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OSSメンテナーとしても活躍!創業時からFlyleの開発を支えるエンジニアが見据える開発のこだわりとチームの未来

CEOの財部の誘いを受け、日系大企業から創業期のフライルに入社したエンジニアの山下さん。フライルでの仕事やエンジニアとしてのこだわり、目標に加え、プライベートで行っているOSS活動についても伺いました。

山下 裕一朗 / エンジニア
2015年に新卒で富士通に入社。大規模システムの再構築プロジェクトやインド駐在、DX推進などを経て2020年4月にフライルに入社。フライル入社後は主にフロントエンド、バックエンドを担当する。 また、OSS活動としてSvelteのメンテナとしても活動している。

大企業から創業時期の4名のスタートアップへ

―これまでの経歴を簡単に教えてください。

山下:2015年に新卒で大手システムベンダーに入社し、保険系基幹システムの再構築プロジェクトを担当しました。私は「開発支援チーム」の一員として、全体で500~600人ほどいる開発者に対して、開発標準や開発プロセスを整備すると共にこれらを支援するツールを開発しました。プロジェクト規模も大きく、社会に対してインパクトのあるシステムを開発しているという点でやりがいを感じていました。

また、同社時代にインド駐在も経験しました。同社が海外のオフショア拠点として力を入れていたインドで20名程度のチームを立ち上げることがミッションでした。言語や文化の違いを考慮しながらオンボーディングや彼らに合ったプロセスを策定し、最終的に遅延なく計画通りに開発ができるチームを組成することができました。

その後、2020年4月に創業当初のフライルに参画しています。

―転職のきっかけは何でしたか?

山下:コンピュータに触れるタイミングは人より早かったこともあり、高校生の頃からソフトウェアエンジニアとして仕事できれば良いなと思っていました。新卒入社後は順調にシステム開発の経験を積んでいきましたが、長い人生を乗り切るためには企業のラベルなしでも個人として価値を提供できる人材になった方が良いと考え始めました。

個人としての価値を高める方法の一つとして、創業初期のスタートアップで上場まで経験するのが良いのではないかと考えていました。そのタイミングで、大学の先輩であるフライルCEOの財部から (当時はフライル企業前)「これから起業をするから、一緒にやらない?」誘われました。財部は前職でも大きな実績を残しており、人間性の面からも信頼していた人でもあったため、ゼロから事業を作る経験ができる千載一遇のチャンスだと思い、参画することを決めました。

こだわるところを明確にし、チームの成果を最大化する

―今の仕事内容を教えてください。

山下:今の仕事は大きく2つあります。1つが「Flyle」というプロダクト本体の開発に関わる業務。もう1つが新サービスである「Flyleサーベイ」の立ち上げにおける開発業務です。

「Flyle」に関しては、他のメンバーが主に機能実装を担当しており、私はレビュー、必要に応じて技術的なサポート、機能のリリース時期の管理などを担当しています。また、最近はエンタープライズのお客様も増えてきており、セキュリティ関連の対応も行っています。

「Flyleサーベイ」は少数チームでプロダクトの立ち上げを行っており、技術選定から実装までをほとんど1人で担当しています。

―仕事をする上で気をつけていることを教えてください。

山下:チーム全員が気持ち良く働けて、各自の意見を活かしてチームとしてのアウトプットを最大化できる状態を維持することです。創業当初は人も少なく、自分が書いたコードがそのままチームのアウトプットとなる状況でした。ただ、組織が少しずつ大きくなる中で1人で進めることに限界を感じ、チームで最大の成果を出す視点が求められるようになりました。

フライルでは、チームメンバーそれぞれが異なるバックグラウンドと考え方を持っており、全員の考えを完全に一致させることは難しいです。そこで、「①チームとしてこだわるところとこだわらないところを明確にすること」、「②全員が臆することなく発言でき、意見の組み合わせによってより良い方法を生み出し続けられる環境の維持」の2点が重要だと考えています。これはフライルのバリューである「多様性を力に変えよう」にも通ずる部分だと思います。

多様な強みを持つメンバーが頼り合い、前向きに議論を重ねられている

―エンジニアとしてのこだわりはありますか?

山下:1つは、静的検査・コンパイルの時点でなるべく多くのエラーに気づける状態にすることです。プログラムでバグを見つけるタイミングは、主に「コンパイル・静的解析」「テスト」「動作確認」の3つに分けられます。スタートアップ企業においては、まずはPMF (プロダクトマーケットフィット) することが最優先事項です。早期にPMFを達成するためにスピードが最重要なので、初期から充分なテストが書けるとは限りません。そこで、テストなしでもできる限り多くのバグに気づける仕組みが必要だと考えます。これを実現するためにフライルでは、①静的型システムを採用する、②静的解析ツールを導入し、必要に応じて社内向けにカスタマイズする、の2点を用いてできる限り多くのバグに気づけるようにしています。

2つ目は、今見えていない事に対して必要以上の設計をしないことです。特に「Flyle」は、プロダクトマネジメントいうまだベストプラクティスが確立されていない領域のプロダクトです。私たち自身も「プロダクトマネジメントとは何か」を学びながら、既存のプログラムも修正し続ける必要があります。そこで、過度な設計はせず、「テストがしづらい」「コードが読みづらい」などの具体的な問題が発生したときに、それを解決できる最小のプラクティスを適用する程度に留めています。

最近は導入企業も増えてきたこともあり、中長期的に戦えるプロダクトにするためのリファクタリングも積極的に行っています。

―フライルでのやりがいや面白さはどんなところにありますか?

