「中高生ひとり一人の可能性を一人でも多く、最大限伸ばす」をミッションに掲げ、2010年の創業から次世代デジタル人材育成を手がけるEdTech企業、ライフイズテック。楽しく学べる人を一人でも増やすべく、学校や塾に向けてさまざまな教育サービスを届けています。今回は、データ基盤チームのマネージャーを務める椎木 亮成に話を聞きました。
Profile
椎木 亮成(Ryosei Shinoki)
東京大学法学部卒業。大学時代に「Life is Tech ! Camp」 のメンターを経験。新卒でラクスル株式会社に入社し、PdMを務める。その後、LegalOn TechnologiesでPdMを経て、2021年にライフイズテックに入社。学校向けSaaS教材「Life is Tech ! Lesson」のPdMを務めたのち、データ基盤チーム立ち上げを担い、現在は同チームマネージャーを務める。
テクノロジーは政治に匹敵する影響力がある
ー 椎木さんは学生時代にライフイズテックを知ったそうですね。
高校時代は行政に興味があり、将来は政治家になり、総理大臣に就任することを目指していました。そこで東京大学法学部に進学し、衆議院議員の秘書インターンも経験しました。しかし、実際に政治の世界を経験したことで、政治家として大成するには長い時間がかかることを実感したんです。
そんなとき、ライフイズテックのスクール事業に、学生メンターとして関わることになりました。ライフイズテックを知ったきっかけは先輩の紹介で、コンピュータやインターネットはその前から興味があったんです。テクノロジーの圧倒的なスピード感はもちろん、アメリカのビックテック企業が社会に与える影響力は、政治と遜色ないと感じ、政治や行政よりもテクノロジーに関心が移っていきました。大学で授業を受けること以上に、エンジニアとしてのインターンに打ち込んでいましたね。
ー 大学卒業後はどんなキャリアを選んだのでしょうか?
新卒ではラクスルに入社しました。エンジニアリングは好きだった一方、ずっとコードを書いていたいというより「サービスづくりに関わりたい」という思いが強くなっていたので、職種選びはかなり迷いました。採用担当の方からPdMという職種が存在することを教えていただき、入社してすぐ挑戦することになりました。エンジニアとしての知識を活かしつつ、プロダクトのあり方を考えて実行できるPdMという役割は非常に楽しかったですね。
ラクスルで2年半働いたあと、LegalOn Technologiesに転職しました。SaaSのビジネスモデルに興味があったことに加え、AIなど最新技術に触れたいというのがきっかけでした。また、大学時代に法学部の勉強に苦労した経験から、法律や判例、理論の活用にテクノロジーやプログラミングを活用できるんじゃないかと考えたんです。同じPdMという役割でしたが、新しい経験ができました。また、もともとデータを使った定量的な仮説検証に興味があったので、データ分析チームを兼務していました。
趣味である登山での一枚
学生時代とは違う形で教育に貢献したい
ー その後、ライフイズテックに入社されます。
大学時代にライフイズテックのメンターをしていた縁から、VPoEの奥苑さんに声をかけていただき、副業という形でデータ分析に携わることになりました。
▼奥苑のインタビュー記事はこちら
https://www.wantedly.com/companies/lifeistech/post_articles/467281
ライフイズテックに関わるのは大学生以来だったのですが、当時と比べると展開するビジネスも変わり、より面白くなった印象を受けました。オンラインで提供できるサービスが増えただけでなく、学校や学習塾向けにも新たなプロダクトを提供している様子を見て、「PdMとしての経験を活かせるかもしれない」と思ったんです。
メンターをしていた大学生の時に「ライフイズテックのビジネスは社会的な意義が大きい」と実感していましたし、当時よりも貢献できることが増えた今、改めてチャレンジしてみたいと思ったんです。そこで半年ほど副業で関わったあと、2021年12月に正式に入社しました。
ー 入社後はどんな仕事をされていますか?
