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「感覚的に」キャリアを選んでいませんか? 法政大・田中教授に聞く、納得感のあるキャリアを選ぶ科学的アプローチとは

こんにちは、ポジウィルの採用担当です!

20代のキャリア選択のサポートをする「POSIWILL CAREER」。リリース以降、「自分の強みを言語化できた」「本当にやりたいことが明確になった」といった声が寄せられています。このプログラム開発を支えるのが、キャリア理論や発達心理学に基づいた科学的なアプローチ。法政大学の田中研之輔教授(以下・タナケン先生)を外部顧問として招聘し、プログラム開発に力を注いできました。

これまで、キャリア論や組織論を専門に25冊の著書を執筆してきたタナケン先生。専門的知見を生かしながら、ビジネスパーソンが自分らしい働き方を見出すためのお手伝いをしています。今回は、ここ数年のキャリア環境の変化と、「POSIWILL CAREER」が届ける価値について、タナケン先生に伺いました。

田中 研之輔(たなか・けんのすけ)氏
法政大学 教授 /一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事 UC. Berkeley元客員研究員 University of Melbourne元客員研究員 日本学術振興会特別研究員SPD 東京大学 /博士:社会学。
一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。専門はキャリア論、組織論。著書25冊。『辞める研修 辞めない研修–新人育成の組織エスノグラフィー』『先生は教えてくれない就活のトリセツ』『ルポ不法移民』『丼家の経営』『都市に刻む軌跡』『走らないトヨタ』、訳書に『ボディ&ソウル』『ストリートのコード』など。ソフトバンクアカデミア外部一期生。専門社会調査士。新刊『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本論』。最新刊に『ビジトレ−今日から始めるミドルシニアのキャリア開発』日経ビジネス、日経STYLE他メディア多数連載/社外取締役・社外顧問を27社歴任。

組織内キャリアから自律型キャリアへ。誰もがキャリアに悩む時代

ーー今日はよろしくお願いします! 最前線でキャリアについての研究を重ねているタナケン先生から見て、「POSIWILL CAREER」はどのようなサービスだと感じていますか?

田中:キャリア論の観点からも、社会に求められているサービスだと感じています。今は、組織内でキャリアを構築していく「組織内キャリア」の時代から、組織にとらわれずに自分でキャリアを選択していく「自律型キャリア」へと大きな転換が起きていますよね。

2016年には国を挙げて「働き方改革」の推進が始まり、2019年には経団連の中西宏明会長が、終身雇用制度の限界を指摘しました。そして、新型コロナウイルスの流行によってオンライン化が加速化し、場所や時間を問わない働き方が広まりつつあります。

一見、「自分の好きなように働き方を選択できること」は、良い傾向のようにも思えます。しかし、実際にはキャリア選択に悩む人たちが増えてきているんです。

ーーなぜでしょうか?

田中:かつて、自分のキャリアは「組織に委ねるもの」でした。それらが崩壊しつつある今は、オーナーシップを持って今後のキャリアを選択していかなければいけません。選択肢が豊富だからこそ、自分の価値観を深く理解できていないと、将来の選択に迷ってしまうんです。

ファーストキャリア形成期の20代〜30代の社員は「不透明なキャリア展望」に、ミドルシニアキャリア形成期の40代〜50代は「組織内キャリア依存からの脱却」に、50代以降は役職解任後の「キャリア失墜」と、先の目標を見出せないことに伴うモチベーションの低下に苦しんでいます。


ーー年代問わず、多くの人たちが自分のキャリアへの悩みを抱えているんですね。

田中:キャリアについて悩むと、多くの人は「自分が悪いのではないか」と自己否定をしてしまいます。でも、これだけ大きな変化が起きている中で、悩んでしまうのは当然のこと。そのときに指針となるのが、「自分がどう生きたいのか?」という確固たる意思なんです。

「POSIWILL CAREER」は、利用者が望む生き方を引き出していくことをコンセプトにしているので、今の時代を生き抜く指針を得られるサービスだと実感しています。

自分にぴったりな処方箋を、専門的なアプローチで探る

ーー働き方が多様化する中で、多くの支援サービスが生まれていますよね。「POSIWILL CAREER」は、既存のサービスとどのような点が違うのでしょうか?

