リクルートでの営業経験を活かし、採用責任者としてビジネスサイドからエンジニアまで幅広く管掌するCHROの岩本さん。「メンバーの働きにくさやストレスを全部無くしちゃいたい」と語り、組織パフォーマンスの向上のために文化づくり・制度設計に邁進中の35歳です。
子どもの頃から「稼ぐこと」に強い関心を持ち、学生起業で一定実現をした岩本さんが、事業を畳んでリクルートに入社した理由とは?
おしゃれでクールなCHROのまさかの過去や、今考えていることについて聞いてみました。
価値を感じてもらえたら、お金は儲けられる
自己紹介をお願いします!
岩本光博です。CHROとして、採用とカルチャー作りをやっています。
実家は建設業で、僕は6人兄弟の長男。月に10万円未満で暮らすような貧乏家庭で育ったので、幼少期から「家族全員を養えるくらいのお金持ちになりたい」と思い続けていました。
そんなことを考えていた中学1年生の時、欲しいと思っていた3,500円のボーダーTシャツに似ている服が、あるお店で500円で売ってるのを見つけたんですよ。えっ、これなら買える!と思って買ったあと「待てよ、もう少し高くても買う人、いるんじゃ?」と思って。オークションに出したところ、2,500円で売れたんです。
当時はネット販売が普及しておらずオークションサイトに進出している業者もほぼいなくて、転売って言葉も認知されてなかったんです。「価値を感じてもらえたらお金は稼げる」と気づいたこの瞬間が、僕のビジネスの始まりでした。
高校からは未経験でテニスをはじめて、1年間ほどで校内1位になり、最終的には県ベスト8までいきました。
いろいろ規格外ですね! どうしてテニスを?
「スポーツで一番になってモテたい」って思ったからです(笑)。野球をやっていたのですが、僕は身体が小さい方なので正直1番になることが想像できなかった。バスケやバレーボールも分が悪い。何なら一番になれるだろうって考えたとき、身体のサイズがそんなに関係なくて、経験者の少ない、モテるスポーツとして「これしかねぇ!」と思ったのが硬式テニスだったんです。
せっかく男として生まれたからには、自分はどこまでできるのか挑戦したい、知ってみたいという気持ちが強くて。最速で一番になってやろうと思って、できることはなんでもやったし、他の人の3倍は練習しました。全く知人のいない大人のテニスチームに「上手くなりたいので混ぜてください」とお願いして、土日も夜10時くらいまでずっと見てもらっていました。
結果的にはそんな時間もかからずに一番になることができて、自分を理解した上でマーケットさえ間違えなければ、困難も達成できると確信しました。やってもないのにできないって決めつけるのは、嫌なタチなんです。
自由とお金を捨てて、会社員になる
その後はどんなキャリアを歩んできたのですか?
大学は2つ行き合計4年通いましたが、どちらも中退しています。中退後も変わらず服の販売をしていて、徹底的な流行調査やありがたい仕入れ先との出会いのおかげで順調でした。実はそのときに仕入れていたのは、焼却処分される予定の服。きれいなのにもったいない!と思って買い取った服を買ってもらえて、価値提供できた喜びがあったし、利益率も非常に高く、事業としては順調でした。
ただ服は陳列在庫が多いと売れないという特徴があって、1つ売れたら1つ売りに出すような作業が必要なため、スケールさせるのが難しかった。他に不動産事業もやりましたが、稼げるものの労働集約で同じことの繰り返し。あまりやりがいが感じられませんでした。
会社として人を雇って一緒に働いたりもしていましたが、僕自身がやりがいを感じないと「このメンバーは、5年後・10年後も一緒に働いてくれるのか?」と不安を覚えるようになって……。お金を稼ぎたかったはずが、気づいたらお金よりも人の気持ちが分からないことが気になって、とにかく落ち着かなかった。
だから「従業員の気持ちを理解するためには一度、サラリーマンを経験しないとダメなんじゃないか?」と思うようになったんですが、サラリーマンになるのってめちゃくちゃ怖くて。2年間悩みました。
サラリーマンになるのが怖い?
その時点での僕は時間拘束が少ない仕事をしていて、かつ自由に使えるお金もそれなりにありました。それなのに、サラリーマンになったら1日に8時間以上働かないといけないし、しかも給料が固定で、かなり減ることになるんですよ。
朝に弱いから起きられるか不安だし、そもそもサラリーマンになることが僕にとって本当に役に立つのか分からない(笑)。この状況、めちゃくちゃ怖くないですか……?
