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新卒がITの面接落ちる理由あるある 2(マインドが合う合わない云々)

人物面がどうこうって、ハッキリ言ってわけわかんないですよね。
カイシャによって言ってることも違う気がします。

いや、モノサシが一定じゃないのに、優秀とか無能とかあんのかよ? って感じです。

このマインドセットやらカルチャーマッチやら。実際のところ、カイシャと労働者、合ってる合ってないはあると思いますが、優秀・無能って話は無いんだと思います。

ですが、ほとんどの企業は事業会社(営利を目的として経済活動をする会社)にあたる訳でして、営利を目的として経済活動をするという部分は共通している。この前提条件とアンマッチな考え方やコダワリを持っていると、ほとんどの企業とはフィットしないということになってしまいますね。

ほとんどの企業とフィットしない場合、どういうことになって行くかと言うと。
1.マインドセットやらカルチャーマッチやらを重視しない会社で決定。
2.営利を目的としていない会社で決定。
3.そもそも選んで採用なんかしていない会社で決定。
と言うことになって行くかと思います。

1はまあね、超実力主義(数字やった奴が正義)であるとか、派遣系(自社のカルチャーは影響しない)であるとか、その辺の会社になってくるかと思います。むしろ『フィットしている』と言えるケースかもしれません。

2は結構面白い話かも。資本調達したベンチャーとかでありがちですね。
この辺はのちほど触れましょう。

3は、説明はあんましいらないかな。

入社はよく結婚に例えられたりしますが、性格不一致はもちろん。収入や仕事に影響を受けざるを得ない普段の生活スタイルと、配偶者の価値観が決定的に異なっているとしたら、それはもう破綻するしかない関係でしょう。カイシャにおいてこれは、離職と言う結末をさします。
採用・雇用・育成、すべてコストがかかる話なのに、すぐ離職に至る人物を採用していたら無駄すぎますね。好んでこの状態を選ぶカイシャはまずないんじゃないかなと思います。
ロースキル専門のSES企業などでも、そうです。(フィットするタイプが存在する)

まあ、レアな話は後回しとして。とりあえずは、営利を目的として経済活動をするふつうのカイシャをベースに、どういうタイプがフィットするのか、考えてみましょう。

1.ふつうのカイシャで求められるパーソナリティ

とうぜん。カイシャが『儲ける活動』に対して肯定的・協力的なひとってことになりますよね。

戦略レベル、対競合(マーケなど)、組織論など、ホントはいろいろな要素がある訳ですが、これを新卒やふつうの中途転職者に要求するとなると、ちょっとクレイジーな会社と言うことになるかもしれません。あまりないと思います。

〇よくある基本的なカイシャの構造

ITに限りませんが、カイシャの枠組みで受注する仕事の多くは1名で実行する事が難しい規模の仕事が多いと思います。youtuberなどもそうですが、1名規模で受注・実行可能な仕事は競合の参入ハードルが非常に低く、競合が増えすぎてしまいます。競合が増えすぎますと、供給過多で受注の条件が悪くなりがちです。カイシャ単位でまとまり、専門性や装備を揃え、チーム編成を容易にする。分業して効率を上げる。そうする事で個人事業主に対しての優位性を確保していると言えます。

と言う訳で、カイシャ内の小組織単位で実施する仕事が多くなるはずですよね。
となれば、その組織ごとのリーダー役は、受注の為のキーマンとなる訳で、重要度が高い人材となります。希少なはずですよね。

もちろんリーダーシップを主張する事は多くの場合効果的ですが、学生や若手の段階でそんな経験を持っているひとは多くない訳です。そこで勧められるのがフォロワーシップ。組織・集団の目的達成に向けてリーダーを補佐する機能・能力になります。

リーダー/チームに対して非協力的。自身の責任範囲を過度に限定したり、情報を滞らせたり。こういったメンバーに対する管理コストはとても高いもので、リーダーの作業リソースを奪い、スキルハードルを上昇させる事になります。カビの生えたような話で、よく報連相が重要と言われたりしますが、このあたりに関係してきます。

3か月即飛びキメてSNSで話題になる人など、根本的にこの辺りが欠如している(過度な個人主義傾向と権利の主張)印象受けませんか?
そういうことやで。


〇戦略や方針を理解する。

前項で、『カイシャは組織戦』という話をしていますが、これも同じ根っこから生えてくる要素です。
カイシャは世の中にたくさんありまして、特に似たカイシャ同士は競争相手同士と言う事になります。いわゆる『競合』というやつですね。

