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EdTech 新規事業立ち上げでの0→1デザインプロセス 【ロゴ編】

こんにちは。dotDデザイナーの山口です。
なんだか大層なタイトルをつけてしまいましたが...
今回、弊社で新しく自社事業として開発を進めている『meepa』のロゴを作成したので、そのプロセスをご紹介できればと思います。

『meepa』は、「子どもの本当の好きに出会えるAIによる課外活動マッチング」というコンセプトのサービスで、コンセプトを英語に意訳し("Meet your passion")、省略し、最終的にmeepaというサービス名になりました。ちなみに、今春から地域を限定してPoCを開始する予定になっています!

▼目次

  • ロゴ制作の背景
  • ロゴ制作の前に
  • 「らしさ」の言語化と発散
  • 切り口を見つける
  • ラフデザイン→3案へ絞り込み
  • ブラッシュアップ版の制作
  • 3案→最終案の決定
  • 仕上げはフィボナッチサークルで
  • これから

ロゴ制作の背景

まず始めに、今回ロゴを作る事になった背景としては

が主な要因となります。

いや、そもそも暫定版って何?0から作るんじゃないの?って話なんですが、スピーディにニーズ検証を行うための仮想LPを作り、ターゲットとなる方達へのヒアリングを実施するために用意したロゴ&クリエイティブが存在していたんです。

この暫定版デザインは、
・3歳〜12歳までの子どもを持つ親向けのサービス
・お子さんの本当の好きが見つかる
・AIによる課外活動マッチング
などを考慮して「それっぽい感じ」に仕立てたものでした。

はい、meepaじゃないですね。プロジェクト開始当初は「dotE」というコードネームで進めていました。dotDが提供するdotE。安直ですね...笑
とはいえ事業責任者の山中は中々気に入っていたようです。
そんな彼が主導して辿り着いたサービス名についての検討はこちらにまとまっているので興味があれば読んでみてくださいね👇


意外と知らない!?新規事業のネーミングで気を付けるべきこと(別記事の続編)|Kentaro Yamanaka
こんにちわ。dotD山中です。3回目の更新です。始めた時は継続できるか心配でしたが、これだけ続けばしばらくは大丈夫そうですね。 今回の投稿は、以前onedog CPOの後藤が当社のonedogがリブランディングの一環で名称変更した際に取りまとめた「グローバルサービスのネーミング方法」の続編になります。 ...
https://note.com/kyamanaka/n/n4bc372d70806

ロゴ制作の前に

僕はこれまで長年デザイナーとして活動してきましたが、0からサービスを作る機会って実は無かったんですよね。

制作会社に居るとロゴのリニューアルに関わる機会はありますが、その場合そもそもサービスのコンセプトやクリエイティブのコンセプトが明確になっていますし、見えている課題を解決するための施策になるわけで、0からロゴを作るということは即ちクリエイティブのコンセプトを決めることも必要になるわけです。

という訳で、実際にロゴを制作するにあたってのプロジェクトの流れや進め方は下記の記事などを参考にさせていただきました。


Refcomeリブランディングの舞台裏|degoo
Refcome CXOの出口 (@dex1t) です🙋‍♂️ Refcomeは2020年2月をもって、コーポレートおよびサービスロゴのリニューアルを行いました。 Refcomeのロゴが新しくなりました | Refcome (リフカム) 株式会社リフカムはコーポレート及びサービスロゴをリニューアルいたしました。日々ご利用いただいているユーザーの皆さまに向けて refcome.design このリニューアルに至るまで、会社の在り方を探るところから始まり、パートナー探しや、リサーチ、多数のプロトタイピング、VI
https://note.com/dex1t/n/n1ca4296c6987


heyインサイドストーリー 〜heyのCIデザインプロセス全記録〜|Takamasa Matsumoto
先日発表された、CoineyとSTORES.jpの経営統合によって設立されたheyのCIデザイン制作をストアーズのデザイナーである中間(@chucaaan)さんとお手伝いさせていただきました。 CIデザインのプロセスは、ビジョンを見えるかたちにしていくことを通じて、その背景にある思想や想いを辿ることそのもの。 ...
https://note.com/stam_mat2/n/n5282047afb1d


