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CtoC、toBにギフトを活用したマーケティングソリューションの提供など、さまざまな顧客に向き合い成長してきたギフティ。現在では、福利厚生や採用シーンといったtoE(employee)やtoC(candidate)など、新しいギフトのユースケース探索が活発化しています。
そんな中で「コーポレートギフト」と呼ばれる領域の事業責任者を務めているのが、新卒で入社し、現在3年目の熊谷優作さん。
当初「giftee for Business」事業にて、ゲーム・IT業界のクライアントを担当し、マーケティング課題に対して向き合っていたところから、2年目にして、新規事業立ち上げの探索を任されることになりました。
そんな熊谷さんが、新卒でギフティへの入社を決めるまでの過程や、入社後のキャリア変遷まで、ざっくばらんに語っていただきました。
〈プロフィール 熊谷 優作(くまがい ゆうさく)〉
北海道大学 経済学部卒。21年度新卒入社。 ビジネス/開発/デザインの3領域をまたぎながら、法人向けeGift流通を担うgiftee for Business事業のグロースをミッションとして、新規プロダクト企画に関わる。 2023年1月より、現事業にて新規領域となる「コーポレートギフト」事業を立ち上げ、自らユースケースの探索からプロダクト企画をリード。
「これまでの当たり前」ではなく「これからの当たり前」を。
──まず入社前のお話を伺いたいのですが。熊谷さんはギフティに入る以前、どのような就職活動をしてきたのですか。
「これからの当たり前」を作っていける企業に入りたい、というのが就職活動の軸でした。少し遡るのですが、僕は学生時代に野球をやっていまして。小学生だった当時、体が大きかったので、いくつかのクラブチームからスカウトしていただきました。でも結局入ったのは、唯一声のかからなかった地元のクラブチーム。その理由は、そっちのほうがわくわくするから、というものでした。
強豪と呼ばれるクラブチームに入って全国大会に行くのって、ある種当たり前で。なんか燃えないな、というところがあった。もともと「いまの基準」とか「これまでの当たり前」みたいなものを押し付けられるのが嫌で、新しいことに挑戦していきたいと思っていたんです。
そう考えたとき、「これまでの当たり前」を作ってきた会社はたくさんあるけど、「これからの当たり前」を作っている会社って少ないのでは、と思いまして。そこから、上場前後かつ従業員100人前後の企業を中心に受けるようになりました。
──そこから数多ある企業の中でも、ギフティに決めた流れはどのようなものだったのですか。
まず最初に、入社後5年間くらいで事業の創出からグロースまで経験できそうな企業をピックアップ。そこから自分の感情抜きで、ロジックだけで志望企業を絞る、ということをやりました。マーケットの成長性がどのくらいで、その会社はどこのポジションにいるか。従業員数はどれくらいで、事業を何人で回しているのか。
そこに新卒で自分が入ると、どのくらいのスパンで、どういうポジションになれるか、というように分解していく。構造的に、小さくても起承転結すべての意思決定を自分に任せてもらいやすいか、という点を見ていました。そこから自分の希望にあった企業数社のうち、ギフティに決めました。
上記以外で決めた理由の1つは、ギフトが持つモジュール性の高さです。ギフトという概念自体、さまざまな業界や用途と掛け算をしやすいので、定義によってはいろんな方向に拡張しうる。自ずと事業検討の機会が多いだろうと。
2つ目は、時間軸の長さです。「なくてはならない」性質のものだと、時間軸で「速く速く」の勝負になるけれど、「あったらいいな」であるギフトの場合、マーケットにとって本質的に大事なことを考えられる。そもそも「ギフト=贈与」自体は普遍的で消えないものなので、時間軸的に中長期で向き合えそうだと。
そして3つ目は、ギフトというものにネガティブな感情が含まれないということです。ギフトマーケットを広げていくこと、また自分がそれを仕事にしていること、そのすべてに正の感情が伴う。これまで「論理」で企業を絞ってきたので、最後は「感性や直感」で決めました。
2年目に訪れたマーケットが未成熟な中での新規事業探索のチャレンジ。
──そこから実際に入社して、現在のようにコーポレートギフトの事業責任者を担うまでの流れは、どういったものだったのですか。
2021年4月に入社して、最初はgiftee for Businessのゲーム・IT業界を担当することになりました。まずは現場に出て、お客さまと話して一次情報を拾いながら、ソリューションを提案しつつ、新規プロダクトの種を見つける、といったことを1年目、ずっとやっていました。
自分はとくにゲーム好きではなかったので、お客さまであるゲーム会社のゲームタイトルを全てインストールしてやり込んで、各タイトルのマーケターの方より僕の方がゲームランクが上という状態までもっていきました。それが提案自体の精度と説得力につながったらしく、最終的には他のタイトルや会社にも横展開して、とくに注力していた2社が、ゲーム業界内で売上トップに躍り出ました。
そんな中、2022年の7月に、当時ギフティとして事業検討の土台に乗ったばかりの「コーポレートギフト」の事業化に至るまでの探索を任されました。giftee for Business事業をグロースさせるための、プロダクトを企画するロールから、それを包括する概念である新しい事業の責任者というロールに変わったんです。自分としては驚きましたが、ギフティとしてはもともとスコープを絞った採用の仕方をしていない。突発的であるにせよ、こういうこともあるのだと思いました。
──それは、大きな方向転換ですね。そこから仕事内容もガラッと変わったんですか?
