老舗ホテルを経て、L&Gで始まった第2のホテル人生は、ホスピタリティだけじゃないホテリエ像を目指す新たな旅路 | 株式会社水星
L&Gには、多様なバックグラウンドを持つ若い人材が集まっている。華やかさと和やかさを兼ね備え、メンバーにもお客様にも愛されるHOTEL SHE, KYOTOスタッフ、山野莉央さん。彼女の前職は、...
https://www.wantedly.com/companies/suisei/post_articles/341777
株式会社水星に新しく入社した社員にインタビューをする入社エントリ。今回紹介するのは海外にもホテルを展開する大手ホテルリゾートのアクティビティスタッフを前職とし、現在は香林居のホスピタリティスタッフとして毎日の業務に勤しんでいる小川なつみさん。
学生時代のサークル活動をきっかけに、キャンプイベントをはじめとする企画、運営に魅せられ、導かれるかのようにこの度、新たに水星にジョインしました。また、HOTEL CAFUNEの支配人の山野莉央さんの大学時代の後輩で、山野さんからの紹介をきっかけに入社をしたリファラル採用の社員でもあります。
現在は、ホテルの現場でゲストの宿泊体験をより良いものにしようと日々サービス、その改善に努めながら入社3ヶ月目にしてバックオフィス業務として施設のレベニューマネジメントも担っています。
彼女にとって水星や香林居がどのように映って見えたのか。これまでの経歴や仕事への思い、新しいステージでこれから挑戦したいことについて話をうかがいました。
プロフィール 小川なつみ
1999年生まれ。福島県いわき市出身。獨協大学フランス語学科卒業後、星野リゾート入社。新卒配属で約3年間山梨県で暮らし、水星に転職して石川県へ移住。現在はブティックホテル 香林居のホスピタリティスタッフとして、接客業務をはじめ、前職の経験を活かしてのオペレーションの見直しや改善、レベニューマネジメントなどの幅広い業務に従事している。
― ご出身である獨協大学といえばグローバルなイメージがあります。学生時代から海外へ目を向けられていたのでしょうか。
昔から異文化交流への憧れがあり、国を問わず、人とコミュニケーションを取りたいと思っていました。今思えば感覚的に知見を広げようとしていたのだと思います。獨協大学へ進学したのも留学制度が整っているというのを考慮しての選択だったのですが、在学中のキャンプ活動が楽しくなってしまい結局留学はせず、そちらに注力していました。(笑)
ーどちらかというとその後の人生に影響を及ぼしたのはキャンプ活動だったのですね。そこにのめり込むまでのきっかけと過程を教えてください。
元々は英語の習い事の一環で、地域や全国で集まる活動があったのですが、その中でも年に数回、全国区で集まるキャンプ活動があり、そこには幼い頃から参加していました。
高校生になったタイミングで、参加者をまとめるグループリーダーに立候補し、今度は運営側としても参加しました。その時に出会ったのが今回の転職のきっかけとなった、当時大学生のリーダーとして私たちを取りまとめる山野さんでした。山野さんに憧れて、大学生になったら自分も同じように企画運営に携わりたいと思うようになり、その後実際に大学生の団体に所属すると、高校生の時とは打って変わって週1で会議をして、企画を作って、会議外でも企画書を見てコメントして、本当に仕事みたいなことをしていました。
ただ、そうして時間と労力をかけて作ったものが参加してくれた子どもたちに届いて、その子たちの人生を少し変えているのかもと思うとすごくハマっちゃって。年単位の活動なのでいつ辞めてもよかったのですが在学4年間しっかり続けるくらいにはのめり込んでましたね。
※山野莉央・・・HOTEL CAFUNE 支配人。大手ホテルの現場で接客のプロフェッショナルとして活躍後、水星にジョイン。HOTEL SHE,KYOTOを経て、香林居の立ち上げに関わり、ホスピタリティーマネージャーを勤める。2022年から現職。
ー小川さんにとっての山野さんの魅力を聞かせていただけますか。(笑)
(笑)
すごく相手に寄り添って接してくれるところでしょうか。あとは山野さん自身キラキラして見えていたので、こんな人になりたいと高校生ながらに思った記憶があります。
ー気付けばロールモデルとなっていたのですね。山野さんは当時ミュージカルサークルにも所属されていたとうかがったのですが小川さん自身もパフォーマーでありたいという気持ちはあったのでしょうか。
