これまでのキャリア
今の自分の原体験となっているのは、学生時代にいろんな社会を見てみようと思い、バックパッカー的に世界を歩く中で、世の中の不条理さに触れたことでした。
自分は何不自由なく育って、大学にも通っておきながら「やりたいこと」が見つからずに悶々と過ごしている一方、世の中には生まれた環境や不可抗力なものによって、生きることすらままならない人たちがいるという現実を目の当たりにして「世の中はなんて不公平なんだろう。」とショックを受けました。学生ながら、世の中の不条理に対して少しでもなんとかしたいという気持ちから、自らボランティア団体を立ち上げ、カンボジアに絵本を寄付するという活動を1年ほど行いましたが、活動を続けていく中で、ボランティアでできることの持続性の低さや限界を感じました。
ビジネスでは新しいモノやサービスによって、継続的で新しいお金の流れを生むことができることに気づき、ビジネスを創るということに興味を持ち始めたのがこの頃です。
「ビジネスを学ぶために実際にビジネスを創っている人の近くで働きたい!」と思い、卒業後には、当時伸び盛りだったベンチャーに入社しました。
入社してからは、カスタマーサポートに配属となり、組織設計、運用設計、サービス改善を担当することになったものの、当時はきちんとした管理体制もないところからのスタートでした。
まずはメンバーとの信頼関係を構築し、現場の意見やお客様の要望を本音で話してもらえる状態にしていくことから始めました。会社の規模が小さかったこともあり経営者とかなり近いところで仕事ができていたので、「自分は会社とチームの橋渡し役にならなきゃ」と強く意気込んでいたのですが、当時は新卒で学生感覚も抜けていない身で、メンバーは全員年上(それもかなり)。
夢ばっかり大きく持っていましたが、自分のできることもチームの状況も現実は夢とは程遠い中で、一人前として認めてもらい、自分の言葉を聞いてもらえるようにするためにはかなり苦労しました。
現場メンバーとの関係構築やリーダーシップ、現場の要望を実現していくための他部署の巻き込みや段取りなど、この時期に体得したものは今でも自分の仕事の基礎になっていると思います。
インドへの渡航、ラクスルとの出会い
3年半、がむしゃらに働いた後は「少し休んで自分を見つめなおしたいな」と思い、1年ほど糸の切れた凧のようにニート生活を送りました。
ザ・自分探しのようで恥ずかしいですが、ニート生活の間にインドを2か月ほど旅している中で、インド人のビジネスマンと出会い、その彼が行っていたNPOの活動をお手伝いさせてもらう機会がありました。インドはまだまだカースト制度の名残が根強く残っており、カーストで低い身分だった人が多く住む村では経済的に貧しい人がたくさんいます。NPOでは村に学校を作り、教育を提供する活動を行っており、そこで村の人たちや子供たちと接している中で改めて世の中の不条理さや、自分がいかに恵まれた環境で過ごしているかということを感じました。そして、学生の頃に感じていた「やっぱり世の中を変えていきたい。世界をもっと良くしたい。」という想いを再確認することができました。
新卒で入った会社では、3年半目の前の仕事に無我夢中になっている中で「会社」という少し小さな枠の中でしか物事を見れずに、ビジネスというものに対して懐疑的になっていた部分もあったのですが、大きな視野でみると、やはり世界にはビジネスの力で幸せになる人がたくさんいて、社会を大きく変える力になっているんだということを思い直し転職活動をすることを決意しました。
帰国後にのらりくらりと転職活動を開始したところ、ラクスルとご縁があり「仕組みを変えれば世界はもっとよくなる」という会社のビジョンを知り「私が探していたものはまさにこれだ!」と思いラクスルに入社することをを決意しました。
ラクスルに入ってから
入社してからはまず、カスタマーサポートの立て直しに取り組みました。
それまでのラクスルでは、サービスが急成長してきたことに加え、サービスに関する意思決定はほぼビジネスドリブンでされており、唯一の顧客接点であるカスタマーサポートとの連携はほぼ破綻している状態。顧客のニーズや現場の意見がサービスに取り入れられることも少なく、ただただお客様のクレームを受け続けている現場メンバーの不満も爆発寸前といった状況でした。
サービス・組織両面での立て直しのために、オペレーション部門の組織改革を行うプロジェクトを行っており、その一環で新しいカスタマーサポートの拠点として京都の事業所を立ち上げることになりました。
入社して半年もたってませんでしたが、京都拠点長を任されることになり急遽転勤。
かなり属人的になっていたオペレーションの可視化や、育成カリキュラム・評価制度などの構築を行いながら、1年半かけて、京都拠点での採用・育成・オフィス運用すべてに関わり、はじめは4人だった京都拠点もいまや40人近い大所帯となり、みんながイキイキと働く組織へと成長させることができました。
カスタマーサポートにおいて、従業員満足は顧客満足そのものだと思いますので、働くメンバーが幸せで自発的に「よりお客様に喜んでもらうためにはどうしたらいいんだろう」と考えられるような土台をつくれたことはとても嬉しく思っています。
これから
今後は、ラクスルのカスタマーサポートとして提供できる価値を大きく広げていき、より「顧客の成功」に向き合った付加価値を生み出していきたいと思っています。昨年、ラクスルのカスタマーサポートは国際的なコールセンターの認証機関であるHDIの評価で最高ランクである「三ツ星」をいただきましたが、まだまだスタートラインだと思っています。
より、お客様の本質的なニーズをキャッチし、お客様がラクスルのファンになって離れないような最高のサービスを提供していきたいです。そのためには、やっぱり「人」だと思うので、働いているメンバーがより加速度的に成長し会社に誇りを持ち続けていくための組織とは?を考え続けたいと思います。