飲食店向け鮮魚の発注なら魚ポチ
魚ポチは産地や豊洲の鮮魚をスマホ・PCから簡単に発注できるサービスです。
https://uopochi.jp/
こんにちは、フーディソンの広報です。
今回はフーディソンの事業を牽引する魚ポチの事業責任者・日下部さんにサービスの魅力とカスタマーサクセスのお仕事についてお話を伺いました。
編集者:本日はよろしくお願いします!早速ですが日下部さんのフーディソンに入社するまでの経歴を簡単に教えてください。
日下部さん:新卒でYahoo! JAPANに入社し、2016年の5月にフーディソンに入社しました。
ヤフーでは約3年間広告の営業を経験し、その後は自分で事業をやってみたいという思いから新規事業開発のチームに異動し4年ほど勤務していました。
転職を考えはじめたきっかけは、30歳ぐらいのときに大きい会社の看板ではなく、自分の力で成長していきたいという考えと、元々スタートアップやベンチャーにいきたいという思いから区切りをつけたというのがきっかけです。
フーディソンへの入社のきっかけは3つの軸がありました。
1つ目は、当事者として一番共感が持てる分野であるということです。
私は福岡出身で、両親が飲食店を経営しており小さい頃は、父に連れられて卸売市場まで一緒に魚の仕入れに行っていました。
特にその時は魚に対して特別な思い入れがあった訳ではないのですが、大学進学をきっかけに東京に出てくると、魚が美味しくないなと感じることがありました。「なんで地元で食べると美味しいものがこっちで食べると美味しくないのだろうか」というモヤモヤした思いがどこかにあったんですよね。
食に関わる1次産業は、すべての人の毎日の生活に大きく影響する巨大な産業である一方で、人口減少の中で、生産者の跡継ぎがいなかったり、労働集約的な環境であったり、未来に向けた様々な問題が顕在化しはじめていました。自分ごととして、チャレンジする価値が大きい産業だと思いました。
2つ目は、IT企業出身の私にとって一番自分が付加価値を出せて、他の人がチャレンジしていない分野だと思ったからです。当時DXという言葉はなかったですが、IT化が遅れているアナログな産業に対して、自分の知識や経験がもっと大きいインパクトで貢献できると考えたからです。退職時は、なんで魚屋にいくのかとよく聞かれたものです(笑)
3つ目は、「手触り感」というところがポイントでした。大きい会社だと縦割りの組織になることが多く、顧客の顔が見えづらかったり、社内調整に多くの時間を割くことも多くありました。そのため顧客の顔がちゃんと見えるという点や、自分たちが産業に参入する中で、事業も、私自身も一緒に成長していき、社会にとっても良い影響を与えられることに面白さを感じました。
編集者:入社当時なので、8年ほど前のフーディソンさんは今よりもっとベンチャーだったと思いますが、入社当時はどのような印象でしたか。
日下部さん:サービスが立ち上がって1、2年ほど経っていて1日の出荷は100~200件ほどでした。
入社したときのギャップは、もっとスムーズに改善や事業成長できると自信がありましたが、実際は全然うまくいかなかったことですね。。
入社当時は事業企画で全体的なアライアンスと並行して、魚ポチ顧客の新規獲得をウェブマーケティングを中心に実行していきました。その後、カスタマーサポートや物流にも携わりましたが、当時はオペレーションが固まっていなくて、毎日トラブルの連続でした。鳴り止まない電話を取り続けることもありましたし、配送トラブルがあったときはお客様のところに自ら配送してお詫びすることもよくありました。
編集者:Webマーケといってもかなり広い守備範囲ですね。
どれだけユーザーを増やすような活動をしたとしても、実際の業務がスムーズに回せず効率化しなかったらサービスが育成していかないということですね。それはある意味手触り感にも繋がってくる感覚があったのかもしれませんね。
日下部さん:そうですね。お客様に興味を持っていただいても、継続的に使っていきたいと思えるサービスでないと意味がありません。ウェブマーケティングの領域に閉じず、顧客の課題をなんとしてでも解決したいという想いで、サービスを磨き続けることで、私自身も一緒に成長している感覚が持てたのだと思います。
編集者:現在の「魚ポチ」についてご説明をお願いします。
日下部さん:お客様である飲食店様がスマホさえあれば、最短翌日に一尾から生鮮品を仕入れることができるサービスです。約4,000種類の商品を取り扱い、独自の物流ルートを使って全国にお届けしています。
