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2度目のバリュー策定-失敗から学んだカミナシの組織づくりを公開-

※こちらの記事はカミナシ公式noteからの転載です(2020年10月28日掲載)

皆さんの会社にはビジョン・ミッション・バリューはありますか??ほとんどの会社にはありますよね!

カミナシは創業して3年10ヶ月(※)経ちますが、今まで明確なミッション・ビジョン・バリューはありませんでした。それが最近、やっと完成しました。改めて、何でこんなに時間が掛かったのか振り返ってみたのが今回の記事です。

「うちの会社も作らないと!」と焦っている創業期の起業家や、カミナシ自体に興味を持っている方をイメージして書きました。

※2020年10月時点

定義が曖昧問題

自分に関しては、「そもそもミッションとビジョンって何が違うの?」というレベルでした。分かったふりをしてましたが、全然腹落ちしていない。

元FolioでCDOをやられていた広野さんに教えていただいた定義と図で、ようやく理解することが出来ました。
※広野さんには今回カミナシのCI(コーポレートアイデンティティ)作りをお手伝い頂きました。

図にするとこうなります。

ミッションはハート。例え、全てが上手く行かず、もう事業を畳んで方向転換しようというタイミングになっても、最後に残るのがハートの部分です。自身の経験で言えば、2019年末にまさにそんな状態になりました。そんな時に最後まで捨てられなかったのが「ノンデスクワーカーの働き方を変えること」でした。これが自分と会社の存在理由です。

バリューはゴールへと繋がる階段。自分たちらしさの宣言という無邪気な自己表現ではないんです。きちんと、このバリューが体現されれば、ゴールへと近づいていく、戦略的なものになります。この階段のイメージは無かったので新鮮でした。

ビジョンは目指すべき北極星のイメージ。これは分かりやすいですね。

何となく分かった気になっていましたが、この説明をメンバー全員で聞くことで、格段に議論しやすくなりました。

いつ決めるのか問題

起業してから約4年経ちましたが、組織づくりについて考えられるようになったのはごく最近です。ずっと事業に確信が持てないので、組織やカルチャーのことを考える余裕がなかったからです(思考リソースの99%を、市場とプロダクトに使っていました)。この記事を見てもらえれば、そんな状態ではなかったことが分かってもらえると思います。

負け続けた3年間。最後のチャンスで生まれた「カミナシ」というプロダクト | 株式会社カミナシ
カミナシの諸岡です。ノンデスクワーカー(ブルーカラー)向けの業務効率化アプリを開発しています。 2016年に起業して3年半。明日、ゼロから作り直したこのサービスを正式にローンチします。良い機会なので、これまで辿ってきたことや失敗を綴ってみます。 9割は失敗ばかりで、相変わらず不確実性も高いけど、 読んでみて「すごく共感した」と思ってくれたら、ぜひ連絡ください。カミナシで一緒に働きましょう! ...
https://www.wantedly.com/companies/kaminashi/post_articles/271694

でも、これは今振り返っても仕方ないかなと思います。

実際、どれだけ良い文化やチームを作ろうと、間違った方向(事業)に向かってスーパーカーで疾走しても意味がありません。だから、まずは事業の進捗で一喜一憂して、盛り上がったり落ち込んだりしているくらいでいいと思います。

少しずつうまくいき始めると、市場やプロダクトに確信が出てきて言葉に熱や力が宿ってくる。ビジョンも大きくなり、人を惹き付ける。

メンバーにも自信が生まれ、発言もポジティブになってくる。その時の空気・行動・価値観などがエネルギッシュなバリューになっていく。

今振り返ると、ミッション以外は後回しでよいのかなとも思ったりします。

創業者同士の共通認識、2人の相性はなぜ良かったのか。エウレカ創業者、赤坂優氏と西川順氏とのインタビュー
大ヒットマッチングアプリ「Pairs」を生み出し、のちにThe Match Groupに買収されたエウレカ社を創業した赤坂さんと西川さんにお話を伺いました。 共同創業者の間で決めた方が良い共通認識、西川さんが組織のナンバー2として意識してきた事、2人のケンカ話などフランクで面白さ満載なエピソードになりました。 【ハイライト】 2人の相性はなぜ良かったのか 共同創業者の選び方 創業者との共通認識の重要性 ケンカした時の対策 ナンバー2として意識してた事 組織が育つために創業者たちが持つべき意識 Podcas
https://hiromaeda.com/2018/04/23/eurekaaaa/

このポッドキャストの個人的なハイライトは、エウレカの西川さんが、「(売上キツイのに)経営理念なんて作ってる暇なんてないから」と言い放つ場面。めちゃくちゃ大好きです。

中々作らない自分への言い訳で、このポッドキャストを何度も聞いてました。でも、事業に確信が生まれてから作ったほうが良いもの出来るし、強迫観念的に「うちも作らないと!」と焦らなくてもいいと思います。

今思うと、「今はこういう理由で作りません」と宣言して後回しにすれば良かったです。

バリュー背伸び問題

2017年メンバーがまだ4名の時に、一度バリューを決めるための合宿をしたことがあります。そう、僕らも取り組んだことはあるんです。

きっかけは「バリューを決めたら採用がうまくいくらしい」という何とも軽薄な動機でした。結果、2ヶ月もするとほぼ誰も口にしないという状態に...。

当時決めたバリューは、今も社内のSlackスタンプとして生き続けています。何となくこの世に生み出され、忘れ去られたスタンプたち...

