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【イベントレポート】Women’s Career Meeting 先輩に相談!マネージャーとして働く私たちの悩み

2023年10月12日(木)に、オンラインイベント「Women’s Career Meeting #2 先輩に相談!マネージャーとして働く私たちの悩み」を開催しました。

「Women’s Career Meeting #2 先輩に相談!マネージャーとして働く私たちの悩み」とは?


スタートアップではたらく女性マネージャーがまだまだ少ない日本。成果を出して機会を掴みマネージャーになった後も多くの悩みが出てきますが、社内にはロールモデルとなるシニアマネージャーがおらず、身近なところで相談できずに悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで本イベントは、コミューンで働く女性マネージャーが、社外の女性シニアマネージャーに自身が抱えているリーダーシップの悩みを相談・ディスカッションするという形式で実施しました。

スタートアップで働く女性マネージャーの方も、シニアマネージャーの考え方を知りたいという方も、ぜひご覧ください!

スピーカー

阿部 鈴音

コミューン株式会社 マーケティング部 アクティングマネージャー

X:https://twitter.com/nyaru408

イベントマーケが得意な広告会社でAEとして5年間勤務した後、2021年6月に正社員としてコミューンに入社。イベント企画運営や、認知系の広告や動画制作担当。アクティングマネージャーとしてチームをリードする。趣味は猫を愛でること。実家に麦丸という名前の猫がいる。猫と戯れると全てが癒される。

塚本 ひかり

コミューン株式会社 People部 マネージャー

X:https://twitter.com/tsukahika083131

新卒でパーソルグループに入社し人事を担当。その後、SaaSのSalesを経て、新規サービスのBizDev・PdMとしてマネージャーになる。コミューンでは、人事⇒CSM⇒PMMを経験した後に、2022年1月に出産のため産休・育休を取得。2023年1月に人事として復職し、People部門のマネージャーを務める。1歳7ヶ月の息子のイヤイヤ期とママママ期を全身で必死に受け止めており、毎日朝から汗だくである。


ゲスト

髙岡 美緒

DNX ventures Partner

Linkedin:https://www.linkedin.com/in/mio-takaoka-57830a51/

生後5ヶ月から大学卒業までアメリカ・イギリスで過ごし、ゴールドマン・サックス証券へ新卒として入社し、外資系投資銀行を数社経て、マネックスグループ入社。マネックスにて執行役員新事業企画室長及びマネックスベンチャーズ取締役にて戦略的M&A、新規事業開発、CVC立ち上げ・運営等を担当。その後、メディカルノート取締役CFO(ファイナンス、事業開発、管理部門、人事広報部門を管掌)を経て現職。

他に株式会社セプテーニ・ホールディングス、株式会社カヤック、HENNGE株式会社、株式会社電通国際情報サービス(ISID)社外取締役兼務。

高校生、中学生、小学生の3児の母。


どのようなきっかけでマネージャーになろうと思いましたか?

髙岡(DNX ventures):
正直申し上げると、マネージャーになろうと思ったことはないです。
日本の会社では手を挙げて「やりたいです」ということは少ないと思っておりますが、私も「やってくれ」と言われてやらせていただくことになりました。

ただ、やってよかったなとすごく思っています。最初はたくさん失敗しましたが、人をマネジメントする、あるいは自分一人でできないことを何人かで力を合わせてより大きな仕事を達成していくというスキルセット(能力)は、今後さらに必要になっていくと思うんですよね。

自分以外の方とうまくコラボしながら大きな仕事をしていくということは非常に大事なスキルセットだと思っていて、キャリアを考えていく上では避けて通れない道だと思っていたので、そういった意味では早めに経験していく中で少しずつ磨くことができてよかったなと思っています。


マネージャーという責任ある立場として、成果を出し続けるためにどうしていますか?

髙岡(DNX ventures):
もしかしたら当たり前のことを申し上げるかもしれないんですが、3つあるかなと思っています。

1つは自分の役割の確認です。

プレーヤーであれば指示を受ける、あるいは自分の役割って当たり前すぎて確認する必要はないと思うんですけど、マネージャーになってくると色々な役割があったりするので、先に「自分に何が期待されているのか」ということを確認した上で期待値を擦り合わせていくことは大事だと思っています。
特にベンチャーにおいては、直属の上司やマネージャーが自分の役割を言語化できないということもあると思うんですが、その場合は「ゴールはこれですよね」というような確認をしてから逆算して自分の役割を擦り合わせていくことが必要かなと思います。

加えてもう1つやっておいてよかったと思うのは、マネージャーである自分の少し上の上司が、自分に何を求めているのかということをイメージしてみることです。常に2個上のマネージャーの目線に立ってみるということをやりながら役割確認みたいなことをすると良いと思います。

2つ目はコミュニケーションを一番大事にするということです。

私はTPOと言っているんですけど、丁寧という意味ではなく、その人それぞれがいろんな角度で物事を見てるので、その人が理解できるようなコミュニケーションをとることが一番大事だと思っています。最初からできる人も、私みたいに色々と試行錯誤しながら学んでいく人もいると思うんですが、それを磨いていくというのは心がけています。