従来の仕入れといえば、自分の目で商品を見なければいけない、仕入れ先を開拓しに行かなければいけない、早朝に市場に行かないと価格もわからない。というのが今までの仕入れの当たり前でした。
魚ポチは商品情報をWeb上に公開し、オンラインで注文できるようにすることで、仕入れ時間の負担を解消し、全国の産地と市場のネットワークをつなげ、多種多様なこだわりの食材をお届けしています。
編集者:BtoB向けサービスとのことですが、ユーザーはどういった属性の方が多いですか。
日下部さん:メインは和食居酒屋やイタリアンの飲食店様で70%ほどを占めています。大手のチェーン店様もご利用いただいていますが、中小規模の飲食店様で、社員の方が2〜3名ほどの飲食店様が多いです。
鮮魚や水産品が集客の源泉ではありつつ、野菜や食肉などの生鮮食品を多種多様な商品のラインナップから注文してもらうイメージです。毎月の利用店舗数は3,500〜4,000件ぐらいで、全国エリア(沖縄を除く)を対象に配送しています。
編集部:飲食店さん向け(BtoB)のECマーケットの様な発想ですね。
日下部さん:そうですね。飲食店にとって仕入れ業務は毎日発生するので、リピートビジネスです。いわゆるSaaSっぽい要素もあるのですが、登録は無料で、注文いただいた商品の金額だけを頂いています。似たようなサービスを展開している企業もありますが、水産品をメインにしたECサービスで、卸売市場を起点に、物流を回してる会社は我々しかいないと思います。
編集者:もう少し魚ポチについて掘り下げていきたいなと思っているのですが、この業界の課題解決に魚ポチがどのように寄与しているかをお聞かせください。
日下部さん:まず一つ目は労働集約業務からの脱却という点です。
飲食店様は、基本的に休憩時間が無く、忙しく働いている上に、朝の貴重な時間を市場の仕入れに費やしています。魚ポチを利用することで、仕入れの部分を代替えしてくれているので、「今まで忙しかった仕入れ時間が休憩時間になって良かったよ」というお声を飲食店様からいただいています。
▼魚ポチ飲食店様インタビュー「知らない魚、見たことのない魚がほしい。魚ポチには新しい発見がある面白い仕入れを期待しています」
二つ目は、流通の不確実性をどう解消していくかです。
商品である魚の品質って実際に捌いてみないとわからない、出荷時は問題ないけれど届いてみるとちょっと状態が悪い、ということが一定の確率で発生します。加えて、配送時間も渋滞や人手不足などが理由で、到着時間が前後することもあります。
「生鮮流通はバトンリレー」という話をよくするのですが、水揚げされた魚が地方の市場に行き、豊洲に到着し、お客様へ納品される。このプロセス上で誰かがちょっとでも人為的なミスをした瞬間、期待通りの品質、タイミングでお届けすることが難しくなります。その工程のオペレーションでいかに不確実性を排除していけるのか、解消していけるのかというのが飲食店様にとっても大きい価値だと思っていますし、我々もお客様からの信頼獲得に努めています。
三つ目は、消費と産地が非常に遠いこと。距離の問題ではなく、情報の非対称性を感じています。
産地ではとても魅力的な商品が、消費者に評価されていない。その逆もあります。また、価格に関してもある産地では100円しか値段がつかない魚が、ある産地では1,000円で取引される場合がある、各地で情報が繋がってないんですよね。
そこに対して、私たちは流通機能を持ってるので、産地へお客様から寄せられた商品の感想や販売状況、トラブルがあればその内容をフィードバックをすることで、この溝を少しずつ埋めることが可能です。
われわれ魚ポチは、市場の流通のデジタル化を通じて、新しい生産流通を再構築していきたいと思っています。今後人口が減少していくことは明らかな中で、産地では生活が苦しい、後継者がいないといった課題に対して、適正価格で商品を買うことで産地を応援することもできる。一方で、飲食店側も労働力が不足し、限られた時間の中で、全国の多種多様な食材を魚ポチさえあれば発見できる、どこにいても手軽に手に入れられる、そんな世界を作っていきたいです。
編集者:お伺いしていると、魚ポチは他社サービスの競合を相手にするというよりは、古くから来ている生鮮業界の流通を進化させたいといった感じに近いでしょうか。
日下部さん:はい。私たちは大田市場に拠点を持っていますが、市場の流通ってとても優れていて、全国の漁港と各卸売市場と大体ネットワークが繋がっているんです。これってすごいですよね。
