まずは自己紹介と、この記事について
自己紹介
Speeeで採用をやっています、山口です。りゅっくと呼ばれています。(なんでりゅっくなの?という話題は、文面で面白く伝えられる自信がないので割愛します。)
2018年6月からものづくり組織推進室に所属していて、ものづくり職(エンジニア・デザイナー・プロダクトマネージャー)の採用と組織づくりをやっています。
それまではSpeeeのトレーディングデスク事業でトレーダーとしてWeb広告のプランニング・運用・レポーティングをやっていました。
この記事について
今回はHacking HR! というイベントで、上記経歴も絡む話でLTをしてきました。
LTのタイトルは、「元マーケターが採用で失敗した話」
この記事はそのLTに若干の肉付けをしたものです。
公開するならスライドをそのままが一番手っ取り早いのですが、
- (笑いを取るのに必死で、公開できない画像を多用した)
- (スライド作成時間15分のため、スライドの内容がうっすい)
- LTは短いので、スライド公開しても伝えたいことが伝わりにくい
といった事情によりブログ化します。
※LTとは...Lightning Talk(s)の略で、5分間程度の短時間プレゼンテーションです。
ちなみに今回登壇させてもらったHacking HR! とは
Reproさん主催のイベントで、趣旨はこんな感じ↓のイベントです。
Hacking HR! ではスタートアップにおける人事担当者の活動をハックし、tipsを共有・ディスカッションするとともに、明日も元気に一歩前進できるようにすることを目的としています。
ものすごくいい感じのイベントですね!詳細はこちら
第2回となる今回のテーマは、「実録!『採用』業務の失敗談」 ということで、僕も失敗談をLTしてきました。
本題、採用はマーケティングなのか?という話
この記事では、 「元マーケターが採用で失敗した話」 というタイトルでLTした内容を書きます。そして、せっかくなのでちょっと裾野を広げて、「採用はマーケティングなのか?」 というテーマについて考えてみようと思います。
今回のLTを通して伝えたかった結論は、 「採用とマーケティングは似て非なるもの」 ということでした。これだけです。それっぽいけど、実は内容が無い気もするこの一文。これ持って帰ってもらうためだけにみなさんの貴重な5分をもらいました。
が、登壇後いろんな方とお話させていただいたことや、こうやって記事にしたことで、私の考え方がアップデートされたので、もうちょっと実のある内容になっているかと思います。ちなみに、記事を書き終わった今の結論は、 「採用とマーケティングは似て非なるもの」ではなくなっています。 笑
失敗談
採用はマーケティングだ、みたいな話って、巷で結構あると思います。
ご多分に漏れず私も採用に携わるにあたって、この手の話を、本とか記事とかTwitterとかで、よく目にするようになり、あっさりと鵜呑みにしていました。
そして何なら、 「マーケティングの話題が数年遅れて人材業界にやってくる」 みたいな話までありまして(出典は覚えていません、ごめんなさい、たぶんTwitterです)、異動当初、正直調子に乗っていました。
マーケターには、数字が好きな人が多いかと(勝手に)思っているのですが、かく言う私も数字が好きです。
私が採用チームに異動した当初、KPIを設定し週次で追っていたものの、より踏み込んで採用目標数から遷移率をもとにスカウトの目標送信数を逆算する、みたいなことまではしていませんでした。
そこで、私を含め採用チームは、
- 選考フローの明確化
- 各フロー(書類選考→1次面接 など)の遷移率の定量化(最初は当時の担当者の肌感)
- 採用目標数から遷移率をもとにスカウトの送信数を逆算
などを行い、数値から逆算して日々の行動に落とし込んでドヤ顔をしていました。そして、結果としてドヤ顔が真顔になることとなりました。
何が起こったかと言うと、
- スカウトの返信率が想定の1/4…
- 「スカウトがテンプレっぽいと思いました」という候補者の声...
数字を追いすぎることで、本当に向き合わなければならない候補者に向けるべき意識が希薄になってしまい、コミットしたのに成果になかなかつながらない…という結果となりました。(この失敗をもとに、様々な施策が動き出したので、改善が進んでいる、という意味ではきちんと前進しています。)
LT時点で考えていたこと・お話ししたこと
「採用とマーケティングは似て非なるもの」 というお話をさせてもらいました。少なくとも私が経験してきたマーケティングと採用には、似ている部分とそうでない部分があって、具体的には、
採用とマーケティングの「似てる」ところ
- マーケット(市場) と向き合う、ということ
- マーケティング: 商品市場 と向き合う活動
- 採用: 労働市場 と向き合う活動
採用とマーケティングの「非なる」ところ
- ユーザー(候補者)との 距離
- マーケティング:ユーザーとの間にはベンダーや代理店のミルフィーユのような層があり、 ユーザー遠すぎ、見えない。 カオスマップとかまじで闇。
- 採用:候補者との間にはいてもエージェントくらい。ユーザー(候補者)めっちゃ近い。2mくらい。 机を挟んだ向こう側。
と、いうわけで、採用はマーケティングと比較して、ユーザー(候補者)との距離がとても近いので、定量的に把握するのはもちろん大事ではあるけれど、 一つ一つをもっと大切に丁寧にしましょう! というお話でした。
記事執筆時点で考えていること
LT時点では、マーケティングはユーザー(候補者)との距離が遠くて、採用はユーザー(候補者)との距離が近い、だから採用とマーケティングはちょっと違うよね。くらいにしか考えていませんでしたが、よくよく考えてみると、それは私が経験してきた「マーケティング」が限られていて考え方が偏っていたからだな、という結論に至りました。
今は採用はマーケティングの一例 という認識で、(商品or労働)市場における取引に係る意思決定の大きさが要因となってユーザー(候補者)との距離が遠いとか近いという結果になっているだけで、本質的にはやはり同じものではないか、と思っています。
意思決定の大きさ
僕が携わってきたのは、1人のユーザーが多くとも数万円を支払うような財・サービスのマーケティングでした。それに対して採用は、例えば年収1,000万円の人が3年働くとしても3,000万円の金銭価値を労働市場で交換する意思決定、と言い換えることができます。(意思決定の大きさを完璧に金銭で測ることができるとは思いませんが、参考指標にはなると思います。)
それを踏まえて、意思決定の大きさという意味では、 採用 > (私が経験してきた)マーケティング が成り立つのではないかと考えています。
そのため、意思決定の大きさの近い財・サービスのマーケティングであれば、採用への比喩はより効きやすいのでは?と思います。例えば家とか、車とかですかね。(売ったことないですが)
おわりに
今回経験した、
- LTで登壇する
- 記事を書く
という2つのイベントが、自分の中でなんとなく考えていたことを言語化するいい機会となりました。そしてアウトプットすることにより周囲の方々からフィードバックをいただくことができて、より考えを深める機会にもなりました。(コメントなど大歓迎です。)
今回の失敗をもとにいろんな施策が動いていますので、今後は進めている施策について発信していこうと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました!
そしてLTの機会をいただいたReproの三木さん&畑中さん、お声掛けいただきありがとうございました!