まったくの一から、という感じで。まずはコーポレートギフトのマーケットを探索してほしいと言われて。中途採用のメンバーにまじって、まずは来期、事業を始められそうか、というところから考えていきました。
向き合う相手が異なり、最初は大変でした。いままでお客さまは、プロモーションの領域だったためマーケターといわれる人たちと関わることが多かったけれど、どちらかというと人事や総務、労務、といった人たちと相対していくし、企業によって予算の考え方も違う。もっと言うと、時間の流れや、課題に思っていることもぜんぜん違う。
そのようにして未知の領域の模索を半年間、ちょうどそれが事業として成立しそうだ、と見えてきたタイミングで、2023年の1月から事業部として、正式に組織が立ち上がった。そこに人がアサインされて、僕が事業を牽引していく立場になりました。
事業を統括するので、すべてを見なければいけない。セールスやマーケの視点、当然プロダクトもそうだし、アライアンスという領域も全部。見る範囲が一気に広がりました。
「マーケットに一番向き合ってる人間が意思決定をする」だから決めるのは自分。
──現在、感じている難しさや直面している課題などはありますか。
やっぱり、コーポレートギフトというものが未知の領域である、ということですね。たとえばto Emproyeeだと、会社から従業員、従業員同士もあれば、入社する前の内定祝い、入社後のプレゼント、CX(Candidate Experience=候補者体験)と呼ばれる領域など、いろいろある。
用途はさまざまで、いわゆる福利厚生でのギフト活用、社内イベントや健康にまつわるギフト施策、永年勤続表彰や、社員の誕生日、慰労、会社の周年、営業報奨などいろんな用途で使われる。関わる人も、人事もいれば総務もいて。営業企画も出てくる。じゃあ税法上どうなるか、となると経理の人が出てきたりで、本当に複雑。そういう中を、自分が旗振りをしないと進めない。ここがひとつめの山でしたね。
そこを登ると、今度は別の山に着く。どのようにPLを作っていくか、ということ。いろんなニーズがありすぎて、なににフォーカスするのかが難しいんですよね。まず短期でPLを作れるのかという観点と、とはいえ短期だけに引っ張られると、本来仕込まなければいけない中長期の動きが鈍化してしまう。短期を伸ばしつつ、中長期で本来狙うべきところと両立できるか。両軸を大事にしつつ、どこにフォーカスするかを考えなければいけない。
中長期という話で言うと、コーポレートギフトの領域は全社横断の制度変更を伴うこともあり、お財布も堅く、検討期間も長いけれど、一回入り込めると継続性が高い。他方で、giftee for Businessで今まで伸びてきたプロモーション領域では、予算がつきやすく施策のスピード感が早い一方で、年ごとにプロモーション内容も変わるため、どうしてもボラティリティが出やすい。
なので、コーポレートギフトを伸ばすことができればgiftee for Business全体で見たときに安定的な土台となり、その上にプロモーション領域、さらには自治体領域が重なる、というミルフィーユ状の事業構造を作っていくことができる。そういうPLの作り方をしていく必要があると考えています。
それを、ここ3年とか、5年でやっていかなきゃいけない。ひとつの山を超えたら、また山が出てくるという感じで、毎日大変です(笑)
──最初はPdM路線だったところから、事業責任者へ。新卒で入って2年ほど。激動ですね。
たしかに大変だし激動ですが、そもそも抽象度の高いお題に対して挑んでいく、というのが新卒に課されたお題ですから。まずは事業を作って、グロースさせて、最終的には経営ができるように登っていくと。