市場の仕組みとしてインフラ自体は優れているので、水揚げ情報や売買情報や物の繋げ方をもっと柔軟に、効率的にすることで生産性の高い持続可能な流通が作れるのではと考えています。
競合と比べたときにITに強みを持ってるところはありますが、それだけではなく物流機能を自分たちで持っていて、食品商社のように川上と川下のソーシングができるというところに、魚ポチのユニークさがあると考えています。
▼フーディソン公式note 「海から食卓へ。魚の流通を分かりやすくまとめてみました」
一次産業に参入するIT企業が多い中で、売り手と買い手のマッチングは比較的簡単にできます。ただ、配送料が高く物流コストの問題や配送日数がかかり食材の鮮度劣化が問題は解消できません。
私たちはその情報の流通だけではなく、物の流通にもコミットしています。新しい産地を自分たちで探すだけでなく、そこから最適な市場流通に乗せるというところまでを自社で行なっています。このような会社は、恐らく我々しかいないと思います。
例えば、物流のアクセスが悪い遠方のエリアにとても魅力的な商品があった場合でも、地元の運送会社や市場の関連会社さんなどに協力をお願いして自分たちで新しい流通を作ることも可能です。産地の方にとっても商品の拡販ができ、鮮度も良い状態で首都圏の飲食店も手に入れることができます。
編集者:そんな魚ポチの中で活躍いただくカスタマーサクセスの仕事について、お仕事概要と飲食店様とのコミュニケーション方法などを教えてください。
日下部さん:カスタマーサクセスでは、新規のお客様がどのような仕入れ課題を持っているのかヒアリングしながら、魚ポチで解決できることは何か、ご不安に感じていることをどのようにサポートできるかご提案しています。お客様にしっかり伴走しながらオンボーディングし、継続的にサービスをご利用いただくことを役割としています。
編集者:カスタマーサクセスの職務内容を教えてください。
日下部さん:一つ目は、新規のお客様に興味を持っていただくマーケティング活動です。新規登録数を目標に毎日追いかけています。オンライン、オフラインに関わらず、お客様に魚ポチを知ってもらうと施策立案と実行をPDCAを回しながら行っています。
二つ目は、お客様のオンボーディングです。魚ポチのことを全く知らないお客様へ、仕入れ課題のヒアリングや商品のご提案をしています。また初回注文で終わらないように、お客様からのフィードバックも大切にしています。
三つ目は、お客様の声や行動をもとにした改善活動です。例えば、こういう商品を探している、もっと小ロットで対応してほしい、配送をもっと早くしてほしいなど色んなご要望をいただきます。魚ポチでは毎日1,000件以上の出荷を行っているので、すべての声にはすぐに対応はできないのですが、顧客課題をどうしたら全体最適なオペレーションで解決できるのか、課題の深掘りとソリューションを関係者と一緒に考えていただきます。
編集者:日下部さんが思うこの組織で働ける面白さや魅力を教えてください。
日下部さん:一つ目は、「手触り感」という話を先ほどしたのですが、自分たちのやってることが社会課題にも、目に見えるお客様にも明らかに価値があることを実感できることでしょうか。お客様からのフィードバックを常に受けられる立場であり、お客様を見ながら仕事ができるということは楽しさの一つだと思います。
二つ目はこの産業で同じようなビジネスモデルでお手本になる会社はいないので、大きく成長できる環境であるということです。
私も何が正解かわからないことは沢山ありますが、そんな時に色々な情報をインプットしたり、お客様にヒアリングし、試行錯誤しながらわからない中で正解を見つけにいきます。このプロセスこそが本人の成長にも繋がりますし、事業の成長とも非常にリンクしてきます。
編集者:今後魚ポチというサービスをもっとこうしていきたいという未来軸の話をお伺い出来ますでしょうか。
日下部さん:先日バンコクにいってきたのですが、日本の魚が3倍ほどの値段で売られていました。富裕層の方もたくさんいらっしゃって、特に日本食がすごい人気なんですよ。日本の食材とか食文化は本当に世界で戦えるコンテンツだと思っています。今後は日本国内に留まらず世界に展開していきたいと個人的には考えています。
また、国内でいうと現状魚ポチサービスは一都三県以外へは宅配便で送っているため、届けられる商品が限定されています。そのため魚ポチのシステムをもっとオープン化し、各エリアのパートナーと一緒に組んで全国に即日納品ができるような状態を作っていきたいです。