当時決めたのがこちらです。

「世界を速める(セカハヤ)」は...すいません、今となっては何が言いたかったか覚えていません。本当に世界を変えられる機能とかだけ作ろうぜって意味だったような...。

「JOBファースト(JOB1st)」は当時、クリステンセンの『ジョブ理論』に感銘を受けていたこともあり、自分たちは顧客のジョブを最重要視して事業を作ろうというものでした。

「オレやる」は、4人しかいなかったので誰も拾わないボールが死ぬほど落ちてくる状況でした。日々生まれる業務を自発的に拾っていこう!という想いを込めました。

何が悪かったのかは後から分かりました。

当時は、「自分たちはこうあるべきだ!」という、背伸びしたバリューを作っていました。今自分たちにないもの、足りないものだけで構成したことが原因だったんです。

2回目のバリュー策定のときに、ちょうどメンバーの一人がこんな話を聞いてきたことがきっかけで気づくことが出来ました。

ユーザベースでは「ありたい自分たち」ではなく「いまの自分たち」をそのまま表す特徴をバリューとして7個にまとめたらしいですよ。結果、背伸びせずにありのままの自分たちを表現できて、違和感なく組織に浸透したのだとか!

これを聞いた時に、すごく腹落ちしました。

ユーザベースは、背伸びしたウソっぽいものはやめて、今すでに自然にあるバリューに変えていったという話が、以下の記事でも語られていました。

【新野×宇田川】「いつも」じゃない。「渦中」に必ず助け合うのが僕たちだった
──宇田川さんから見て、NewsPicksの親会社であるユーザベースってどんな会社に見えますか。 宇田川:成長を続けるベンチャー企業であるユーザベースには、経営学者として率直に興味がありますね。 一方で最初、『他者と働く』の担当編集になる中島さんと初めてお会いした時には、「NewsPicksって分断を煽ってませんか」なんて率直にお伝えしたんですよね。 ...
https://journal.uzabase.com/journal/1182/

そんな経緯があり、今度は背伸びはやめると決めて、自分の中でイメージがより明確になりました。

バリューは毎日、オフィスの中を漂っているもの。

虫取り網を適当にスイングしたら、勝手に入っているものこそがバリュー。その中から特に気に入っているもの集めて、キレイな額に入れて飾ってあげる。

そうは言っても決める過程で、「今はできていないが、目標達成のために必要な要素」も絶対に出てきます。大事なのは、その場合別に箱を作っておいて、その中に入れておくこと。こんなやり方で作っていきました。

オフサイトMTGでやったこと

8月にバリュー策定のためのオフサイトMTGをやりました。実際にやった内容を箇条書きしたのがこちらです。個人的に合宿で何やればいいんだろう?結構悩んだので、誰かの参考になればという気持ちで貼っておきます。

ミッション・ビジョン・バリューについてのまとめ

まだ決めていない時
・ミッション=自分たちの存在意義さえあれば問題ない
・まずは事業に集中して勢いや自信が持てるようになったら他も作る
・なぜ今決めないのか宣言しとくと尚よし

いざ決める時
・ミッション・ビジョン・バリューを正しく認識、共有すると議論しやすい
・バリューは背伸びせずに、今自然に漂ってるものを言語化して額に入れる
・最後にコピーライティングのプロに入ってもらうのお勧め
・バリューの反対の価値観であるエネミーも一緒に話すとスムーズ

時間は掛かるべくして掛かったんだなと思いました。

次回

読んでいただた方の中にはカミナシの具体的なビジョンやバリューに興味がある方もいたと思います(いて欲しいw)。

改めて、僕らが何を目指して、そのためにどんなバリューを戦略的に設定したのかなどについて、次回のn記事でお伝えできればと思います。

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株式会社カミナシの会社情報 - Wantedly
株式会社カミナシの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。私たちは、現場のルーティンワークや事務作業を自動化する現場管理アプリ「カミナシ」を提供しています。 日常はITに溢れているのに、仕事場は紙ばかりで非効率。 今日も作業現場で働く人たちは、十分に才覚を発揮できていない。 そんな3,900万人の埋もれたエネルギーを、私たちが解き放つ。 ...
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