高橋さんは、古川事業所所属の支援員です。大学では障害教育について、そして大学院で臨床心理学を学んでmanabyへ。入社2年目のいま、リーダー職に立候補して学び続けています。
【プロフィール】
高橋 侑果
2022年4月入社
古川事業所 生活支援員/東北エリア生活支援員リーダー
※2023年12月現在
子供たちが働きやすい社会を
―初めての仕事に福祉業界を選んだのは?
もともとは障害児教育に興味があったんです。それで大学では教育学部に進学して発達障害について学び、それから心理学をもっとやってみたいと大学院の臨床心理学コースに進みました。
その学生時代に、いくつかボランティアに参加しました。出会ったのは、障害のある子、障害のある兄弟姉妹を持つきょうだい児、母子シェルターやひとり親家庭、被災地の貧困家庭の子など、様々な境遇の子供たちです。
それからグループホームや就労継続支援A型事業所でのアルバイトでは成人期の障害者支援にも関わりました。それらの経験を通して「子供たちの支援も意義があるけど、大人になって暮らしていくための支援も重要なんだ」と気付いたんです。
自分が本当にやりたいのは、子供たちが卒業して守られた環境を出て自立して働くまでの支援、働きやすい社会づくりだと思い、就労移行支援の仕事にたどり着きました。
―障害児教育に興味を持ったきっかけは?
小学生の頃に1度転校したことがあるのですが、転校前の学校には支援学級があって、休み時間はみんな一緒になってオープンに遊んでいたんです。
一方で転校先の学校には支援学級がなくて、一年に一度、障害のある子がクラスに遊びに来るという交流が行われていました。
それが正直、子供ながらに嫌な雰囲気を感じる経験で……。みんな一歩引いてしまって先生を介してじゃないと会話もできないし、気軽に肩も叩けない雰囲気だったんです。大きな壁ができているようでした。
みんなが話しかけないので先生は怒るし、何もかもうまく行ってない状態です。私はずっと「前の学校みたいだったらいいな」と思っていましたね。今思えば、その子のことも障害のことも知らないから、みんな恐る恐るだったんだと思います。
安心して話ができ、挑戦できる場所
―manabyとの出会いを教えてください
学生のときに、公認心理師の実習でmanaby長町駅前事業所に10日ほどお世話になったのが初めての出会いです。そのときに、学生だった私のことを信じて任せてくれたんです。そんなmanabyの雰囲気がとても素敵だなと思いました。
また「クルーファースト」で(利用者のことを一番に考えるmanabyの価値観の一つ)、一人ひとりに向き合って支援する姿勢にもとても共感しました。それで新卒採用で応募していまに至ります。
―実際に働いてみてギャップはありましたか?
ないですね。長町駅前事業所で感じたものを、配属された古川事業所でも感じています。年上だから、経験値が上だから、というのがなくてちゃんと受け止めてくれるので安心して話せるし、新人でも挑戦できる雰囲気がある。manabyはダイアローグを大切にコツコツやってきたから、こういう環境、雰囲気なのかなと思いました。
―支援員の仕事、どんなやりがいを感じますか?
まずは、クルーさん(利用者)が就職できたときはとてもうれしいです。あとは日々のちょっとした変化、例えば体力が続かなくて週に3回が限界だった方がもう1日頑張って事業所に来れるようになったとか、午前中だけだったけど1時間訓練を増やせた、というだけでもううれしいです。
それから、訓練を通して自信をつけられたとか、レクリエーションに頑張って参加することでコミュニケーションに自信がついてきたというお話を聴けるのも、やりがいを感じる瞬間ですね。
―どんな大変さがありますか?
例えば、頑張りたい気持ちはあるけど体調や気持ちが追い付かず、苦しんでいるクルーさんに対して、支援員には何ができるのかと悩むことはあります。クルーさんが自分で立ち上がるために、どんなサポートをするといいのか、答えがないことに向き合うのは大変ですね。
大変ではありますが、事業所の職員たちに相談をするとか、事業所の枠を越えてオンラインで助言をいただいています。
―高橋さんは生活支援員の東北エリアのリーダーを務めていますね
はい。manabyでは全事業所を横断して職域ごと(生活支援、就労支援、職業指導)に情報を共有して学び合うグループがあります。そのうちの生活支援員のリーダー職に立候補しました。
実は入社1年目から興味はあったのですが、その時はまだ自信がなくて、半年たって今回勇気を出して手を挙げてみました。
やりたいことはあれこれありますが、実際にやろうと思うと難しいですね。とくに会議のファシリテーションや雰囲気づくりは難しい。私は人前に立つのが得意ではないので、「もっとこうしたかったのにうまく行かなかったな」など反省することもあります。
いまは試行錯誤の時期ですが、このリーダーの経験を通して、他事業所のこともいろいろ知っていきたいと思っています。
わくわくと働く
―高橋さんにとって「自分らしさ」とは?
入社してから気づくことがありました。例えば私は適当な人間だと思っていたけど、結構まじめな部類に入るんだなと。あとは自分ではクールだと思っている一方で、クルーさんのことをよく考えていると言っていただくこともあって、事業所での関わりの中で新しい自分らしさを発見しています。
―高橋さんにとって「働く」とは?
manabyを選んだ理由にもなりますが、楽しく、わくわくを感じながらやりがいを持って働きたいと思っています。障害の有無に関わらず、多くの方は学校を卒業して社会人になったら人生の大半は仕事をして暮らしていきます。私はいま必要十分に生活をして、毎日楽しいと思えて、わくわくを感じて働いています。クルーさんにも、働く楽しみを感じていただきたいと思って、日々働いています。
―これからやりたいことは?
組織として、支援品質を向上させていくこと、サービスの土台になるところの整備や整理に携わってみたいと思っています。いまは事業所職員一人ひとりのスキル能力でやっている部分も多く、それをこれからもっとmanabyとしていいところを共有しながら、全体をよりよくしていきたいです。
―どんな仲間と働きたいですか?
クルーファーストの姿勢で、「やってみよう精神」のある方がいいですね。いまも私は日々支援に向き合う中で、他の支援員さんたちのアイデアを聞いて「そんなアプローチがあるのか」と驚かされています。一緒にクルーさんのために挑戦して、いろいろな考えを持つ仲間と高め合いながらわくわく働きたいです。