あまり目立ちませんが、やはり物流というのは肝でして。今年の8月から弊社では今より2倍ほどの出荷機能をもった新しい物流センターの稼働をさせることになりました。省人化も含め、高い正確性と生産量の担保できる物流センターを日本で初めて作っていくことは今後のサービスの拡張はもちろん、お客様に高い価値を提供できるのではないかと考えます。
編集者:今後の具体的な戦略などあればお教えいただけますか。
日下部さん:サービスの戦略をお伝えしておくと3つあります。
一つ目は、商品点数の拡大です。結局お客様がほしい魅力的な商品が多種多様にないとお客様との取引が何も始まらない。商品こそが全てなのです。具体的な目標値をお伝えすることはできませんが、新しい産地の開拓や、冷凍品、他のカテゴリーの点数を増加させていきます。
二つ目は、即日配送エリアの拡大というところで、先にもお伝えした通り全国に翌日納品できるような世界を作るというところですね。今は一都三県のお客様がほとんどであるため、外部のパートナーさんとも組んで拡大していきたいです。
三つ目は、物流機能の強化。いかにトラブルをなくして、生産性を上げていけるのか。
これを突き詰めていくことで、魚ポチはどんどん成長していくし、利益率も非常に高いサービスモデルが作れるんじゃないかなと思ってます。
編集者:これからのカスタマーサクセスというポジションに求められていくことをお聞かせください。
これから新しく出てきそうなところでいうと、CRMツールの導入を秋ぐらいに目指しています。
架電だけではなく、マーケティングをどうオートメーション化するべきか、リードのサイクルを効率的にどう管理していくのか、オペレーションの改善なども含め、テックタッチで営業活動の生産性高くしていきたいです。ただし、決してデータで閉じるだけではなく、日々顧客に向き合って、サービスの改善に繋げていける人だとありがたいですね。
編集者:入社後の流れとしてはいかがでしょうか。
日下部さん:最初の3ヶ月間は、業界理解やオペレーションの理解を軸に、各チームで研修していただきます。深夜から物流のチームに入りモノの流れを理解していただいたり、実際に市場で買付をしてみたり、トラックに同乗してお客様へ訪問していただきます。
並行して、カスタマーサポートチームに入り、お客様からどのような問い合わせがくるのか、魚ポチがどのように対応しているのかを理解していただきます。その後、入社半年後をゴールに、新規の獲得から育成まで単独でも実行できるようにOJTをを行います。
チャネルの開拓やウェブ広告の運用方法のレクチャー、顧客管理や提案スクリプトのブラッシュアップなど一緒に改善していくイメージです。一年後には、売上・利用者のトップラインをさらに上げていくために、どのような打ち手が必要か、事業をリードしていける人材になっていただきたいと考えています。
編集者:それでは最後に、仲間になってほしいなと思う方はどんな方ですか。
日下部さん:大前提、魚が大好きでなくてはいけないということは無いですよ。私が幼少期に市場に親と一緒に行っていたという原体験はかなりニッチだと思うので(笑)ただ食への興味や飲食に関わる仕事への思いがあった方が良いですし、頑張れるモチベーションにはなるのではと思っています。
その中で、一つ目はお客様の立場に立って考えられるということ。飲食店様、料理人の方の立場で問題解決してくれる人というのがまず一番です。顧客というのが全てのスタートであると思っていますので、そのお客様の解像度を常に高い状態で持っておいてほしいと思っています。そして魚ポチを通じて何が解決できるのかにコミットメント高く行動し続けられる人と一緒に働きたいです。
二つ目に、好奇心と成長意欲が高い人がいいですね。
先ほども言いましたが正解がないビジネスをやっている。そんな中で、例えばスーパーで食材を見てなんでこのラインナップにしたんだろう。飲食店に足を運ぶとなんでこの店は繁盛してるんだろう。など、仕事以外にもアンテナを張ることで新しいアイディアが生まれてきます。この業界でDXで成功してる会社はまだ明確にないので、そんな中でどう自分で仮説を作り、自分に足りていないものを自発的にキャッチアップしていけるのかを考えて行動していける人が嬉しいですね。
最後は自分よりもチームを大事にできる人です。魚ポチは多機能な組織で、働く人のバックグラウンドも様々です。どうしたらチームやサービスの価値が出せるのかを考えた上で、自分の役割以上に染み出して動ける人、しなやかに動ける人がよりサービスを強く、成長させてくれると思います。そんな方にぜひ仲間になってほしいなと思います。
参考)
▼フーディソン公式note「生鮮流通DXにおける3つの難題
▼募集ポジション例