※この記事は2023年10月に『RightTouch公式note』に掲載した記事を転載しています。
株式会社RightTouchは、Web上でのエフォートレスな自己解決を実現できるカスタマーサポート向けプラットフォーム「KARTE RightSupport(β)」を提供している、株式会社プレイドの新規事業からスピンオフしたスタートアップです。
今回は、RightTouchに一人目のデザイナーとしてジョインした木村和寛に、キャリアの経緯や現在の仕事、今後の展望について話を聞きました。
<プロフィール>
木村 和寛(きむら かずひろ)
千葉工業大学大学院 デザイン科学専攻を卒業後、2015年にレバレジーズ株式会社に入社し、デザインリードとしてQ&AサイトのUIデザインに従事。2019年に株式会社プレイドに入社し、KARTEのいくつかの機能開発や新規プロダクト立ち上げを経験後、2023年から株式会社RightTouchに移籍。現在はデザイナーとしてKARTE RightSupportの開発や組織設計に携わっている。
デザイナーとしてプロダクトにしっかり向き合える環境で自分を磨く
― 最初に経歴について教えてください。
学生時代は人間中心設計(Human Centered Design)を学んでいて、UXデザインに近い領域に関心がありました。研究していたのは、どのようなデザインであれば人にどんな価値を感じて満足してもらえるか。就職活動では、組織がガチガチに固まっておらず、個人の裁量が大きく上流から最後の表現まで一貫して携われる環境を探し、レバレジーズ株式会社を選びました。
レバレジーズには2015年から2018年まで在籍し、WebサービスのUIデザインから広告のデザインまで幅広く何でもやっていました。いろいろなことが経験できる環境を楽しんでいたと思います。
― RightTouchに入社した経緯を教えてください。
当時のレバレジーズでは、新卒入社1年目から採用やマネジメントも担当していました。そういった仕事も楽しかったのですが、デザイナーとして手を動かしてモノをつくる仕事の割合が減ってしまい、もっとプレイヤーとして振り切りたいという気持ちが強くなりました。環境を変えることに決めて動き始めたところ、出会ったのがプレイドです。
何社かとお話をする中でプレイドを選んだのは、ひたすらプロダクトに向き合い手を動かせる環境だったからです。熟達したデザイナーがいる環境で刺激を受けながらゴリゴリ働き、自分自身を磨いていきたいという思いがありました。
プレイドに入社後最初に担当したのが、CS(カスタマーサポート)向けにKARTEをどう活かせるのかを探るプロジェクトでした。調べれば調べるほど、CS領域の負の大きさやその領域でのKARTEの活用可能性を感じていたのですが、マーケットとのマッチ度がまだ低いなどの理由でプロジェクト自体はペンディングになりました。
その後複数のプロダクトを担当し、「KARTE Blocks」の立ち上げにも関わりました。その時に一緒だったエンジニアの籔がRightTouchに異動することになり、具体的な話を聞いているうちに、あらゆるサービスの負の解決を担っているCS領域だからこそ改善インパクトが非常に大きく、世の中のユーザー体験の底上げができるおもしろさがあると思い、プレイドに籍を置きながらRightTouchに移ることにしました。2022年10月のことです。
ネガティブ体験を減らし、世の中のサービス全体を向上させたい
― RightTouchで働く魅力はなんでしょうか?
大きく2つあります。
まず1つ目として、世の中のあらゆるサービスから”ネガティブ体験を減らす”ことにフォーカスしているところが特徴だと考えています。
なにかのサービスを利用しているとき、ひとつ強烈なネガティブ体験があると、それに引っ張られてしまい、他にいい体験があったとしても結果的に悪い体験となってしまうことが往々にしてあると思います。
例えば、銀行や証券などのWebサービスで簡単な手続きをしたいだけなのに、複雑で不明瞭な手順によって迷子になったり、間違った手続きをしてしまったりすることがあります。そのような場合、ストレスを感じて、そのサービスを利用しなくなってしまうこともあるかもしれません。
サービスに価値を上乗せしていくことももちろん必要ですが、まずはこのようなネガティブ体験を潰していったり、適切なサポートしていくことが体験設計において大切です。
問い合わせが発生しうる問題を事前に解消することで、単純な問い合わせは減り、その時間で人と人がつながる必要のある問い合わせには丁寧に対応することができる。それは私たちがプロダクトを提供するクライアントにとっても、クライアントのサービスを利用するエンドユーザーにとってもネガティブ体験がなくなっている状態です。
さらに、エンドユーザーの声や課題を、クライアントのCSからサービスへ適切にフィードバックすることができれば、負の体験を減らし新しい価値を生み出す根本的な活動に繋げることもできます。
私はこのようなアプローチを、“畑を耕す”イメージで捉えています。サービスの土壌を耕して健康的な状態にしておけば、あらゆる新しい価値の芽をいくらでも植えることができます。そういう土壌作りを自分たちでできることにやりがいを感じています。
次に、世の中のユーザー体験に広くインパクトが出せる点が挙げられます。世の中のどんなサービスでも必ずユーザーの困りごとは起きているのでサポート体制が求められます。
見落とされることもありますが、サービスの体験はプロダクトに触れているときだけではなく、そういったサポートを受ける体験も大きな要素として含まれています。実際、サポートを担うコールセンターサービスの市場規模は1兆円を超え、関連システムの市場規模も5,000億円と言われています。そのCS業務を適切に効率化し、より本質的なサポートを行えるようにすることは、世の中のサービスの体験の質を高めることに大きく寄与し、社会的にインパクトがあると思っています。
日頃からサービスのユーザー体験について考えているデザイナーとしても、あらゆるサービスの体験を良くすることに関われている実感を持てるのはRightTouchで働く大きな魅力になっています。
― そのほかに印象に残っているエピソードはありますか?
