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「ここが居場所だと感じられるホテルをつくりたい」 大手企業から結婚を機にホテル業界へ。 支配人志望、地域のコミュニティーハブをかたちにする挑戦

株式会社水星に新しく入社した社員にインタビューをする入社エントリ。今回紹介するのは誰もが知る大手通販企業からキャリアチェンジし、現在はHOTEL SHE, OSAKAでホテルスタッフとして活躍する柳林康さん。ゲストの声に真摯に耳を傾けながら、丁寧なレビュー分析による現場改善をはじめ、体験価値向上を目的とした既存プランの刷新など、ゲストの細やかなインサイトに応えるべく、幅広い業務に心血を注いでいます。

ライフステージの変化を機に転職を決めた彼は、次に挑戦する場所として、なぜ、水星を選んだのか。これまでの経歴や仕事への思い、新しい環境で挑戦したいことについて話をうかがいました。

プロフィール:柳林康
1997年生まれ。奈良県出身。神戸大学発達科学部卒業後、「株式会社ジャパネットホールディングス」に新卒入社。配属先のコールセンターでのマネジメントや新規事業等を経験。歴代最速課長職昇進(当時)を成し遂げる。結婚を機に帰郷、水星へ入社を決める。趣味はビール、ギター、カラオケ。

数学教師志望から人と人が繋がる”コミュニティー”デザインへ。 数字で表せないものを経済学的視点で考える

ー大学では具体的にどのようなことを専攻とされていたのでしょうか。

神戸大学の「発達科学部」という主に教育や心理を専門とする学部で学んでいました。元々高校の数学教師を志望していて、高校までは文系を選択してきたのですが、大学入学後のコース選択で数学の教員免許を取得できると知ってそちらに進みました。ただ、いざ進んでみると数学の世界はあまりに果てしなさすぎて(笑)、途中で進路変更をしました。

その後、コミュニティーなど、社会や経済の領域に興味を持ったのですが、たまたま同じ学部学科で学ぶことが出来たので、ゼミでは、自然や社会の環境が経済にどの様な影響を及ぼすのかを考える環境経済学を学んでいました。卒論では、スポーツを見に行く習慣が、その人の幸福感やコミュニティーにどの様な影響を与えるのかを研究していました。数字では表せないものを経済学的な指標を使って経済学的に変換するという学問でした。自分の場合は、コミュニティー、人と人の繋がりを経済学的にどう捉えるかということに一番興味を持っていました。

ー大学時代は若者向け海外インターンシップを企画・運営する学生団体「アイセック・ジャパン」で活動していたと聞きました。こちらの活動内容について教えてください。

新歓で出会った先輩たちが、みんな「社会をどう良くしていきたいか?」「何のために生きるのか?」といった課題意識を持っていて、その課題意識と熱量にシンパシーを感じて、入ることを決めました。

アイセックでは、「志」という言葉がよく使われるのですが、「自分はどんな”志”を持って社会に出ていきたいか」という問いを軸として人生について考えながら、活動をした3年間でした。また、”リーダーシップ”を大切にしている組織だったので、何に対してどのようなリーダーシップを発揮するのかということをずっと考えていました。

元々教員を目指していたこともあって、人を成長させる、導くといったプロセスに興味がありました。活動の中で先輩から”コーチング”という概念を教えてもらい、人を強制的に導くのではなく、問いかけによって、その人が行きたいと思う方向に進ませてあげるっていいなと思って、自分で勉強をしたり、インターン生のマネージャーなど実践を通して学んでいました。

3年目には、リーダーシップ評価制度の浸透に取り組みました。当時全く活用されていなかったアイセック・インターナショナルが提示しているリーダーシップの評価制度をたまたま見つけて、これは活用できると思い現場に落とし込めるように調整しました。体系化して考えて仕組みをつくるのが好きなんです。