田中:一人ひとりの「行動変容」を促している点ですね。従来の転職支援サービスは、転職希望者を企業に紹介するという「人材の移行」を中心に行っています。転職希望者のインサイトを引き出し、最適な企業との出会いを促す良質な事業者も存在しますが、「内面の変容」にはアプローチをしないんですね。

一方でポジウィルは、フェローが自分らしいキャリアを歩んでいけるように、認知や行動そのものの変容を促していきます。いわば、トレーニングなんです。(*補足させていただくと、私はポジウィルの利用者のこれからの人生の伴奏者でありたいという意図をこめて、フェローという呼び方を使っています)

ーータナケン先生は、「POSIWILL CAREER」の監修をしていますよね。具体的には、どのようにフェローの変容を促しているのでしょうか?

田中:現状を知る「健康診断」と、理想の状態に持っていくための「処方箋」でアプローチをしていきます。そのために、「POSIWILL CAREER」では、キャリア学の理論を基に4つのステップを踏んでいきます。


ーータナケン先生は、フェローの変化をどのように感じていますか?

田中:当初は自己否定をしていた利用者が、自分のことを認め、やがて肯定できるようになるんです。その変化は、目を見張るものがあります。キャリアの悩みは、自分を肯定し、課題に対して考え抜く癖さえつけられれば、打破できるのだと実感しました。

ーー自己肯定感が高まり、目の前の課題に対して、自分の力で解決できるようになれば、組織に依存しないキャリアを描けそうですね。

田中:そうですね。ただ、卒業後も伴走してくれる存在が必要だと思います。今の社会は変化が非常に激しい荒波のような状態で、いくら自律型の人材に成長できたとはいえ、たった一人で生き抜くことは難しいんです。次から次へと課題が押し寄せてくるため、時には心が折れてしまったり自分自身の軸を見失ったりすることもあるでしょう。

そんな時に、自分のことを見守り、支えてくれる存在がいればどんな荒波でも乗り越えていける勇気を持てます。アスリートの周りにも、心身のケアをするトレーナーがいますよね。キャリアにおいても同じような状態を実現するために、「卒業生コミュニティ」で、フェローの変化をチアアップしています。

ーー勤務先や転職先の上司や同僚だと、その役目を果たせないのでしょうか?

田中:社内でもいいのですが、アドバイスが偏った視点になってしまう懸念があるんですよね。悩みを抱えてしまった時には、時に既存の考えから脱却する必要があります。

イノベーションも、異質な人たちが集まる場で生まれるもの。バックグラウンドが異なる人たちの意見を取り入れることで、直面している課題を解決するヒントが得られる可能性が高まります。

ポジウィルが挑むのは、「社会問題」の解決

ーー「キャリア」というと、つい自分のスキルや転職先の条件などで感覚的に選んでしまう人も少なくないように思います。でも、自分が心から納得する道を歩むためには、科学的なアプローチが欠かせないのだと感じました。

田中:まさに、キャリアを考えることは科学なんです。占いでも宗教でも、自分探し問答でもないのです。社会科学です。自分の悩みにフタをして、プライベートに逃げ場を作っても、根本的な解決にはなりません。自分の認知の特性を自覚して補正し、行動を起こすことでしか変わらないんですよね。

よく代表の芽衣さんとも話していますが、ポジウィルが向き合っているのは、「社会問題」なんですよね。キャリアを取り巻く環境が目まぐるしく変わる中で、自分の道を見出せなくて、困っている人に手を差し伸べていきたいと考えています。

ーー冒頭でもお話しいただいた通り、世代を問わず誰もがキャリアの悩みに直面していますからね。

田中:そうですね。また、自分の人生を自分で決められる「自律型人材」が育てば、企業の成長を促すことにもつながるんです。

こちらのグラフを見ていただくとわかるのですが、8割以上の企業が「自律した従業員の増加」を求めています。一人ひとりが自律できれば、いわゆる「組織にぶら下がる」だけではなく、意欲的に仕事に向き合えるようになるはずなんです。そういった人たちが増えていけば、会社も成長し、社会への貢献度がさらに高くなっていく。キャリアに向き合う事業は、社会へ与えるインパクトが非常に大きいと感じています。

今年の5月には、うつ病によって仕事を離れた方の社会復帰を支援する、リヴァさんとの業務提携も始まりましたよね。メンタル面での疾患を抱えた方へのサポートも充実させたことで、さらに多くの人の人生のサポートができる布陣は揃いました。

自分の気持ちを押し殺して働くのではなく、自分らしく納得できる道を歩んでいく人が増えるように、サポートを続けていきたいです。

ーーありがとうございました!

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