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HIRAC FUNDが投資を決めたハッカズークとアルムナイの可能性とは【株主インタビュー・前編】

ハッカズークは、「退職で終わらない企業と個人の新しい関係」の実現を目指し、企業向けアルムナイ専門サービスシェアNo1の『Official-Alumni.com(オフィシャル・アルムナイ・ドットコム)』を提供しています。社員だけでなくアルムナイ(現役世代の退職者)も自社の人的資本の一部として、退職後もアルムナイと継続的に関係を維持する動きが大企業を中心に進んでいます。

そこで、ご出資いただいている株主の方々に「なぜ出資していただいたのか」「株主から見たハッカズークやアルムナイとは」を知るべく、インタビューをさせていただきました。前編では、HIRAC FUNDの皆様をお招きして、スタートアップの視点から組織や事業についてのお話をいただきました!

【お話しいただいたHIRAC FUNDの皆さん(敬称略)】

HIRAC FUND GP 代表パートナー 金坂 直哉
HIRAC FUND GP 代表パートナー 古橋 智史
HIRAC FUND シニア・アソシエイト 檜山 悠太朗

ーーまずは、初めて接点を持たせていただいた時のハッカズークに対する印象を金坂さんからお伺いできますか?

金坂:
僕らがちょうどHIRAC FUNDを立ち上げたばかりの2年ほど前にハッカズークのオフィスに伺い、代表の鈴木さんを始めとするハッカズークの皆様とお話ししました。実は、最初にハッカズークのことを知った時、「アルムナイ」というワードでピンときていて。というのも、僕は学生時代にNPOで活動していた経験があり、卒業した今でもアルムナイネットワークを通じて当時のメンバーと繋がりを持っています。一方で、アルムナイの存在は世の中で軽視されているとも感じていました。

ーーNPOでのご経験と同じように企業とアルムナイが関係構築することにも価値を感じられていたのですか?

金坂:
そうですね。僕はマネーフォワードが2社目で、前職は証券会社でした。マネーフォワードに転職してからも、前職の方と交流したり、仕事をしたり、あとはアルムナイ同士で情報交換したりと関係は継続していました。やはり同じ会社で一緒に働いてた人って特別な繋がりがあるなと思っていたので、どの企業でもアルムナイコミュニティを作ることにはとても意義があるなと感じました。

ーーアルムナイネットワークに対してポジティブな印象を持たれていたのですね。

金坂:
はい。ただ、初めてハッカズークと接点を持たせていただいた時には出資を見送っておりまして...(笑)。大企業を中心にアルムナイネットワークを構築する「アルムナイの波」は必ず来ると思うけど、まだ来ないだろうなっていう感覚に近かったです。もう一つの理由としては、出会ってすぐ投資するということは僕らはあまりやってなくて。鈴木さんはすごく高い熱量でアルムナイという面白い事業をやっていると思った一方で、まだ出会ったばかりでもっと関係を深めたいと思い、当時は出資すると言い切れなかったです。

ーーその後、ハッカズークに出資を決めていただけたのはどのような理由があったのでしょうか?

金坂:
1年以上経った時に、鈴木さんを始めとするハッカズークの皆様がブレずに「アルムナイ」に取り組まれていて、アルムナイ市場を形成するという経験を経てチームとしても強くなっていることを実感しました。こんなにも愚直にアルムナイ事業へ注力しているのならきっとうまくいくと思い、今回は出資させていただきました。

ーーありがとうございます。古橋さんはハッカズークに対してどのような印象をお持ちでしたか?

古橋:
僕は新卒でみずほ銀行に入行しているのですが、もう既にハッカズークの「Official-Alumni.com」をみずほが使ってアルムナイネットワークを構築してる!という衝撃があって(笑)。

銀行に限らず、大企業では副業を解禁したり、出向などの越境体験を推奨したりと、終身雇用的な価値観は大きく変わり始めています。一方で、終身雇用の撤廃に対しての受け皿のような機能を果たせる担い手はまだないですよね。そこで「Official-Alumni.com」で作るアルムナイネットワークは人と企業のハブになれると思っています。

ーー「Official-Alumni.com」が終身雇用の撤廃に対する受け皿になれるという表現がとても興味深いのでもう少しお聞かせ願えますか?

古橋:
アルムナイの重要性は日本がレイオフできない国であることと密接に関わっています。日本は人材の流動性が低いことが問題視されている一方で、解雇規制を緩めてレイオフを一気にやるかというと様々な問題があって結局のところ実現するのは難しいですよね。そうなると、企業と社員が相互依存的な関係を解消するための「柔らかい表現の受け皿」が絶対に必要です。僕はその受け皿の役割をアルムナイネットワークが担えると思っています。

ーー仰っていただいたように、終身雇用の限界を機に自社の退職者への考え方を変える企業が増えてきていると感じています。

古橋:
ハッカズークは社会の変化を事前に察知して、早くからアルムナイに目を付けて取り組まれていたのも良いですよね。他の会社でもアルムナイ事業を始められていたりしますが、こういうビジネスモデルに関しては先行者メリットが大事だと思います。それに、大手企業にご導入いただいているのも良い点ですね。

ーー近年、アルムナイへの注目は高まっているように思えます。そんな中で、必ず来ると仰っていただいた「アルムナイの波」と現状のアルムナイの広がりについては檜山さんはどのように捉えていますか?

