「ブレスト」を使いこなしてアイデアを導き出す方法【ブレスト超実践講座 前編】 | ZOOREL
こんにちは、エレファントストーン ディレクターの嶺です。みなさん、良いアイデアが出ないでお困りになったことはありませんか? ...
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皆さんこんにちは!エレファントストーンの宮坂です。
先日、エレファントストーンでマネージャーを勤める嶺に『今のエレファントストーンの組織やクリエイティブについてどのように考え向き合っているのか』をインタビューしてきました。本日はその内容を皆さんにもご紹介したいと思います。
嶺はインタビュー内で「今エレファントストーンは一番楽しい時期になってきている」と話していました。社員数も会社としての取り組みも増えているなかでどんなところが楽しくなってきているのでしょうか。ぜひ最後までご覧ください!
【ディレクター嶺 隼樹/プロフィール】
エレファントストーンのディレクター兼マネージャー。1985年札幌生まれ。中学校・高校では放送部、早稲田大学時代は自主映画サークル、そのまま卒業後フリーランスを経てエレファントストーンのほぼ立ち上げメンバーに。気づけば映像に関わり20数年。映像制作を通して様々な土地へいき、会社に伺い、様ざまなビジネスを知り、新たな人と出会うことが最高に楽しい。
「そうですね、今まで様々なクライアントワークを通してお客様からたくさんのありがたいお言葉をいただいてきました。これはメンバーみんなが全力で仕事に取り組んで作品を作ってきた賜物だと思っています。ですが、エレファントストーン全体のクリエイティブはもっともっと質を高めていけると思っています。
ここ数年は一気に社員数も増えて依頼をいただく映像ジャンルの幅も増えてきましたが、一本一本の映像をどうやって作っているかという制作体制には、実は大きな変化はなかったと思っています。もちろんヒトテマ(AI+アジアリソースによる編集でリーズナブルに制作するサービス)のような新たな取り組みは増えていますが、エレファントストーンの社員が中心となって作る、ある意味スタンダードな制作体制についての変化はありませんでした。
なので、今後この基本となる体制を改良していくことで、作品のクオリティアップやエレファントストーン全体のクリエイティブ力を上げることはいくらでもできると思っています。」
「例えば、最初の受注から納品までの過程、つまり社内で統一された制作フローを改良することで、会社全体のクオリティは確実に上がるでしょう。今はそこが課題だと捉えています。
例えば今のエレファントストーンの制作体制では、新入社員は結構早く独り立ちするんです。入社半年かそれくらいで、自身がディレクターやメイン担当のスタッフとなって制作に取り組むことになります。このスピード感はエレファントストーンの強さの一つであることは間違いなく、入社2〜3年をアシスタントとして経験を積む一般的な制作会社に比べて新入社員の成長は圧倒的に早いという自負はあります。現に今の新卒社員たちは皆、目を見張る活躍を見せてくれています。
ただ、この独立の早さが必然的に招くのは、先輩の背中を見て吸収する期間が少なくなるってことなんです。結果、自己流の制作スタイルを各々が築き上げる側面があり良い意味の個性と言えますが、反面、会社として一貫したスタイルというか、安定感のようなものは良くも悪くも弱いのかと思っています。
今の人数ぐらいまでは従来のやり方でもメリットの方が大きかったと思います。社員数が50人規模になってくる来期以降は、制作フローの土台を見直し改善していくことで、会社として次のステージを目指す時期であると強く感じています。」
「そうですね。一つ制作フローの土台作りについて例を出すとしたら、案件の一番最初のお客様との打ち合わせの場面です。社内では「キックオフMTG」という言い方もしていますが、この最初のキックオフでいかにお客様のことを理解し、お客様から信頼を獲得するか、ということをもっと体系化できると考えています。
こういう言い方をすると人身掌握テクニックみたいな印象になってしまうかもしれませんが、お客様と直にコミュニケーションをとれる機会は限られていますので、その短い時間でいかに距離を詰めて信頼関係を築けるか、というのは良い作品を作るために必須の技術だと捉えています。
これはあくまで一つの方法論ですけど、相手に信頼してもらうためにまず始められることとしては、とにかく相手に興味を持ち、相手のことを理解すること。そして興味を持っているということをしっかり相手に伝えていくこと。初対面の最初の1時間の打ち合わせで『私はあなたに興味を持っていますよ、もっと知りたいと思っていますよ』という姿勢を見せることで、お客様は『この人は自分や自分の会社に本当に興味を持って取り組んでくれてるんだな』と感じてくれます。「好意の返報性」という心理学用語もありますが、やはり信頼してもらうために必要なのはこちらが先に好きになること、そしてその好意を相手に伝えることです。
こうした「打ち合わせの極意」のようなものは改めて教育する機会が意外となかったりしますが、こうしたところから体系化し社内でノウハウを浸透させていくことで、エレファントストーン全体のクリエイティブ力が向上する土台になっていくと思います。」
