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Oisixの顧客獲得ノウハウを活かし、対面販促の課題を解決。Oisixの新事業『スペアド』とは?

「これからの食卓、これからの畑」を理念に、食にまつわる様々な課題の解決を目指すオイシックス・ラ・大地。今回は、リテールメディア事業本部内にあるスペアド事業部に所属する星俊作さんと中川洋輔さんを紹介します。

スペアド(スペースアド)とは、オイシックス・ラ・大地が培ってきた対面接客の顧客獲得ノウハウを活かし、多様な企業の新規会員獲得を支援するオフラインプロモーションサービスです。2021年に新規事業としてスタートし、順調に売り上げを伸ばしています。

オンラインプロモーションが主流となる中、なぜオフラインに軸足を置くのか?スペアド事業の概要や、スペアドならではの強みについて、星さんと中川さんにお話を伺いました。

(▼)こちらのインタビューは動画でご覧いただくこともできます。

オイシックス・ラ・大地に入社した理由

──  はじめに、それぞれ自己紹介をお願いします。

星さん:
リテールメディア事業本部の副本部長、そしてスペアド事業部の部長を務めている星です。

これまでのキャリアを簡単にご紹介すると、新卒でコンサルティング会社に入社し、約4年間勤務。その後、eコマース会社の立ち上げに携わり、約12年間勤務しました。

前職ではオイシックス・ラ・大地(当時はオイシックス)とも関わりがあり、退職のタイミングで「よかったら、ウチで働きませんか?」と声をかけてもらったことが、入社のきっかけでした。

時代が変化する中で、お客さまに付加価値を提供しながら、お客さまと長く関係性を築いていける会社で働きたいと考えていたこともあり、オイシックス・ラ・大地に大きな魅力を感じました。今では、入社して13年目になります。

中川さん:
スペアド事業部で「コントローラー」というポジションを担当している中川です。

前職では無印良品の店舗で店長を務めていました。オイシックス・ラ・大地に入社した理由ですが、前職で働いている際に体調を崩した経験があり、それをきっかけに毎日の睡眠や食事の大切さに気づきました。

それ以来、食や健康に関わる会社で働きたいと考えるようになり、その想いがオイシックス・ラ・大地への入社に繋がりました。

Oisixの新規事業『スペアド』とは?

──  では、ここからはスペアド事業について伺っていきたいと思います。そもそも、スペアドとは何かを教えていただけますか?

中川さん:
スペアドとは「スペース アドバタイジング(Space Advertising)」の略で、商業施設やターミナル駅などにあるスペースを活用し、対面型の広告を行うことを意味しています。

具体的には、商品やサービスのアピールポイントをテーブルクロスや大型バナーに掲載し、その場でスタッフがお客さまに直接説明をしたり、簡単な体験を提供したりします。そして、興味を持っていただいた方には、その場でサービスの申し込みをご案内していきます。

Oisixでは、オンラインだけでなく、オフラインチャネルでのプロモーションによる会員獲得でも多くの実績を積み重ねてきました。その自社で培ったノウハウを活かし、他社さまのオフラインチャネルでのプロモーションを支援するのが、スペアド事業部の役割です。

──  クライアント企業として、どんなお悩みをもつお客さまが多いですか?

中川さん:
具体的には、「どうやって自社の定期会員を増やしていけばよいかわからない」といったお悩みを持つ企業や、「会員獲得の効率を高めたい」と考えている企業。また、自社リソースが不足しているため、オフラインプロモーションを外部に委託したいというケースも多く寄せられます。

企業ごとに課題は異なるため、弊社ではPDCAサイクルを回しながら、最適な解決策をご提案しています。

業種としては、Oisixでの成功事例をもとにしているため、食品関連の企業さまからのご依頼が最も多いです。ただし、住宅関連サービスや化粧品メーカーなど、幅広い業界の企業さまからもご相談をいただいています。

成功体験によって誕生したスペアド事業

──  Oisixがスペアド事業を立ち上げた背景とは何なのでしょうか?