入社から半年ほど、中学校・高校向けプログラミング学習用クラウド教材「Life is Tech ! Lesson」のPdMを担当しました。その後、データ基盤チームを立ち上げ、今に至ります。
データ基盤チームは社内でも新しい役割で、本格的に始めたのはこの1年ほどです。ライフイズテックが提供しているサービスに関するデータを集め、数値からサービスを現状の可視化し、課題をあぶりだすことが私の仕事です。そこから、例えば「ユーザーの利用継続状況が芳しくない」という結果が出た場合、つまづいているユーザーのサポート強化が必要ではないかという仮説を立てられる。このように、数字から見える課題を現場にフィードバックしています。
データ活用で、より確度の高い課題解決を目指す
ー データ基盤チームで活躍できるのはどんな人でしょうか?
まず、教育そのものに興味がある方ですね。ライフイズテックは学習効果を高めるサービスをつくっていますが、それは突き詰めれば「子どもにどんな成長を遂げてほしいか」という価値観につながります。
例えば、知識量の多さや計算などの処理能力の高さを求めるなら、テストで高い点数を取れるようにサポートするでしょう。でも「自分の可能性を信じられる、自己効力感をもった人に育ってほしい」と思うなら、テストの点数だけでは測れません。
「どのような教育がベストか」を考え、定量的にわかりやすく落とし込み、データを取得して分析するのが私たちの仕事なので、目指すべき人物像や教育のあり方が合っていることは非常に重要だと思います。教育はさまざまな考え方がありますし、合う・合わないがわかれる分野だと思うので、ライフイズテックのビジョンに共感いただける方でないと難しいかもしれません。
ー 教育への興味、そして考え方が合っているかが重要なのですね。必要なスキルはありますか?
まず、正解がない中で、自らPDCAを回す力です。定性的な情報も含め、課題をあぶり出すためにはどんなデータが必要かを考え、根気よく取り組み続けることが必要です。データサイエンスなど分析に関する専門的な知識はもちろん、仮説を立てる力や推進力も必要ですね。
また、データを綺麗な状態で収集し、確度の高い分析結果を出すためには、サービスを提供している現場のメンバーの協力が欠かせません。積極的に社内でコミュニケーションをとれることも重要です。
ライフイズテックが提供するサービスは続々と利用者が増加しており、とくに「Life is Tech ! Lesson」はすでに約50万人にご利用いただいています。そういう点では、膨大なユーザーを抱えるゲームやBtoCサービスを提供している会社でのご経験は活かせると思います。
また、データまわりは変化の激しいテクノロジー領域です。新しいツールや手法をキャッチアップする姿勢はとても大事だと思いますね。ChatGPTの登場もありますし、AWSをはじめさまざまな会社が次々と新しいサービスを出しています。業務を効率的に進め、やりたいことを追求するために自発的にチャレンジできる方は活躍できると思います。
ー 最後に、今後の展望を教えてください。
現在は収集したデータを分析し、結果を現場へ渡すまでを担っていますが、今後はチームメンバーを増やすことで、仮説を立てて対応策を提案するところまで対応したいと思っています。サービスの利用度など収集する項目も増やし、学びの状況をより可視化できるようにしたいですね。学習効果をさらに上げるために、分析体制を整えていきたいと考えています。
また、展開している複数のサービスを比較検討する必要がありますが、現在は「Life is Tech ! Lesson」と学習塾向けの「情報AIドリル」がメインで、すべてのサービスを網羅できていません。さらに、どこかのプロダクトで仕様変更があるとかなりのコストをかけて対応しており、チーム内の業務効率化・仕組み化はまだまだ改善の余地があると思っています。
ライフイズテックが掲げる「中高生ひとり一人の可能性を一人でも多く、最大限伸ばす」というミッションを実現するためには、この基盤チームがより強くなることが欠かせないと考えています。まずは提供しているサービスを網羅して収集できるデータを増やし、確度の高い分析結果を現場に届けたいですね。ゆくゆくは、社内で働くメンバーのパフォーマンスを高めるようなデータ分析にも挑戦したいと考えています。データの面から教育を変えるための挑戦をしたい方と、一人でも多くお会いしたいですね。