割とあるかもしれないです。目立ちたいという気持ちは少なからずありました。幼い頃から、習い事の一環で英語での演劇に取り組んでいて、実際にステージに立って披露する機会もありました。前職のアクティビティ活動でも、お子さまに合わせて演じ分けることを求められたため、自ずとパフォーマンスをして人を楽しませることが好きな気質なのかもしれないです。
人の心に残る体験を作り、届けたい
ーあらためてキャンプ活動にのめり込んでいったのは世界がひろがる場を提供したい、作りたいという思いがあったのですね。そのような原体験を踏まえて、新卒時の就活の軸はどのようなものでしたか。
やっぱり人の心に残る体験を作って届けたいというのが大きな軸としてありました。
ライブのような非日常のイベントが好きでそう言った方面で就職を考えていたものの、コロナ禍に入り、イベント系の会社は採用を延期や中止される中で就活も思うように進まず、選択肢も次第に絞られていきました。
そんな中で秋頃に星野リゾートが求人を再開し、このタイミングで再開するのすごいと思ってのぞいてみたら、現場のスタッフとしてプレイヤーをしながらでも企画や運営ができることを知り、魅力を感じました。自身が作ったものが実際に人の手に渡るまでを見届けたいという私の軸に合っていると考え、それまでホテル業界はどこも受けていなかったのですが受けてみようと思いました。
ー時代の波を感じます。どちらかというとはじめは、エンタメやイベントを作ることへの関心から、観光業界に興味の目が向いていったのですね。小川さん自身、印象に残っている宿泊体験などはありますか。
GO toトラベルが施行されていたタイミングで宿泊施設を旅の目的とした旅行をしたことがあって、山の中を歩くと秘境に辿り着くみたいな"The旅館"といった昔ながらの雰囲気を持つ旅館に宿泊したのですが、そこで運ばれてきた食事やスタッフの方のホスピタリティを感じる接客を通して、「宿としていいものに触れたな」という経験がホテルっていいかもと思ったきっかけだったかもしれません。
それまで、旅行するのに宿に期待を膨らませるという感覚を覚えたことがなかったのですが、今となっては宿を目的として旅程を組むくらいになったので人生変わったなと思います。
ー宿泊体験全体が演出されているという立地、館内、サービスの体験の面白さ、奥深さに魅せられたといったところでしょうか。そうした価値観を持って飛び込んだ前職について詳しく聞かせてください。
配属先は山梨県のリゾナーレ八ヶ岳という施設でした。入社半年でサービスチームという全国共通の部署に属し、そこで清掃、フロント、レストランのホテルの核となる3つの業務を経験してホテル業のいろはを学びました。その後にアクティビティという館内の別部署に異動し、退職までそこに籍を置いていました。
リゾナーレブランドは星野リゾートの再生案件の筆頭で、規模感も大きく、私が所属していた八ヶ岳は同ブランドの中でもフラグシップ的な立ち位置でもありました。館内のアスレチック、クッキングスタジオをはじめとするアクティビティ体験もリゾナーレの特徴と言えると思います。
ファミリーリゾートなので子どもたちに喜んでもらえるようなコンテンツを作れば、自然と親御さんにも喜んでもらえます。八ヶ岳の豊かな自然を生かして虫探しに出かけたり、スキーをしたり、野菜を収穫したりと色々していました。(笑)
ーここぞと言わんばかりにキャンプ活動での体験が活かされているように感じますね。天職といっても過言ではないようにも思います。
確かに天職だったかもしれません。周りにも「楽しそうだよね」とか、キャンプ仲間からは「当時とやっていることが変わらないね」と言われるくらいでした。
日々の業務は楽しくやりがいを感じながら、このままずっとプレイヤーかマネジメントに進むかと先のキャリアを考えた時にいまいち心が振り切れず、転職を考え始めました。
ー星野リゾートは宿泊業界の中でも人事制度、キャリアプランも整備されているように思います。とはいえ現場で働くことをスタートとした場合のキャリアに迷いのようなものはありましたか。
星野リゾートはホテル運営が主な会社なので、何かを作り出すところに対してブランドを鑑みて現場の意見がなかなか吸い上げられなかったり、私自身、運営を上手くやることに舵を切りきれないところがありました。