また、信頼関係があると失敗があったとしても一緒に考えてくれるとか、何か壁に当たった時にも助けてくれるので、上下左右斜めにいる方との信頼関係の構築というのはより意識するようになりましたね。

3つ目はメンタルケアについてです。

キャリアの最初の頃の自分は、目の前のことに必死で"短期戦"をやっていたような感じでした。でもキャリアは"長期戦"で、自分が燃え尽きないように自分にとって一番何が大事なのかを探る必要があると思います。もちろん体調管理もそうですが、長期戦の場合はメンタル管理もすごく大事になってくるのかなと思っています。

阿部(コミューン):
ありがとうございます。自分に何が期待されているのかを先に確認して上司と擦り合わせていくことは、マネージャーはもちろんプレイヤーにも当てはまるかなと思うので、皆さんも共感できたのではないかと思います。


コミュニケーションのトレーニングでおすすめのやり方はありますか?

髙岡(DNX ventures):
私は試行錯誤でやってきたのでおすすめの本とかはすぐに言えないのですが…。相手が何を求めているのかということは常に考えています

例えば上司であれば成果を求めているので、それを中心に話をする。逆に部下であれば、彼らは評価を求めていると考えると、どうしたら評価されるのかということを彼らに理解できるようコミュニケーションをしていく。
先ほどの話とも似ていますが、自分が相手から何を求められているのかを意識しながらお話をしています。相手の立場に立つみたいなところですね。

塚本(コミューン):
ありがとうございます。それを意識した上で"場数"が必要なのかなと思っています。うまくいかなくても場数を踏んで、壁にぶつかったら周りに相談していくのが良いのでしょうか。

髙岡(DNX ventures):
その通りで、場数を踏むことは必要だと思います。相手の反応を見ながら少しずつ工夫をして改善していくという感じですね。


髙岡さんの過去の失敗や挫折経験、そこからの学びはありますか?

髙岡(DNX ventures):
私は今もそんなに得意なわけではないですが、特に昔はコミュニケーションが不得意でした。プレイヤーだった時は自分にとって1番効率の良い方法で仕事を進めれば良かったのですが、マネージャーになって部下に対して思うことがあった時に、それをうまく軌道修正するようなコミュニケーションができなかったんですよね。相手に気を遣って言うべきことを言わなかったり、直球すぎるコミュニケーションをしてしまったり。年下で女性である自分が年上の男性の部下に対して直球コミュニケーションをしてしまい、他の人を介すなど方法はあったと思うんですが、当時は直球のやり方しかわからなかったので、嫌われたこともありました。

挫折経験でいうと、2008年に第1子を出産して産休明けでリーマンブラザーズに戻ってきた1ヶ月後にリーマンショックが起こり、転職せざるを得ない状況になりました。リーマンブラザーズにいた時は部長職だったのですが、転職した会社に行った時はノータイトルで、部下もいなくなり、お給料もすごく減りました。本当にガラッと変わってしまって、当時はキャリアが終わったかもしれないと思いました。だけど、それはそれで仕方がないと思って、そのタイミングで第2子、第3子を産みました。その機会がなければ子供は1人だったかもしれないし、今となっては良いきっかけだったなと思っています。

何が言いたいかというと、キャリアは思うようにいかないということです。色々な挫折や「こんなことってある?」ということもたくさんあると思うのですが、40代になるとそんなこともあったなって思うようになってきますし、心がどんどん強くなってきます。

40代の私が伝えたいことは、あんまりジタバタしなくてもなるようになるので、どんと構えてた方が良いと思いますよということです。

阿部(コミューン):
多くの人から見て"すごい"キャリアを積み上げられている髙岡さんにも、私も感じるような、同じような悩みがあるんだとすごく勇気づけられました。「キャリアは思うようにいきません」って良いですね・・・!

髙岡(DNX ventures):
キャリアも思うようにいかないし子育てもうまくいかないんですけど、それはそれで、メンタルが整ってるといくらでもいろんなことを乗り越えられるよというメッセージです!


マネージャーではなく、エキスパートとしてのキャリアを考えたことはありましたか?

髙岡(DNX ventures):
そもそも「マネージャーになるかエキスパートになるか」という考え方をしたことがないですね。

私の考え方を先に申し上げると、マネジメント能力とマネジメント経験は避けて通れないスキルセットだと思うんですよね。ですから経験を積むことは重要だと思ってます。スキルアップについて考えていく中で、マネージャーになった後にエキスパートとしてのスキルセット、エキスパートとしての経験を得たいっていうのもあって良いと思うんですよね。だから一度マネージャーになったらマネージャーとして上まで上がるしかないみたいなキャリアは、今後なくなってくるような気がしています。

回りくどい回答になってしまいましたが、私はマネージャーとしてのキャリアにそんなにこだわっていなく、今でもエキスパートの道も全然あるかなと思います。たぶんぐるぐる回っていくような気がします。

阿部(コミューン):
今まではエキスパートの道は無かったかもしれないけど、今後あるかもしれないということですよね。私もこの話を伺うまでは、マネージャーとエキスパートの道を二者択一で考えてしまっていたので、確かに行ったり来たりしても良いなとハッとした気づきがありました。


妊活と仕事を両立できる工夫はありますか?