ーまさに企業の人事制度、組織開発のようなポストですね。

配属されたコールセンターで培った、緻密な顧客志向

ー大学卒業後は誰もが知る通販企業に入社されたとのことですが、どのような経緯で入社にいたったのでしょうか。

きっかけは知り合いの紹介でした。当時コワーキングスペースで受付やイベント企画のアルバイトをしていた時に紹介されたのが、長崎でサッカースタジアムを中心に、商業施設、ホテル、オフィスなどの複合施設スタジアムシティを開発するプロジェクトに参画されている方でした。売り上げを伸ばし続ける企業でありながら、行政に頼らずに民間の力だけでスタジアムシティを作り、地元を盛り上げようとする姿勢がかっこいいと思ったのと、大手でありながらスタートアップみたいに他がやらないことをやっていく姿勢に魅力を感じてここしかないと思いました。

新卒研修の中で、まずは業界最大手と言われるの通販事業に携わることで顧客に選ばれ続けているビジネスをつくっていくものの基礎を知りたいと思うようになり、研修最後に社長に対してプレゼンする配属希望では、元々志望をしていたスタジアムシティではなく、通販事業部に行きたいですと言いました。

通販の売上管理から、テレビ番組、ラジオといったチャネルごとにどれくらいの広告予算を充てるのか、通販事業全体の流れを掴める部署で挑戦したいと伝えたところ「通販の根底を知りたいのであればコールセンターにいけ」と言われ、顧客対応業務を一括して請け負っているグループ会社に配属されることになりました。

はじめは、グループ会社の社長の鞄持ちの様なことからはじめたのですが、アルバイトやパートを含め、およそ2,000人のコールセンターの従業員ひとりひとりの声を社長自身が大切にしていて、小さなこともこだわって改善していく姿勢を目の当たりにして、結果的にとても良い環境で成長させてもらいました。

その後、短期間で部署もどんどん変わりながらも最終的にスタジアムシティプロジェクトに参画することは叶いませんでしたが、逆に興味のなかった通販事業を支える部署に配属したことで、社会人としての基礎力も含めて多くの学びを得ることができました。

ー前職では、歴代最速で課長に昇進するという記録(当時)を達成しています。ご自身としてはどのようなところを評価してもらえたと思いますか。

日々、目の前の業務をこなすだけでなく、気付きをもとに愚直に課題解決に取り組み続けた姿勢を評価いただけたのではないかと思います。

例えばコールセンターの電話コール数を予測する業務に従事していた際、無駄が多く、人の感覚に頼った現状で再現性がないと感じていました。そこで、その予測感覚が正しいのかをExcelを用いて過去のデータから相関関係を見出して効率化を図ったり、AIコール予測ツールの導入検討や、AI自動応対システムの導入といったコールセンター全体の業務改善に努めました。改善のためにコツコツ手を動かす作業は向いていると思います。

結婚を機に関西にUターン。 地域とゲストを繋ぐコミュニティーとなるホテルをつくりたい

ーご結婚というライフステージの変化を機に、地元に戻るというのはかねてより決められていたと思うのですが、転職活動自体は何を軸として行われていたのでしょうか。

人が集まるコミュニティーに携わりたい、人が居場所だと感じられる場所を提供する仕事に就きたいと思って探していました。

元々、ホテルが好きで、人と繋がる場所づくりに関わることができそう、人と違うことに挑戦できそうということから水星には興味を持っていました。その他は、不動産会社や事業コンサル、電動マイクロモビリティのシェアリングサービス運営会社なども候補として見ていたのですが、最終的に水星を選んだ決め手は、代表の翔子さんとお話させていただいた際に、「ひとりとしてのパフォーマンスは高くないかもしれないけど、チームのパフォーマンスを上げられる素質を持っていると思った」と仰っていただけたことです。この言葉がめちゃくちゃ嬉しくて、自己理解とも一致していたので、ここなら自分らしく、強みを活かして働くことができそうだと思いました。