STORESロゴデザイン漂流記 〜完成に辿り着くまでのアイデアと対話の全記録〜|Takamasa Matsumoto
CoineyとSTORES.jpがheyへと経営統合してから約2年。 それぞれ別々のサービスブランド名で運営していましたが、統合してついにひとつの 「STORES」として始動することになりました。 ブランド統合にあたり、STORES.jpとCoineyのデザイナーによる組織横断メンバーと、外部パートナーで組成されたブランドデザインチームで、新生「STORES」のロゴデザインをつくりました。 ...
https://note.com/stam_mat2/n/na2a2aae1bf5a


これらを踏まえて、ロゴを作るにあたって3回のワークショップを実施する事にしました。


「らしさ」の言語化と発散

Day1ワークショップに参加してもらったメンバーは、サービス名検討ワークショップに関与していた方や、meepaの事業に関わりたいと思って本プロジェクトに参加してくれたインターンの方々の計8名です。ワークショップは、リモートでの開催とするため zoom + miro を使用して進行しました。

まずはメンバーが現状で感じている「meepaらしさ」を言語化してもらうために、meepaらしい(こうあって欲しい)キーワードとmeepaらしくない(こうなってはならない)キーワードをそれぞれ8マスシートに記述してもらった後、何故そのキーワードを出したのかを1人1人に説明してもらいました。


結果は、みんなのアウトプットに大きな違いは無く、なんとなく向いている方向は一緒!という事が分かりました。(前段で触れましたが、このワークショップを開催している時点では仮想LPも存在している為、多少のバイアスがかかってしまっている事は想定出来ますが。)
内容を一部抜粋したものが👇

これらのキーワードを元にロゴを作る...と言ってもまだまだ抽象的ですし、ヒントが少ない気がしますよね。そこでロゴ制作の鍵になるようなキーワードを得る為に、ここで得られたキーワードから更に連想されるキーワードを全員でどんどん追加、発散していきました👇

たくさんのワードが出てきて、「これは良い切り口になりそう」と思えるキーワードもチラホラ出てきたように感じました。

カラーの検討
最初に出してもらった「らしさ」のキーワードを元にカラーの検討も行いました。左がキーワードを4象限マップにプロットしたもので、右が日本カラーデザイン研究所が提唱している配色イメージスケールです。

SOFT / WARM エリアにキーワードの偏りがあります。情緒的なキーワードや振る舞いに関するものが多かったようです。対してCOOLやHARD寄りのキーワードは機能に関わるものが含まれていた傾向があったように思います。
対応する色を見てみると、たのしい・ポップな・子どもらしい等のカラフルで明度の高い色が当てはまりそうですね。HARD寄りの重厚なイメージはもちろん該当していません。

このカラー検討については、個人的には想定通りの結果となりましたし、暫定クリエイティブの印象ともズレていませんでした。とはいえプライマリカラーは何なのか?など今後検討しなければならない事はあるのですが...ひとまずDay1はここまでの検討で終了となりました。

切り口を見つける

Day1で得られたキーワードを元にロゴのラフデザインを作らないとならない訳ですが、まずはロゴをつくるためのクリエイティブのコンセプトとも言える切り口をいくつか見つける事にしました。

マッピングされたキーワードの中から自分が気になったものをピックアップして、その周辺にある言葉を抽象化してみると...4つのグループに分けることができました。

なんだかデザインの方向性としては差が出そうですし、それぞれがmeepaの特徴を表すものなので良い気がしてきました。
とはいえこれで本当に良いのかな?と思い、マッピングされたキーワード群を少し整理してみました。