髙岡(DNX ventures):
仕事と両立できるポイントは、職場選びだと思います。リモートで働けるところやプロジェクトベースなお仕事など、裁量がありアウトプットベース・労働時間が柔軟である前提の仕事の方が妊活や子育ての柔軟性は得られるかなと思います。ただ、そうした方が良いという話ではなく、職場選びや職種、お仕事選びによって選択肢は増えた方が両立はしやすいという感じですね。


仕事と家庭の両立で心がけていることはありますか?

髙岡(DNX ventures):
私の場合は、何を大事にして何を捨てるかを明確にすることですかね。

女性はすごく真面目な性格の方が多いと思いますが、私が3人の子育てができたというのも、おそらく自分の性格が割と適当で、諦めと柔軟さがあったからだと思います。理想は理想であっても良いと思うのですが、理想を捨ててカオスを受け入れる時もあっても良いんじゃないかなと、むしろそれがないと無理かと(笑)もちろん周りとの信頼関係あってこそだと思いますが、その辺の期待値を調整しながら「今はちょっと難しいんです」という話ができるような環境を選ぶことが大事なのかなと思いますね。

あとはONとOFFを大事にしていて、子どもが小さい頃は週3日シッターさんにお願いしてました。家事代行もシッターさんも頼んでいたので、給料が全てそっちに回っていくという時期もありました。また、私の場合はプロジェクトベースの仕事が多かったので、仕事のONとOFFが予測しやすく、忙しい時はパパに頑張ってもらう、それ以外の時は自分ができる限りやるというようにバランスをとっていました。

塚本(コミューン):
今、私には子供が1人いるんですけど、自身の希望として2人目も授かりたいという希望を持っています。1人目を妊娠した時はメンバーだったので、自分の業務を棚卸してどう引き継ぐかということだけを考えればよかったのですが、マネジメントの立場で妊娠した時に、自分が不在の期間にどうやってマネージャーロールを委任すれば良いのか、その間の組織作りをどうすれば良いのかということも考えなきゃいけない立場だなと思っています。髙岡さんがご経験された時を振り返って、注意点とかこうすれば良かったということがあればぜひ伺いたいです。

髙岡(DNX ventures):
そうですね。最終的には業務は回るので安心してください。自分が絶対にボトルネックになるものがあれば、そこは周りと相談しながら上手く振り分けて、それ以外の自分がいなくても回る部分に関してはどんどんタスクを分けていって、それを下と上に振り分けていくという感じにしていましたね。

塚本(コミューン):
自分が中間管理職で抜けた時、代わりにマネージャーをやってもらう人をアサインせずに振り分けていくということでしょうか?

髙岡(DNX ventures):
そうですね。もちろん職種によって違うかもしれないのですが、やらなきゃいけないことを分解して振り分けていました。

塚本(コミューン):
「なんとかなるはず」と思うことが大事ですね・・・!

髙岡(DNX ventures):
そうですね。実際なんとかなります。加えて、自分がいない間には自分にしかできない仕事って発生しないんですよね。私の場合だと産休育休の間は大きなM&A案件が発生しなかったんですよ。それはたまたまだったかもしれないし、私がいないから実行できないと上司が思っていたからかもしれないんですけど、割と回ります。

塚本(コミューン):
不在にしている時に自チームや組織とのコミュニケーションはとった方が良いのでしょうか。もし、戻る時の心構え・注意点とかあれば教えていただきたいです。

髙岡(DNX ventures):
まずいつぐらいに戻れそうなのかということはお伝えするべきだと思います。これもまた信用・信頼関係をどう保っていくかという話なのかもしれませんが、それが変わった場合は適宜お伝えすれば良いと思います。

塚本(コミューン):
ありがとうございます。気持ちが軽くなりました。


キャリアを築き、それを継続できている理由や力の源はなんですか?

髙岡(DNX ventures):
おそらく、私のモチベーションの源泉を振り返ってみると「昨日できなかったことができるようになった」といったような自分の成長を感じられることがすごく嬉しくて、それをまた味わいたいから頑張ってきたのかなという風に思います。

それに加えて先ほど申し上げた通り、キャリアは長期戦なので、どうしたら自分のやる気が無くならずに自分のメンタルを持っていけるのかということはずっと意識しています。思うようにいかなかったときや、つらいことがあった場合でも、そのことが後から繋がっていくと思えるようになった時から、前を向いてやり続けられたなと思います。

以上、いかがでしたでしょうか?少しでもスタートアップで働く女性マネージャーへの課題解決のヒントになれば嬉しいです。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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少しでも興味のある方は、お気軽にご連絡ください。


(この記事は2023年11月27日に、弊社noteにて公開したものです)

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