「正直、超限界でした」
神山さんは関西の営業統括マネージャー。20代で不動産会社の社長を経験したという異色の経歴を武器に、次なるフィールド「建設業界の改革」に挑んでいます。
前回のインタビューからの約2年で導入事例・成功事例も爆発的に増え、確実に成果を出してきたように見える神山さん。しかし本人の中では大きな壁にぶつかった瞬間もあったようで……。
神山さんが乗り越えた「自分でやったほうがうまくいく病」と、マネジメントを通じて発見した「売れる営業の共通点」、そして今後の目標について伺いました。
プロフィール
神山 巧さん(30歳)
大手コンサルを経て、不動産会社の代表取締役に就任。当時は業界的に事例のなかったSNS集客に取り組み、TikTokで5万フォロワーを獲得。広告宣伝費0円での採用・集客を実現した。その後クラフトバンク代表の韓との出会いで「起業よりも面白い仕事ができる」と感じ、転職。新たな施策を立ち上げ、入社して2ヶ月でトップセールスになった。
2年前と明らかに違う、確かな手応え
2年前と比べて、一番の変化は?
やっぱり、商品が格段に良くなってるかと。営業してても反応が当時とまるで違いますし、売上単価も当時の30倍くらいになってますよ。
正直、昔は機能も揃ってなかったので「きっと将来的には役に立つはず」くらいの未来予想図を売っていた感じなんですけど……(笑)。今は、僕らの商品を導入したことで売上がめちゃくちゃ伸びたって、すごく感謝してくれる会社もあって。「もう本当に、入れてよかった!」って声が伝播していくので、「絶対役に立つ」って確信を持っておすすめできるのがめっちゃ嬉しいなって思ってます。
成功事例が増えたんですね!
はい、ここ2年間の成果が出ていると感じますね。
事例紹介の資料も作りました。電気工事とか外壁塗装といった工種別に分けて、ユーザーにヒアリングした変化を僕が資料にまとめて、それを営業全員が喋れるようにして。そうすると「あなたの会社に似た会社は、こんなふうに良くなりましたよ」とお伝えできるので、イメージを持ってもらいやすいんですよね。
ちなみに僕は、あえて一歩先をいっている会社さんの事例を見せるようにしています。売上が3億の会社だったら5億の会社の事例を見せるし、10億だったら15億を事例にする。それを見せるとお客さんは「こういう会社になりたい」と感じて、前向きになってくれる印象です。
中小企業からすると、僕らがおすすめする「業務効率化」ってあんまり意味がなくて、やっぱり社長が考えるのは「いかに売上利益を伸ばすか」しかないんです。だからこそ、クラフトバンクオフィスを入れて業務が効率化された結果、売上利益がちゃんと伸びた! という実績に興味を持ってくれます。
時間が空いて、採用もうまく行って、仕事も多く受けられるようになって、売上も利益も伸びた……っていう会社がいっぱい出てきたので、その現実に期待してくれるんです。
そういえば前回のインタビューでは「セミナーをやって集客した」って話をしましたが、そのセミナーに受講者として来て導入を決めてくれたお客さんが、今は業績も上がってセミナーをやってくれてるんですよ!!
このままじゃ、自分のせいでスケールしないと思った
2年でいちばん大変だったことは?
2年間なにをしてたか記憶がないところもあるんですけど(笑)、自分の壁を感じたのは20人くらいの営業のマネジメントを任された時です。入って半年くらいのタイミングですね。
僕は経営者をやっていた時期もあるし、正直「ひとりで50人くらいは見られる」と思ってたんですよ。でも全然。20人で超限界でした。
僕はマイクロマネジメントじゃないとマネジメントできなかったんで、1on1を毎週20人とやって、営業一人ひとりに一社一社の提案状況について聞いていて。各部の定例会にも出て、週に2回は職人酒場のために地方に飛んで、セミナーや講演に出て、採用活動をしながら自分の営業もしてました。
そしたら物理的にできない仕事が増えていって……。僕が見られる範囲でしか組織が大きくならないことに課題を感じました。「このままじゃスケールしない、僕がボトルネックだな」と思ったんです。
どうやって乗り越えたのですか?