弊社や弊社クライアントの取り組み事例が日経新聞朝刊1面に掲載されるなど注目を集める

檜山:
まだ本当の「アルムナイの波」は来てない、むしろこれからアルムナイの本格的な波が来ると思ってます。一方で、やはり人的資本の重要性は増幅しているなと感じています。

個人的に、今いる社員をどう良くしていくか、新しく採用するためにどう投資していくかを考えると、必然的にアルムナイにも投資すべきという結論に至ると思います。特に日本企業で自社以外の領域で様々な経験を社員に積ませようという流れにおいては自社の社員を外で経験を積ませるよりも、むしろ既に他社で経験を積んだアルムナイと協業する、場合によっては再入社してもらうという流れを作ることで、人的資本の観点からも強い組織になるのではないでしょうか。

ーー人的資本の重要性が高まるほど、企業も伝統的な価値観を変えてアルムナイとの関係構築をする必要があるということですね。

檜山:
そうですね。もちろん、以前に比べたらアルムナイという言葉の認知は広がっています。ただ、企業が本格的にアルムナイコミュニティを作るという「投資」の波はこれから一気に来るのではないでしょうか。ハッカズークは将来の急成長に備えて、一方で焦らずにプロダクトの改善やお客様の成功事例を作ることが出来ていると思います。

ーーありがとうございます。スタートアップとしてのハッカズークの印象はどのようなものでしょうか?

檜山:
日系企業を中心にアルムナイ専門サービスをどのように営業されているのかをイメージするのはとても難しかったです。そこで、展示会などにご一緒させていただき實重さんなどが実際に営業されている姿とかを見て、企業がアルムナイと関係構築する必要性を啓蒙しているステージなんだと実感しました。スタートアップにとって重要なビジョンと熱量を持っているところが素晴らしいと感じています。

ーー展示会までお越しいただいてありがとうございます。株主の皆様はご存知の通り、ハッカズークは現場の権限を代表の鈴木からレベニュー責任者の實重に移行しています。皆様の視点からはハッカズークの組織の変化はどのように見えていますでしょうか。

檜山:
實重さんなど責任者の方々と鈴木さんの間で役割分担を明確に決めていくことは、組織拡大していく上でも非常に効果的だと思っています。スタートアップはあまり明確に役割を分けずにごちゃごちゃしがちですが、この段階から組織作りに力を入れられているのは良い動きではないでしょうか。

金坂:
僕も實重さん的な創業者ではない立場でマネーフォワードに入って8年ぐらいやっていますが、事業が大きくなったり組織が大きくなるにつれて社長1人で回すことは100%出来なくなります。リーダー陣はもちろん、ハッカズーク全員が創業者と脳内同期をして分身のように動けるかどうかが、スタートアップを拡大させていく上で必要だと常々実感しています。

ーー金坂さんやマネーフォワードさんも過去に同じようなフェーズを乗り越えてきているのですね。

金坂:
そうですね。スタートアップは創業者の思いとか突破力で進んでいくものですが、ある程度事業が大きくなったら仕組み化や権限移譲は絶対避けては通れないです。ハッカズークは取り組んできたアルムナイ事業のPMFも見えてきたこのタイミングで、實重さんなどリーダー陣がこれまで鈴木さんが担っていたボールを受けることで、鈴木さんはこれまでやっていたことを手放せます。

そうすることで、鈴木さんはまた新しい事業なのか非連続なことなのか、あるいはもうちょっと組織全体のことなのか、使うべきところに時間が使えるようになって、リーダー陣からするとすごく新しいチャレンジにもなるので、会社が成長するプロセスにおいて健全なことかなと思います。

古橋:
僕もスマートキャンプを創業したとき、株主周りを含めて3年ほど1人で担当していましたが、創業4年目ぐらいから新しく3名を役員チームに入れて体制を整えた事で、一気に経営の速度が上がりました。定量的にも事業の成長が数字に出たので、もっと早く任せればよかったなと思います。

金坂さんが言ったように今のハッカズークでは鈴木さんの仕事がどんどん奪われていくのが健全な状態だし、普段代表が何してるかよくわからないって従業員に言われるまでがセットなので(笑)。従業員の皆様の力で大きな組織に成長させてほしいですね。

代表・鈴木のインタビューはこちら

ーーその状態までみんなで頑張って持っていきたいと思います(笑)。最後に、ハッカズークに対する今後の期待であったりとか、これからハッカズークに入ろうという方々へのメッセージをお願いします!

金坂:
ハッカズークはより一層、面白いフェーズに入ってくると思いますし、まだまだ少人数で経営をしていて役職に関係なく責任とやりがいを感じられる環境なので、飛び込むには一番面白いタイミングなのではないでしょうか。もし興味ある方はぜひオフィスに行ってハッカズークの皆様と話して、実際に熱量を感じられたらきっと入りたくなると思います!

古橋:
最初にハッカズークを立ち上げたときになぜこれやろうと思ったかとか、この会社をどうしていきたいかっていう想いをぶらさずに共感し続けることが重要だと思っています。僕らも株主って立ち位置もあるので色々意見していきますが、ハッカズークとしてやりたいことが何なのかっていう軸はブラさずに、一つのプロダクトだったりサービスを磨き込んでいく方が圧倒的に差別化に繋がります。愚直に続けていればお金は後から絶対ついてくるのでその辺は心配せずに、サービスを磨き続けてほしいです。

檜山:
ハッカズークの皆様はアルムナイを日本社会に浸透させるビジョンが強烈にあって、日々苦労しながら試行錯誤されていると思います。同時に、新しいことにも挑戦出来るフェーズだと思うので、これから入社される方や今のメンバーの方々とご一緒出来たら良いなと思っています。

>>後編はコチラ:アルムナイを通じて企業と働き手の関係を「自然」に戻すハッカズークの挑戦

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