2022年4月クアンドはバリューを再策定。3か月以上に渡り、何十時間もかけて自分たちの納得する言葉をつくりました。
バリューを再策定するにあたっては、経営陣とは別のバリュー委員会をつくり、社員全員でミッション、ビジョンから組織を考え直すワークショップを複数開催しました。その模様は別の記事で。
バリューは決まっただけでは意味がない、日々の業務や行動で体現してこそ浸透したと言えます。バリュー委員会は浸透させるための仕組みを考えました。
目に触れるようにする
まずは、いつでも自分たちの目に触れるようにしようということで、インテリアやフラワーアレンジメントなどが得意なセンスあるメンバーがオフィスの壁をデザインしてくれました。
それまで殺風景だったオフィスですが、この壁はお客様が来ると必ず褒めてもらえるようになりました。
体現しているコトをたたえる
普段から意識してバリューを使い、褒め合える雰囲気を作るために、Slack上にバリューノミネートチャンネルを作成。それぞれのバリューリアクションスタンプも作り、バリューを体現していると思う発言や行動などにリアクションをすれば自動的にチャンネルに投稿される仕組みをつくりました。Slackにあらわれない、会議中の発言や行動に関しては直接ノミネートチャンネルに投稿してもらいます。
ここで大切にしたのは、体現しているヒトをノミネートさせるのではなく、コトをノミネートさせることです。クアンドでは、何か課題が見つかったときや失敗したときも、ヒトを責めるのではなく、コトにフォーカスして対策を練ろうということを大切にしています。褒める場面においても、発言や事象や行動などコトを対象とすることで、それに関わる複数人を褒めることができたり、その思想や発想自体を尊重することができるのではないかと思っての注意書きでした。
そうやって3~4カ月ほどノミネートチャンネルを運営してみましたが、ノミネートするバリューに偏りが出てきました。「ユーザーとともに」や「種を生み育てる」にはかなり多くのコトがノミネートするのに対し、「そもそも思考」や「最後は自分軸」にはしばらくノミネートゼロの期間が続きました。このことから、使いやすいバリューとそうでないバリューがある、バリューの言葉だけではそのバリューに含ませたかった意味まで思い出せない、などの課題が浮き彫りになりました。
9月のクアンドバリュー大賞
何はともあれ、各バリューなんとか最低1つはノミネートしたので、大賞受賞のコトを決めてみよう!ということで2022年9月に大賞選考会&バリューについての振り返り会を開催。以下に受賞したコトを挙げます(実際はひとつのバリューに対して3つのコトが受賞したりしましたが、ここでは代表1つを紹介)。実際の例なので、クアンドがどういうことに価値を置いているのか、理解してもらいやすいと思います。
そもそも思考
ログ収集チームで、そもそも何のための数字がほしいんだっけ??と考え、定義の再考や修正を行ったこと
クアンドが開発・販売している現場向け遠隔支援・ナレッジ共有アプリ「SynQ Remote(シンクリモート)」のセールスチームと開発チームは合同で、利用率向上のためのログ集計を行っています。どうしても集計は数値で出てくるので何も考えず作業的に行ってしまいがちですが、その集計している値は誰の何のために出している数値なのかというそもそもの部分に立ち返って、算出する値の種類や定義から再考しました。
ユーザーとともに
CSチームのきめ細やかなフォロー
10月から大型顧客の契約が複数社決まっているのですが、ここまで来るのに初回問い合わせから1年ほどかかっている顧客もあります。それまできめ細やかに電話やメッセージでユーザーの立場に立った能動的な提案を続けてきたCSメンバーの努力の賜物です。そしてそれだけではなく、現場立会に参加したメンバーやセキュリティチェックシート対応をしたエンジニアチーム、それぞれの対応もお客様から褒めていただき受注につながっており、全員で勝ち取った受注として今回受賞となりました。
種を生み育てる
ある開発メンバーの言いにくいこともきちんと伝える精神。そんなこと言っても関係が崩れないクアンドの心理的安全性の高さ
「○○したほうがいいよ」というアドバイスは思いついてもなかなか本人には伝えにくいもの。それでも相手のためにチームのために、まっすぐにアドバイスを伝え、またそれを素直に受け取るチームがクアンドです。小さな改善の種が生まれ、きちんと育った例でした。
未来起点
プロダクトの将来の基盤を見据えた行動・提案
プロダクトを開発していく中で開発チームとして対応すべきことは、既存機能の改善、新規機能の開発やバグの修正などたくさんあります。しかし、一見これらは緊急度が高いので優先的に対応すべきなように思えますが、この他に現時点では緊急度は高くないけど重要度の高いものがあります。それが将来的にプロダクトが拡大していった時の運用に耐えられる基盤の部分の開発になります。目の前の開発案件に追われがちな状況の中で、冷静に未来起点でプロダクトのことを考え提案をしてくれました。
最後は自分軸
発生したボールの判断をスピーディーに各自ででできるようになったこと
会社の成長とともにチーム全体のタスク量も増えていきます。今までは判断を経営陣にゆだねていた場面でも、まずは「自分はこうすべきだと思っています」という意思をもって、報告する。そんな流れで意思決定のスピードはかなり上がるようになりました。
選考会を経て
今回、大賞選考会&バリューについての振り返り会では、副文まであらためて復習をした上で選考を行いました。やはり一緒にバリューを考えたメンバーでも副文までは常に頭に入っているわけではありません。
1つのバリューに2つ意味が含まれてたり、想いを詰め込みすぎて、ぱっとどういう行動なのかわかりづらいバリューもあります。でも、せっかく全員で作り上げたバリューなので、もっとメンバーに染み込み、新しいメンバーにも理解してもらえるように、体現して浸透させていきたいと思っています。今後もどんどんノミネートさせて、実例を増やしていきたいと思います!