1
/
5

リソースの少ない地方のまちづくりで求められる力

「まちづくりの仕事したいんですけど、都市と地方、どちらでやるのがいいですか?」と聞かれることがあります。

20年近く、東京でまちづくりの仕事をしてから、1万人の過疎地、宮崎県都農町に移住して実感するのは、リソースの有無による違い

都市にはヒト・モノ・カネなどのリソースが多い、地方には少ないと前提をおくと、それぞれで求められる力が違います。

1.リソースがある都市で求められる力

都市で規模が大きめのまちづくりの仕事においてはプロジェクトチームをどうつくれるかが成否の分かれ道。

誰を知っているか?
誰をアサインできるか?

が重要でした。

①分配する力

まちづくりの仕事において、必要な仕事を構成する要素・業務を洗い出し、それぞれ、どんな専門家にお願いするかで成果に大きな影響が。

業務をどう切り分けるか?
専門家にどう分配するか?

そのためには、プロジェクト全体を俯瞰して、どの部分を誰に託すか、みたいな分配する力が求められます。

そして、託せる専門家をどれだけ知っていて、いざとなったら依頼できる関係を日ごろからどうつくっておけるかが重要。

本質じゃないけど、いかに最近話題のイケてるクリエイターにお願いできるかが評価になったりもしがち。。

また、自分たちより効率的・低コストで作業をしてくれるアウトソーサーの選択肢も多いため、コストバランスを見極めながら自社でやることと外注することの分配も重要な視点に。

他のリソースである、お金やモノについても同様で、金融機関やメーカーを積極的に開拓しつつ良好な関係を築いていくことを心がけてました。

②まとめる力

分配した後に求められるのは、各専門家をまとめる力
専門家は、その分野のプロフェッショナルなので、一筋縄ではいきません。

ここで大切なのは、いかに専門家たちが気持ちよく、力を出し切れる環境を設定できるか、モチベーションを維持するコミュニケーションをとれるかが成否の分かれ目に。

まとめるためには、自社や自分の想いやこだわりも、相手に伝わるように言語化や見える化する必要もあります。

都市部で成果をあげているまちづくり事例を見ると、例外なく、専門家たちをまとめあげるプロデューサー的役割の人がいます。

2.リソースがない地方で求められる力

地方のまちづくりで実感するのはヒトがいないこと。

ただし、都農町の経営者をみてて思うのは、現場のド作業から営業、資金繰り、接客、アフターまで都市だったら分業してやることを、一人で完結している人だらけってこと。

4年間やってみて、地方で求められる力として感じるのは2つ。

①網羅する力

基本は一人でやることを前提に、最初から最後まで、必要な業務を網羅する力が重要。

都市だったら、
「この部分は専門家にお願いして」
「この作業は面倒だから下請けさんにお願いしよう」
選択肢があるのに対し、地方では原則ないので自分でやる前提でものごとを考えているように思います。

これからの時代、あたらしい価値をつくろうとする場合、やったこともないことを一通り自分ごととして網羅する力は、まちづくりに限らず、かなり有用です。

②やりきる力

もうひとつ、求められるのがやりきる力
これは頼れる人がいないことの裏返し。
ここまでやったからあとよろしく〜がきかない環境。

自分を振り返っても、ひとつイベントをやるにしても、まず草刈りしないとはじまらないし、企画して、準備して、当日の設営から接客、片付けと収支計算まで、基本は一人、自社でやらないと成立しません。

大変な分、身につくことは多方面にわたり多いのと、やりきる=達成感と捉えれば、仕事の楽しさは手触り感をもって得やすい環境です

起業したい人にとって、地方は相性いいと思います

3.使えない人とは?

言いたいことは、自分が仕事をする環境において、リソースの有無、多少によって求められる力が異なること。

逆にいうと、つけたい力が明確なら、やる仕事、入りたい会社をリソースの量で選ぶのもあり。

リソースを踏まえずに仕事をすると残念な結果になる人も見てきました。

①リソースのある環境で使えない人

リソースがあるにもかかわらず、一人で抱え込んでしまう人は例外なく使えない人になるリスクが高いです。

プロジェクトチームで推進していく場合には報連相などの共有ができない人は成果を出すのが難しいです。

共有できない人は、リソースにかかわらずどこでも難しいのでしょうが。。

②リソースのない環境で使えない人

リソースがない環境で、手際良く業務を切り分けしたところで所詮、やるヒトがいないので意味を成さない可能性が。。

セクショナリズムの場合は論外。

4.まとめ

リソースがある都市で活躍していた人は、プロデューサー、マネージャータイプが多くなると思いますが、一人だけで突破したりやり切れる人は少ないため、必ずしもリソースのない地方で活躍できるとは限りません。

逆もまたしかりで、リソースがない地方で活躍していたとしても、都市で大勢の専門家といい成果を残せるかというと難しいかなと。

仕事を楽しむためには、リソースのある環境向きか、リソースのない環境向きかは把握しておくのは有用かと思います。

ちなみに、ぼくは完全にリソースのない環境向きと自覚。草刈りも企画も営業も経理も、一人、自社完結でやることにやりがいを感じてます。

株式会社イツノマからお誘い
この話題に共感したら、メンバーと話してみませんか?
株式会社イツノマでは一緒に働く仲間を募集しています

同じタグの記事

今週のランキング

中川 敬文さんにいいねを伝えよう
中川 敬文さんや会社があなたに興味を持つかも