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ミニ連載A第3回:なぜデジタルアーカイブの会社が「まちづくり」人材の育成? 〜"サステナビリティ"という経営課題をどう考えるか〜

こんにちは。社長室室長・上級デジタルアーキビストの寳德真大(ほうとく まさひろ)です。

今回で当連載記事は第3回目となります。

連載記事【なぜデジタルアーカイブの会社が「まちづくり」人材の育成?】
1:問題提起
2:博物館法改正
3:"サステナビリティ"という経営課題をどう考えるか ←← 今回はココ!
4:"まちづくりの誠勝"が目指す未来

これまでの連載では、下記についてお話してきました。


「1記事目 -問題提起‐ 」
・貴重な史資料の後世への継承には「利活用」が必要なこと
・デジタルアーカイブ化はその「利活用」しやすい環境構築であること
・しかしながら「明確に何かの課題解決に繋がった」という確固たる利活用のロールモデルが、社会全体には不足している」こと
・そして「実利を得るための利活用」ではダメだけど、「利活用の結果、実利を作る」ことは貴重な史資料の後世への継承に欠かせない
→→ その試みが社会全体に広がるための大きな動きが、今年2023年から始まっている

「2記事目 ‐博物館法改正‐ 」
・上記の大きな動き=約70年ぶりの博物館法改正が2023年4月から施行された
・それに伴う文化庁の動きを前提に、誠勝は大学のもつデジタルアーカイブを特に学芸員を目指す学生の社会実践力向上のために利活用し、将来地域課題解決を担う人材育成ができないかと考え、「まちづくりの誠勝」の大学向けサービスを展開していること
そして新しい時代の博物館の動きが令和7年度に本格化する前に、学芸員・司書を目指す学生も多い大学では既に取り組んでいる団体も存在すること →→ その例として奈良大学様での講義実施例についてご紹介しました。


3記事目となる今回は、貴重な史資料の後世へ伝承するために欠かせない「利活用」に関わる動きとして「企業のサステナビリティへの意識拡大」を捉え、【社史とサステナビリティの関係性】と【誠勝の今後の展望】についてお話ししていきます。


【目次】
・社史とサステナビリティの関係性
・社史を利活用する上での課題

-- 社史とサステナビリティの関係性

サステナビリティの本質

まず【サステナビリティ】と言われたら、近年の動きとして次の話を思い浮かべるのではないでしょうか↓↓

令和5(2023)年1月31日、企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、有価証券報告書等において、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄を新設し、サステナビリティ情報の開示が求められることとなりました。
また、有価証券報告書等の「従業員の状況」の記載において、女性活躍推進法に基づく女性管理職比率・男性の育児休業取得率・男女間賃金格差といった多様性の指標に関する開示も求められることとなりました。これらの開示は、2023年3月期決算企業から適用とされております。
出典:「サステナビリティ情報の開示に関する特集ページ」(金融庁)
https://www.fsa.go.jp/policy/kaiji/sustainability-kaiji.html)(2023年6月27日に利用)


2023年3月期決算の上場企業有価証券報告書から、サステナビリティ情報の開示が義務化されたため、ご存じの方も多いのではないでしょうか。また今回の義務化により「何をどう書いたら良いのか…」と頭を悩ませている方も多いはずです。

しかし、これはあくまで「情報開示」です。私たちが一番大事にしているサステナビリティの本質は、「自社の事業が、どういう形で社会に還元されてきたか、それを踏まえて今後どう還元させていきたいか」を考えて、実行することだと考えています。


社史は、サステナビリティを振り返るための「絶好の教科書」

皆さんは自分の会社の「社史」を読んだことはありますか?

実は社史は自社のサステナビリティの本質を掴む上で絶好の教科書なんです。

社史は企業・団体の規模・種類を問わず、「自社の事業が、どういう形で社会に還元されてきたか」を深く考えるための情報が凝縮されています。多くの社史は、社会情勢やステークホルダーとの関係と自社の取り組みを関連づけた「経営史」として描かれています。

社史を通して自社のことを深く知り、社会に還元する施策が実行され、社会から認知された実績」こそが、真のサステナビリティなのではないでしょうか。

私たちは社史を、サステナビリティを明らかにするために利活用し、将来地域・社会課題解決を企業価値の向上に落とし込める人材育成ができないかと考え、「まちづくり期の誠勝」の企業向けサービスを展開することに決めました。


-- 社史を利活用する上での課題

しかし正直に言ってしまいますが、特に企業向けのサービス展開についてはまだまだ発展途上の感じが否めません。

なぜならば、「自社の事業が、どういう形で社会に還元されてきたか」を社史から考えることは、主観的になる可能性があり、一足飛びに社史を企業経営と社会課題解決に利活用するのは容易ではないからです。

そこで私たちはまずはじめに、社会課題の俯瞰的な把握と、自社の事業の「波及効果」を分析するツールとして存在する「RESAS」と「産業連関表」を活用し、その基本的な使い方を学ぶ入門研修を実装することとしました。

とはいえ、今後デジタルアーカイブの会社として、社史データを有効的に利活用する施策へアップデートすべく、諦めず取り組んでいきたいと思っています。

社史データの有効活用により目指す環境

①企業等がもつ歴史資産を地域社会のサステナビリティへと還元し、

②またそれによって、企業の社会的価値が適切に評価され、

③その過程で企業等がもつ歴史資産そのものも後世に受け継がれていく

このような環境を作るべく、企業史やAI・機械学習の専門家など、多様なバックグラウンドを持つ人材が、今後ますます必要となる予定です。

私たちはこの考え方に賛同し、ともに事業を運営していただける方も今後随時募集していきたいと考えています。

次回は当連載4回目の最終回、「まちづくりの誠勝」が目指す未来についてお話します。お楽しみに!


連載記事【なぜデジタルアーカイブの会社が「まちづくり」人材の育成?】
1:問題提起
2:博物館法改正
3:"サステナビリティ"という経営課題をどう考えるか ←← 今回はココ!
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