写真:Resily カスタマーサクセスチーム 高橋 吉田
OKRの運用ツールを提供するResily。
2020年2月にINITIALシリーズAで約5億円の資金調達を発表したばかり。
そんな世間から注目の集まるResily本体のOKRは一体どうなっているのか?OKRツールを提供する企業のOKRはどのように運用されているのか?
社内のOKR運用を担当するカスタマーサクセスチームの吉田と高橋、代表の堀江も加わり、話してもらいました。
実はまだまだスタートしたばかり。ユーザー目線を大切にしたい
ーー普段はどのような業務をされているのでしょうか?
吉田:私たちは普段、ResilyのOKRを導入してくださったお客様へ、運用がうまくいくようにカスタマーサクセスとしてサポートを行なっています。
Resilyの社内でもOKRの運用は行っていましたが、OKRを提供する企業なのでみんな理解が深いし必要ないだろうと考え、特にサポート体制はありませんでした。
2020年に入ってから本格的に、お客様に向き合うのと同じように社内のOKRの運用についても運用チームを作ろうということで私たちが担うことになったんです。
高橋:改めて普段お客様に向き合っている内容を、自分自身の会社にも行うことで、私たちにとっても大きな気づきがあるだろうと思ったのがきっかけでしたよね。常にユーザー目線に立つことができるし、新しい機能の試用運用もできるので、初め聞いたときはとても良い取り組みだと感じました。
OKRに対して納得感が持てるように仕組みづくり
ーーまず、社内のOKRはどのように決められたのでしょうか?
吉田:会社全体のOKRとチームのOKRをそれぞれ設定しています。チームのOKRを考える上で、まずは会社のOKRの方針を明確にしてそれを各メンバーに伝えなくてはいけない。そこではじめに、代表が決めたOKRに対してメンバーみんなが納得できるための伝え方の土台を準備をしました。
堀江:プレゼン用のフォーマットが用意されていて、それに沿って進めてくださいと言われましたね。
高橋:今回ちょっとお試しだったんですよね。
社内のOKR運用推進をやっていて、セールス・マーケティングのOKR、開発のOKR、カスタマーサクセスのOKRと、職種ごとに別れているんですけど、自分以外のチームについてはOKRが設定された背景とか内容がわかりずらかったんです。
ただ「説明してください」だと粒度がバラバラになるので、それを埋めれば誰でも理解できるフォーマットを準備したんです。
「聞いたらワクワクする」OKR設定のポイント
ーー実際の企業全体のOKRは何ですか?
堀江:今期のOKRには「ノルマンディ上陸作戦」と名付けました。
吉田:初め聞いた時は「何それ?」と思いましたね(笑)なにかしら意図があるんだろうとは思いましたけど・・
堀江:第二次世界大戦の連合国軍側の重要な作戦がノルマンディ上陸作戦なんですよね。
これを落としていたら、勝てなかった。それが今のResilyの状況と同じなんです。
今期はResilyにとって非常に重要な四半期。ローンチから実績もノウハウも蓄積されてきて、今はプロダクトのリニューアルをしようとしているんです。
コアの機能が尖っていないと他社のツールと差別化しづらいので、そこを作り切ろうというのがこの期にやるべきこと。「失敗したら解散」というくらいの気持ちで取り組んでいるので、この名前にしました。
高橋:名前だけだとわからないのですが、用意したフォーマットに沿って説明したことで、みんなが納得し、共通意識として今しっかりと持てていると思います。
吉田:こういった「ちょっとワクワクするような目標設定」が非常に重要ですし、それはやはりOKRを理解している代表ならではのネーミングだと思いましたね。
決定するプロセスが重要。チームで決定するOKR
ーーチームのOKRはどうやって?
