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「光っている人は常に自分を磨いている」ポジウィルの原点・宮城まり子先生講演会

こんにちは!ポジウィルの採用担当です。

普段はWantedlyにて社員のみなさんを紹介しておりますが、今回は社内勉強会をレポートしていきます☺️

社内にいると、たびたび「まり子先生」という愛称で、2018年に法政大学キャリアデザイン学部教授を退官された、宮城まり子先生が話題にあがります。

現在、日本産業カウンセリング学会名誉会長、日本キャリア教育学会理事としてキャリアカウンセラーの養成に力を注いでいる先生は、代表・金井の恩師であり、金井がポジウィルを創業するきっかけとなった方。

いわば、ポジウィルの原点であり、金井の原点です。

先生はなぜ、キャリアカウンセリングの重要性を感じたのか。金井はなぜ、先生の考え方に胸を打たれ、「キャリアカウンセリングを世に広めたい」とポジウィルを創業したのか。

本来、ポジウィルという会社に深く影響を与えながら、直接お話をうかがう機会がなかった先生をお迎えし、現代にキャリアカウンセラーが求められる背景やその役割についてお話いただきました。前編は、そのダイジェストをお届けします。

★ 宮城まり子先生講演会

  • 日時   :2021年12/25(水)10:00〜12:00
  • 場所   :ポジウィル株式会社オフィス
  • 当日の流れ:宮城先生講演会→宮城先生・金井対談→質問コーナー
  • 目的   :宮城先生のキャリアカウンセリングがポジウィルの原点であることを理解する

子どもが育つ上で一番大事なのは「いい親であること」

宮城(以下、敬称略):私はもともと小児科のカウンセラーとして、未熟児の発達チェックや、不登校の小中学生のケアをしていました。

病棟で出会う親御様はお子さんのことを熱心に想う方ばかりでしたが、なかにはその気持ちが子供に負担をかけてしまっているご家庭を見ることもありました。

その経験から、子どもが育つ時に一番大事なのは、どんな立派な家に住んでいるよりも、「親がいい親であるということ」だと確信したんですよね。


ポジウィル代表・金井はもともと保育短大時代に実習で児童虐待の現実を知り、虐待せざるを得ない親のストレスや環境に問題がある社会構造を変えたいと思うようになりました。中でも、人生の大きな割合を占める働き方を変える仕組みを考えたいとキャリアカウンセリングを学ぶことを決意し、大学に編入。宮城先生の考えに出会います。


宮城:キャリアに興味をもったのは次の職場、心療内科で働いていた時のことです。人はストレスを感じていると体に症状が出るんですけど、上から薬を塗るよりも、内面的な問題を支援してあげたほうが皮膚はきれいになることが多かったの。

当時は大学の先生も掛け持ちしていたんだけど、周囲には働きながら大学に行っている大人が多くて、働くことに悩んでいる人の多さに気づいたのよね。

でも、お医者さんは「会社休みなさい」「そんなに精神不安定だったら安定剤出します」と。私はだんだん「それじゃだめだろう」と思ってしまって、キャリア研究に興味を持ったの。


国家資格キャリアコンサルタントは、日本経済を支える存在

宮城:当時、アメリカにはキャリアカウンセリングという分野が確立していたのよ。アメリカは既に実力社会で、自分のキャリアを会社に預けず舵取りしていく社会だからね。

そこで、私はカリフォルニア州立大学のキャリアカウンセリングコースに行ったの。勉強して2002年に帰国したら、同じタイミングで国家資格キャリアコンサルタント資格が設立されましたと。

おだやかに語りかける先生


宮城:実は、カウンセリングの分野ではじめて国家資格になったのがキャリア領域なんです。臨床心理士よりも先なの。

それは、これから少子化が進んでいくと生産性が落ちていくから。一人一人が自分の持っている力を最大限に発揮して社会に貢献する人材を育てたいというのが、政府の考え。ましてや今は定年が伸び、シニアの方のキャリアも支援する必要がある。

ですから私たちは、責任をもたなければいけないの。

私たちがどうキャリアを支援していくかで、これからの日本経済が変わるんです。


この仕事に、勉強に、終わりはありません

宮城先生は多数の企業のスーパーバイザーとして携わり、ケース研究会を行っています。たくさんのキャリアコンサルタントとディスカッションを繰り返すなかで、感じたことがあるといいます。


宮城:辛口で申し訳ないのだけれど、みんな質が低い。

逐語録に目を通すと、相手に寄り添っていないし、自分が聞きたい質問ばかりして、最後は自分のペースでアドバイスして終わり。

あなた、なにやっているの?って感じになることがすごく多いの。資格も返して欲しいくらい。それくらいのレベルの人が、相談に応じているのが現実だなと思っています。

私はこれをなんとかしたい。なぜなら、みなさんの仕事によってクライアントの人生が変わるからです。約3ヶ月養成講座に通って、それで何がわかりますか?むしろ、資格を取ってからがはじまりですよ。


