- PdM
- 経験3年以上/XP/ペアプロ
- バックオフィス(メンバー)
- 他25件の職種
- 開発
- ビジネス
- その他
コドモンの新規事業について紹介するこのシリーズ。第2回目となる今回は保育者向けのオンライン研修サービス「コドモンカレッジ」についてご紹介いたします。
・佐伯さん(佐):写真左
・鈴木さん(鈴):写真右
まずは代表の小池にコドモンカレッジの立ち上げ背景について話を聞いてみました。
コドモンカレッジ立ち上げの背景とは?
(小) 子どもに対して質の高い保育を実践する上で、保育者の方々にとって学びを継続していくことはとても重要な一方で、日頃保育現場で従事する保育者のみなさまからは、「研修を受講する時間が取れない・合わない」「研修会場が遠方だと参加できない」「受講したいと思う研修が近くで開催されない」といった声を聞くことも多くありました。
また、世の中ではオンライン研修サービスなどの普及が進んでいますが、保育業界で行われる研修は依然として集合研修というオフラインで実施するものがほとんどでした。そんな状況のなか、感染症の拡大をはじめとする様々な環境要因によって、研修を実施する機会が減ってしまったんです。
ICTサービスのコドモンは保育者のみなさまに子どもと向き合う時間と心のゆとりを持っていただきたいと思って提供しているサービスで、ICTを使って業務省力化を実現し、コドモンとして何が提供できるのか考えた先にあったのが「保育の質向上」でした。誰もが気軽に受講でき、保育の質に寄与できるようなオンライン研修サービスを提供したいという思いから立ち上げたのがこのコドモンカレッジです。
ここからはコドモンカレッジの企画や運営を担当する佐伯さんと鈴木さんのインタビューです!
まずは簡単に自己紹介をお願いします。
(佐) 前職は福祉事業会社の総合職でしたが、保育士資格を持っていたので現場で保育士として働く場面も多く、クラス担任も経験しました。元々ICTなどに興味があったので、それがきっかけでコドモンに転職をして、入社当初はカスタマーサポートや導入のオンボーディングを担当していました。以前、「コドモンの中の人シリーズ」でインタビューしていただいたこともあるので、詳しくはそちらをご覧いただけると......!(笑)。
新規事業立ち上げのタイミングから現在までコドモンカレッジの担当として、研修の企画や講師との折衝、行政とのやりとりを行っています。
(鈴) 前職は医薬品の会社で品質管理をしていました。結婚を機に宮崎に移住したのですが、転職サイトを見ていた際に、私と同じように異業種からの転職でもみなさんが生き生きとお仕事をされている姿が魅力に感じてコドモンに入社を決めました。事業開発部のサポートグループで新規事業に関する顧客対応を行ったり、現在はメインでコドモンカレッジの運用なども担当しています。
模索しながらも着実に。0→1フェーズを駆け抜け見えてきたもの
コドモンカレッジはどんな事業なのですか?
(佐) 元々コドモンはICTの業務支援ツールとして事業展開を行っていますが、業務支援を行って業務の省力化によって生み出された時間に何をするのかというと、「保育の質向上」というところが重要視されるなと。
「すべての保育者に場所や時間にとらわれない、学びの機会を」をカレッジのミッションに掲げているのですが、保育者の方の学ぶ場は集合研修が多く、場所や時間の制約が付きものなんです。地方や離島で保育士をされている方の参加が難しかったり、人員配置の関係で一人でも研修で抜けてしまうと、もっとも重要な保育が安全かつ円滑に対応できなくなるなどの課題もあると聞いています。
コドモンカレッジはそういった制約をテクノロジーの力で対応できないかと考えて生まれたものになります。現在は主にコドモンカレッジ内でリアルタイムでの研修や、研修動画の配信を行ったり、行政が指定する研修企画を自治体と連携しながら実施しています。
コドモンがカレッジを事業として展開する意味とは?
(佐) コドモンを利用し、業務省力化することで生まれた時間で「どう保育の質を高めていくか?」というところからコドモンカレッジが生まれました。以前から保育現場でも「保育の質」が重要になってくると言われていましたが、どうやって質を高めていくのかというと、やはり現場での経験だけでなく、外部からの意見や知識・技術を学ぶ場が必要だと感じています。
今、世の中には溢れるほどのコンテンツがありますが、保育業界には「学ぶ場」としてのコンテンツがあまり多くないのが現状なんです。前提としてそういう場を作らないといけないという課題感があり、今はそれを作り上げているフェーズかなと思います。コドモンカレッジを通して得た知識を先生方に園に持ち帰っていただき、それを実践してもらったり、 保育活動に役立ててもらうことによって、保育業界全体のスキルアップや質の向上につながるのではないかなと思っています。
普段は2人でどのように役割分担しているのですか?