サポートの質を高め、企業がより本質的なサポート活動に取り組めるようにすることを目指して、RightTouchでは現場をよく見ることを大事にしています。
具体例としては、クライアントのコールセンターにメンバーで行かせていただき、実際のやり取りを何時間か横で見聞きさせてもらったりします。現場の観察で得られるものは多く、実際にデザインに活かしています。そこで見たのは、オペレーターさんがディスプレイを並べてあらゆるツール、アプリケーションを立ち上げて問合せ対応をしている姿でした。
もしそれを見なかったら、自分たちのアプリケーションをでかでかと表示する想定で考えてしまっていたと思いますが、実際には他のアプリケーションと横並びで使えるようなデザインを採用できました。そういった配慮はコールセンターの見学をしなければ生まれなかったと思います。
あらゆる体験の歪みやしがらみから解放されて、もっと自由でストレートに
― 実現したいことや目指すキャリア像を教えてください。
世の中のあらゆる体験の歪みを解き、自分も含めて生活者がもっと自由でストレートに価値を実感できる社会をつくりたいです。
社会全体でサービスの品質は上がってきているとはいえ、人々がやりたいことを何の問題もなく、なめらかに実現できる世界からはまだまだ遠いと感じています。デザイン×データの力を使えばもっとその世界に近づくことができると信じているのでチャレンジしていきたいです。
また、誤解を恐れずに言うと、デザイナーとしてのキャリアにはこだわっていません。情報を整理してうまく伝えることやモノづくりは得意で好きなので続けていきたいですし、その部分に関するスキルは今後もつけていきたいです。それが映像でも文章でも挑戦したい。
人に価値を届け、人の態度変容が起きること自体に興味があるので、表現の方法には囚われず、そのためにできることを続けていきたいです。
マインドと価値観で繋がるチームで力を発揮する
― どのようなデザイナーと一緒に働きたいですか?
私たちはテクニカルなデザインスキルも大事にしていますが、それ以上にマインドや価値観を重視した採用を行っています。
例えば、徹底的に問題・課題に向き合うというスタンスを大事にしていて、人に、特に自分に向き合うことだけを目的にしないチームであり続けたいと思っています。
そのためスキルやバックグラウンド、一人ひとりの実現したいことなど多様化している部分もありながら、根底で大切にしている価値観やプロダクトへの共感・熱量・想いという部分では同じ感覚を共有できているので、気持ちよく働くことができていると思います。
今後は大きな設計の見直しを行うフェーズに入っていくので、これからRightTouchにジョインするデザイナーとプロダクトをどうしていくか、どう見せていくかを考えていきたいです。まだ成長途中なので、新しい機能の追加や兄弟となるプロダクトの立ち上げにも関われます。
代表や事業責任者たちと事業そのものや組織、未来の話をしながら仕事を進めていけるので、デザイナーとしてもひとりのビジネスパーソンとしても成長できます。
仕事も完全分業化・固定化はしていないので、チームのその時々のバランスで連携しながら一人ひとりがバリューを存分に発揮できるポジションや範囲をつくれればと思っています。そういった働き方に面白さを感じる方にRightTouchはオススメです。
ここから会社や事業を一気に成長させていくコアとなる初期デザインメンバーとしてジョインしてくれる方をお待ちしております。
ぜひ少しでも話をきいてみたいと思った方は気軽にご連絡ください!
(ライター/谷村光二(トラックレコード) 編集/松並憲生(トラックレコード))