その恐怖を振り払って「就活するぞ」と決意するまでに2年かかったわけですね。ただ、決意を固めても就職活動をしたことがなかったので、どんな企業が世の中にあるのかすら分からない。友達に相談して、結果リクルートに応募・入社しました。
なぜリクルートを選んだのですか?
僕が大切にしたかったことは3つ。サラリーマンの経験を通じて人が働くモチベーションの源泉が知れること。サラリーマンを辞められる環境であること。人と比較して自分の強みを知れること、です。
「辞められる環境」については、居心地が良かったらずるずると留まり続けてしまうんじゃないかと思って。一生そこで働くという意思決定をしないように、数年で辞められる会社を選びたかったんです。
「人との比較」については、リクルートという社名さえ知らなかった当時の僕でも、営業の人数が多い大企業なんだなと分かったので「やるからには営業でどこまで通用するのか知りたい」という競争心で挑みました。
就活面接はしたことがなかったので取り繕っても仕方ないと思い「正直、御社のことは何も知りませんでした。サラリーマンを経験してみたいです。サラリーマンを経験させてもらえたら、必ず成果でお返しします。口約束で申し訳ないですけど、絶対に採用してよかったと思ってもらえるパフォーマンスを出します!」と伝えました。まさかの5分くらいで「面白い!」と言ってもらえトントン拍子に進み、無事に会社員デビューを果たしました。
リクルートで働くことで学んだことはたくさんありますが、仕事を続けていく上で社会的意義の大きさが重要だと理解できたのはすごく価値があったと思っています。ニッチな事業であっても、社会的意義を感じてもらえたら人はついてきてくれるのではないか。今の僕には、ビジョンを描く力とそれを伝える力が大切だと感じました。
今しかできない経験が面白いと思った
ユニオンテック(現クラフトバンク)との出会いは?
ちょうどリクルートを卒業し、ある企業で雇われ社長をやることになっていた頃に、知人から「面白い会社があるから、代表と繋いでもいい?」と言われました。他社の内定承諾済みだけどいいのかと聞くと、それでも良いということだったので話を聞いてみることにしたんです。
それで行ってみたら韓さんは15分くらい遅れてくるし、いきなりドッカリ座わって「俺、娘いるんだけど、名前、なんだと思う?」って聞いてくるんですよ!いや、全然知らないし、興味ないよと(笑)。でもまあ、かしこまってへりくだった感じの人よりは良いかなと思って、逆に好印象を抱いちゃったんですよね。
それで話を聞いてたら、自分では到底作れない社会的意義の大きさが魅力的だったし、僕が今から経験することはできないリクルートでのグローバル経験を持った人と一緒に大きなマーケットで上場を目指せることに興味を持ちました。何より韓さんが事業のことを面白そうに語るので「自分で会社をやるんじゃなく、他の人が面白いって思っているビジネスに共感して裁量持って動かすのも面白そうだな」と感じるようになって。
雇われ社長はいつでもできるけど、ベンチャーの立ち上げ期に韓さんと一緒に働くっていう経験は今しかできないと思い、会って1時間半くらいでこのボロ船に乗る意思を固めちゃいましたね。
「僕のことが必要なら、入社しますよ」って伝えたら、韓さんが「え?まだ面談1人目なんだけど、採用ってこんな簡単なの?!」って驚いてました(笑)。
人事として働くことになった経緯は?
