「中高生ひとり一人の可能性を一人でも多く、最大限伸ばす」をミッションに掲げ、2010年の創業から次世代デジタル人材育成を手がけるEdTech企業、ライフイズテック。楽しく学べる人を一人でも増やすべく、学校や塾に向けてさまざまな教育サービスを届けています。今回は、サービス開発部 インフラ/SREグループで社内外のセキュリティを担う栁田 順也に話を聞きました。
Profile
栁田 順也(Junya Yanagida)
浜松大学卒業後、システム開発企業にて営業職を担当。その後、Web制作に転向し、Webディレクター、プリセールスなどを経験。2022年にライフイズテックに入社。インフラエンジニアとしてサービス基盤のセキュリティ対策の設計・実装・運用に加え、情報システムや社内セキュリティ対策を担う。
プログラマー志望の学生が、営業を経てインフラエンジニアに
ー 栁田さんは現在インフラエンジニアをされていますが、もともとエンジニア志望だったのでしょうか?
高校生のときには漠然と「プログラマーになりたい」と思っていました。コンピュータが好きというより、実家が自営業だったため安定した仕事につきたかったんです。私が学生だったときにはすでに、「将来的にプログラミングの仕事が増え、人材が足りなくなる」というニュースが流れていたので、自然とエンジニアを目指すようになりました。
ちょうどその時、地元に技術系の大学が設立されたので、2期生として入学しました。そこで初めてコンピュータに触れ、自分が書いたプログラムに反応があるおもしろさ、自分で手を動かす楽しさを知りました。それまで漠然としていたエンジニアという仕事への思いが、より深いものになった瞬間でした。
大学卒業後は、静岡にあるシステム開発会社に就職しました。エンジニアとして働けると思いきや、配属されたのは営業部門でした。土地勘のない東京の営業所に転勤し、エンジニアになりたいと思いながら仕事をする日々が続きました。
ただ、新卒でプログラマーになると、大きなプログラムの一部を担当することがほとんどなので全体像を把握しづらいのですが、営業として提案書を作る人と一緒に働いたことで、全体像をイメージできる力がつきました。また、商談相手はエンジニアリングスキルの高いお客様だったため、話す中で学べることも多かったですね。社会人としての基本に加え、システムの直感力、イメージ力がついた4年間だったと思います。
ー ファーストキャリアがプログラマーではなかったからこそ、得られたものもあったのですね。
ただ、それでも「エンジニアになりたい」という思いは捨てられませんでした。いつでも異動できるように、独学でプログラミングを勉強したり、情報処理技術者試験に合格したりと自分なりにアピールはしたのですが、異動は叶いませんでした。
当時は、国内で一般向けのインターネットがいよいよ始まった時期。HTMLを書けば、ブラウザ上に表現できることに面白さを感じました。すべてを1から勉強するのは難しいと思い、土日に社会人向けの学校に通い、3DやIllustratorから、ホームページ作成などWeb制作の基本を学びました。そこで、改めて自分でつくる楽しさを実感し、Web制作の道に進むため、営業職の経験も活かせるWebディレクターとして転職しました。
その後は、中小企業のホームページ制作から、より複雑なWebシステムを使用したサイトのディレクションなどを経験しました。システマチックなサイトを作ると、サーバーやネットワークの問題でうまく動作しないことが増えてしまいます。自分で原因や解決策を調べるにつれ、徐々にネットワークエンジニアの仕事に興味が出てきました。講座を受講して専門知識を学び、Web制作を3年担当したあと、会社内の別部署でインフラエンジニアとして2年間経験を積みました。
そのうち「もっとインフラエンジニアとして専門知識をつけたい」と思うようになり、プリセールスや自社サーバのエンジニア、お客様である企業のシステム運用(MSP)などを経験しました。
転機となったのは、AWSなどのクラウドサービスの登場です。物理でサーバを設置するよりもスピード感や柔軟性に優れており、より早く基盤が作れるという特徴があるのです。「これまでよりも効率的かつ可用性の高いサービスを提供したい」という思いが強まりましたし、何よりビジネススピードが速まることを考えると、この領域の知識は必須だと感じましたね。
