2012年冬@鎌倉
前回(僕がランサーズにいる理由(ワケ)1 ~『努力する権利』を守りたい~)、ランサーズに参画した想いを書きましたが、今回は、最終的に決意した背景についてお伝えできればと思います。
はじめて秋好に会ったのは、2012年12月。ある信頼できる転職エージェントに、前回の想いを伝えたところ、「だったら秋好さんに会ったほうがいいよ!!」と紹介いただいたのが、きっかけでした。
「ランサーズ、たしかに!」そう思った僕は、なるはやでアポを設定していただき、鎌倉(当時鎌倉にオフィスがあった)に向かいました。住所は小町通り。最もにぎやかな商店街の中という意外な場所にオフィスがありました。商店街の活気とは裏腹に、オフィスが入っているビルの3Fは静かで、小さなフロアに用意された唯一の会議室で初めて対面しました。
想いをはじめ、いろんな話を聞きました。
秋好の想い
なぜ、このサービスを始めたのか。
学生時代に起業/フリーランスを体験。インターネット経由で見知らぬ人から仕事の依頼が来た。興味本位で仕事を受けて実行したら、本当にお金が振り込まれた。このときのワクワク感。インターネットの可能性を実感した。
大学卒業後に大手企業に入社。Webプロデューサーとして、能力のあるフリーランスに外注しようとした。契約などの問題で実現できなかった。高額でも法人に発注しないといけなかった。インターネットの可能性を活用できない失望感やもったいなさを感じた。
どこかにそういうサービスがないか調べた。・・・なかった。自分が味わった驚きやワクワクをもっと広めたい。個人にとっても企業にとってもチャンスが広がることなのに。
だったら自分でやろう。それが2006年。ランサーズがリリースされる2年前のこと。
すべての人に反対された。でも・・・
起業にあたり、様々な人に相談すると、すべての人に反対された。そんなの広がるわけがない。たしかに”常識”からすればその通りとしか言いようがないのは分かっていたが、あまりにも反対されるので相当悩んだ。でも、やらなかったらずっと後悔する。失敗してもやって後悔のほうがいい。そう思って起業に踏み切った。
サービス開始当初は、もうオフィスに行きたくなかった。
2008年12月に念願のサービスをリリース。期待と不安でスタートしたが、すべての人の忠告どおり、にっちもさっちもいかなかった。起きてから寝るまでずっと考え、実行し続けても、利用者は増加しなかった。考えられるすべての手を尽くしてもなかなかうまくいかない状況に、オフィスに行くことが億劫になることもあった。やっぱり止めたほうがいいのかと弱気になることも正直あった。
それでもやめなかったのは、ユーザーの存在。
ある日、ユーザーの一人からメッセージをいただいた。「ランサーズがあるからこそ、いま生活ができています。そういう人が一人でもいることを忘れないでほしい」。勇気をもらえたし、やめるわけにはいかないと強く決意できた。
サービス開始から3年。信念を貫いたことで、2011年からクラウドソーシングは劇的に広まった。認知が拡大し、利用者が増加した。他のプレイヤーが市場に参入してきたのも、このあと、ビジネスマーケットになり始めてからです。大げさでもなんでもなく、秋好陽介とそれを支えてくれたユーザーがいなければ、日本にクラウドソーシングが広がるのはもっと遅かったかもしれません。
いつも目の届くところに、ユーザーからの手紙。
初めて会ったあとも何度か話をさせてもらいました。僕より先にジョインした仲間たちとも話をしました。何度目かのとき、会議室ではなく執務室をみせてもらいました。そのときに何よりも目に留まったのは、秋好のPCモニターです。聞けば、ユーザーからもらった手紙と写真とのこと。
子供が生まれ、自然の中で育てたかった。でも自然のあるところには仕事がない。どちらかをあきらめないといけないと思っていた時にランサーズを知った。インターネットで仕事ができたことで、トレードオフではなく両立を実現し、いま充実している。そんなメッセージだった。
顧客第一主義みたいなものは多くの企業が掲げる。そしてそれは嘘ではないと思う。でなければ企業やサービスは絶対に成長できないから。ただ、顧客の写真を自分のPCのモニターに貼って、毎日、目に入るようにしている経営者がどれだけいるだろうか。純粋に、テクノロジーによって多くユーザーにワクワクを届けたい。そういう選択肢があることを多くの人に知ってもらいたい。その想いのブレなさ/本気度が、その写真の位置から伝わった。
・秋好と僕は原体験の角度は違うが、成し遂げたい世界(ゴール)が一致している。
・秋好は開拓者。本気度は強烈。
・秋好はとにかくユーザーだけをみている。
一緒にやりたい。僕も本気でそう思った出会いでした。
おまけ
これは入社後に分かったことですが、「コトに向かう」というスタンスの徹底がすごい。経営をしていく中で、いろんなことがありますが、絶対に「誰がどうだ、と、人に向かう」ことはしないんです。人のせいにしたほうがラクなんですけどね。テクノロジーで誰もが自分らしく働ける社会をつくる、という事のみに向かう。意識しているというよりもはやそもそもそういう人なんだと思います。
ランサーズでは現在、同じ想いでミッション/ビジョン実現にまい進してくれる仲間を探しています。エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーなど様々な職種で募集中です。いますぐ一緒に働きたい方はもちろん、まずは話だけ聞いてみたいという方もぜひ一度お気軽にお越しください。お待ちしています。