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【対談:前編】アウェアファイの“根っこ”を探る!リブランディングプロジェクトの舞台裏と未来への展望

2024年5月9日、株式会社Awarefy(アウェアファイ)は、心の健康や成長が日常になる新たな未来へ向けて、企業としても、プロダクトにおいても、全面的なリブランディングを実施しました。

今回のリブランディングでは改めて、Awarefyのパーパスである「大切と向き合う自分をつくる」、ミッション「心の健康と成長を支えるデジタル・メンタル・プラットフォームを実現する」ことを体現できるよう、ロゴマークの変更や、ブランドの核となる新たなキャラクターの制作などを行いました。


本記事では、AIメンタルパートナー「アウェアファイ」の開発・事業責任者、取締役CTO 池内 孝啓氏(以下、池内)と、パートナー企業として、ディレクション、企画、制作を担当いただきました、株式会社neccoの代表取締役CEO 阿部 文人氏(以下、阿部)に、新しいAwarefyのブランドに込めた想いやリブランディングプロジェクトでの葛藤、新キャラクターの誕生秘話などについて、前後編にわたって語っていただきました。

(参考)プレスリリース
アウェアファイ、心の健康や成長が日常になる新たな未来へ、リブランディングを実施

今の自分たちが何者で、どこに向かっていくか”を問い直す​​

ー まずはじめに、今回のリブランディングプロジェクトを始動した背景や目的を教えていただけますか?

(池内)リブランディングプロジェクトは2023年 9月頃から始動しました。その当時、Awarefyとして感じていた根っこの課題は、Awarefyという会社が何をしていて、会社としてどういう方向に向かっていくかなどが、そもそも“言語化”できていないと思っていました。

これまで代表をはじめメンバー間では、なんとなく抽象的な言葉や思いの共有はありましたが、それぞれが感じる思いや表現の仕方によって言葉が変わっていたり、方向性は同じですが、言葉としてぼんやりしていた部分が、クリエイティブや施策などでうまく反映されていないということがありました。そして結果的に、伝えたいことが上手く伝わらないものができてしまったりなど、“伝えたいことの言語化”ができていない事に課題がありました。

メンタルヘルスを取り扱っている会社として、僕たちの事業にはメンタルヘルス特有の繊細さがあるので、どういう風に伝えるとAwarefyのやりたいこと、やっていることが伝わるだろうかと考えた時に、当時はAwarefyのサービスとして活用している“認知行動療法”という言葉をベースに「デジタル認知行動療法アプリ」として価値提供していることがわかるよう、言葉やコミュニケーションを実施していました。

しかし、“認知行動療法”という言葉を知っている方にはその価値が伝わりやすいですが、まったく知らない方からすると「なんでこんなことをやるんだろう?」というところから入るため、認知行動療法に対して、概念的な難しさが先行したりなど、価値を上手く伝えることができませんでした。丁寧に認知行動療法はこういう歴史があって、こういうカテゴリーがあってみたいなことを説明することもできますが、それでは直ぐには伝わらないですよね。

そういうところも含めて、当時は、“Awarefyがこういう事業をやっていて、ユーザーにこういう価値を届けている”という思いを、最終的に分かりやすい言葉やクリエイティブで伝える事ができてないということを、経営課題と感じていました。


ちゃんとした言語化を、どこかのタイミングでしっかりやらないと、会社がレベルアップしないですし、またプロダクトも広がっていかないという危機感もあったため、“伝えたいことの言語化”を改めて考えることから昨年、リブランディングプロジェクトとして始動しました。

ー neccoさんにご依頼した背景やきっかけはありますか?

(池内)もともとneccoさんが行ってたお仕事やデザインはいろんなところで目にする機会があり注目していました。すごく良いデザインやメッセージを作っている会社、チームだなとだいぶ前から気になっていたのですが、当時は時間的な面や予算的な面でご依頼できないことが多く、いつか一緒にお仕事できたらいいなと思っていました。

今回のリブランディングプロジェクトはまさに、neccoさんが得意としている会社の根っこ、ブランドの根幹を作る部分を悩んでいたので、改めてneccoさんにお願いしたい!と思いご依頼しました。

