テクノロジー起点でありながら、複数の事業展開で社会課題解決に臨む弊社ピクシーダストテクノロジーズ(以下、PxDT)。
弊社の行動の原理となっているのが、「ソーシャルインパクトドリブン」という指針です。
そうした考えを基に「社会にとって必要な臓器になる」と語る代表取締役COO村上に、弊社の目指す世界観やカルチャーとはどのようなものなのかを、改めて話してもらいました。
日本の研究開発のROIを上げたい
ーー現在の立ち位置と業務内容を教えてください
現在、PxDTのCOOとして、BizDev(ビジネスディベロップメント)の組織の中に入って事業全般の管理をしています。
各プロダクトのチームを横串で見ることが多く、細かい指示を出すというよりは、それぞれのファンクションのリーダーやメンバーに任せながら、方向性やベクトルをすり合わせてサポートしているイメージです。
なので、それぞれの事業部で自律的に動いているメンバーをコーチしながら回している、という感じですね。
ーーPxDTにジョインしたのは、どのような経緯ですか
2017年の頭ごろに、落合から「一緒にやらないか」と声を掛けられたのが、ジョインする直接的なきっかけでした。
OKを出した理由としては、僕と落合の感じていた「課題」が一致していたからでした。
僕はかれこれ20年近く、「日本の研究開発のROI(Return On Investment)を上げる」というテーマを追求しており、その手段としてキャリアや仕事をトライ・アンド・エラーで取り組んできました。
落合と話していると、彼は彼で「このままだと日本のアカデミアは死んでしまう」という話をよくしていて、自分は200万円かそこらの研究費で研究をしているが、同じ学会で横で発表している海外の研究者は数億円使っていることも珍しくない。全く桁が違うし、勝ち目がない、と。
じゃあ、何が違うんだと言われたら、彼らは研究所で研究をしているだけではなくて、その成果を社会に還元して、正当な対価をしっかりともらってそれをまた研究費に充てている。
他方で、日本の僕たちはそこまでやりきれていない。そこまでやらなければいけないのではないか。
そんな考えを聞いて、それは僕のやりたかった「日本の研究開発のROIを上げる」というビジョンと一致するなと思いました。
新しい技術が世の中の人の役に立つかたちで循環させることができれば、より豊かな世界が広がるというイメージができました。
そこから、日本法人を立ち上げ、落合と一緒にやってきたという経緯です。
ーーPxDTが、ほかのスタートアップと異なるのは、どのような点でしょうか
普通のスタートアップと圧倒的に違い、かつ分かりやすいのは、この企業フェーズでプロダクトのポートフォリオを複数展開している点だと思います。
とは言え、それぞれの事業は全く異なるスタート地点のものではなくて、すべて「波動制御」の考え方がベースになっています。
僕らが呼んでいる「波動制御」とは、音・光・電波を制御する技術を基礎として、そこから世の中の役に立てる、意義や意味のあるプロダクトを作ろう、というものです。
通常は、一つのプロダクトに注力せよ、と言われるのがスタートアップの常識と言われる中で、複数のプロダクトでポートフォリオを作っているというのは、非常に珍しいのではないかと思います。
ーーその考えはミッションにも表れていますね。なぜ、連続的に事業を生み出していく必要があるのでしょうか
そうですね。会社のミッションとして、「『社会的意義』や『意味』があるものを連続的に生み出す孵卵器(ふらんき)となる」を掲げていますが、それは表現は変われども創業当初から変わらない考え方です。
なぜ、連続的にプロダクトを生み出す孵卵器、仕組みを目指すのかと言えば、それが理想とする未来にとって必要なパーツだと思うからです。一つ一つのプロダクトも勿論ですが、アカデミア連携もしながらテクノロジーで世の中をよくしていく、その射出装置としての孵卵器そのものが必要なのではないかと。
落合は「社会彫刻」と言ったりしますが、僕は、「会社とは社会のオーガン(臓器)である」という言葉が好きです。
つまり、社会全体を一つの身体に見立てて、健康な身体を作るためには、それを維持・作っていくための臓器が必要であり、また会社としてはそうした必要不可欠の存在を目指しています。
PxDTが生み出す新しい技術が、世の中を少しでも良くし、そしてそれを生み出す孵卵器が社会に対して必要な機能として回り続けるような状態を究極的には目指していますね。
技術起点で社会課題を解決する
ーーまさに弊社がPxDT VALUEとして掲げている「社会価値の追求(ソーシャルインパクトドリブン)」の考え方に通じますね。このあたりについて、もう少し詳しく教えてください
PxDTをどのように表現すべきか。落合とメタに会話する際によく、「現代風のソニー」と言ったりします。
ソニーの設立趣意書を見てみると、「自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」と書いてあり、創業時の創業者の言葉には、「(そこから出てくるものは)祖国の復興に資するものだ」という表現をしてたように記憶しています。
つまり、行動自体のベクトルは規定されていて、理想工場を作って祖国の復興に資するものを生み出すのである、ということにはコミットするが、そこから何が生まれてくるかを特定のプロダクトとしては特段規定していない、という構造になっているんだと理解してます。
これは先ほども触れた「孵卵器として、社会彫刻、社会の臓器になる」という僕たちの考え方に非常に似ていると思います。孵卵器になるのだ、そこから生み出されるものは社会に対して意義や意味があるもの、ソーシャルインパクトのあるものだ、但し特定のプロダクトレベルでは規定しない、と。
ーーPxDTならではの強みも見えてきますね
弊社のスタートはR&Dベンチャーなので、やはり技術が起点になるんですね。
ここで気をつけておかなければいけないことは、技術オリエンテッドになり過ぎてしまった結果、誰にどのような価値を提供できるかどうかよりも、技術(手段)が目的化してしまう恐れがあるという点です。
