エンタープライズ企業のバックオフィス業務革新を目指すパトスロゴスでは、開発チームのリーダー候補となるエンジニアの中途採用を行っています。今回は、Combosite人事給与の開発リーダー・原さんと、HR共創プラットフォームの開発リーダー・岩崎さんに、パトスロゴスの開発思想や求める人材像について聞きました。
<話者プロフィール>
原 壮広
2017年、株式会社ワークスアプリケーションズに新卒で入社し、財務部門の社内SEとして会計システムやSCMの契約管理システムの作成、ERPパッケージの置き換えなどに携わる。2022年にパトスロゴスに転職し、人事給与SaaS「Combosite人事給与」の開発リーダーとしてフロントエンドや様々なタスクを担当。
岩崎 勇介
2010年から金融系システムなど多様な領域で開発に携わり、生命保険関連のシステムでは開発リーダーも経験。2015年からはワークスアプリケーションズにてHRやAC、SCM、ECなど一通りの開発案件や導入案件を担当。2022年5月からはパトスロゴスで「HR共創プラットフォーム」の開発リーダーとしてデータ連携基盤を担当するほか、Combosite人事給与の給与計算チームにも携わる。
特化型SaaSをつなげて個社カスタマイズを実現する「HR共創プラットフォーム」
――「HR共創プラットフォーム」とはどんな製品ですか?
岩崎
HR共創プラットフォームとは当社が開発するデータ連携基盤を指すもので、労務系や健康管理、身上申請や勤怠管理など、人事給与業務に特化した様々なSaaSと繋がっており、統合型のERPシステムのように各種人事SaaSを組み合わせて使うことができるものです。
当社のプラットフォームと接続している共創パートナーには、SmartHRさんやオフィスステーションさんなどHR SaaS業界の中でもトップ10に入るようなリーディングカンパニーが並んでおり、当社が開発している人事システムのコアとなる「Combosite人事給与」などとも組み合わせながら、ユーザー企業が各会社の事業に合わせて最適なERPシステムをスムーズかつ柔軟に構築できることが特徴です。
――統合型ERPではなく、あえて他社SaaSとの共創型である理由は何ですか?
岩崎
統合型ERPにはモノリシックなパッケージの製品も多く、新たに機能追加をしようとすると既存の製品との連携や整合性を合わせる必要があり、莫大な開発工数がかかるのが課題でした。一方で特化型SaaSであればその開発工数が縮小され、市場へのリリース・顧客からの改善速度も早くなる。当社のHR共創プラットフォームは、様々な特化型SaaSを組み合わせて、各ユーザー企業が自社の業務に最適な形にカスタマイズし、一つの大きなERPにすればいいという発想で開発しています。
原
モノリシックな統合型ERPは、どうしても開発に時間がかかることもあり、新しい変化に対応しきれず、競争優位性が落ちていくという課題もあります。その問題意識と、世の中にある様々な素晴らしいSaaSをかけあわせてできたHR共創プラットフォームは、新しい時代にマッチするERPなんです。
――社員数が多いエンタープライズ企業の人事給与にも、各SaaSの組み合わせで対応できるものなのでしょうか。
原
会社ごとにやりたい業務の質は異なるので、統合型ERPを導入している会社であっても、結局はその業務に特化したSaaSをERPにつなげようという発想になります。ところが、中心にある統合型ERPに仕様が引っ張られるため、SaaS連携は大変な作業なんです。僕自身も前社で導入したことがありますが、かなり面倒でした。だから、中心となるHR共創プラットフォームに汎用的に使える構造化データだけを持たせ、個別の業務は各SaaSが担うというのは理にかなっています。実装にあたっては、当社の営業がお客様の業務をヒアリングし、最適なSaaSの組み合わせを提案しています。
実際の業務をできるだけ取り込みつつ、開発スピードを緩めない。パトスロゴスの開発思想
――Combosite人事給与とHR共創プラットフォームの開発にあたっては、どのような開発思想で取り組んできましたか?
原
人事・給与の業務はあらゆる会社に存在し、人事部の他業務、他情報とも密接に関係する、人事部のコアと言える業務です。そのコア業務に対応した製品である「Combosite人事給与」は、使う人の利便性・業務の効率化を最優先に捉え、人事部の人が給与計算をした後に行うチェック作業なども含めて、すべてシステムで完結できるように落とし込んでいます。
岩崎
HR共創プラットフォームも同様に、1つの業務をただ実行するだけではなく周辺業務もシステムに取り込むことを大事にしています。人事部の方たちの時間を削減し、よりクリエイティビティの高い仕事に充ててほしいという思いで、UI/UXにこだわっています。
あとは、設定の使いやすさにもこだわりました。製品企画前に行ったヒアリングでは、既存ERPは複雑になりすぎて「一人の担当者しか触れない」とか「設定を変えられない」といった状況が聞こえてきました。だからこそ、担当者が変わってもスムーズに引き継げる操作性・機能性、設定のしやすさを意識しています。
――ユーザー層であるエンタープライズ企業には様々な業種業態があり、多様な雇用形態や勤務形態が混在しています。HR共創プラットフォームではどう解決していますか?