(佐) 企画と運営で大きく分けて動いていますね。僕は主にお客さまの声や、社会の動向を感知しながら、研修の企画や講師の先生方の選定を行っています。行政とのやりとりもメインで担当していますね。
(鈴) 私は佐伯さんが作成した企画をどのように実施していくのかを、運用ベースで考えて実施まで落とし込んでいますね。具体的には、講師の方をアサインするところから、研修の告知ページを作成しご案内をしたり、研修実施後のアンケート分析などを行っています。
その他にも、当日に使用する司会のスライドや台本の作成や当日の司会も行っています。
(佐) カレッジの場合他部署との連携も多くて、募集や研修開催前後のブログなどはマーケチームと進めたりしています。大きな枠組みで見ると、そもそもコドモンカレッジ自体が協賛事業として成り立っているので、アライアンスチームとの連携も頻繁にありますね。
他にも、今プロダクトの開発も進めているので、そこは開発チームとも関わっています。カレッジの主担当は2人だけなので、他部署を巻き込みながらどれだけ連携できるかは肝だと思います。
実際にユーザーの方からはどんなお声をいただいていますか?
(鈴) 嬉しいお言葉をすごくたくさんいただいています......!
「短い時間でも内容の凝縮された研修を実施してくれるので、業務の負担にもならなくてとってもいいです!」だったり、「急に参加ができなくなってしまった場合でも、 見逃し配信があるので空き時間で見ることができ参考にしやすい」といったお声もいただいていますね。料金が無料なので、研修を受講するにあたって社内での許可も得やすいとのご意見もありました。
「なかなか一緒に学ぶ機会の少ない他県の専門家の方や講師の先生方ともオンラインで実施することで横のつながりができた」というご意見は、私たちがミッションに掲げている「場所にとらわれない」にも紐づいていて、ユーザーのみなさまに実感いただけていることもわかりました。
(佐) みなさんからのご意見を聞いて「あ、なるほどな」と思ったのは、オフラインの研修を全員が聞くのって難しいじゃないですか。というのは、園を運営しておかないといけないので。コドモンカレッジの場合は、誰かが「この研修見てよかったよ!」と共有することで同じ研修を見逃し配信で受講することができるので、「研修のここがよかった」「この保育活動を今度やってみたい!」など議論ができるんですよね。人伝いで聞くよりも、同じソースから意見を交換し合える点はすごくよかったです。
今のコドモンカレッジのフェーズや課題感は?
(佐) 立ち上がって1年が経ちましたが、嬉しいことに5,000以上の施設が1度はコドモンカレッジを使っていただいてるという実績があります。とはいえ、まだ毎回研修に参加していただいたり、頻繁に使っていただくというところでは、難しい部分があって。カレッジに参加する時間を取ることが難しい施設さんも多く存在しているということが現状わかっているので、そういった施設へのアプローチの仕方や、どんな形式が学ぶ場として最適なのか、などをしっかり考えないといけないフェーズかなと思っています。
コドモンカレッジを「園内でこんな風に活用できますよ」とまとめたものをご案内しているものの、実際にそれを使っていただけているのかや、学んだことを現場で活かせているのかまでは追えていないのが現状です。僕たちとしても単に研修を配信しているだけでは保育の質は向上しないと思うので、現場でどう活かすのかであったり、どのように活かしたのかフィードバックをいただきながら、次の研修や学びにつなげるという流れを仕組み化することが今の課題ですね。
(鈴) 私からは運営面での課題なのですが、最近はユーザーの方にお送りするご案内などもテンプレ化されてしまっている印象があるので、どのような内容であればみなさんにもっと興味を持っていただけるのかや、研修内容をいかに魅力的にアピールできるのかなどを深掘りしていかないといけないなと思っています。
(佐) とはいえ、1年前はテンプレすら存在していなかったですからね(笑)。0→1のフェーズは超えて、なんなら5ぐらいまでできてるけど、次の10にどうやって持っていくかみたいなところでの課題がまだまだありそうですよね。
愚直に「保育の質」に向き合い続け、見いだしたコドモンカレッジの在り方
立ち上がって1年の節目に「園長先生カンファレンス」というイベントを実施されていましたね。一体どんなイベントだったのでしょうか?