多少のリスクがあっても新しいことをしたいという気持ちが強く、慎重にマネジメントを進めていくのが自分には肌に合っていない感じがありました。
ー前職での最大の提案、チャレンジを教えてください。
ハロウィン企画ですね。通年行事の中でもリピーターが付くほどの盛り上がりを見せるイベントなのですが、実は八ヶ岳が発祥のイベントなんです。
当初は別の方がリーダーを担当されていたのですが、途中で企画の趣旨が変わり、代打でリーダーを務めることになりました。
例年の企画内容としては、会場の装飾や仮装したスタッフのお出迎え、子どものアクティビティ、そして最たる特徴はプロジェクションマッピングです。映像にもこだわり、業者さんとは綿密なやり取りをおこないました。ハロウィンというと渋谷ハロウィンみたいな過激なものをイメージされる方も多く、お客様のニーズとホテルブランドの間で葛藤することもしばしばありました。
入社3年目で裁量権を持つにはそれなりに大きな予算・規模感で、特別目新しい提案をすることはできなかったのですが、例年のブラッシュアップを主な目的に据え、チームリーダーとしてメンバーが動きやすいような環境づくりに努めました。プロジェクトとメンバー、両方のマネジメント経験は私にとって大きなチャレンジとなり、心血を注いだと自信を持って言えます。
ー今後のキャリア、やりたいことを考えていたタイミングで山野さんから声をかけられたと聞きました。水星という会社は外から見てどのような印象でしたか。
以前の印象としては、TwitterやInstagramでの山野さんの発信を見て、楽しそうに働いているなというイメージでした。(笑)
以前から興味のあったイベントやエンタメ業界も考慮に入れつつ慎重に転職しようと思っていた矢先、偶然にも山野さんから声をかけられ、カジュアル面談を通して温度感を持って面白そうな会社だと感じました。結果的にまさか前職と同じ業界で転職するとは思いませんでしたが、私の中で、現在構想段階にある「泊まれる児童館」を実現したいという気持ちが強く、そこでほとんど心を掴まれたように思います。
今までホテルを起点として「作り出す」という発想がなく、ホテル業以外での転職を想定していたのですが、水星はホテルを箱にして「作り出す」ことができる会社だと分かった時、前向きな意味で「それならホテルでいいじゃん」と思いました。ここなら前職での経験を活かしながらたくさんのことにチャレンジできる上に、ホテルを通して誰かに新しい選択肢を届けられる、自分がやりたいことと相違ないと思いました。衣食住なんでも詰め込める箱、音楽イベントや演劇などの体験をホテルという箱の中で作り出していることに可能性を感じています。
ー前職でのご経験、バックグラウンドとのシナジーが期待されます。ご自身の目標に向けて今後、香林居でチャレンジしていきたいことはありますか。
今はレベニューマネジメントを頑張っています。前職もホテルとはいえ全く触ったことのない領域ではありますが、今後の自分の挑戦したいことのために絶対に無駄にはならない経験だと思うので業務の幅を広げるべく頑張っています。
また、大手から来た身としては、水星は、企画から実施までのスピードが本当に速いと感じています。なので、今後は香林居でも意欲的にイベントの企画に挑戦していきたいと思っています。特に蒸溜機は競合に埋もれない唯一無二の強みだと思うので、香りを切り口に色々なプランやサービスなどを考えて、どんどん推していきたいです。そしていずれは「泊まれる児童館」など、ホテルの新しい可能性を追求するようなプロジェクトにチャレンジしていきたいです。
※レベニューマネジメント=顧客の需要に応じて、商品やサービスの料金を変動させるマネジメント手法。ホテルにおける宿泊料金の調整。
ー最後に小川さんにとっての水星で働くことの魅力を教えてください。
入社してあらためて、ミッションである、「世の中に新しい選択肢を生み出すこと」を体現していると感じていて、そこに組織の一員として挑戦できるのはすごくいい環境だと思っています。また、実際に入社してみるとびっくりするほどすごい人しかいないので毎日が刺激的です。新しいものを作る、新しい選択肢を増やすことは人の未来を背負っていることと同義だと思います。新しい体験を生み出すために、進化し続ける水星で、流動的に変化していく状況を楽しめる人たちと一緒に、引き続き未来にワクワクしながら働きたいです。