こんにちは。
スナックミーで何でもやってます三田村です。カレーライスとバスケットボールと仕事が大好きな二児のパパです。
僕は製造や配送などのオペレーション周りを担当する傍ら、カスタマーサクセスも担当しています。
カスタマーサクセスを担当している人ならばご理解いただけるかと思いますが、サクセス担当者にとって絶対的なKPIは言わずもがな「churn rate(解約率)」かと思います。これはB向け、C向け問わず一緒かと。
「どうやったら、辞められないか?」
「1回目辞めてる人と、5回目で辞めてる人の違いは何か?」
「解約を予想できる事前のアクションはないか?」
などなど・・・・・
churn rate改善に寄与しそうな施策、アクションプランをリストアップし、インパクトの大きそうなものからテストして、検証して、の繰り返し。もちろんユーザーインタビューは当たり前のようにやります。
自分自身、カスタマーサクセスをやったことはないので、日々勉強しながら上がったり下がったりするchurn rateに一喜一憂しています。
さて話は変わりますが、先日読んだ『おもてなし幻想 デジタル事態の顧客満足と収益の関係』という本に書いてあった問いかけがとても面白かったのですが、
「ドライバーとコミュニケーションを取らなくていいUberと、ドア開閉から何から何まで全てドライバーがやってくれるMKタクシー、あなたはどっちに乗りたいですか?」
答えは明白で、ほとんどの人がUberを選ぶんです。
MKタクシーは「少しでも上のサービスを」と考え、あのようなサービスを展開しているのだと思いますが、そんなの誰も求めてないよ、そんなことよりタクシー呼ぶ時の手間や決済の面倒をなんとかして、というオチです。
またまた話は変わりますが、僕は新卒で旅行会社のJTBに入社し、9年弱法人営業と新規事業開発に携わってきました。
添乗員としてお客様の旅行に同行する機会も月1くらいでありましたが、こないだふと昔行った添乗のことを思い出しました。
今から15年くらい前の話ですが、場所は箱根にある超高級旅館。
お客様をお部屋に案内した後、当時の総支配人(50歳くらいのナイスミドルな感じ)と四方山話をしていましたが、ふと「支配人の仕事って何なんだろう?」と気になってしまい、失礼にも聞いてみました。
僕「支配人は普段どのようなお仕事をされているんですか?」
支配人「面白い質問ですね。私の仕事はね、人の格を見抜くことなんですよ。」
僕「??どういうことですか?」
支配人「私が絶対にしないといけない仕事は、初めて泊まるお客様のチェックインする姿、フロントでの所作、立ち居振る舞いを奥からそっと眺めることだけなんですよ。」
僕「それでその人の格が分かるのですか?」
支配人「ふふ、分かりますねぇ。それが仕事ですから。で、お客様がチェックインしているその間に、お部屋の調度品をそのお客様の半歩上の格のものに全て変えるように仲居に指示するんです。」
僕「なぜ、半歩上なんですか?」
支配人「三田村さんね、ピカソの絵って理解できますか?できませんよね?私もです。ただ絵画の価値、格としては最上級だと思いますよ。」
僕「そうですよね。」
支配人「人ってね、自分の一歩上のモノって理解できないんですよ。でも半歩上のものなら理解できるんです。面白いですよね。」
当時の僕はまだ社会人2年目くらいの若造で、その時は「良い土産話ができた」くらいにしか感じてなかったのですが、今振り返って考えてみると色々と示唆がある話だなぁと。
添乗中の支配人からの話と、Uberの話、これってサービス業だけでなく、全ての事業に通じる部分があると思っていて、つまり
「自分が提供したいサービス・モノではなく、お客様の期待を半歩超えるサービス、モノを提供する」
ことがどれだけ大事か、ってことなんじゃないかと今反芻しています。
その旅館は格式があるけど、決して偉ぶらず、奢らず、お客様に合わせて、半歩先のサービスを提供する。
当時そこよりも豪華で高い旅館はいくつかありましたが、VIPからの人気はその旅館が圧倒的だったのを覚えています。
僕らも事業を必死で運営していると
「これだけやったんだから、きっとお客様は満足してくれるでしょ!」
「この原料、とっても高いし希少だから絶対喜んでくれるって!」
みたいに考えてしまうことは多々あります。
だけど、これはダメ、絶対!
お客様のことを考えているようで、全くそうでない。なんなら、精一杯やった自分に酔ってるだけの可能性すらあると思っています。
C向けサービスという土俵の上で戦うならば
「答えはお客様が持っている」
この絶対法則からは逃れられないと思っています。
そしてそのお客様が持っている答えの、半歩先を行くサービスを提供できるよう、日々奮闘しているわけですが・・・・
何が言いたいかというと、、、
カスタマーサクセスが足りてないってこと!
早く!
来て!!
ちなみにこのブログのトップ写真は和倉温泉加賀屋の有名なお出迎えシーンですが、30名近い仲居さんが一斉にお出迎えをしてくれるシーンは何度見ても圧巻です。
ただその中でも仲居さんは冷静にお客様の身長を目で見て判断したんでしょう、僕が部屋に入る頃にはきっちりとXLの浴衣が入れられていました。(XLの浴衣持ってきてください、と言わないですんだのは加賀屋だけでした)
こーゆーさりげないサービス、いいなぁ。