星さん:
スペアド事業部が誕生したのは2年前ですが、オフラインによるプロモーション施策については、Oisixでは10年ほど前から取り組んでいます。

Oisixでは、オンライン広告を通じてお試しセットをご購入いただき、そこから定期会員になっていただくケースが主流です。ただ、オンラインだけではアプローチできないお客さまも多くいらっしゃいました。そこで、さまざまなチャレンジを行う中で、リアルな場を活用した対面型・体験型の販促手法に取り組むようになったのです。

大きなターニングポイントとなったのは、ベネッセさんが主催する『たまひよファミリーパーク』への出展でした。このイベントは、妊婦さんや子育て中のママ向けの大規模イベントで、Oisixのお客さま層と重なる方々が多く参加されています。会場では、さまざまな企業がブースを出展していましたが、Oisixもその一つとして参加しました。

すると、こちらから積極的にご案内しなくても、お客さまのほうから興味を持っていただき、長蛇の列ができました。そして、次々とお申し込みいただき、たった1日で数百件の新規会員を獲得することができたんです。この経験を通じて、オフライン販促の可能性を改めて強く実感しました。

── たった1日で数百件ですか!それはすごい成果ですね。やはり、イベントの選定が重要だったのでしょうか?

星さん:
そうですね。Oisixのお客さま層と合致したイベントを選べたことが、成功の大きな要因でした。対面型のプロモーションでは、時と場所に応じて柔軟にやり方を変えないと、コストに見合わない場合もあります。

特に、サブスク型のサービスを提供する企業では、新規申し込み1件の獲得にどれだけの予算をかけられるか(CPA)が重要です。他社では、Oisixより高いCPA基準を設けているケースも多く、Oisixのアプローチ手法が他社基準では十分に効果的だと評価されました。

その結果、プロモーションをサポートしてほしいというご相談が増え、他社支援を始めたところ、予想以上の新規会員獲得実績を生むことができました。毎月数千万円規模の予算をいただくケースもあり、これがスペアド事業のスタートとなりました。

その後も、様々な業界の企業さまからオフラインプロモーションの依頼が増え、事業としての成長可能性を見込んで、正式にスペアド事業部を立ち上げることになりました。

数値を細かく見ながら、改善プロセスを推進

──  次に、スペアド事業部の具体的な業務内容について教えてください。

中川さん:
まず、わかりやすいところから説明すると、最初に行うのは催事ロケーションの確保です。ご予算やプロモーション対象となるお客さまの層に合わせて、ニーズに合ったスペースを手配します。

次に、接客スタッフの手配です。人材派遣会社と連携しながら、商品やサービスの特徴をわかりやすく伝えられる経験豊富なスタッフを選定し、手配します。

さらに、プロモーションの効果を最大化するため、PDCAを回す業務にも注力しています。具体的には、目的やご予算に応じたKPIの設定、催事プランの設計、実施状況の確認、レビュー、そして改善プロセスの推進といった流れで進めています。

──  対面販促の場合、スタッフさんのトーク内容が重要になると思います。その内容はどのように決めていくのでしょうか?

中川さん:
接客スタッフさんのトークスクリプトは、スペアドの土台であるOisixの成功例をもとに作成しています。ただし、扱う商材ごとに特徴がありますので、商材に合わせて内容を調整しています。

特に、「どうすれば、お客さまがブースに立ち止まってくれるか」「どうすれば、その商材を“自分ごと”として捉えてもらえるか」という観点を大事にしています。この点については、人材派遣会社の担当者と話し合いながら、トークスクリプトを練り上げていくことが多いです。

──  プロモーションのレビューにおいて、KPIとして特に重視しているものはありますか?

星さん:
次の3つをKPIとして注視しています。一日あたりの接客人数、3分以上ご案内できた人数、お申し込み件数です。

各現場からこれらの数字を報告してもらい、データとして管理しています。その際、前回の施策と比較して、「接客人数が減った」「制約数が減った」といった変化を確認し、その原因を分析します。たとえば、場所の選定に問題があったのか、スタッフさんのご案内に改善点があったのか。そして、改善策を実行していきます。

このように数字を細かく見ながら打手を考えていくので、オフラインプロモーションといっても、Webマーケティングに近いような感覚です。

オンライン全盛時代における、スペアドの強み

──  新規獲得施策におけるスペアドならではの強みとは何だと感じますか?