開発部会の一枚
セキュリティは今後ますます重要になる
ー ライフイズテックに入社されたきっかけを教えてください。
2022年7月にライフイズテックに入社したのですが、その前はビジネスチャットの自社サービスを展開している会社でインフラエンジニアとして働いていました。そこではクレジットカード業界のセキュリティ基準であるPCI DSSに準拠したサービスに関わっていた期間が長く、セキュリティの構築・改善だけでなく、リリース後の運用体制やフロー、ルール作りを担っていました。業務を通じてセキュリティの重要性を痛感し、もっとこの分野のスキルを伸ばしたいと考えたのです。
ライフイズテックを知ったのはそんなときです。ちょうどセキュリティエンジニアの募集があり、話を聞いてみることにしました。会社のことを知るにつれ、子どもの可能性を広げる事業は非常に意義があると思いましたね。ちょうど中学生の娘がいることもあり、娘と同年代の子どもたちに安心かつ安全なサービスを提供する必要性を感じました。
また、私もキャリアの始まりは営業職でしたが、社会人向けの学校で学んだ経験がエンジニアのキャリアの原点になっています。これまでのすべての経験がつながったような気がして、入社を決めました。
ー 現在の仕事内容を教えてください。
現在はインフラ/SREチームに所属しています。プロダクトのインフラ基盤の改善を担っているチームですが、私はとくにセキュリティを中心に対策や運用を考えています。メンバーがそれぞれ専門性が異なるため、互いにカバーし合いながら新しいことに挑戦できていると思いますね。現在、社員3名・業務委託3名の体制で、学習塾向けの「情報AIドリル」など新しいプロダクトが増えている中で改善を進めています。少人数でミスなく対応できるように、「誰かがやってくれる」と思うのではなく能動的に改善していけるメンバーが活躍していますね。
IPOに向けた環境整備で、間接的に教育に貢献したい
ー プロダクトのインフラ基盤に加えて、社内の情報システムのセキュリティも担当されているそうですね。
いわゆる情シス部門のサポートとして、導入ツールや環境の整備など、社内のセキュリティ対策も兼務しています。情シスは、キッティングやアカウント管理から、社内ネットワークの問題解決、新たなルールづくりと浸透など業務範囲が多岐にわたります。新しいサービスを次々と提供するために、会社としては優先度を上げられずにきた部分でもあるので、今後のIPOを見込んだ社内環境づくりのために一層注力したい部分です。
社内のいたるところに散らばるさまざまな課題を見つけ、解決するポジションのため、求められるスキルは非常に多いと言えます。誰かが正解を教えてくれるわけでもないので、自ら考えて行動できることが重要です。
また、業務が幅広い分、自分が未経験の領域では補完できる人を見つけるなど、積極的に誰かを巻き込んでほしいですね。ライフイズテックには助け合う文化があるので、すべてを一人でやろうとするのではなく、フォローし合いながら解決できればと思っています。失敗を恐れずに、トライ&エラーで進んでいける方ならきっと活躍できると思いますね。欲を言えば、コーポレートエンジニアとして社内環境の改善経験がある方や、マネジメント経験がある方だと嬉しいです。
ー 最後に、今後の目標を教えてください。
直近では、まず社内の業務改善として、手間のかかる作業をできるだけ自動化したいと考えています。アカウントの新規発行や権限管理、ツールのセキュリティ確認などを自動化できれば、業務を効率化することができ、IPOに向けて必要なルールやフローの策定・浸透に時間をかけることができます。また、現在は事業部ごとに導入ツールが乱立してしまっているので、用途などを確認しつつ整えていく必要があると考えています。
情シスは直接サービス提供をするわけではありませんが、間接的に子どもや学生の教育に関わる役割です。自分の仕事が何につながるのかを自覚しながら、目の前のことに取り組める方にぜひお会いしたいですね。