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場所が変わると働き方、関わり方、生き方が変わる。WORK101チーム合宿レポート(後編)

モノサスでは自分たちのWebサイトにスタッフが交代でコラムを書いています。
今回はその中から、原澤が「マイプロジェクト」として新たに立ち上げたWORK101(ワークイチマルイチ)<はたらく文化探求センター>の記事の(後編)をご紹介します。

2日目、「きく」ワークショプ


BAGNさん合宿 in WORK101のレポート後編。
前編では合宿をやることになった経緯、合宿初日のレポートをお送りしました。後編では合宿2日目以降の様子、そしてこの合宿を経てどんな変化がおきたのかについてお伝えしていきます。

2日目の朝は、気温も氷点下で車のフロントガラスが凍ってしまうほどの冷え込み。エンジンをかけてしばらく車を温めてから出発しました。場所は初日に続き、WORK101。

合宿2日目のファシリテーターは西村佳哲さん。西村さんは"つくる・書く・教える"の三種類のお仕事を主軸に活動されている「働き方研究家」です。
(モノサスとの関わりはこちらの記事参照)



西村さんからの最初の問いかけは「今、どんなかんじ?」。本題に入る前にこの場にいる人達のコンディションを確認します。

今年イチ調子がいい人、朝からイマイチ調子が良くない人、宿泊先の近所で鳴っていた木魚の音で朝早く目が覚めてしまった人…などなど。当然ですが、その時の状態は人によって様々。自分の状態を言葉にしてこの場で伝えることで、自分と相手の状態を理解し、少しずつ居心地が良くなっていくのを感じます。

この日のワークショップは3人の小さなグループに分かれるところから始まりました。
テーマは「きく」。

西村さん曰く、コミュニケーションは聞き手が居ないと成立しないもの。一見優位に思える話し手は、実は聞き手によって支えられているということです。

これからの会社を考えるために「きく」ことはどうつながっていくのでしょうか。



「きく」ワークショップでキーワードとなるのは、「関心を向ける」「邪魔をしない」「一緒に感じる」「安易に理解しない」の4つ。「きく」とはどういうことなのか?色々な聞き方を試してみて、どう感じたかを確かめながら、ゆっくりとトレーニングと実践を行いました。

実際に行ったトレーニングのひとつを紹介します。

まず二人一組に分かれて、話し手と聞き手を決めます。そのあと聞き手は目を閉じて、スライドで投影されたお題を話し手だけが確認します。このときの話し手へのお題は「最近あった嬉しかったことを相手に伝える」。

話し手へお題が伝わったところで、今度は話し手が目を閉じて、聞き手だけにお題が与えられます。聞き手へのお題は「わざと、興味がないふうに聞く」。

両方にそれぞれお題が与えられたところで会話がスタート。

聞き手だった私は、相手が嬉しそうに話してくれることを「へー、あっそう」という態度で目線も合わせずに聞き流す態度をとってみます。そのあいだはとにかく気持ちが悪いというか、むず痒い。目の前にいる相手が一生懸命私に向かって喋っているのに、聞き手の私が興味なさそうにするなんて、相手が気を悪くしないだろうか、話したくなくなるのではないかと終始気をもみました。

いろんな「きく」を試してみることで、ほんの小さなことで相手との関係が変わっていくのを感じました。

普段一緒に働くメンバーだからこそ気付かない小さなことから意識して、変えてみることで関係は良くもなるし悪くもなる。コミュニケーションが変われば、チームや会社も大きく変わっていくのだと思います。


途中、身体をほぐすためにストレッチをするBAGNメンバー。


夕食、サプライズプレゼント

この日の夕食はかま屋の番頭、細井さんによるディナー。運営スタッフ、フードハブ・プロジェクトのメンバーも加わり、大盛りあがりのディナーとなりました。




美味しい食事と歓談で盛り上がる中、突然照明が落ち暗くなり、陽気な音楽が流れ出しました。運営スタッフの私も知らされていなかったのでちょっとそわそわ。

なんと、今年同じ時期に結婚したメンバー二人へ向けた、BAGN一同からのサプライズプレゼントが登場しました!