正直、自分で乗り越えたというよりは「自然と乗り越えさせてもらった」感じですね。任せるのが怖くて自分からは手放せなかったんですが、物理的に見られなくなった結果、見てなくても売れるやつが出てきたんですよ(笑)。
高橋晃樹や大垣さんなど、勝手に成長していって僕より売れる部下が出てきたことで「あ、見なくても売れていくんだ。全部関与するのってむしろ良くないな」と思い知ったんです。それで変わる勇気が出たというか、僕のやることをもっと減らそうと思いました。
入っていた定例会議はかなり減らしたし、1on1でも見るポイントを絞りました。売上目標をもとに自分で行動計画を立てられる人の場合は、放置して結果だけを見る。細かい案件やアプローチは確認しないです。
ジュニアメンバーの場合は商談数の目標や商談獲得の目標、実際にやっていく活動など階層を掘り下げていく感じで、人によって必要なアプローチを選択するようになりました。
過去の僕はその階層のいっちばん深いところまで、全員に対してやってたんですよね。案件ごとにマイクロマネジメントして仕事を全部抱えちゃってたんで、今思えば「そりゃ回らんわ!」って感じ(笑)。
しかも、メンバーが自分で考えて動く余幅が出たことで、本人も成長を感じやすくなったんですよね。あのまま進んでたら指示待ち人間の育成をしてた可能性もあるので、マイクロマネジメントしたくてもできない状況になってよかったなと思います。
任せられて、自分で考えて動いて、今までできなかったことができるようになる。それが成長なので、突き放すことも大切だと気づきました。そのほうが働いていて楽しいと思うし、僕も楽ですからね(笑)!
売れる営業は「一石三鳥」を提案できる
この2年間での発見は?
売れる営業の共通点を見つけました。売れる営業は「一石三鳥」をお客さんに渡せる人なんです。
例えばですが、売れない営業は一石一鳥で、「このシステムを導入すると業務効率化できます」としか言えない。これじゃ、経営者の心は動かないです。
ちょっと売れる営業になると一石二鳥で「業務効率化しつつ、業績も伸ばせます」という提案ができるんですが、それだけではまだ弱くて。真に売れる営業は、三鳥目を狙わせることができるんです。
例えば僕だったら、元々SNSのフォロワーが5万人ぐらいいました、って話をすると「SNSやりたい」と思っている経営者さんにとって僕の存在が狙える鳥になって、クラフトバンクとの付き合いが「一石三鳥」になるんです。そういう武器を持っているかどうかで、売れるかどうかが決まると感じています。
僕は社長やってたとかインフルエンサーだったとか目立つワードが多い経歴なので、ちょっとずるいかもしれないんですけど(笑)、別にここまで特殊である必要はないんです。
例えば大垣さんは、半端じゃない量の事例が頭に入っていて、お客さんから「他の会社ではどうやってんの?」って聞かれたらパッと言えちゃうんです。自分の主観じゃなく、似た会社の上手な事例をサッと出してくれる。そうすると頼りになるなって思うし、もっと話を聞きたくなりますよね。
経営者って常に副次効果を狙う生き物だと思ってるんです。「これを入れたらこれができる」以外に「この会社と組んだら、何か儲けられることないかな」「この人と付き合ったら、何か得られるものはないかな」って考える。
だからこそ価格勝負や機能勝負だけじゃなく「売るもの以外の価値・魅力」をちゃんと打ち出すことが、めちゃくちゃ差別化になると思います。
もし2年前にタイムスリップして過去の自分に会えるとしたら、何を伝えたいですか?
うーん、まず「どうしたらスケールするかを常に考えろ」って言うかな。でも当時の僕もそれは考えていたとは思うので「そんなのわかってるよ」って怒るかもしれないですね(笑)。
具体的に「もっとメンバーに任せろ」って言うほうがいいかな。当時の僕は、自分がやったほうが早いとか、巻き取ったほうがうまくいくとか思ってたんですよ。でも実際はそうじゃなかった。そこに早く気づけるように、ヒントを渡せるといいですかね。
まあでも、僕としては後悔も余力も残してないので、そんなに言いたいことはないですね。考えられるだけ考えて、動けるだけ動いて、死ぬほどやりきってます。
最後に、今後の目標を教えてください
関西支社を爆速で立ち上げて、3年後には本社の売上を抜きたいと思ってます。まじで抜けると思ってますよ。
そのためにもまずは、1年半で今の東京本社と同じ水準にまで持っていきます。東京の成長曲線の2倍の速度、つまり半分の期間で成長させるイメージです。創業当時と違ってすでにノウハウが貯まった状態ですし、プロダクトも強いですから。
2年前には20人のマネジメントで限界だった僕ですが、今はブレイクスルーできたのでもっと大きな組織も動かせる自信があります。今の僕なら、やれますね。
一緒にやりきってくれる人を大募集中ですので、こいつと働くの面白そうだなって感じてくれた人はぜひお会いさせてください。待ってます!