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刃物を研ぐ作業は、どこか座禅の修行に似ている。

全神経を指先に集中させ、心を無にする作業は嫌いではない。
座禅はやったことないので、似てるかどうかは知らんけど。

昨日、もうすぐカナダに留学する長女の柳葉包丁を研いでおこうと思いたち、ついでに普段使いしてる包丁も研いだ。

18歳の長女が柳刃包丁を所持する理由は、留学先で割りの良いバイトを見つけるため短期でライセンス取れる寿司学校に行ってたから。頭いいな。


刃こぼれしてなかったので、#1000→#1500→#5000→#15000と砥石の目を上げて研いでゆく。

砥石は目の細かさを番号で表示する。
#1500以上でカッターナイフの切れ味。#5000〜#15000でカミソリや医療用メスの切れ味。(個人の感想ですw)

何度も焼かれ叩かれ折り返されて鍛えられた鋼は、研げばしっかり応えてくれる。

100均の包丁ではそうはいかない。
買ってきた時が一番切れる状態で、研げば研ぐほど切れ味が落ちる。

これは軟鋼を使い型抜きしたものを使用するから。
見た目は同じ包丁でも、素性が違えば全く機能性が異なる。

しかし100均の包丁も一人暮らしの新生活では重宝されるもの。


・・・ここまで考えて気付いたのは「会社の人事」に似てるなということ。

資質や生い立ち、特性をよく理解して、適材適所に配置した上で、それぞれに合った研ぎ方、磨き方をする必要がある。
鋼材に適した研ぎ方を誤ると刃物も砥石もダメになる。
そしてミシュランレストランの包丁立てに100均包丁やカッターナイフは入っていない。
ある用途においては優れたツールだが、良い料理を提供するという方向性には向いてないからだ。
そういう意味でも共感採用はとても重要だと思う。

磨くといえば、#5000以上の砥石で磨くと、磨いた部分が輝き鏡のように光を反射する。

日本刀のアレだ。

いつか自分も研ぎ澄まされ、磨かれて眩しいくらいの光を放てるようになりたい。
そう思ってくれる仲間に集まってもらいたい。

と、思った休日の昼下がりでした。

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