株式会社neccoコーポレート資料より。Awarefy内では当時リブランディングプロジェクトを「根っこプロジェクト」と呼んでいました。 

(阿部)そうだったんですね!ありがとうございます。当時は、普通にお問い合わせフォームからご連絡いただいてましたね。

その内容を確認した時は、すごく面白そうだな、ぜひやりたいなっていうのが、まず最初の印象でした。ただ、これは長くなりそうだなと。元々プロダクトがあって、リブランディングするにはかなり難しいことだと思うんですよね。

僕たちもご依頼を受けるなら、失敗もできないですし、絶対に売上も上げなきゃいけない。また、未来を考えることが強めだったと思うので、その未来を強く意識しながら、どうなればいいんだろう、どうなっていくんだろうという期待と不安が強かったですね。

何がベストかわからない中、ゴールまでの道筋を描いてくれた

ー プロジェクトの進め方や意識した点はありますか?

(池内)当時、ブランドの根っこの部分をどうにかしたいという漠然としたご相談だったので、成果物をどうするかが難しいかなと思っていました。相談している時は、言語化することが整理するところまでなのか、それとも何かを作るとこまでやるべきなのかが、自分自身でもよくまだ分かっていませんでした。

(阿部)そうですね。当時、池内さんからは「これがほしい!」というようなオーダーではなく「明確にしたい!」という未来像や言語化への思いが一番強かった印象です。

(池内)お話する中で、阿部さんからの最初のご提案で、コーポレート資料を作ることを 1 つのマイルストーンにすると良いのではないか?というプロジェクトの進め方と仕切りをしていただきました。コーポレート資料を作る過程で、当然言語化も必要ですし、ブランドのガイドラインも刷新する必要があるということが分かり、そこで進め方の道筋が見えました。

(阿部)ご相談をいただいた時に、池内さんが伝えたいことや想いはわかりましたが、何がどうなったらいいのか、ひたすら考えることを意識していました。

neccoメンバーとは、半年から一年かけて、どうなっていくのがAwarefyさんにとってベストなんだろうということを沢山議論していく中で、やはりコーポレート資料を作るのが一番の近道になるのではと考え、ご提案をさせていただきました。

資料を作ることで伝えたい想いや考えを言語化できますし、考えが整理されていけば、コーポレート資料以外のものへ展開できます。ブランドガイド、コーポレート資料が整ってくればWEBサイトも含めて作り直していくこともできるので、初期の段階から大枠の構想までのゴールイメージがしっかりできたことで、この流れでいけばうまくいく!という確信を両社で持てたのがよかったと思います。

あとは、どれだけ1つ1つのクオリティを高く作れるかなどは非常に意識しましたし、neccoメンバー全員プレッシャーはものすごく感じていました。

両者の想いや熱量があったからよいものが生み出せた

ー 双方の率直な印象はどうでしたか?

左:阿部(necco) 右:池内(Awarefy)

(池内)一番最初は「プロダクトの方はあんまり変えません、ロゴ、タグラインも変えるつもりはありません」みたいな感じでお伝えしていましたよね。パーパスやミッションについても作ったばかりだったので、今あるものは基本変えない前提でのご依頼でしたよね。

(阿部)そうでしたね。でも、いろいろと議論して必要なものができていく中で、池内さんからも、「やっぱりロゴを変えた方がいいかも」、「キャラクターいたほうがいいよね」というご意見が自然にでてきていたので、「それならやりましょう」という流れで進行していった感じでしたね。

(池内)あと当時、すごく気にしてたのが、もしかしたら他の企業に比べて、Awarefy側があまりにも、言語化できていないこと、整理できないこと、優先順位がつけられていないことなどが多すぎて非常にご迷惑をかけているのではという心配がありました。

(阿部)いやいや、全然そんなことないですよ!もちろんコーポレート資料の初期バージョンの完成までは大変でしたが、最初から池内さんも小川さん(Awarefy代表取締役CEO)も熱量が高く、それが僕らを触発させたというか、良いものにしよう!という熱量をすごく感じることができました。

同じ熱量で「あーでもない、こーでもない」と一緒に考えてくださったことで良いうねりが生まれて、1つ1つの完成度が上がっていったことが結果よかったなと思います。

(池内)両社で議論し続けた結果、想いや考えが言語化され、ヒアリングシートの内容が整理されていって、コーポレート資料のワイヤーフレームやラフのイメージができあがってくるころには、neccoさんとなら本当に良いものができそうという確信が持てました。

Awarefyコーポレート資料、調整中の様子。図解など1つ1つ丁寧に仕上げていただきました。

完成したAwarefyコーポレート資料は<こちら

ー 言語化やデザイン制作を進める上で、メンタルヘルス特有の繊細さなど、意識した点はありますか?