山下:フライルでは、組織全体で決めたロードマップに従って、優先度の高い機能を開発し、ユーザーにどの程度の価値が届いたかを確認し、次の機能を開発するという流れで開発を実施しています。

特筆すべき点として、「なぜ今その機能をつくる必要があるのか」「その機能開発は理にかなっているのか」など、その機能を開発する背景が常に明確です。顧客に価値を届けている実感を持って開発することができる点はやりがいを感じる部分だと思います。

―バックグラウンドの異なるメンバーが集まってきている今、開発チームに対して思うことはありますか?

山下:率直に、素晴らしいチームだなと思います。テクニカルな面では、スペシャリティがいい感じにバラけている点。インフラに強い人もいれば、フロントエンドに強い人もいるし、バックエンドに強い人もいる。その意味で、お互いがお互いを頼れる環境にあります。

コミュニケーション面でも、リモートメインの働き方である中、スプリント毎に振り返りを実施したり、既存のシステムに対する改善案をディスカッションしたりと、日々前向きに議論を積み重ねることができていると感じています。

多分に恩恵を受けてきたOSSに何か還元したい

―プライベートの時間の使い方を教えてください。

山下:休日のうち、月に2~3日しか予定を入れないようにして、多くの時間をOSSの活動に当てています。

基本的には、カフェに行って19時くらいまでOSSの作業をします。その日の進捗に応じて、夜も作業したり、技術関連の動画や記事を見たりしています。予定がある日でも、その前後の時間に余裕があればOSS関連の作業をしています。

―社内でも、山下さんといえばOSS活動というイメージがあります。その内容についても少し教えてください。

山下:基本的にはGitHubに上がってきたイシューのトリアージ、上がってきたプルリクエストのレビューを行い、問題がないものはマージします。他には、大きな設計の相談があればメンテナーとしてディスカッションに参加することもあります。

前職で大企業にいた時はほとんどOSSを使わなかったのであまり関心がなかったのですが、フライルではいろいろなOSSを活用していて、そのおかげでプロダクトが成り立っています。普段からOSSを使わせてもらっている中で、何か還元したいと思うようになりました。中でも「Svelte」というOSSの考え方に強く共感したので、Svelteに貢献することにしました。

―OSS活動をして良かった点や学びは何かありますか?

山下:エンジニアとしての知見が広がる点です。例えばSvelteは、アクセシビリティに力を入れているので、アクセシビリティに関するイシューやプルリクエストが多く出てきます。僕はアクセシビリティについて全く詳しくありませんでしたが、1つ1つ調べていく中で少しずつ理解が深まっています。(それでもまだ全然わからないことだらけですが)

それと同時に、ライブラリや実装パターンに関する知見も増えてきました。例えば、フロントエンドフレームワークである Vue 2 を Vue 3 にアップグレードするタスクでは、TypeScript を抽象構文木で扱うライブラリを使用することでほとんどの作業を自動化することができました。別の例では、OSS活動を通じて fixture を用いたテスト手法を学びそれを社内にも導入しました。

Flyleをプロダクトマネジメント領域におけるグローバルスタンダードに

―将来的な目標を教えてください。

山下:個人としての目標は、アメリカで仕事をすることと、アメリカの大学院に行ってコンピュータサイエンスを学ぶことです。ソフトウェアエンジニアとして多少の経験を詰んだので、改めてコンピューターサイエンスを学びたいと思っているのと同時に、最先端のIT技術者が集まる場所で、どんな人たちがどんな仕事をしているのか知りたいと思っています。理想としてはフライルのグローバル展開のタイミングで自分も行くことができたら良いなと思っています。

―どんなエンジニアと働きたいですか?

山下:フライルでは静的型システムや静的検査を積極的に活用した開発を行っています。そのスタイルに共感していただける方と一緒に働けるといいなと思います。

また、日々新たな課題と直面する中で、今解かなければならない課題と、そうではない課題の見極めができる眼も重要です。今エンジニアチームは業務委託含めて10名ほどで、まだまだ少数の組織です。顧客や事業しっかり理解し、今やるべきことに対して柔軟に対応できる人がマッチすると思います。

―フライルへの応募を検討している方に向けてメッセージをお願いします!

山下:20年前にセールスの仕事を効率化するために開発されたSalesforceは世界中のセールス活動を爆発的に向上させ、今ではセールス領域におけるグローバルスタンダートとなっています。

あらゆる業界でソフトウェア開発が行われるようになった今、フライルも「プロダクトマネジメント」という領域でグローバルに大きな価値を提供できる可能性を秘めていると僕は思っています。プロダクトマネジメント領域におけるSalesforceを、ぜひ一緒につくっていきましょう。

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