おさんぽ記録を通じて愛犬の健康を管理できるアプリ「onedog」を運営してきたdotDでは、ペット領域での新規事業としてドッグフードの開発を始めました。
IT領域メインに事業開発を行ってきた私たちが、なぜドッグフード産業に参入し、レシピから自社開発することになったのでしょうか。新規プロジェクト「onedog Deli」誕生の経緯をお伝えします。
▼目次
- 新規事業検討のきっかけ
- 候補プラン選定
- なぜドッグフード「onedog Deli」なのか
- フードづくりは挑戦の連続
- 愛犬との幸せな生活のために
1. 新規事業検討のきっかけ
愛犬のお散歩と健康管理アプリ「onedog」
当社では「onedog」の開発をきっかけにペット産業と関わるようになりました。2018年の立ち上げから現在までオーナーさんと愛犬たちが健康で楽しい毎日を送れるよう、オーナーさんたちの声を聴き、より使いやすいサービスを目指し、日々内容に改善を重ねています。
社内には、わんちゃんを飼っているメンバーが多く、愛犬家とわんちゃんの幸せを追求するアプリの開発は原体験を通して得た課題感を解決することで社会に価値を還元できる事業であり、熱意を持って取り組んでいます。
しかし、企業活動の基本は収益を生むことです。「onedog」だけではなかなか大きな収益には結びつけることは難しく、限界も感じていました。
そこで、新たな事業を立ち上げてみようという流れが生まれたのです。「onedog」の枠から一度外れて新しい事業を開発すべく、2022年2月に新事業開発のためのプロジェクトが始動しました。
2. 候補プラン選定
新しい企画チームのメンバー5人は全員愛犬家です。「愛するわんちゃんのため会社の収益のため、何をすべきか」を具象化するため、まずは徹底的にペット市場について調べました。経験のあるペットテック領域だけでなく、ペット産業という大きな領域でのトレンドや課題、競合先などを調査し、事業化できそうな分野を探していったのです。
その中からメンバー全員が使命感を感じ、熱意を持って取り組んでいけそうなものに絞り、熱いディスカッションを重ねました。
結果、最終候補として2つの企画が残りました。
1つ目は「ペットシッターのマッチングサービス」。お留守番をするペットとシッターさんをマッチングさせるアプリの開発事業であり、私たちにはなじみのあるペットテック領域のものでした。
2つ目が人間品質の手づくりごはんに代わる存在となる冷凍フードを開発・提供するサービス「onedog Deli」であり、今、みなさんにお伝えしているこのプロジェクトです。
なぜIT領域メインに事業開発を行ってきた私たちがドッグフード産業への新規参入を決めたのでしょう?
3. なぜドッグフード「onedog Deli」なのか
一番の理由としては、ペット市場でフード市場がペット産業で最も大きな市場であり、新しいユーザーからの需要が生まれている領域であるということ。
現在、市販されているドッグフードは大きく分けて、
- スーパーなどで販売されている一般的なドライフード
- 原材料や製造過程にこだわったプレミアムフード
- 栄養バランスが整った手作り感覚の冷凍フード
の3種類があります。
元々は①のドライフードが定番でしたが、近年はわんちゃんの家族化の流れが進んできており、ドッグフード産業においてもより高単価で高品質なフードが求められるようになってきており、②③のような高付加価値なフードの需要が急速に伸びてきています。
しかしながら、③の冷凍フードの場合、従来のドライフードにトッピングとして加えて与えるようなニーズも多く、フードを組み合わせた際の摂取カロリーの管理ができていないユーザーさんも多いことが分かりました。
栄養バランスに気を配っているとはいえ、与える量が間違っていれば、わんちゃんの理想体重の維持が難しくなってしまいます。
そこをアプリと連携させることで、サポートできるのではないかと考えたわけです。わんちゃんの運動量から与える量を正確に導き出せれば、与えるフードの量を適正に保つことができ健康維持が図れるでしょう。
効果をより高めるためには栄養価を正確に把握したフードも必要です。私たちが得意とするITのサービスとドッグフードを掛け合わせ、運動と食事面からわんちゃんの健康維持をサポートするサービスを始めようとドッグフード産業への参入を決めました。
国内ではまだ小さな冷凍ドッグフードの市場ですが、これからの成長が期待できる分野であり、私たちが持つデジタル技術と掛け合わせることで、私たちにしかできない画期的な商品が生み出せるはずです。
私たちdotDは事業創造ファームです。
私たちは「失敗を恐れず社会に新しい価値を生み出す事業を創っていく」ことを企業テーマとしており、今回の「onedog Deli」プロジェクトを通して、それを具体的なかたちでみなさんにお伝えしていきたいと思っています。
4. フードづくりは挑戦の連続
現在、私たちは冷凍ドッグフードのレシピづくりを行っています。
わんちゃんの健康を第一に考えた食いつきのよいフードをつくるために、レシピ開発のプロや冷凍技術のプロ、ペット栄養学会理事の獣医師の先生などに協力を仰ぎ、試行錯誤で開発を進めています。
近々試作品をメンバーの愛犬たちに食べてもらう予定でおり、彼らがどんな反応を示してくれるのか?わんちゃんによる審査に向けて今レシピの最終調整に入っています。
レシピが定まった後は工場試作に進み、量産に向けてギアを上げていく予定です。ドッグフードを作るにあたっての全工程が挑戦の連続です。すべてが初体験なので、勝手が分からず、不安になってしまうこともしばしばです。しかし、自分を信じ仲間を信じ、私たちにしか作れない最良のドッグフードをつくるために開発メンバー一丸となって、全力で業務に取り組んでいます!
5. 愛犬との幸せな生活のために
この事業を立ち上げたことで、ペットフードやドッグケアの専門家を通して正確な情報にふれる機会が増え、今まで私たちがいかに認識&知識不足でわんちゃんに接していたか気付きました。
「だいたいこのくらいでいいかな?」的なアバウトさで愛犬にごはんをあげていたのですが、やっぱりアバウトじゃダメなんです。体重が小さい子ほどアバウトでの管理が難しくなる傾向にありますから、正確なフード管理で愛犬の健康をキープしてあげたいですよね。
今、フード開発と平行し、どのくらいの運動量でどのくらいの量をあげたらよいのか、個体差や状況に応じたフードの適正量を計るためのアプリの開発も進めています。
「onedog Deli」プロジェクトでは、フードの販売だけでなくわんちゃんの正しい食事方法や運動方法などの情報も発信しながら、愛犬との生活をより豊かにしていくための方法を探っていく予定です。