岩崎
パトスロゴスの考え方として、すべての勤務形態を100%網羅したシステムを開発するつもりはなく、7割のユーザーが使ってくれるであろうものを優先的に開発しています。求められるすべての機能を作ろうとすると、最終的に保守性の悪いシステムになりますし、開発スピードも落ちてしまうからです。残る3割のユーザーの要件を満たす方法としては、個社カスタマイズ可能なアドオンの基盤を実装しようとしています。今年度中のリリースを目指し、今進めているところです。
原
パトスロゴス代表の牧野によれば、欧米ではバックオフィス系の業務は標準化されており、会社が違っても基本的には同じ業務をしているそうです。人事制度が個社ごとにガラパゴス化し、手当などが細分化・多様化しているのは日本だけなんですよ。それが本当に会社の競争優位性を上げるのかは疑問で、当社としては将来的に、そういった人事制度や手当の細分化・多様化をなくすような提案を発信していきたいんです。そうなれば複雑化した要件もどんどん減り、細々とした手当を計算する部分はアドオンで対応できます。もちろん勤務形態ごとの計算システムなどは必要ですが、人事給与領域における複雑性をできるだけ除外し、やりたい業務に合わせて組み合わせることができれば、シンプルにやりたいことすべてが叶います。我々が目指しているのはそういう世界観です。
――単にHR領域のプロダクト開発をするだけでなく、HR業界の将来も見据えているということですね。
原
はい、そこまで考えられるのもパトスロゴスで働くやりがいですね。様々な知識やサービスをどう組み合わせるか、自分たちがどういう設計で作るのがHR業界にとって最適かということを日々考えています。統合型ERPだと、すべて自分たちの製品で解決しようとするので、業界の将来的なイメージをあまり深く考えなくてもいいかもしれません。でも、当社は各SaaSの役割を知り、どういうデータが入ってくるかも見据えて、調和をとりながら開発を進めています。難易度の高い仕事ではありますが、業界のいいところを残しつつ無駄はなくし、標準化していくというのはものすごくやりがいがあります。
岩崎
HR共創プラットフォームは、HR領域のすべてのSaaSを含めて良くできる可能性を秘めています。そのデータ基盤を作れるのは、日本だと、ワークスアプリケーションズで統合型のERPに関わり続けた牧野さんしかいないはずです。人事給与の標準を定義し、それに協調してくれるサービスが接続してくれる。共創プラットフォームを介してつながることで、すべてのSaaSが1個の巨大なERPとして協調して動く。そういう世界観を実現できるのは、パトスロゴスしかありません。
パトスロゴスの魅力と求める人材像
――パトスロゴスで働く魅力、ここでしか味わえない面白さは何ですか?
原
僕らはよく当社の雰囲気は「部活」のようだと言っています。当社のメンバーはエンジニアに限らず、業界の中でも成長意欲やモチベーションが特に高い人ばかりです。そういう人たちと同じ目標をもって切磋琢磨できる環境は貴重ですよね。
岩崎
エンジニアにとっての魅力でいうと、いわゆる技術負債がない状態で開発に携われることですね。もちろん既に年次の人事業務が回せるよう一定のサービスは完成はしていますが、これから開発する機能も多く、中途で入ってくる方が希望を出せば、まっさらな状態から一気に開発を進めていくことができます。これがもし歴史のあるモノリシックなプロダクトだと、複雑なソースコードの上に少しずつ付け足すという開発スタイルになると思いますが、今のパトスロゴスなら技術負債のないまっさらな状態から開発できます。
――HR領域にこれまで関わってこなかったエンジニアの方も多いと思いますが、基礎知識がなくても活躍できますか?
原
HR領域のキャッチアップは、SCM(サプライチェーンマネジメント)や会計などと比べると10分の1ぐらいの量だと個人的には思っています。HR領域に関わったことがなくても、やろうと思えば1~2カ月で大枠は把握できるので、入社時に業務知識がなくても全く問題ありません。
岩崎
個人的には、まっさらな状態から開発に関われるところに強い魅力を感じていたので、領域にはこだわりがありませんでした。私の場合は営業と一緒にお客様のところへ行って、課題や議論の内容などを伺いながらキャッチアップしました。パトスロゴス内には人事給与を知り尽くした人がいますし、HR領域の知識がなくても大丈夫です。
原
そもそも当社はいちHR SaaSを作っている会社ではないんですね。今作っているのはたしかに人事給与の製品ですが、当社がやりたいのはあくまでHR業界全体の改善です。人的資本経営の改善に介入していく手段として、たまたま人事給与の製品から開発が始まっただけです。だから、日本の人事そのものを変えていきたい、そのための土台となるシステム環境をこの会社で大きく変えたいという思いがある方なら、楽しめると思います。今後は人事給与だけでなく会計や他の領域にも広がる可能性もありますし、今HR領域に詳しいかどうかはそこまで重要なことではありません。
――HR領域のプロダクト開発だけに関わりたい人の採用ではないということですね。今はたまたまHR領域の開発をしているだけだと。
原
そうですね。将来的には、HR共創プラットフォームに蓄積されたデータを分析し、日本の人事業界の現状を発信していきたいと考えています。そうなれば、開発側にもただHRの製品を作るだけでなく、データの分析という視点が求められます。そういうところにも興味を持って取り組んでくれる方は向いています。
――ほかにはどんな方が向いていて、どういう人だと活躍できますか?