今年、同時期に結婚された下出さんと橋口さん。


サプライズプレゼントは札束!?と見せかけた旅行券。坂口さんからは「家族が増えたということで、お祝いです。」と、愛のあるメッセージが。

関係がほぐれた皆で祝うあの空間は、一体感があったし、幸せが幸せを呼んでいたような、そんな気がして、とても嬉しく感じました。


神山レクチャー

最終日の朝はかま屋へ集合し、モーニングビュッフェを皆でいただきます。
昨晩、解散後も深夜まで盛り上がったそうですが、皆さん元気そう。


「パン買いたい!」かまパン&ストア前で、パン職人の笹川さんと。


朝食後は、神山のまちづくりや創造的過疎について、NPO法人グリーンバレーの竹内さんによる講演会。神山がこれまで地域の方々とともに行ってきた取り組みについて、お話をしていただきました。



続けてフードハブ・プロジェクトの取り組みについて。フードハブ・プロジェクト農業長白桃さん、食育担当の樋口さんに、自分たちが感じている社会的に価値があること、農業の担い手がいることで守られる「風景」について、お話をしていただきました。

グリーンバレーもフードハブ・プロジェクトも、自分たちそれぞれが、正しいと思うことを世の中に問い続けている。町や食の「循環をつくる」という、一見途方も無い取り組みが徐々に醸成されていくこの町の魅力がさらに伝わってきた講演会でした。
この講演は私もこれまでに何度か聞いているのですが、その度に新しい発見があり、町や自分自身の変化をどことなく感じることができる、とても良い時間となっています。


合宿振り返り

3日間にわたる合宿も終わりが近付いてきました。最後にモノサステストキッチンで、振り返りをします。



この振り返りの時間では、大きなひとつのテーブルを全員で囲み、それぞれが感じたことをゆっくりと伝え合いました。

あるメンバーは、2日目の「きく」ワークショプである気づきがあったそう。

「この先もずっと働いていくということを考えると不安や焦りもあったが、人とコミュニケーションをとることで楽になる体感があった。関心を持ってきけば解決の糸口となるヒントは転がっているということを知った。自分でどうにかしなきゃと焦っていたが、聞けばいいのだとホッとした。」

誰しもがほかの誰かと関わりながら働き暮らすなかで、感じている不安があると思います。その不安は、相手の話を聞くことで少しずつ形を変えていくものでもあると、この合宿に立ち会い考えるようになりました。今回の合宿は、運営という立場で関わらせて頂いた私にとっても大変実りのあるものになりました。場所を変え、働き方、人との関わりかた、暮らし方を丁寧に考えてみる。そうすることで気がつけることがある。一つひとつは小さな気づきかもしれませんが、積み重なることで私たちの「働き方」は少しずつ変わり、ひいては「生き方」が変わっていくのだと思います。


これからの「働き方」とは?



合宿が終わり、1週間が経とうとしていた雨の日の東京。
坂口さんから連絡を頂き、千駄ヶ谷にあるBAGNオフィスへ打ち合わせへ行ってきました。

オフィスのドアを叩くと、そこには神山合宿でご一緒したメンバーの面々が。数日間ではありましたが、同じ場所で時間をともに過ごしたメンバーと「お!久しぶり!」「この前はどうも~」と笑顔で言葉をかわすと、本当に嬉しい気持ちになりました。

神山で共有したあの時間があるからこそ、会うと自然と笑顔になります。そのあとの打ち合わせでも、普段以上に相手を思いやった発言や行動ができているような。

「ともに過ごした時間」は、目に見えない価値だからこそ、目を凝らしてみないと気づきません。こういった些細な事に、私たちのこれからの「働き方」を考える道筋があるような気がします。
“タスクはコピーできるけど、文化はコピーできない。文化があれば人が増えても大丈夫。”
合宿の最後に、坂口さんがおっしゃっていた言葉です。

他者とどう関わり、どう関係をつくっていくか。どのような文化がつくられていくのか。働くこととは、つまり「文化」をつくることなのかもしれません。

WORK101の取り組みはまだ始まったばかりですが、私たちは引き続き、これからの「働き方」を探求し続けていきます。これからの「働き方」を、地域で暮らす様々な人たちと関わりを持ち、ともに暮らすことで、この先も探求し続けていきたいと思っています。

(2020/4/17 ものさすサイトに掲載)

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