この『競合に勝利する』ということは、カイシャが儲ける・生存していく上で最重要な事柄となります。マイケル・ポーターの競争戦略などをはじめ、多くの経営理論、マーケティング理論なども、競合を強く意識したものが多いはずです。

カイシャが競合と戦い、市場を制圧する上でのドクトリンや計画。そういったものがドメインや戦略と呼ばれるものになります。

市場や競合の情報が前提にあるため、入社前時点で完全に理解するのは不可能であることがほとんどかと思いますが、理解しよう、実行しようという意思があるだけでもだいぶ面接時の評価は変わるかと思います。

なお、入社後はさらに影響が大きな話になります。
カイシャ側は戦略に沿って全体で行動したいと考えていますから、それに沿って組織を設計しますし。沿って行動する人を評価します。報酬システムや、特にインセンティブ制度などは、戦略実行を意識したものになる事がほとんどかと思います。

いかに高い個人スキルを有していようとも、その個人が戦略に沿う意思がなく、組織の中で活かされることが無いのであれば、その組織の中でその個人の評価が高くなることはありません。
その個人の自身に対する評価と、組織からの評価が大きく乖離。不満をためた個人が退職に至るというのはよく見られる話でありますが、これがいわゆる『優秀な人ほど離職する』のいち類型だろうと考えます。Netflixのカルチャーでお馴染みのブリリアントジャークなども、似たような話ですね。

サッカーで例えれば、戦術無視で走らない、プレスかけない。パスをもらえばコネてロストを繰り返す。いかに能力が高い選手であっても、評価される事はないんじゃないかなと思います。
試合で使われないし、評価もサラリーも上がらないので、移籍する。
そんなことを繰り返したまま25歳を超え、市場価値が下落。だんだん下のカテゴリへ移動していく。
そんな感じですかね。



〇ビジネスモデルと、要求される(得られる)専門性

『儲ける活動』は、本来、カイシャごとにいろいろな差があります。
例えば、【プログラマー】と言う職がありますが。
・大規模業務系システム開発のプログラマー
・Webサービス運営企業のプログラマー
業態が違うだけで、だいぶ違うイメージになりますよね。

似た業態の中にもいろいろなカイシャがあって、そのカイシャごとにも違いがあります。
『儲ける活動』では、ほぼ必ず競合との競争が発生しますので、カイシャごとに差別化要素が必須なんですね。(なんだけど、あんまし差別化してない会社もITにはある。)

まず、その会社の『儲ける活動』と、それにより発生する業務。その影響で発生する作業上の各種制限であったり、所属人材のキャリアパス。労働者は、【これらに不満がない】状態である必要があります。
そうじゃないと、即離職になっちゃいますからね。カイシャは面接で落としてきます。

しかし、これはなかなかのハードルです。そもそも100点のものは無いのが普通じゃないですかね。
ですので、納得できる。妥協できる。この辺りを探していくことになります。
(ちなみにぼくの100点は、一日中お布団でゴロゴロしているだけで1兆円の給与をくれる会社になりますので、おそらく地球上には存在していない会社になるのではないかと思います。)

『儲ける活動』つまりビジネスモデルは企業ごとに違い、業務もキャリアパスも違うということになりますが、しかし、これはその企業内ではある程度固定的なモノになります。ですので、事前に調べる事ができます。
また、フィットしない人材の採用はカイシャにとってリスクです。
【選んで採用なんかしていない会社】は別として、その他のカイシャにとってはその人材を採用する動機はありません。カイシャもアンマッチは避けたいのです。ですので、質問する事ができます。

これらの事前調査を怠ったうえで、なんか雑なイメージだけで入社。
入ってみたら『おもてたんと違ったわ』で、3か月で退職などなど。阿保の極致です。

労働者側の被害
・新卒カードの消滅
・大卒までの親の投資が無駄に
・3か月退職と言う職歴をGet

企業側の被害
・採用コストが無駄に
・研修などのコストが無駄に
・本来採用できた別の人が稼ぐはずだった利益がすべて機会損失に

誰も得しないどころか、大損ですね。
某SNSでイキってる場合じゃないです。

と言う訳で、さすがにこの辺は精度を確保する必要がありますね。
またしてもつまらない結論ですが、めちゃくちゃ一般的な対策が有効になります。

〇自己分析
じぶんのやりたいことやその背景とかは把握しておけると、志望動機なんかもスムーズに作れるかと思います。まあでも、『やりたいことなんてねーよ。本音は仕事なんかぜんぶしたくねえ』って人も多いかと思います。それでも就活しているってことは『それでも仕事はするつもり』なわけですから。その動機、やってもいいことの優先順位みたいなものは、把握しておいた方が良いと思います。
綺麗事である必要はありません。企業にそのまま言う訳ではないですからね。
『せめてモテたいから、名前が知られてる企業』『友人にマウント取れる企業』そんなんでもいいんです。ただ、その路線で要求される事についての覚悟はしましょう。100点のカイシャなんて、無いんです。