(阿部)
これは正直、社内でもかなり議論しました。一番気をつけていたのは、“心の問題”を取り扱うので、“強さと優しさ”、 “不安と不安定”、“信頼と安心”などの​​バランスを取ることで、これがすごく難しいと感じました。

デザイン的に色を入れすぎたり、曲線を増やしすぎたりするとうねりが生まれてしまうので不安定にみえたりと。あとは丸みがないとか、尖すぎてしまうと強くみえてしまうことで、攻撃的になったりとか、そのバランスをとにかく見つけるのが難しかったですね。

(阿部)当時は、そのあたりを悩みながらデザイン案を出していたので、初期のデザイン案は結構うねりが強かったり勢いが強かったりしていましたね。

ただやっぱりちょっと違うよねって社内でもなり、両社の感覚やバランスを感じ取るのがすごく難しかったです。なので当時はメンタルヘルス特有の繊細さの表現や適切なバランスがどういうものかを考えることをとても意識してました。

あとは、小川さんの描く全体構想や、池内さんの話す具体的な部分と抽象的な部分のバランスをどう取るかも重要な課題でした。二人の話を聞きながらAwarefyってどうすればいいんだろう?ってことをずっとAwarefyメンバーの一員であるかのように自問自答を繰り返し続けていました。

(池内)阿部さんをはじめneccoメンバーのみなさんは、僕や小川と同様に、Awarefyのメンバーのような感覚でプロジェクトを進めてくださって、本当に助けられました。


― 対談 <前編> 終了 ―

以上、対談の<前編>では、リブランディングプロジェクトを始動した背景や、プロジェクトを進める上での当時の想い、難しさ、葛藤など語っていただきました。

続く<後編>では、いよいよ、新キャラクターの登場秘話や、新ロゴマークを作るにいたった背景について、対談していきます。ぜひ、<後編> もあわせてお読みください。

対談者紹介

株式会社Awarefy 取締役CTO 池内 孝啓

ITベンチャー数社を経て、2011年3月に株式会社ALBERTへ入社。2015年に執行役員として東証マザーズへのIPOを経験。同年、自ら創業したスタートアップのCEOに就任。廃業するまでの約4年間、B2B SaaS のプロダクトを開発・運営する。2019年より現職。AI メンタルパートナー「アウェアファイ」の開発・事業責任者として、2020年5月にプロダクトをローンチ。インフラ、バックエンド、フロントエンド、UI デザインまで幅広くカバーするフルスタック・エンジニア。Go や Flutter、React、Python などを得意とし、オープンソース・ソフトウェア関係のコミュニティの立ち上げや運営にも関わる。著書に、『改訂版 Pythonユーザのための Jupyter[実践]入門 』、『これからはじめる SQL 入門』などがある。


株式会社necco 代表取締役 CEO 阿部 文人

東京都生まれ。necco inc. | CEO, Creative Director, Design Engineer
デザインを資産と捉え、ブランドデザイン、ロゴ、グラフィック、ウェブサイト・ウェブアプリを企業の「根っこ」から統合的にデザイン、実装しています。ディレクター歴は16年。ディレクションからデザイン、実装まで全体を一貫して担当。オフィス仲介、外国人専用ゲストハウスなどの不動産業界にて営業、自社ブランデング、ウェブマーケティングに従事した後、ウェブサイトの解析、広告運用、多言語サイトの企画・制作を経験。その後、サンフランシスコに語学留学を兼ね1年渡米。現地企業ECサイトの企画からCMS開発、デザイン制作などを経験。帰国後、2013年よりWordPressを中心にウェブサイトを多数構築。2016年、株式会社neccoを設立。WordCamp、JP_Stripes、CSS Niteなどに多数登壇。社外でも積極的に活動中。2匹の猫と同居。建築と写真、音楽制作、サウナ、伊勢うどん、WebGL、Figmaが好きです。著書に「これからはじめるFigma Web・UIデザイン入門」



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