「Teachme Biz」をリリースしてから、約6年。
これまで「Teachme Biz」とは何か?を説明する時、「マニュアル作成・共有プラットフォーム」だと、ひたすら言い続けてきた。
これを、スタディストが第10期を迎えたタイミングで「ビジュアルSOP マネジメント・プラットフォーム」と変更することにした。
使い慣れてきた「マニュアル」の一歩先へ。
SOPとは「Standard Operating Procedures」の頭文字を取った単語であり、日本語で言えば、“標準作業手順書”である。
お客様がほしいのは、「Teachme Biz」でもなく、マニュアルでもなく、ソフトウェアでもない。
お客様が求めていることは、利用して得られる効果。
そういった意味では、「Teachme Biz」を何と呼ぼうが既存のお客様に機能や効果の影響はない。
しかしながら、今後の事業方針に何らかの影響があることは間違いない。
継続して、安心してサービスをご利用いただくためにも、変更の背景をスタディストの代表者である私の言葉で説明しておいたほうが良いと思い、その詳細を書き記すことにした。
今回の大きな変更の理由は、大きく分けて3つある。
① スタディストが掲げるミッションに忠実に。
② 「Teachme Biz」のお客様に、最も提供したい価値にフォーカス。
③ 海外マーケットへの展開に備える。
以下、それぞれを詳細に説明していく。
① スタディストが掲げるミッションに忠実に。
今回の変更は「Teachme Biz」をリリースした原点に戻るといってもよい。
当社のミッションは「伝えることを、もっと簡単に。」である。
あえて先頭に、“手順を”という文字を付けてはいないが、「(手順を)伝えることを、簡単に」するための事業を展開することで、スタディストは事業を10年続けてきた。
我々は、マニュアルを簡単にしたいのではなく、人が人に「手順を伝えることを、もっと簡単に」したいのである。
これが、スタディストが創業した当初から掲げているミッションである。
また、「マニュアル」という単語は、人により様々な解釈を含んでしまうことが課題であった。
「マニュアル人間」、「言われたことしかできない人材が育つ」など、ネガティブな解釈をされやすい単語であったと言ってもいいかもしれない。
それでも、あえて使ってきたのは一般的に知られている「マニュアル」に関連するサービスであるということで、初期の認知を取らなければ、事業としてスタートできなかったからである。
しかし、多くの企業様にご活用いただけるサービスに成長し、一定の認知を獲得した「Teachme Biz」は原点に戻り、当社ミッションに忠実に、解釈がブレにくい、「手順」というキーワードに戻ることとした。
これが1つ目の理由である。
② Teachme Bizのお客様に、最も提供したい価値にフォーカス。
2つ目の理由は、「Teachme Biz」がお客様にご提供している価値を適切に示す表現にしたかったからである。
提供開始から6年が経過し、「Teachme Biz」ユーザーは製造業、小売業、飲食業の3業種で、約半分のシェアを占めている。
この3業種で重視されるのは、手順の「正しさ」である。
ISO、HACCP、ハラル認証などなど「認証」と「標準手順」は密接に関係する。
特に最大シェアの製造業では、ISOの観点から標準作業手順の工程定義が重要な意味を持つ。
標準作業定義が定まっていなければ、認証取得の前提が維持できないのである。
しかしながら、従来のSOP(標準作業手順書)は、文字ベースで記述されることが多く、手順が直感的に伝わらないという課題があった。
しかし、工程を意識したステップ構造になっている「Teachme Biz」であれば、ステップ毎に画像と動画、文字を組み合わせた工程定義が可能であり、誰が作成してもフォーマットを統一して、標準作業手順を集約できる。
作成した標準作業手順書の配信、検索は、クラウドベースなので簡易に行え、閲覧範囲の権限管理から、閲覧ログ管理、検索キーワード管理までワンストップで対応できるという点がサービスの価値になった。
(動画:株式会社ベイシア様 Teachme Biz 導入事例インタビュー)
上記のような導入事例をご覧いただければ分かる通り、単なる「マニュアル作成・共有」ツールに求める次元を超えていたのである。
標準作業手順を正しく集約し、共有、管理することで生産性向上を可能にする、企業運営において、無くてはならない業務基盤をご提供する。
これこそ、当社が目指していた「Teachme Biz」の姿であった。
この点を明確に示したかったというのが、「手順」に戻った2つ目の理由である。
③ 海外マーケットへの展開に備える。
最後の理由は、海外展開を加速させるためである。
2017年の夏、ASEANで事業展開する経営者に、「Teachme Biz」の紹介をさせていただく機会を得た。
はじめは、「Teachme Biz」を「マニュアル作成・共有」のサービスだと説明していたが、その方はいまいちピンときておられなかった。
しかし、詳細を説明していくと、その方が、「これは要はビジュアルベースのSOPですね!」と一言おっしゃった。
そのあとは一気に合点がいったように話が膨らみ、サービスが持つ可能性、重要性を認識していただくことができた。
現地での協業の話まで出た。
その方が経営する企業の中にも多くのSOPが存在し、多くが文字ベースで困っているというのである。
ASEAN各国の企業にもきっと必要になるサービスだと。
海外の経営者にとって、マニュアルとSOPの解釈がこれほどまでに違うのかということを教えられた出来事だった。
それから時が過ぎ、2019年。
スタディストでは、2018年9月よりタイに現地法人を設立、ASEAN各国での「Teachme Biz」提供を開始している。
今後、多くの日本企業がASEANを目指すことになる。
その時、安定した事業運営のキモになるのが、「標準作業手順」の整備と現場での徹底になる。
海外では、「マニュアル」と言うよりも、「SOP」と呼んだほうがサービスの本当の価値が伝わりやすい。
この背景を踏まえ、Teachme Bizとは何か?を示すメッセージを変えることにした。
これが、3つ目の理由である。
今回のリブランディングにあたり、なぜ定着している言い回しを捨てて、あえて認知されていないものに変える必要があるのか?という声も一定数あった。
しかしながら、本来の価値を示しておらず、「マニュアル」という単語がついているだけで類似サービスだと位置づけられてしまうこと、海外では解釈が大きく変わる言い回しは、長期的に見ればマイナスであると判断した。
スタディストのミッションに忠実に、サービスが持っている価値を的確に表し、そして、次のマーケットに進出する区切りとして、スタディストの未来をみて決断した。
これが、今回の背景である。
企業内の標準作業手順を
① 画像、動画、文字を組み合わせてすばやく記述、
② 承認プロセスを回して正しく管理し、
③ クラウドベースで共有、配信、検索を簡単にして、
④ 閲覧範囲等の権限管理を簡単に
できる業務基盤をご提供することで、生産性の向上に貢献したい。
これが、「ビジュアルSOP マネジメント・プラットフォーム Teachme Biz」にこめた想いです。
今後とも「Teachme Biz」をよろしくお願いいたします。