〇業界研究
ざっくりその業界の主要なビジネスモデル。その背景などを理解できれば、その業界で求められる人材のタイプが見えてきます。これが自己分析結果と合っていれば、自分が成果出しやすい業界ってことになりますよね。また、個別のカイシャごとの戦術的な差なども理解できるようになるかと思います。

〇企業研究
ここまでくると、どれだけ時間かけるべきかって感じですね。一社をめちゃくちゃ調べても、書類通らなきゃ終わりなんで。その時間は無駄になってしまいます。
ふつう、採用活動を行う企業は、自社を知られる努力をしています。差別化要素があるならばなおさらです。選考の序盤は企業説明会であるとか、インターンシップ、採用活動専用のサイトや、最近ではyoutubeでの広報など、いろいろあります。これらを有効活用していくことになるかと思います。

〇似たビジネスモデルなのに、要求されるマインドが違う!?

このへんから難易度上がってくる感じ。ていうか初見はまずわからん。
例えば、3つの業務系システム開発会社があるとします。

・高技術力がウリらしいシステム開発会社
・COBOLやVB6.0が主力の古いシステム開発会社
・社歴が浅くまだ小さな、Javaのシステム開発会社

とりあえず上記の特徴はすべて事実として、これらは下記のように推測できます。(実際は行ってみないとわからないことが多いので、過度な決めつけは禁物ね。ていうかウソもあるから。)

・高技術力がウリらしいシステム開発会社
差別化要素が技術力のようです。採用の難易度が高めとなるため、大規模化した上で技術の平均レベルを維持するのは難しく、技術と言っても大規模システムの設計能力であることよりは、先進性や、バズワード的なトレンド技術への対応力。つまり、新しい技術の吸収力などが強みであったりすることが多いです。つまりここでは、《自前で技術を調べ、吸収する性格。嗜好》が重視されることになりがちです。
そのぶん《ギークな雰囲気でもOK》など、カイシャ側も妥協してたりします。

・COBOLやVB6.0が主力の古いシステム開発会社
技術の変更は少ない領域ですが、ここで飯を食えているとしたら、商流(業界内のポジション)は高めで維持できているのではないかと思われます。エンドが近く、お堅いエンドも多いでしょうから、《社会人としての常識的な思考・行動》などが重視されるかと思います。顧客への距離が近く、また固定的である為、業務知識などの取得や、ビジネス的な感性が要求されることもあるかと思います。
反面、《自前で技術を調べ、吸収する性格。嗜好》などは、むしろ離職要因となりうるため、ここでは忌避される可能性もあります。(汎用機と先端技術の両軸にポジションする会社もあるので、絶対ではない)おそらく、《ギークな雰囲気でもOK》とはならないですよね。

・社歴が浅くまだ小さな、Javaのシステム開発会社
まだ会社がちいさく、ブランド力は無いですが、上に上がって行こうという意思のある会社が考えられます。上に上がる気が無いならば、要素技術を一つの言語に限定する必要が無いです。要素技術を限定するのは、社員全員のスキルセットをそろえ、将来的に集団戦を可能にするためではないかと考えられます。
(そのつもりが無いなら、SESのように、”自由に案件選べます”って言う方が採用が楽。)
【上に上がって行こうという意思】があるが、まだ【現時点では手にしていない】会社となりますから、社員に求めるものは、《ハングリー精神》と、《清濁併せ吞む、ビジネス重視の志向》と言うことになるかと思います。

このように、同じ業態。【業務系のシステム開発会社】であっても、労働者に要求されるマインドセット、志向性などがまったく変わってきます。また、IT系のカイシャはホームページで盛るのが好きですし、とにかくみんな同じようなカタカナ語を使い倒してきます。ホームページなどから判断するのもなかなか難しいところです。

もうね、読み違えても仕方ないす。学生悪くないっす。こういうので落ちてもしゃーない。フィードバックをくれないカイシャがクソ。自社のことをちゃんと説明できない人事がクソ。
面談や説明会行って、質問していきましょう。