3、5、7年といったスパンで、確実にステップアップしていく。ギフティでは起承転結のすべてを任される。一般的には、PdMとBizというかたちで分かれている会社が多いけれど、ギフティではまるっとやらせてもらえる。
もちろん先輩社員にわからないことは聞くことはできるけれど、そもそも全社的な考えとして「そのマーケットに一番向き合ってる人間が意思決定したほうがいい」というのがある。
全社的にどう考えるか、とか、プロダクト開発や事業開発など各セクションの専門性の高いこと、などについては聞くことはあるし、いろんな先輩、メンターも頼れる方ばかり。でもやっぱり、コーポレートギフトであれば、自分が一番マーケットに向き合ってるので、最後の意思決定はやっぱり自分なんです。
業界領域を問わない事業開発だからこそ、事業探索の機会が無限に広がっている。
──新卒が事業を任されるというのは普通にあることとして、なぜそもそもギフティにはそれほど事業創出の機会が多いのでしょうか。
ギフトが関係性構築・維持・強化の力を持つ、コミュニケーションツールである、ということですね。業界領域問わずコミュニケーションにおける課題やニーズはたくさんあるわけで、モジュールのようにギフトが絡むことによって、さまざまなソリューションを生むことができる。
だから、事業検討できる掛け算の幅が広いし、事業検討する機会の回数が多くなる。そして同時に、それは既存事業から派生したようなものだけではなく、まったくの新規、ビジネスモデル自体新しいもの、というパターンも多い。
ギフティの場合、向き合うマーケットが広く、小売からメーカーから、僕が担当していたゲーム・ITのような業界、自治体など官公庁と、さまざまに異なるし、to C 、to B、to E、と向き合うターゲットも変わってくる。
当然向き合うマーケットが変われば財布が変わるので、ビジネスモデルも変えなければいけないし、そこに適合しうるプロダクトも、新しく生み出さなければいけない。一方で、既存のアセットも大きくなってきているので、それをどう上手く使うか、と考えながら。だから難しい。考える変数が多く、自由度が高いんです。
そして事業創出が多いもう1つの理由は、潜在課題にアプローチしているという点があると思います。表出している、すでにある課題にソリューションを提供するというのは世の中によくあるビジネスモデルだけど、ギフティの場合、潜在の課題やペインから見つけ出していく。
誰しもが分かってるものに対し、誰しもが分かっている解決を提示する、というのは、ギフティではやらない。コーポレートギフトの領域なんかは、まさにそう。いままでアプローチしてこなかった部分。結局はギフトというもののモジュール性の高さゆえ、そういった潜在領域にリーチできているのだと思います。
──最後ですが、ギフティには、どんな素養を持った人が向いていますか。また熊谷さん自身、どんなメンバーに入ってほしいですか。
知的好奇心の高い人ですかね。いろんなものごとに、ちゃんと「問い」を持っているということです。
物事の表層を見て飛びつくのではなく、物事の背景にある構造とか力学に興味を持ち、それを多面的に見るということ。それが僕の解釈する知的好奇心。どの領域にどういうマーケットが眠っていて…と考えるのに、やっぱりこれが必要で。
そういうものを持っている人が、ギフティに向いていると思います。あとは自分でキャップを決めない人。営業だから営業だけをやればいい、ではなく、営業がプロダクト側に染み出してもいい。自分のロールに制限をかけない。
マーケットに向き合った結果、セールスであれマーケであれ、やれることは全部やっていくというスタンスがいい。僕が一業界のセールス担当から新規事業立ち上げを担っているように、いろんな変化がありますから、そういう波に楽しく乗れるような人がいいですね。
(取材・文・撮影・編集:清水 翔太)