大きく4つの分類に分けており、ベースにあるのは「らしさ・振る舞い」。そしてサービスを使うことで生じる「情緒価値」、サービスが提供している「機能価値」、サービスを体験して得られる「ベネフィット」としました。

こうして俯瞰して見ると、先程の4つの切り口がそれぞれ情緒的価値、機能的価値、ベネフィットにうまく分散していました。ベースにあるものに関しては全てに共通して含まれているべきものなので、切り口のバリエーションとしてはこれで良さそうです。

ここからは4つの切り口でラフデザインを進め、Day2に臨みます。

ラフデザイン→3案へ絞り込み

Day2ワークショップへ向けて、ラフデザイン案はデザイナー2名で複数案を持ち寄る事にし、被らないようにするために事前に擦り合わせを行いました。また、作り込み過ぎずに方向性を判断できるレベルのものを用意しました。

用意したロゴ案👆に対して1人3票投票してもらい、上位3案をベースにブラッシュアップしてくる流れとしました。

結果的に残った案は下記の3案でした!

以上、全員からフィードバックを出してもらったところまででDay2は終了となりました。

ブラッシュアップ版の制作

Day2で残った3案のそれぞれを、フィードバックを加味してブラッシュアップ版を検討していきました。色のバリエーションやシンボルマークのパターン、ベースのタイポグラフィの選定や調整など...。

別プロジェクトの合間に時間をつくり、ひたすら検討を重ねていきます。デザイナー同士で毎日定例MTGを設定しているので、その際にフィードバックをもらいつつ、改良を重ねていきました。

この段階では細かな差異や調整が多くなっていたので、デザイナーのみで検討を進めました。結果としてブラッシュアップ案はそれぞれ👇のようになりました。判断材料としてキービジュアルやアイコンなども一緒に用意しました。

1. 個性案

ラフデザイン版では要素が重なり過ぎていた為に読み難さがあったので、同系色で濃淡をつける事での奥行きや組み合わせを表現したもの(上)と、部分的にカラーを入れる事で印象づける案(下)を用意しました。

個性案はカラフルなロゴにすることは決めていたので、使用するカラーの選定や彩度・明度のパターン検討を繰り返しました。5文字における色の順序も見る人への印象がガラリと変わるため、考慮しなければならないものでしたが、「明るさ」「元気さ」などの印象を与えたいと考えて赤〜黄の暖色系から始まるパターンを採用しました。

2. あたらしい世界案

扉のモチーフを扉とゲートの2つで表現することをやめ、ゲートと飛び出すオブジェクトのみで表現する事にしました。丸、三角、四角のオブジェクトは、meepaを通してあたらしい世界へ踏み出す、多様な個性を持って変化していく子どもたちを表現しています。

3. 成長案

ラフデザイン案から、木のシンボルマークをかなりシンプルにしました。子どもらしさや親しみやすさを強く感じてもらえるような柔らかい形状にしつつ、木として認識してもらえるような状態を目指しました。


...4案になってる!

そうです、個性案のみカラフルさの主張具合や読みやすさのパターンとしてどうしても2パターン用意したほうが良いと思い追加しちゃいました。
でもこういうの大事だと思うんですよね。

これで最終案の絞り込みDay3へと臨みます...!

3案→最終案の決定

Day3ワークショップでは、3案(4案)の改良点やコンセプトを説明をして、良いと思うものへ1票投票してもらうようにしました。もうここまで来たら、どの案になっても良いものが出来たと思っていたので、結果を見守るだけです🙏

投票の結果は...