このほか、特徴的なマインド要求のものを挙げておきます。

・ロースキル系のカイシャ
サポートメインとかの会社ですね。ヘルプデスク、システム管理、障害対応の一次切り分けなど、この辺りの仕事を専門に請け負う会社があります。サポート系人員は開発エンジニアとは求められる人物像がかなり異なるため、開発部隊とサポート部隊を分けて別の会社にすることなどもあります。
納期もなく、長期で安定的な業務が多くなりますので、《ワークライフバランス重視》などの方と相性が良い傾向があります。反面、《成長意欲が高い》などは、離職の要因となってしまう為、回避される原因ともなります。

・SES会社とか
SES会社は、派遣契約メインの派遣会社にはできない『多重派遣』を、準委任契約で行う会社群の総称くらいの意味で、実際にはいろいろな考え方・方針のカイシャを含んでいます。例えば、受託会社を目指すカイシャや、商流を上げていくことを目指すカイシャなども、この業態からスタートすることがあります。『多数の案件の中から仕事を選べる』事がメリットで、それをメンバーのスキル構築に活かすことができる為、最初の一歩を踏みやすいワケですね。それぞれのカイシャのスタンス・目的に合った人物像が求められることになるでしょう。
ほか、特に会社としての目的がなく、ひたすらに拡大・増殖を目指すタイプがありまして、これは同タイプのSES会社同士での差異がほとんどありません。このあとの1タイプを覚えれば、大丈夫かな...?

・無限増殖タイプのSESさん
『SESならではの利点』を、会社全体の目的達成やメンバーのスキル構築に活かす方向ではなく、カイシャの増員方向に全振りで利用する感じですね。特徴として、爆発的な増員速度を誇るタイプになります。

カイシャとしての目的が存在しないということはマイナスの要素と言えますが。代わりに他のカイシャにはない利点も発生します。すなわち『社員の自由度が最大になる』と言う点です。だって共通目的ないからね。

『戦略や方針に従いたくないし、個人の利益のみに集中したい。他人と関わりたくもない。』これは一般的な企業で敬遠されるパーソナリティと説明してきましたが、この業態では問題なくフィットします。そんなに捨てたもんではないのです。

カイシャの実態は、『人材を商品とした営業会社』に近いと思います。経営がコア。その周りの営業社員が中核社員で、数字を追う事がミッションです。急速拡大する業態に見えますが、経営・営業あたりの社員数を実体として考えると、意外と常識的な成長速度になってます。このへんは共通点。
なお、派遣会社もこれに近い構造ではありますが、派遣の監督省庁である厚労省がオイタを許しません。こちらはいろいろとコンプライアンスが絡んで来るため、まったく同じ事はできません。

よく『SESは採用ハードルが低い』と言う話がありますが、このタイプのカイシャにおいては、たしかに低いだろうなと思います。そもそも商品ですので、ガンガン仕入れなくてはいけません。派遣みたいに堅い縛りもありません。

うーん。求められる人材ですか。しいて言えば《文句言わずに継続する人》ですかね。
高齢になると継続雇用が難しくなりますのである程度で離職してくれる《フリーランス希望・独立希望》のひとも、受け入れられやすい業態だったりします。

2.営利を目的としていない会社

は?そんなんあるん?

ってな感じかと思いますが。あるね。これ。
とはいえ、一時期よりだいぶ減ったんじゃないかなと思いますが。
冒頭の方で『資本調達したベンチャーとかでありがち』と書きましたが、もちろん全部ではありません。その中の一部のカイシャです。

2010年代、とくに後半がそうだったと感じますが、スタートアップバブルと呼ぶしかないんじゃないかなくらいの甘い資本調達が増え、甘い見立てでスタートするベンチャーが乱立しました。
初期のGoogle、Salesforceに至っては結構長期でその状態だったこともあり、一概に悪いと言い切れる話ではないのですが、ド赤こいても資本の再調達ができればOK!と言う状態のカイシャも結構発生しました。

酷い話ですと、社員数20人そこらのシステム開発会社と同規模の売上であるにも関わらず、数倍の社員数と、それなりの規模の事務所を六本木ヒルズに構えてたりすることがあったりしましたので。さすがに『黒字出す気はないんだな』って見え方になりますね...。

〇目的1 資本の再調達
資本金オカワリですね。
VCは、上場してもらい、そこでキャピタルゲインを得たいと考えています。なので、出資先には急速成長を期待しますね。そこで様々な目標ラインが設定されます。その目標ラインが『所属エンジニアの社員数』だったりすることもある訳です。
こうなるとまー、質とかマインドとか言ってる場合じゃないですよね。到底スキルに見合わない給与設定しようが、無駄なキラキラ事務所借りようが、採用して頭数揃えないと終わりなわけです。そこはもう、副作用も承知の上で清濁併せのんだんじゃないかなと。
この技術選定、おかしくね? って感じの、ただキラキラしただけの要素技術のシステムが登場するのも、採用がしやすいとか、資本調達の上でなんか技術が特別に見える必要性があったとか、そんな感じの理由なんじゃないかなと思ってます。