最初は事業開発として営業みたいなことから始めていたんですが、ある日韓さんから「岩本ってめちゃめちゃHR向きじゃない?」と言われまして。「得意かは分からないけど、自分がHRをやることで会社や事業が1秒でも早く成長するならやります」と言って、人事担当になりました。
韓さんに言わせると理由は大きく2つあったみたいです。まず、相手のことをフラットに捉えることができること。自分と相手のレベル感を比較することなく、求める人物の基準ごとに物事を捉えられるのが良いと言われました。
次に、営業に行った先でどんな社長の心も握って帰ってくるから、人に合わせて魅力を伝える力があると。たしかに僕は人の仕草や目線をめちゃくちゃ見ているタイプなので、関心があるとかないとか、仕草でなんとなく分かる気がしています。
当時はピンときませんでしたが、「判断ができてアトラクトもできるから向いている」ということだったんだなと、今になってようやく分かるようになりました。僕は自分の強みがなんなのか分からない人間だったので、韓さんが見出してくれたのはありがたかったです。
世の中の普通に囚われない、最高の環境を目指して
現在のお仕事について教えてください。
クラフトバンクの採用は当時から全員野球ですが、ハイパフォーマーの傾向を明らかにして言語化し、それと似た人を探して採用するのが僕の仕事ですね。
あとは、クラフトバンクらしいカルチャーや働きやすい環境を作ること。特に全力でみんなにパフォーマンスしてもらえるように、「働きやすい環境づくり」に注力しています。会社があることによって「働きづらい」ってならないように、変な制限は取っ払っていますね。出社することも、朝9時から働くことも、一切強制したくない。世の中の普通に囚われず、それぞれにとって最高の状態に整えていきたいです。
現状は、制度化して全員に押し付けるのではなく、メンバーそれぞれにどうしたら働きやすいか考えてもらっています。指示を出すんじゃなく一緒に考える、悩む。その上で「こうしたい」と言ってくれれば、会社はそれを応援します。それがイコール、裁量権になっているんですよね。他の人が決めたことをやるんじゃなく、各々が「こうしたらいいかも」と思ったことにチャレンジできる文化になっています。
目指す組織像や目標は?
例えば一人ひとりが稼げる金額を最大化していきたいとか、「自分が社長だったらこういう会社を作りたいな」という理想は常に持つようにしています。今の世の中にある企業の当たり前が最適解だとは思ってないので、全員が働きやすいと声を揃えるような仕掛けをどんどんしていきたいな。余計なストレスは減らし、お客さんに対し徹底的に価値を出し続けて欲しい。そのような組織を作ることが僕の仕事かなと。
あとは、2-6-2の法則……つまり積極的なメンバーは組織全体の2割になるっていうけど、4割ハイパフォーマーにするにはどうしたらいいんだろう?とか考え続けていたりします。
ひとつの仮説として「自分じゃなかったらできなかった」っていう成功体験をみんなが掴むことで圧倒的に成長しますし、仕事のクオリティもモチベーションも上がるかなと思っていて。だから「それはお客さんに対して超付加価値出せてる? 」と問いかけ続けてますね。
僕自身、誰でもできるような及第点の仕事はしたくないので、常に全力で考え、行動することを重視してます。80点で満足せず、120点を取りに行く姿勢が文化になれば、自然とハイパフォーマーの比率も上がるんじゃないかなと。
クラフトバンクは工事会社の業務効率化と売上拡大を支えることで、稼げる世界観を目指す会社です。逆に自分たちが稼げていないのはおかしい話なので、お互いに稼げるWin-Winになれるようなパートナーを目指したい。
一人ひとりが個社にコミットする経営コンサルのようなイメージで顧客の経営に深く貢献しながら、自分が自社にどのくらいの利益をもたらしているかを意識する。その方がみんな、経営者感覚で向き合い続けられると思うんですよね。
そのためにも、年功序列や社歴関係なく成果に対し評価できる超フラット・超オープンな環境を作り続けたいです。
IT業界は直近数十年でできてきた業界ですが、建設業は何千年も前から社会を支えてきた業界です。このレガシーと言われる産業があって、日々僕たちは幸せに生きていける。このことを胸に刻みながら向き合い続けています。
クラフトバンクは、社会的意義の大きい仕事や、圧倒的に成長できる環境を求めている方には最適な場所だと思います。裁量も大きく、今いるメンバーは3年後に独立したいなどの夢を持って日々スキルを磨いていたり、少しでも業界を良くしたいという想いで愚直に感動を求めて工夫しています。
創業3年目のベンチャー企業なので福利厚生のレベルは大企業には及びませんが、従業員の半数以上が低学年以下のお子さんを育てながら働いていて、柔軟な働き方ができるのが特徴です。
ちょっとでも関心を持っていただけたり、共感してもらえるポイントがあったら、ぜひ話を聞きに来てください! 雑談のようにフラットにお話しできたらと思っていますし、面白いと思ってもらえる自信があります(笑)。
応募はそこで興味が湧くかどうかで判断してもらえれば大丈夫です。気軽なご連絡、お待ちしています!