先生が力強く訴えるたび、皆のメモの手が動きます。


宮城:この仕事に、勉強に、終わりはありません。

この仕事をする限り、一生学び続けないといけません。

本も読まない勉強もしない、ただ自己流でやっている。これ、やめてください。

それは無責任だしクライアントに対して失礼。

みなさんもね、自分のやり方でこれでいいと思ってしまいがちですけれど、スーパーバイザーに一回見てもらって、客観的に自分の支援の仕方を指摘してもらいましょう。そうしないと、どんどん自己満足の我流になってしまう。

「私はできている、やれている。」客観的に見ると、たくさん問題点を抱えているカウンセラーがいかに多いか。

光っている人は、常に自分を磨いている人です。この仕事をするのは、相当謙虚な人じゃないとだめですよ。


なおそうとするな、わかろうとせよ

宮城:古代ギリシャの哲学者・ゼノンは「耳はなぜ2つあるの?口はなぜ1つなの?」と言っています。それは、自分が話す倍だけ相手の話を聞かなければいけないということ。

でも、耳が1つで口が6つあるようなカウンセラーって、山のようにいます。

そして「自分はいいこと言ってやった」という自己満足で終わります。

また、「なおそうとするな、わかろうとせよ」という言葉があります。なおしてやろうと思うと、自分が言いたいことしか言わなくなります。

私は皆に、そんな人になってほしくない。カウンセリングを通してみなさんと出会えた人が、「あの人と出会えたことで自分の人生が変わった」と言ってもらえるくらいの支援をしてほしい。私たちは使命感を責任を持って、相手の人生を変える仕事であることを前提に、絶えず自分を磨き、「さすがプロ」と思っていただけるような、一人前のカウンセラーになってほしいです。


ここで先生はマイクを置き、法政大学時代の金井について語ります。


宮城:めいちゃんはね、法政大学の編入試験前に挨拶にきてくれたの。「私、あなたのゼミに入ります!」と。「選考があるのよ」と伝えたら「いや、入ります。」と。

すごく印象的でした。その意欲が素晴らしいなと。そこから私のゼミに入ってくださって、リクルートでめいちゃんが大阪にいる時も、私の講座を受けにきてくれて一緒にお好み焼きを食べたり。今ではこんなに成長して、誇りに思います。



金井:心が震えすぎて、涙が出てきました。

私がなぜ編入してまで「キャリアカウンセリングを突き詰めたかったか」を再認識したし、これを伝えることが自分の人生のミッションだと痛感しました。私が大事にしていることを師匠からみんなに伝えてくださってありがとうございました。

※金井が法政大学へ編入した詳細はこちら

まり子先生のカウンセリングを継ぐ存在になりたい

では、先生はクライアントの話を聞く時、どのような姿勢で向き合うのか。ここからは先生の隣に金井がならび、公開カウンセリングの形式で対話しました。

宮城:めいちゃんは今、こんなにいい仲間がいてどんなことを思っている?

金井:4年前、会社を立ち上げた起業当時は想像もつかなかったくらい、みんなでやることの意味と難しさを感じています。でも、私はまり子先生の人としてのあり方を大事にしたいなと思ってやってきたので、そこから逸れないように会社を前に進めていきたいなと。

宮城:そこから逸れないようにって、具体的にどういうこと?

金井:たとえば、みんな自信がない中でやっている部分もあると思うので、「これが正しい」と固執したくなってしまうと思うんです。でも、不完全であることを肯定した上で「もっとよくしていく」意識を全員が持つ組織でありたいです。

宮城:「不完全」って、私はあまりいい言葉ではないと思うのよね。謙虚であるということでいいんじゃないのかしら。まだまだ自分はのびしろがある、もっともっと勉強して成長する余地がある、くらいのところでやっていけかれるといいかな。じゃあ、もし奇跡が起きたらどんな会社にしたいですか?

金井:まり子先生が伝えてきたキャリアカウンセリングを、私たちがたくさん日本に伝えていきたいなと思います。私自身が18歳で先生と出会って人生が変わったからこそ、若いうちから人生が変わるような経験ができる人を増やしていきたいなと心から思った今日でした。

お話を終えたオフィスでは、「話を聞いて耳が痛い」「自分の足りなさに落ち込むのではなく、学び続けることで前に進んでいきたい」との声がちらほら。プロとしての使命感と責任を再認識する機会になりました。


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