みなさんこんにちは!UIデザイナーの西村と申します。
前回の記事から早半年、引き続きリクルートキャリアにジョインしリモート環境下でデザイン業務をしています!
かれこれリモートワークを始めて1年が経ちましたね、これまで行っていたエンハンス業務やユーザーヒアリングの他、データ分析などでもお力になれないか日々模索しております。
さてニジボックスでは以前紹介した輪読会の他、各グループで技術力向上のため勉強会やナレシェア会、座談会、オンライン合宿などの様々なイベントが開催されています。
今回はリクルート関連会社に常駐しているデザイナーが合同で行っているデザイナー勉強会についてご紹介します。
運営メンバーがどのように準備や運営を行なっているのか、私が参加してみて実感したこと、得られたメリットなどをまとめてみましたので、ぜひご覧になってください!
勉強会を行う背景と目的
ニジボックスに所属するデザイナーの多くはリクルート関連会社に参画し、サービスのデザイン・開発に携わります。
そのため自分が担当するサービスや領域以外にも、デザインの幅をもっと広げていきたいという背景がありました。
今回の勉強会は「デザインの引き出しを増やしたい!」を大目的として開催されているものです。
具体的には下記の目的が掲げられています。
・業務外のデザインに触れて経験や引き出しを増やす
・限られた時間の中で成果物として仕上げる
勉強会は回数を重ねていくにつれ改良され、現在は月1回ほどのペースで行われています。
勉強会の流れ
では勉強会は実際どのような流れで行われているのでしょうか?
ざっくりと説明すると下記の流れになります。
1.勉強会の参加者から発表者とレビュアーを当番制で決める
2.発表者はデザインを作り参加者へ発表する
3.レビュアーは発表者の作ったデザインをレビューする
これだけではあまりイメージが掴めないかと思いますので、事前準備と当日発表に分けてより具体的に説明します!
事前準備
1.発表者とレビュアーを設定する
運営メンバーが勉強会参加者を「発表者」と「レビュアー」にそれぞれ当番制で割り振ります。
なお、この「発表者」「レビュアー」は参加者のこれからのキャリアプランなども踏まえ、本人の希望によりどちらを担当するか立候補することができます。
2.発表日とお題を設定する
発表日は発表者とレビュアーの都合の良い日程を確認し設定します。
お題選定は参加メンバーから主体的にお題を提案していただき、運営メンバーと担当レビュアーに確認し決めています。
最近の傾向としては「既存アプリをUI観点で改善」をベースに設定されていることが多いです。
なぜならユーザーとしての視点を強く持つことができ、考えるポイントを絞ってデザイン検討できるからです。
3.発表者がお題に取り掛かる
発表者はデザインのみではなく、ターゲットや既存デザインの課題整理を行い、どのような観点でデザイン改善したのか資料に起こします。
画像は実際に私が発表者担当時に作成した資料の一部をダミー用に調整したものです。
この時のお題はUI観点での改善がテーマとなっていたため、デザインのトンマナは大きく変えず導線の見直しや各ページの役割を整理しました。
4.レビュアーに作成したデザインを提出する
発表者は発表日一週間前を目処にデザインをレビュアーに提出します。
レビュアーは提出されたデザインや資料・既存アプリ・競合アプリなどを確認し、改善点の洗い出しをします。
当日発表
1.ファシリテーターが勉強会について簡潔に説明
当日は参加メンバーが集まるまで緩くアイスブレイクを挟んだ後、スライドを用いて目的・会の流れ・お題などを簡潔に説明します。
現在はリモートワークのため、オンラインでの開催になっています。
2.制作者が発表する
いよいよ発表の時間です!発表する形式は自由ですが下記の流れが多いでしょうか。
1.現アプリのブランディングやターゲットの確認・抱える課題の整理
2.制作デザインの説明(コンセプトや改善箇所など)
中にはプロトタイプや動画を用いて説明する方もいらっしゃいます。
3.レビュアーは発表されたデザインに指摘をする
レビュアーは事前に準備していた内容や制作者への質問を踏まえレビューをします。
発表者はこのタイミングで、レビュアーからの質問への応答や制作時に抱いた疑問点をレビュアーに聞くこともできます。
4.2-3の流れを発表者の人数分行う