「大切なことは、相手の立場を想像した上での質問をするということですね。例えば『その仕事は相当大変だったんじゃないですか?』とか『お客様からこんなご相談があった場合、こんな風に対応されているのかなと想像しているんですけど、実際どのような感じでしょうか?』とかですね。こんな感じで相手の立場に寄り添った質問やリアクションをすると、『この人はしっかりと自分のことを理解しようと向き合ってくれているな』と感じてもらえるはずです。
これは打ち合わせだけではなく、インタビュー撮影でもそのまま同じことが言えますが、その姿勢ができているだけで如実に相手も心を開いてくれるようになります。信頼を得られれば、相手ももっと業務の本質的なエピソードトークや、自分の体験を話してくれるようになりますし、聞ける内容が深まれば映像の企画内容に深みを出していける可能性も高まります。」
「おすすめは”ブレスト”を練習することです。アイデアを広げるために行う”ブレスト”はクリエイティブ系の職種では一般的ですが、大半の人はちゃんとした“ブレスト”の作法は知らないと思います。
“ブレスト”の根幹は連想ゲームなんです。ある話題があったら、その話題やキーワードからどんどん連想を膨らませて話題を転がしていく。「ちょっとずれた似たような話」または「一見同じようで違う話」など、リンクする話題を脊髄反射的に話を広げて盛り上げていきます。そうすることで徐々に脳みそを高速回転させていき、普段の生活では思い付かないような大胆な発想を生み出すことが“ブレスト”の効果です。」
「ブレストに慣れると、即興力というか、即座のリアクションが取れるようになっていきますし、あいづちの打ち方やリアクションの取り方も抜群に上手くなっていきます。そんな思考が常に実践できていれば、お客様の発言に良い返しができて場を盛り上げることもできます。場が盛り上がると1時間程度のキックオフMTGの密度が上がり、早い段階から制作の方向性を定めて参加者全員の意思を統一させることができるようになってきます。さらには企画を考えるスピードや質も上がっていきます。
これを全員ができている状態に持っていければ、会社全体のヒアリング力や企画力が上がるということになり、エレファントストーンのクリエイティブの土台に繋がっていくと思います。なので、自分のこれまでの経験や知識をもっと社内メンバーに浸透させていく仕組み作りや取り組みには積極的に取り組んでいきたいと思ってます。」
▼こちらの記事でブレストについて嶺が解説しています。どんどんアイデアが出てくるようになる秘訣について知りたい方はぜひご覧ください。
「今話した打ち合わせやブレストは、クリエイティブ力向上の土台作りのほんの一部です。制作体制や組織においては他にも考えなければいけないことはたくさんあります。なので、本格的にクリエイティブの土台作りや制作体制を検討していくためにはそれなりの時間や労力がかかるのは間違いありませんね。」
「そうですね。来期のエレファントストーンは更に人数が増えて50人規模になるので、あるべき制作体制を一から考え直し、検討する段階に入っていると思います。自分もマネージャーという立場で組織改良を考えることが多くなってきました。プレイングマネージャーではなく一歩引いて制作チーム全体をマネジメントする立場でのマネージャーという存在が、この人数規模になると間違いなく必要になってきます。自分も、ずっとひとりのディレクターであり続けるというよりは、そういったポジションになることを目指し始めている状態です。」
「今のエレファントストーンのフェーズだからこそ『組織全体でクリエイティブ力を高めて良い作品を作っていくための改革』ができるという面白さがあると思います。そのような組織改革をしていくこと自体が、そもそも大きなクリエイティブと言える。今はそこにすごく興味を持っていますよ。」
「こういった取り組みは決して即効性があるものではないですけど、こうした会社組織だからこその集合知を活かす取り組みを通して、会社として次のステージに行きたいですよね。」
「エレファントストーンのブランディングっていう観点から、どの作品を取り上げても『この作品エレファントストーンっぽいよね』ってなっていったら嬉しいです。
お付き合いしてる企業様や広告代理店に『エレファントストーンに頼むと誰が担当しても毎回必ずクオリティが高いものを提供してくれるし制作も安心して任せられる』だったり、『こういう作風が求められているからこそエレファントストーンに制作を任せたい』だったり、指名される存在になりたいですね。
いい意味で制作フローが統一されていて、クリエイティブの土台もあった上で一人ひとりの個が光る。そんな組織になったらエレファントストーンのブランドがより確立されていくと思いますし、そんな会社を作っていきたいですね。」
嶺さん、ありがとうございました!
ミスター『※知的興奮』の嶺さん(※行動指針「3.自分で自分の背中を押して、知的興奮を呼び起こそう。」をご覧ください)。お客様に対してどこまでも真っ直ぐ向き合っていることやエレファントストーンという組織の今後についてなどをお伺いできました。
私は直接制作に関わるポジションではありません。しかし、クリエイターの一人としてもっと深い情報を自ら聞きにいく、拾いにいくという嶺さんの姿勢はどんな仕事でも重要だと感じました。なので、私ももっとメンバーみんなの話を引き出して発信できるようなクリエイターを目指していきます!
今後エレファントストーンがどんなクリエイティブな集団になっていくのか楽しみですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。今後、私たちエレファントストーンが進化していく姿を見守っていただけると嬉しいです。それではまた次の記事でお会いしましょう!