(佐) 一般的に、園長先生向けの研修というのはほとんど行われていないんです。園内研修も基本的には園長先生が同じ園の保育者に向けて研修を行うので、そもそも園長向けにならないですし。学び直しの機会が多くない現状のなか、アンケートなどでマネジメントや経営などの課題が多いというお声を多くいただいていたことが「園長先生カンファレンス」開催のきっかけになりましたね。
保育業界のイベントは、「子ども」というキーワードがメインで展開されることが多いのですが、今回は完全に園長先生のためだけという点を意識しました。2,000〜3,000施設にお申し込みいただいたイベントなんですが、おそらくコドモン史上でも1番大きいイベントだったのではないかと思います。そんな大規模のイベントですが、なんと内製でやり切りました......! 実際に使用予定だったオフィス内の撮影ブースは2、3日前に完成したりと直前まで大変でしたが(笑)。
(鈴) いやぁ、本当にドタバタでしたね......(笑)。 私が普段の研修の司会をする時は、パソコンの画面に向かって一人で話すようなイメージなのですが、佐伯さんや運営に協力してくれたメンバーが実際現場にいるなか、カメラが回った状態で司会をするのはすごく緊張しました!マイクや機材の調整もかなり苦戦した気がしますね。
今までは「しっかりかっちり」を意識して司会を務めていたのですが、今回のカンファレンスを通して、もっとコドモンらしさを出しながら元気にはきはきやっていこう!と意識が変わったところもあります。
▶︎実際の配信の様子
(佐) 開催に至るまでは大変なことも多かったですが、ありがたいことに園長先生カンファレンスはとても好評をいただいて。多くの園長先生から「またやってほしい」とのご要望をいただいたので、2023年度も実施する予定で準備を進めているところです!今回は初めての開催で企画や運営に手一杯だったこともあり、研修内容をしっかりと深掘りできなかった点も多々あったなと感じています。なので、次回のイベントの際は園長先生を含めた運営委員会を設置して、現場の課題によりマッチした研修を実施していきたいと考えています。
(鈴) 私は今回のイベントの経験なども含めて、この1年で会社のなかでもコドモンカレッジが「学びを提供することで保育の質向上をサポートする立ち位置」ということが定着してきているのかなと感じましたね.....!
(佐) その部分のサポートを担うとなると、 1年中ずっと「保育の質ってなんだっけ?」と自分に問い続けながら企画や運営をするので、コドモンの部署のなかでも保育業界!という感じは強いですよね。
幅広いテーマで研修を実施したり、講師の先生方と研修内容について議論する必要があるので、保育の動向や保育現場の課題感をキャッチアップすることは少し大変ですが、保育現場のご意見を集約しながら自分が企画した研修で「よい学びだった!」という感想がいただけると非常にやりがいを感じます。実は「本当にこの研修が保育の質に寄与できるのか」といつも不安に感じているので(笑)。
今後のビジョンや展望はありますか?
(佐) 現在は、単発で実施するような研修がメインになるんですが、 行政との連携や「学ぶ」という部分のシステムプロダクト化を目指して動き始めている所です。まだ検討段階ではありますが、研修で学んだことを保育者同士でシェアできる機能や、個人の課題に合わせて研修を体系化できる仕組みを考えています。
また、幅広い講師の先生方と関わることで保育業界のトレンドをさらにキャッチアップしやすくなるので、そういった情報をコドモンから発信することでより公共性も高まってくるんじゃないかと思っていますね。
この先どんな方に仲間になってほしいですか?
(鈴) 私の場合、前職は決められた通りに仕事を進めることが基本だったので、 自分で何かを考えながら進めるという経験はほとんどなかったんです。なので、以前佐伯さんが「裁量を持ってもっとやっていいよ〜!」と言ってくれたときはすごく衝撃的でした(笑)。常に頭を動かし考え続けるということはまだまだ苦手に感じる瞬間もありますが、こうして新しい経験が積めるからこそ成長できると思っています。
私自身課題に感じている部分でもあるので、自走して前向きにお仕事ができるような方にジョインいただけたらよい刺激になるんじゃないかと思います!
(佐) 新しいことにあまり怖気付かずに、トライアンドエラーを繰り返せる方がいいかなと思っています!まだまだ立ち上がったばかりの事業で、やれることはかなり多くあるんですが、「何から手をつけてたらいいんだっけ?」と立ち止まらずに「何から手をつけたらいいんだっけ?じゃあ、全部とりあえずやってみようか!」くらいの感覚で動き始める人には合っているんじゃないかと思いますね。
--------- 佐伯さん、鈴木さんありがとうございました!コドモンの新規事業シリーズ第2弾、いかがでしたでしょうか? 立ち上げから1年が経ち、次なるステップに進むコドモンカレッジ。すべての保育者の方に学びの機会を提供すべく、これからも挑戦は続きます。