2-3の流れは1人だいたい20分ほどを行われ、発表者の人数分発表します。
なお一度の勉強会での発表人数はだいたい2〜3人です。
他の発表者の制作意図やデザイン、発表、レビューなどから知見を得たり視野を広げることができます。
5.全体を通して質疑応答
勉強会ではチャットやコメントも利用されており、参加者はこれまでの発表やレビューの中で気になった質問や感想などを記載することができます。
ファシリテーターはそれらのコメントをとりまとめ、発表者やレビュワー、知見の深い参加者などに割り振り、それぞれの質問を答えていただきます。
デザイナー勉強会のメリットや改善点
実際に参加して感じたことやアンケート結果などから伺った内容をまとめ整理してみました。
メリット
■普段携われない業種のデザインが経験できる
元から設定されていた大目的のように、普段あまり関わりが少ない業種やトンマナのデザインが経験できます。
シンプルにデザインの幅を広げる機会が得られることや、普段とは異なる新鮮な気持ちで課題にとりかかることができるので、学びにもある種の息抜きにもなります。
余談ではありますが、お題が飲食アプリの改善時に発表者として参加させていただきました。
冒頭でもお話しした通り普段人材業界のデザインを担当しているため、デザインの傾向の違いなどを実感しながら、とても楽しく学びを得ることができました。
■デザインのアウトプットに関する一連の流れを練習できる
制作者はただデザインを作るだけではなく、自身の制作意図を的確に伝える練習の場にもなっています。
これは併用しているチャットなどで参加者の雰囲気がなごやかなため、緊張を比較的抑えられる環境だからです。
お題着手からデザイン作成・発表までの大まかな下記の流れを経ることで、限られた期間の中で自分で考え制作する力を養うことができます。
1.課題となるサービスの調査(ターゲットや競合など)
2.調査を踏まえどうすれば改善に繋がるのか?など、課題整理をする
3.課題を踏まえてデザインを作成する
4.デザインの制作意図が伝わるように資料作成する
5.準備した資料を用いて制作意図などを的確に伝える
■他デザイナーの制作意図なども知ることで、相乗効果で学べる
同じお題に対して複数のデザインやそのレビューを確認できることにより、他デザイナーの制作意図や手法、発表時の話し方などを知ることができ、一度の機会でより多くの学びや刺激を得ることができます。
特にニジボックスのデザイナーは経験の幅が広くデザイナーごとに得意な分野が異なるため、その改善案に至った考え方にも幅があり勉強になります。
また普段の日常業務では関わりの少ない他デザイナーとのコミニュケーションが良い刺激にもなっています。
■他デザイナーからのレビューがある
他サービスに常駐しているデザイナーからレビューをもらえる機会は貴重です。
指摘内容はもちろん、どのような観点で指摘しているのかを具体的に知ることができ、実際の自分の制作時やレビュー時の参考にもなります。
■レビュアー側にも良い学びの場になっている
レビューするにあたり、既存アプリの課題を分析・調査する力、デザインの違和感を見抜く審美眼などが求められます。
またデザインに感じた問題点を言語化する力もレビュアーには必要不可欠です。
普段携われない業種のデザインをレビューするのは上記の力を身に着ける足掛かりになります。
改善点
■発表者・レビュアーの負担
業務と並行して行っているため、発表者・レビュアーともに負担がどうしてもかかってしまいます。
多忙期によるスケジュール調整や制作物作成に関するルール調整は随時行っているものの、今後より発展させていくためにもより良い改善案を模索しています。
まとめ
私がこの勉強会に参加させていただき半年ほど経つのですが、毎回参加するたびに今後の参考にしよう!と常に得られるものがありました。
特に参加者・レビュアーとしてそれぞれを体験した時には、他デザイナーのデザインや思考を自分のものと比較し、より良いところを吸収できる良い機会でした。
これは勉強会に多くのデザイナーが参加していること、そのデザイナーが各々の観点で考慮し作成したデザインをレビューも含めて確認できること、そしてそのような機会が得られる勉強会が継続して行われているからこそ体感できることだと私は感じています。
来季からはさらに他のグループも交えてより発展していく予定の勉強会なので、私もより精進して参加していきたいです。