高橋:私たちのチームでは、3ヶ月後どういう状態になりたいか、顧客に対してどういう価値提供をしていきたいかという目線でディスカッションしました。
吉田:Resilyではチームで決めるということを大事にしていますね。お客様ともお話しているんですけど、目標に対する浸透度だったり納得度だったりってやっぱりメンバーがどれだけ関わっているかだと思っているので。全員で設定するっていうのが大事ですね。
ーーどのくらい時間をかけて?
高橋:2時間くらいです。感想としては、楽しかったです(笑)。
吉田:楽しかったですね。多分今はまだチームが3人だからっていうのはすごく大きいです。常にズレが発生しないように思っていることを文面にしたり、気づいたことを細かくシェアしようという文化ができているので今はそこまで大きくぶれないです。
堀江:ただこれが新しい人が増えたり、社内の体制が変わったりすると、それまでの前提条件が変わってきてしまいます。そこでやりづらさの発生だったり、すり合わせにもっと時間がかかったりするんです。
今Resily自体が社員数を伸ばしていく成長期にあるので、企業の変換期の体験をしつつ、それをプロダクトに反映していってもらいたいと思っています。
認識のズレを軌道修正。ニコちゃんマークの意味
画像:実際のOKR運用画面
ーーこのマークはなんですか?
高橋:それぞれのOKRに対して達成できるかどうかの自信度を表しているんです。
吉田:各メンバーは週に1度、目標が達成できそうかそうでないか、このマークが5段階あるのでそれを更新しているんです。
ーー何のために自信度を見えるように?
堀江:チームの課題ってすべてが言語化できるわけじゃないですよね。言語化できないけど、うまくいっていないということもあると思うんです。
自信があるから良いとか悪いではなくて、メンバー間の意識のズレが可視化されることでマネジメントしやすくなるんです。
高橋:例えばマネージャー1人自信満々でもメンバーがみんな自信ないとか。そこには何かしらのズレがあるので、それを発見して軌道修正できるためのツールです。この機能は元々チーム全体の自信度しか設定できなかったんです。社内で運用してから、メンバー個人個人が見れたほうが課題解決に繋がるんじゃないかという話になって追加されました。
ーー社内OKR運用をやってよかったと思うことはありますか?
高橋:個人的にはOKR運用推進のプロセスを明確に知れたのはすごくよかったです。社内で起きていることに対して、なぜそれが起きているのかという意味を自分ごととして確認できるのがすごくいいなと思いました。
吉田:スタートアップってやることが日々変わって行ったりしますよね。でも何のためにしているのかは何ヶ月経っても変わらないと思っていて、常にどこに向かって走っているのかというのがわかるのはいいなと思います。
ーーResilyのOKR成功のポイントは?
高橋:お客さんによく言うんですけど、「ゆるさを持っている」ところだと思っています。
OKR(設定した目標)にすべての業務が含まれているわけだとは思っていません。むしろOKRはそういうものではないんです。
OKRを設定することで何にフォーカスするのかを決めるんです。そうすると逆に、フォーカスしないことがなんなのか、やらないことややらなくていいことが明確になる。
吉田:あまり細かくすべてをかっちり決めてしまうと、フォーカスポイントがわからなくなるという点と、3ヶ月のサイクルでPDCAを回していく中でものすごく辛いものになってしまうと思っていて。
「ワクワクした気持ちを持ってやろう」というのも大切にしています。そこも私たちResilyのOKRの特徴だと思っていますし、お客様にも伝えていきたいと思っています。
堀江:まだ社内OKRチームを設置して2ヵ月ちょっと。すでにプロダクトに反映できるような、ユーザー体験をいくつも得られていますし、議論が活発になっているのを強く感じています。
今後も自分たちの目標達成を目指しつつ、プロダクトに還元して、Resilyの強みを磨いていきたいと思っています。
以上、ResilyのOKRについて3人に話してもらいました。Resilyでは更なる成長のため、積極的に人を採用しています。
もしOKRや組織の課題に興味があるという方は、一度話をしてみませんか?
ご応募をお待ちしています。