そうではなくて、あくまで僕たちにとっての中心は、「社会に対して意義や意味があるものをつくるんだ」という想いです。
そのベクトルをブラさずに事業を進めていく、というニュアンスが「ソーシャルインパクトドリブン」には込められています。
ーー現在、特に注力している社会課題の領域はありますか
あります。今、会社の軸足にしているのは、「Workspace」と呼んでいる領域と、「Diversity & Healthcare」の2領域です。
「Workspace」領域とは、いわゆる現場のDXのイメージです。特にフォーカスしているのは、建設業界の人手不足を解消するための、デジタルを活用したソリューションです。
二つ目の「Diversity & Healthcare」領域は、障がいをお持ちの方々がより社会参画できる方法を考えたり、あるいは、クオリティ・オブ・ライフを上げるために僕たちの技術が使えないかという視点で考えています。
加えて言うなら、障がいをお持ちかどうかに関わらず、ヘルスケア全般に資するところでソリューションを生み出せないかについても重要視しています。
ーービジネスとしての手応えは、いかがでしょうか
しっかりとした研究成果のエビデンスや、これは世の中に出す価値がある、ということをある程度確信を持ってビジネスを進めているので、非常に手応えは感じています。
一方で、研究開発がメインだったところから、ビジネスを組み立てていかなくてはいけないので、そのための仕組みや組織づくりの精度はこれからも上げていく必要があると思います。
なので今、ビジネスサイドのメンバーを増やして、より強くしていかなくてはいけないと考えています。
毎日が学園祭前日のような面白さ
ーーPxDTで働く面白さとは何でしょうか
やはり連続的に事業が生み出されていく会社ですので、事業の立ち上げからその後のグロースまで、プロダクト開発におけるさまざまなフェーズを体験できるのが魅力の一つです。
事業のゼロイチを身につけることが出来るので、将来起業を考えている方にとっても、良い修行の場所になるのではないかと思います。
ーーカルチャーの特徴について教えてください
中にいる人は、基本的に皆さんとても優秀で、ロジカルさと一定以上のパッションを持っている点が特徴的かなと思います。
あとは、ハードウェアも扱うので、現場をすごく大事にしますね。もちろん、外部に委託できるところはして、効率的かつ社内で抱え込みすぎないオペレーションを心がけています。
カルチャーの軸になっているのは、やはり、ソーシャルインパクトドリブンの部分ですね。去年の年末に社員総出で会社のバリューを見直した際に、「社会価値の追求」という言葉がどのチームやメンバーからも出てきたのが印象的でした。
技術を起点にした会社としては、珍しいカルチャーの特徴を持っているのではないでしょうか。
ーーこの会社で働いていて面白いと感じるのは、どのような瞬間ですか
こんなものができたぞとか、デザインしたハードウェアのプロダクトが上がってきたぞとか、お客さんからこんな声をもらったぞとか、そういった出来事はウィークリーやデイリーで起こっていて、自分たちの会社が世の中に価値を出すところに近づいている感覚を肌身で感じながら仕事ができるというのは、最近特に面白いです。
またそれが実現できれば、反応はより大きくダイレクトに響いてくるので、これからもっと面白くなることは間違いないと思います。
会社のフェーズとしても、これから世の中に新しいサービスを次々に出していくタイミングでもあるので、まさに今は学園祭の前日のような興奮がありますね(笑)
複数事業にゼロイチでコミットできるフェーズ
ーー 一緒に働きたいと思う人は、どのような人ですか
僕らがいくつかのプロダクトでタックルしているような課題感や社会課題に対して、強い関心があるような方に入ってきていただけたら、極めて楽しく働けるんじゃないかなと思います。
あとは、0→1の濃いビジネス経験が積めるので、将来起業を考えている方にもおすすめです。
会社として取り扱うテーマは、全て落合や僕から落ちてくるわけではなくて、現場で生み出された技術や大学との連携により生まれたものなど、起点はそれぞれあるので、現場からどんどん自ら起案して、事業を起こしていっていただきたいですね。
分野の異なるいろいろな事業を横目で見ながら、社会課題にコミットできるスタートアップは、なかなか無いので面白いのではないかと思っています。
ーー今後、PxDTをどのような会社にしていきたいですか
社会の臓器になりたい、と先ほども言いましたが、僕たちの技術を活用したサービスが世の中を良くするための仕組みを作り上げていきたいです。
足元では、直近、会社はR&Dフェーズだったので、これからまさに市場からのフィードバックを繰り返しもらいながら社会的な価値や意義ある取り組みを届けていきたいですね。
ある人にとっては、起業の修行の場かもしれないし、ある人には遊び場のように感じるかもしれません。そのように課題に対していろいろなチャレンジをできるような会社を目指しています。
ーーまさに今、ジョインするには面白いタイミングということですね
そうですね。組織づくりをしながら事業作りをしている段階なので、そのダイナミズムを感じられるフェーズです。それに伴って、責任あるポジションにも抜擢されやすい環境もあると思います。
かれこれ4年以上かけて準備してきた研究開発期間の一周目が終わりつつあり、今年から来年にかけて、エンドユーザー向けのプロダクトもいくつか出る予定です。アカデミア発ならではの勝ち筋も十分あります。
今後、第一線で活躍したい人にとっては、出来上がった組織でやるよりも、活躍の場を自分でどんどん拡げていけるこの局面は、非常に魅力的なキャリアをつくることができる場所なのではないでしょうか。
今回のストーリーをお読みいただき、少しでもピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)が目指す世界観や働く面白みにワクワクしていただけていましたら嬉しいです。ご興味をお持ちいただけるようでしたら、ぜひエントリーをお待ちしております。
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