星さん:
Webプロモーションの場合、小さくテストを行い、結果を見ながらスケールアップすることができます。一方、対面型プロモーションでは、人と場所の手配が必要なため、時間がかかり、一日あたりの運用コストも一定以上発生します。

しかし、多くの企業がオンラインプロモーションにシフトした結果、Web広告のCPC(クリック単価)が高騰し、新規会員を獲得するためのコストが上昇しています。そのため、適正な費用で獲得目標を達成するのが難しくなっている状況です。

対照的に、対面型プロモーションは場所と人を手配するだけで、適正なプロモーション費用で安定した会員獲得が可能です。オンラインプロモーションが主流の時代ですが、逆にオフライン施策が「逆張り」として強みを発揮していると感じています。

──  オフラインプロモーションをサポートしている企業は他にもありますが、オイシックス・ラ・大地のスペアド事業部ならではの強みは何になりますか?

中川さん:
やはり、事業者目線でサポートできる点だと思います。私たちは自社でサブスク型のサービスを展開しており、CPAを達成することの重要性を身をもって理解しています。そのため、予算の規模に関係なく、クライアント企業さまのCPA達成に全力で取り組んでいます。

さらに、Oisixで実績を上げている施策を応用しているため、自信を持ってクライアント企業さまにご提案できます。この実績があることで、クライアント企業さまにとっても納得感や安心感を持ってサポートを依頼していただけるのではないかと感じています。

考える力を鍛えたい人には最適な環境

── おふたりが、スペアド事業部で働く中で、面白みを感じる瞬間を教えてください。

中川さん:
商材・ロケーション・接客がうまく噛み合ったときに、信じられないほどの結果が出る瞬間です。一日で驚くほどのお申し込みが集まることもあり、そうした成果を目にしたとき、自分がプランニングしてきたことが正しかったと実感できます。

また、私が担当している「コントローラー」というポジションでは、催事スペースのロケーション確保が重要な役割のひとつです。ロケーションは成果を左右する要素なので、最適なスペースを数多く確保し、事業部全体の価値をさらに高めていきたいと思っています。

── 星さんはいかがでしょうか?

星さん:
スペアド事業の面白さは、クライアント企業さまの規模が多様である点にあります。

大規模なお客さまの場合、「テスト施策で結果が出たら、予算はいくらでも出します」とおっしゃることもあり、月間で数千万円、年間で1億円を超える規模の予算を扱う案件もあります。そのような案件を扱うので、責任感と同時にワクワク感も感じます。

さらに、私たちが対面するのは、クライアント企業のブランドマネージャーの方であることが多いです。一緒に行った施策が社内で高く評価され、ご担当者さまが社内MVPを表彰されることもあります。そうした瞬間に立ち会えるのは、やりがいを感じる瞬間ですね。

── それは素晴らしい瞬間ですね!最後に、スペアド事業部で働くのに向いていると思う人物像について教えてください。

星さん:
明確な正解がない中で、クライアント企業さまと一緒に考え、PDCAを回していくため、自走できる人が向いていると感じます。自分で仮説を立て、それを検証し、正しかった時に喜びを感じられる人は、スペアド事業で大きく成長できると思います。

中川さん:
また、スペアド事業部では、催事の開催数が非常に多いため、考える機会が多くあるのが特徴です。そのため、想定と結果のズレを分析し、次の打ち手を素早く考えて、改善を続ける力が求められます。そうした「考える力」を鍛えたい人には、最適な環境だと思います。

星さん:
さらに、オイシックス・ラ・大地グループ全体では、多岐にわたる食の社会課題を解決するため、さまざまな新規事業が動いています。スペアド事業部も新規事業ならではの余白が多い環境です。この部分に魅力を感じ、新しいチャレンジを楽しめる方と一緒に働けたら嬉しいです。

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