岩崎
ゼロイチが好きな方、難しい課題を解決していくことに面白さを見出す方は、絶対に向いていると思います。手取り足取り細かく指示することはありません。自分で課題を設定して、課題解決のための方法を見つけて、自分ゴトとして仕事を捉えて解決していけるマインドがある方に来てほしいですね。
――逆に、向いていないかもしれないのは?
原
開発リーダーに配属されるルートでの中途採用はありますが、「マネジメントだけしたい」という人は向いていないと思います。
岩崎
たしかに、マネジメントしつつ自分も手を動かしたい方を求めています。みんな優秀で能動的に動いてくれるから管理コストが低いというのもありますが、部下の管理にフォーカスする必要がなく、自分自身も第一線のエンジニアとして開発できるのが魅力です。私も、パトスロゴスに来て久しぶりにガッツリ開発に関わりました。自分が当事者になり、現場に入って一緒に問題解決します。メンバーをうまく動かしつつ自分も開発できるというのが魅力です。
――「工数管理とベンダーコントロールがメインだ」という価値観の人には向いていないけれども、マネジメントをしながら自分も手を動かし、第一線のエンジニアとして活躍したい方にはぴったりですね。数年後に自分で会社を起こしたい人にとっても、経験を積みやすいですよね。
原
そうですね。大企業だといろんな調整や承諾が必要ですが、パトスロゴスならわりとすぐに実現できます。もちろんメンバーであってもできますが、リーダーだと自分も自由にやりながら、人を動かして大きな規模で取り組めます。
――現在の開発メンバーは約50名で、上場の頃には将来的には100名程度になる見込みとのことですが、今後どういった組織作りをしていきたいですか?
原
ヒエラルキー組織ではなく、ホラクラシー組織にしたいと考えています。今の開発メンバーはみんなが責任を持ち、自分に一定の裁量を与えて役割を全うしているため、フラットな組織が実現できています。上長の指示を仰がないと何もできないような人はいません。自分たちの役割を自らの責任でやるという組織体系は、パトスロゴスの風土にマッチしています。
岩崎
たしかに、みんなが主体的・自律的に動く組織がいいですね。2022年10月頃から開発が始まりましたが、みんなで仕事しながらルールを決めていったので、今は形骸化してしまっているルールもあると思います。これまではもちろん、新しく人が増えても、誰もが「このルールってなんで必要なんだろう?」と問題提起できるようなフラットな組織でありたいです。
原
あとは、規模が大きな会社でよくあるように、新卒の人たちがみんなテスターに配属されてしまうのは避けたいです。つまらないですし、その人の成長のためにもならないので。少数精鋭で全員が有能な組織にしたいです。
エンタープライズ向けサービスの「ゼロイチ」ができる
――興味を持ってくれた求職者の方に向けて、「パトスロゴスのここが面白いよ!」と背中を押す一言をお願いします。
岩崎
僕は「ゼロイチ」ですね。ゼロイチができること、それがパトスロゴスの面白さです。でも、2年後にはゼロイチができる環境ではなくなっているかもしれません。来るなら今です。
原
逆に、なんで来ないのか分からないと思ってしまうくらい、開発者にとって魅力あふれる会社だと思います。
岩崎
もしかしたら、安定志向の方にとっては「スタートアップは将来が不安」という思いがあるのかもしれません。
原
創業から2年が経ち、資金調達にも成功しています。製品開発も順調に進み、想定通りに売れてきてきていますので安定しているのは伝わるかと思います。逆に、「あと1年もすれば先行者利益(誰も手を付けていない開発領域)はなくなるよ」と言いたいです。
――牧野さんの思想のもとで、ゼロイチの開発ができるチャンスは今しかないですよ、ということですね。ありがとうございました。
多数存在する SaaSが成長するためには、横展開ではなく縦に成長する必要があります。パトスロゴスは市場原理で動いているシステム市場に逆らい、数百社あるSaaSの成長のベクトルを規定して、日本のSaaS市場の成長の方向性をあるべき方向に是正しようとしています。HR領域の未来のために、パトスロゴスで一緒に開発に取り組んでくださる方を募集します。