超高速開発プラットフォームOutSystemsとは
OutSystems Platform(以下:OSP)はOutsystems社が提供する「ローコード型超高速開発プラッットフォームサービス」です。Outsystems社はPaulo Rosadoにより「エンタープライズソフトウェアを変革する」というビジョンのもと、2001年にポルトガルで設立された企業です。
日本ではBlueMeme社やCTC(伊藤忠テクノソリューション)などが販売、導入支援を行っています。
OSPはトヨタをはじめとする大手企業にも導入されており、社内システム構築に活用されています。その背景には人手不足による競争環境の変化、ITが競争力の源泉になっていくことが事情としてあり、OSPの「超高速開発」が生産性向上につながることに起因しています。
OSPはUI部品および画面テンプレート、ロジックを構成するビジュアル言語が標準で豊富に準備されており、アプリケーションシステムのビジュアル開発を行うことができます。UI部品等の開発部品はドラッグ&ドロップすることで簡単に設置できるため、最低限のコーディングで直感的にプログラム作成が可能です。そのため、ITベンダーに頼らず、自社のリソースだけで構築を完結させるシステムの「内製化」にも大いに貢献しているプラットフォームと言えます。
そのため、プログラミング初心者または未経験でも取っ付きやすく、比較的短期間で基本的な開発手法を習得できるツールです。
さらにOSPでは1回のクリックでUI、データベース、ワークフロー、統合コンポーネントをデプロイできるため、「超高速開発」が可能となっています。スマートフォンやタブレットなどあらゆるデバイスに対応でき、用途に応じたサービスが提供可能です。
OSPでできること~アジャイル開発の実現~
OSPは先述した「超高速開発」が主な特徴となっています。それにより、プログラムの修正から検証のPDCAを高速回転させる、いわゆる”アジャイル開発”を実現しています。
OSPには「超高速開発」を支援する技術が多く備わっています。例えば、開発時のエラーですが、OSPはコードの間違いや型の違いを検知し、メッセージとして表示してくれるので、どこでエラーが発生しているかをすぐに特定することが可能です。
また、開発時は多くのパラメータを使用することが多いですが、パラメータの名称から推測して型を自動決定してくれます。これは、テーブルのカラムでも同様です。
その他、Forgeと呼ばれる既成の便利なアプリケーションが沢山提供されており、それらを参照することで「超高速開発」をアシストしてくれます。OSPはWindowsとの親和性が高く、Excelライクな処理を実行できるDataGridもForge提供されていますので、基幹系システムのような業務システムに歓迎される開発プラットフォームになっています。
ただし、完全にコードレスというわけではありません。SQLやJavascriptなどのコードを埋め込むことも可能です。
ビジュアル開発でわかりやすい&高速開発
世界中に広がるOutSystemsユーザーコミュニティ
OutSystemsのアカウントを作成すると、プラットフォーム上にある様々なリソースを活用できます。その中でも大きな特徴としては、"Forum"(フォーラム)と呼ばれる世界中のユーザーが誰でも自由に質問し合える掲示板が存在します。(基本的には英語ですが)。
同じようなことに悩んでいる方に直接聞くことも可能ですが、既に同じようなトピックが立っていることも多いため、私が技術につまづいた時はよく参考にしています。
その他にも無料で学習できるオンライン教材も多数アップされているので、初心者でもしっかりトレーニングを積むことができます。
エクスブレーンが携わる案件での活用
弊社でのOSPの活用例としては、全国規模で中古品の小売店を展開している上場企業様の基幹システム開発に活用しています。
OSPはビジュアル開発ですので、検証用の画面作成を素早く行うことができます。これはお客様(システムユーザー)との仕様決定を進めるための足掛かりになります。お客様に早くシステムの操作感をご確認いただけることで要望確認をスピーディーに行うことができ、PDCAをより高速に回転させることができるからです。
また、プログラミングの経験が浅くても直感的にロジックの組み立てが可能なため、経験の少ないメンバーでも早期に即戦力になれるというメリットもあります。
OSPの最大の特徴である「超高速開発」は「開発者」にとっても「お客様」にとっても有益である活用点であると考えています。