扉案に決定しました!🎉

...が、その場で個性案も捨てがたいので、タイポグラフィを組み合わせてみたらどうか?という意見が出た為、急遽サンプルをその場で作成してみることに。

案外成立しますね。
更なる投票の結果、満場一致で左バージョンが選ばれました。
これでロゴは決定となりました🎉🎉🎉

仕上げはフィボナッチサークルで

ロゴは決定したものの、クオリティとしてまだ詰める余地があるということで、特にシンボルマークの不安定さの改善を中心に調整していく事になりました。

そこで調整の手法として、下記を参考に進めてみようと決めました。

黄金比を使ったロゴデザインのプロセスとは?|Goodpatch Blog グッドパッチブログ
黄金比を使ったデザインは、ロゴを含む多くのデザインに使用されています。黄金比は1:1.618の比率で、人間にとって最も安定的で美しい比率とされており、黄金比を使ったロゴデザインのプロセスの詳細をご紹介します。
https://goodpatch.com/blog/logo-design-by-golden-ratio

記事を参考にして、フィボナッチサークルを用意し、それらを使ってオブジェクトの大きさや配置を整えていきます。

オブジェクトの大きさや向き、角度などのバリエーションも作成していきました。この辺りのやりとりもデザイナーのFBをもらいつつ進めていきます。

調整前後での変化は👇のようになりました。

シンボルマークが整理されたのと、全体的な余白やバランス、色味の調整を行いました。元々少し間延びしていた部分が詰まって強度が出た気がします...!

最終的にFIXとなったロゴは👇

これから

ロゴは決まりましたが、各種ガイドラインの制作の必要も出てくるでしょうし、その他のデザインに関しても新しいロゴやクリエイティブコンセプトを反映していかなければなりません。やることは山積みです💦

そもそもmeepaは今春からPoCを実施予定なので、サービスとしてまだまだ動き始めたばかりです。子どもを持つお父さんお母さんの助けになれるように、またお子さんが新しい可能性を見つけられるように、プロジェクトメンバー一同スピーディに事業を推進していくつもりです!

meepa | 子どもの本当の好きに出会う 課外活動マッチングサービス
meepaは「子どもの本当の好きに出会う」を目指して、幼稚園・保育園・学童などで子どもたちが様々な体験の機会を得られるように、園と課外活動提供者をマッチングするサービスです。
https://meepa.io/

また、meepaの事業を一緒に進めてくれるメンバーも募集していますので、興味のある方は是非チェックしてみてください👇


Webエンジニア
子どもの本当の好きと出会う!EdTech事業立ち上げエンジニア募集!
【世の中に新しい価値を生み出し続ける事業創造ファーム】 私たちdotDは、 ひとりひとりの「当たり前」に変化をもたらし、新たな「喜び」を届けることを使命に、 既存の価値に技術と知識と経験をつなぎ合わせ、新たな価値を創り出し、豊かな社会づくりに貢献する 『事業創造ファーム』です。 ・社員の問題意識を起点に様々な事業作りにチャレンジする「自社事業」 ・大企業との協業で社会的インパクトを創出する「共創事業」 の2つのやり方で、複数のプロジェクトに並行して取り組みながら、世の中に新しい価値を生み出すことに日々挑戦しています。 自社事業例:愛犬とオーナーに、「次の幸せ」を届けるプラットフォーム「onedog」 ・世界7億世帯、22兆円マーケットと呼ばれるペットテックの領域でペットテックプラットフォームonedogを提供しています。最初からグローバルマーケットを取りに行き、単純なアプリではなくその先のプラットフォーム戦略を見据えたビジネスを推進しています。 共創事業例:クルマの鍵屋だからできた安心安全のデジタルキー TOKAI RIKA 「Digitalkey」 ・クルマから始まり、生活で利用する様々な「鍵」をデジタル化し、それらが繋がることで未来のスマートシティを支えるサービスです。クルマ以外のモビリティ、オフィスなどの建物、駐車場などもデジタルキー化し、物理的な「鍵」のないシームレスで便利・安全な社会の実現を目指します。 ・dotDはTOKAI RIKA Digitalkeyを、構想策定から開発、セールス・マーケティングまで一貫して、共同事業として運営しています。 今回は、2020年10月に新たに立ち上げた自社事業プロジェクトとして、 子どもが本当の好きと出会うためのEdTech事業の立ち上げメンバー(エンジニア)を募集します。
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