ひとりで新しいことに挑戦していくというよりは、まわりと協力しながら進めていきたい、まわりが挑戦するのを支えてあげることで一緒に進んでいきたいというタイプなので、水星というスタートアップを選ぶ上で、はじめは、個人でがんがん突き進んでいける人でないと活躍することは難しいのではないかという不安もありました。実際に翔子さんとお話をする中で、最後に背中を後押ししていただく形で入社を決めました。

ー入社1週間後に「泊まれる演劇」の公演がスタート。慣れない環境の中で大変だったかと思いますが現場の仕事はいかがですか。また、現在挑戦しているお仕事や今後の目標について教えてください。

演劇はすごく楽しかったです。俳優のみなさんが一番頑張っていたので彼ら彼女らを支えたいと思いながら働いていました。最後まで走り切ることができてよかったです。

キャリアプランとしては、3年後の支配人就任を目標にしているので、今はオペレーション中心に取り組んでいるのですが、今後はレベニューマネジメントなどホテル全体の管理に必要な業務に挑戦していきたいと思っています。

また、現在レビューの分析をもとに現場を改善をすることに取り組んでいます。例えば、バスルームの汚れが気になるというレビューに対し、支配人に相談してバスルームの清掃強化週間を設け、社員が清掃チェックする中で、まだ汚いと思った箇所は担当した清掃スタッフさんと連携して、完璧な状態になるまで清掃を徹底することに取り組みました。

その結果、バッドレビューが減り、該当項目のポイントが上がったのは嬉しかったですね。改善が目に見えて実感できました。

ーダイレクトに結果が返ってくるのはホテルならではですね。今後、柳林さんならではの視点からHOTEL SHE, OSAKAを居心地の良いコミュニティーにするために、具体的に考えているイベントやプランなどはありますか。

個人的に1番好きなものがビールで、HOTEL SHE, OSAKAでも西成のブルワリー、「Derailleur Brew Works」さんにクラフトビールを卸していただいているのですが、そことコラボしたイベントの開催や、ホテルのテラスを使ってビアガーデンをしたいと思っています。

他のメンバーを見ていても思うのですが、自分の好きなものを職場に持ち込むというのは他の会社じゃなかなかできないですし、それによって水星のホテルで働くことへの理解も進むと思うので、自分もそこに挑戦していけたらと思っています。あとはシンプルに楽しいだろうなと。

ーぜひ良い意味で公私混同してください。最後に水星で働くことの魅力を教えてください。

ホテルや旅行自体はもちろん、水星が作るプロダクトやサービスが本当に好きな人が多いと感じます。未完成のプロダクトやサービスを詰めていくプロセスは楽しいですし、改善の余地がある部分を諦めることなく自分たちの責任で良くしていこうという周囲の姿勢にも日々刺激を受けています。何より好きなものを仕事に取り入れることができる、そんなチャレンジを推奨してくれる環境は水星ならではだと思います。ホテルを起点として、ゲストもスタッフもその場に居心地の良さを感じながらも、バイタリティに溢れたコミュニティーを築く、そんな支配人を目指して、目の前のことに熱量を持って一生懸命取り組んでいきます。

あとがき

取材の前日は、前職の同期の結婚式で九州に帰っていた柳林さん。夜には当時のチームメンバー全員が集まって飲みの席を開いてくれたという。そんな周りの人に愛される大らかな人柄が、取材中もひしひしと伝わってきた。「居場所をつくりたい」という思いの根底には、地域行事を大切にしている地元で、町の人々にも育ててもらったという実感が強く、家族以外にも人との繋がりがあることは幸せだと感じた原体験からきているとも教えてくれた。

ホテルという空間を介して、柳林さんがどのように自分の好きなものを取り込み、醸成させ、地域とゲストを繋いでいくのか。彼の挑戦が今からとても楽しみだ。

株式会社水星が運営するホテル HOTEL SHE,OSAKA/KYOTO、香林居では、事業拡大にともない、未来のホテル運営やブランドづくりを支えるホテリエを募集しています。

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