〇目的2 事業売却
上場は無理ながら、トータルプラスで店じまいルートですね。
サービスには顧客が付くわけでして、マネタイズがうまくいっていないとしても、それ自体が売り物になります。最悪ここに落とし込めれば、連続起業家としては『〇千万でサービス売却に成功!』みたいに成功あつかいになるみたいです。その利益と、それまで赤字上等で設定していた高額な役員報酬。これらを使って、次のビジネス(資本調達)に挑むわけですね。なるほど。
ここで注意点ですが。
『事業売却の際、買い手企業は、売り手企業の従業員の雇用を守る必要はない』と言う点です。
事業売却にあたり、9割の社員が解雇されたケースなどもありました。
つまり、自分の役員報酬もそうですが、社員の給与も黒字化や継続的な雇用を前提にした金額設定にする必要は無いわけです。『スキル微妙だけど高い。』みたいなひとは、最悪ここでパージされる訳ですね。よくできています。

〇目的3 上場
勝ちです。この時点で、従業員の職歴にもそのブランドが付与されます。
上場まで持っていくが、ここまでの無理・副作用が社内に根を張ってしまい、黒字化して継続的に経営する自信はないなどのケースでは、上場ゴールで経営権を売却とかのケースもあります。
が。多くの場合は事業継続可能な状態なのではないかと思います。なお、ストックオプションの付与によって、上場までの数年間離職率がゼロになるなどの現象が起こることがあります。その場合は、上場後に離職が相次ぐこともあります。ともあれ、勝ちです。


目的1,2でOKと考えている会社がどのくらいの比率で存在したかはわかりませんが、中途採用市場に影響を及ぼしていたであろうことは明らかです。
・採用優先の必要性
・赤字上等での給与設定
・赤字上等での採用活動
これらは、人材紹介会社にとって良い顧客です。優先顧客となったはずです。

一般的な大企業は、新卒採用による中核社員育成がメインであり、そうそう中途採用をしてくれませんし、したとしても採用ハードルがとても高いです。そんな、たまーにしか決まらないカイシャを追うよりは、右から左でこれ系のベンチャーに流しますよね。
そういう希望の人材集めたいですよね。なので広告もそういうカラーで打ち出しますよね。

また、採用優先すぎて、正社員にこだわらないベンチャーもありました。(どういう目標設定になってるのかわからんけど)この場合は、フリーランス、副業人材、SESマンなどを、準委任で調達することになりますが。 こちらも大手企業の調達と違い、派遣契約縛りや再委託NGなどの縛りはありません。
この辺のカイシャやフリーランスたちにとっても、いいお客様だった訳です。

JTC(定義は不明)は悪で、ベンチャー(定義は不明)は天国である。
このような風評は、こういう背景があって生まれていったものだと感じます。
(とくに2017~2018あたりで広告が爆発した。たぶんスクールとかも絡んでる。)

3.しめ。

まー、けっこう調べないと、事故りますよね。
多くのカイシャは採用事故を恐れます。それは損をするからで、この面で就活生・求職者とは利害一致しています。ここはある程度信用して大丈夫です。応募先企業への質問は有効です。

しかし、この記事で説明した範囲でも、嘘ついてきそうなカイシャとか、いくつかありましたよね。
これらについても、その可能性を考慮しておく必要があります。

リスクへの対処だけではありません。Webサービス運営企業の社員は、同様の業態の企業を渡り歩くようなキャリアが実現可能(Webサービス系のエンジニア同士でネットワークができ、信用が機能する)ですし。SESはフリーランスに近い業態で、取引先をそのまま引き継いで独立なども可能です。どのようなリターンを得るかも考えたいところです。

自分の『やりたいこと』をちゃんと把握し、業界を研究し。やりたいことを実現できる企業を見つければ、思いもしない角度から、それが実現できたりする訳です。
研究をさぼっちゃいけないですし。根拠のない他人の意見を有難がりすぎるのも問題があります。情報を集めたら、自分の脳で考えて、最善の判断をしましょう。

その結論は、採用するカイシャ側に損が無い限りは、論理的、合理的で強力な志望動機として、そのまま使えるものだと思います。

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