【業務改善】設備工事会社が、請求書業務のお助け社内アプリを 2か月で開発した話①

※別媒体で公開している記事の転載です。内容は2022年3月時点のものです。

自己紹介

はじめまして！
株式会社エコテック(クロスティーホールディングス)のデジタル推進室の大村です。
(北海道の設備工事会社のIT部門の社員です)

こちらの記事を開いてくれたということは、請求書に苦しめられている担当者の方や、昔ながらの社内業務を改善しようと日々戦っている皆様が多いかなと思います。
本題に入る前に 簡単に自己紹介させてください。

２回に分けて投稿していく本記事では、入社してから2か月かけて自分が藻掻きながら進めていった業務改善の記録と、それを通して得た学びの共有をしていきます。
同じように業務改善に日々奮闘している方々の少しでもお役に立ち、あわよくばエコテックという会社が何やらDXを頑張っているらしいという事を知ってもらえると嬉しいです。

アプリ開発の背景

「紙の請求書を缶ケースで管理」「社内での情報共有が困難」

当社の請求書管理は基本的に紙で届き、経理担当者が"専用の缶"に入れて管理していて、金額チェックの際には頻繁に出し入れしたり、作業の過程で経理担当者 - 社内業務担当者間で請求書の移動が発生したりと、紛失のリスクが付きまとっていました。
さらに紙での管理のため、取引先から入金に関する問い合わせを受けたときには、膨大な量の請求書の中からお目当ての請求書を探し出すという宝探しゲームが始まってしまいます。

請求書と既存の売上管理ソフトと睨めっこしての金額チェック

経理担当者は、毎月 会社の売上管理ソフト上の金額と請求書の金額に差異がないか人の力で確認しています。合っているのか・間違っているかも分からないので、すべての請求書に疑ってかかる必要があり、毎月のチェック作業が心理的な負担になっていました。
これはまずい.. ということで、私が入社する前からアプリ導入の話は進んでいました。

どうやって解決しよう？

請求書といえばOCRで読み取って 既存のソフトを導入して.. がパッと思いつくところだと思います。ただ当社では、既に売上管理用のソフトが導入されており、金額チェック業務を楽にするには そのソフトとの連携が必要不可欠でした。

・請求書を登録できる
・登録した請求書を検索・閲覧できる
・請求書の金額と売上管理ソフト上の帳簿を照合する

たったこれだけの機能でも外注するには100万以上の費用がかかりますし、変化の激しい会社の動きとしても、外注は現実的ではありませんでした。
当社のデジタル推進室では、Microsoft PowerApps を使用して社内アプリのを既にいくつかリリースしており、請求書業務の支援についてもPowerApps を使って、社内アプリとして内製開発しようという運びになりました。

完成したもの

２か月で開発した話。とうたっている以上、まずはどんなものが出来たのかを先にご紹介させていただこうと思います。アプリとしては以下の２種類です。

モバイルアプリ

・請求書を登録できる

Webアプリ

・登録した請求書を検索・閲覧できる

・請求書の金額と売上管理ソフト上の帳簿を照合する

ざっくりこのような画面や機能を作成していったのですが、さすがローコード。PowerApps は初めて触ったのですが、設計したものが形になるまではとても速かったですし、実装方法の理解もかなりスムーズに進みました。

ですが、"完成"までが速いかどうかは、その設計や準備の質に依存します….
この２か月は業務改善のためのローコード開発は特に設計が命だと身をもって感じることの連続でした。
新規のプロダクトを開発するときも設計が重要なのは承知の上ですが、業務改善においては既に取り扱っているデータに対してのCRUD（作成、読み出し、更新、削除）処理で解決できることが多いと思います。
だからこそローコードで解決できる事が多いのですが、既存の業務フローの細かい分岐やフロー同士の関連性を把握して設計に落とし込まないと、あと一歩のところで "完成"まで届かないのです…

次回に続く

本記事では、請求書業務のお助け社内アプリを開発することになった背景と、どんなものが完成したのかを紹介させていただきました。
次の記事では、今回の請求書アプリ開発を通して私がしてきた失敗と、
そこから得た学びを熱く共有していきたいと思います。

発信したいことは次回に詰まっているので、次も見ていただけると幸いです！これからも更新していく予定ですので、興味もっていただけたら他の記事もぜひ….!!!

- 会社紹介

当社（株式会社エコテック）は北海道札幌市に本社のある、新築住宅などの設備工事（電気・空調）を手掛ける工事会社です。1979年に設立され、従業員数は150名、グループ会社が8社あります。春からは HD化してクロスティホールディングスとして ワンストップで住宅関連の様々な業態にアプローチしていく、全国的に見てもおそらく珍しい事をしている設備工事会社です。

また、社内の取り組みや雰囲気を Instagramにて発信しているので是非チェックしてみてください！

https://www.instagram.com/crosstyhd/