなるのではないか、という危機感を持つようになりました。自分なりに何か貢献できることはないかなと思い、親戚のやっている農作物を育てる手伝いをしたり、親戚以外の地元の人とも交流の場を持ったりもしていました。
そして本業でも地方がこの先もイキイキとし同時に持続可能な社会を創ることに貢献できたらと思い、この事業を起案しました。
‐ 今後の展望を教えてください。
まずは色々な企業の課題を理解し、それを解決する事例を創ろう、と考えて多くの企業の「Webサイト簡易調査」を行い、課題点を明らかにして困りごとを解決するための提案を積極的に行っています。
加えて、立ち上がったばかりなので、私達のことを知ってもらえる機会を創ろう、ということでこれまでメンバーズが取り組んできた事で地方の企業の方々に役立つノウハウや情報をウェビナー等で公開する、というような取り組みに力を入れています。
幸い、すでに北は北海道から南は福岡までメンバーズグループの拠点がありますので、自治体の方からも近隣の企業へ私達の存在をお知らせ頂いているような事もあり、大変ありがたく思っています。
2020年4月にスタートして、まだ1年ですが心強い仲間とまずはスタートを切ることが出来ました。
10年後には、地方企業 500社を支援・所属するデジタルクリエイター1,000人というのが目標です。
日本全国のデジタルクリエイター達が、日本中の企業のデジタル化を支えている、そんな姿を目指したいです。
‐ 今後のビジョンを叶えていくために、どんな方と一緒に働きたいですか?
メンバーズルーツのビジョンは「地方企業のマーケティングを変え心豊かな社会を創る」です。地方企業のお客様が実施できる施策の量は、大手企業と比較をすると、予算的に少なくなってくるので、一つ一つの施策の質が大事になって来ると考えています。
このため、施策の質を高めるため、ログデータや顧客行動をベースに課題を出し、自分で手を動かして施策を遂行する実行力がすごく大事だと考えています。
デザイナーやエンジニアの経験から、ディレクターになり、より上流工程の業務にチャレンジしたい人などと、一緒に働けると嬉しいです。