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ホスピスでの”褥瘡”を看護師が語る

Photo by Darya on Unsplash



ホスピスでの”褥瘡”について

褥瘡は、寝たきりの人々を脅かすリスクの一つであり、その予防とケアは、ホスピスにおける看護の重要な務めと言えます。当記事では、褥瘡が生じる原因、そしてその早期発見と予防方法、ならびに既に発症した褥瘡のケアについて解説します。

褥瘡とは

身体の一部が圧迫され続けることによって、圧迫されている場所の血流が悪くなり、栄養や酸素が行き渡らず、皮膚やその下の組織が傷ついてしまった状態のことを言います。

「床ずれ」とも言われます。

褥瘡が出来る原因

主な原因として、「圧迫」「摩擦」「ずれ」が加わることで発生し、それら以外にも複数の原因が重なって起こることが多いです。複数の原因とは、関節拘縮や基礎疾患、栄養状態、感覚障害などの身体的要因と、シーツや衣類のしわ、下着やオムツ使用に伴う蒸れ、汗や排泄物による皮膚の汚れなどの環境要因が関連していることが考えられます。寝たきりの方はもちろん注意が必要ですが、座りっぱなしの状態が続くことでも褥瘡発生に繋がります。ホスピス入居者様は、末期がんや難病などのために死期が迫った状況にあり、褥瘡発生しやすい要因が多数あることが考えられます。

褥瘡の早期発見と予防方法

褥瘡の早期発見のためには、入居者様の皮膚の状態を毎日観察し、異常が見つかったらすぐに対策を講じることが重要です。また、特に臀部、踵部などの骨突出部に発生しやすく、「褥瘡好発部位」と言われる部位の皮膚は、特に注意が必要です。

予防方法としては、除圧や体位変換の実施、状況に合わせた体圧分散用具の使用、皮膚の清潔の保持、摩擦やずれの防止、栄養管理が必要となります。どれが欠けても褥瘡発生に繋がるため、総合的にアプローチすることが重要です。

発症した褥瘡のケア

上記予防方法に加えて、医師の指示のもと、適切な処置を行います。

褥瘡の状態によって、使用される薬剤や物品が異なり、手術や閉鎖陰圧療法などの治療もあります。適宜、医師にてデブリードマン等が実施されることがありますが、ホスピス入居者様は、心身の状況を考慮し、侵襲が大きい手術や処置は選択肢に含まれないことがほとんどです。

まとめ

ホスピスでは、上記の知識を基に、看護師やケアスタッフはより質の高いケアや対応が必要です。褥瘡は一見すると些細に思えるかもしれませんが、QOLを低下させる大きな問題となります。褥瘡の予防と早期発見、そして適切なケアはホスピスでの重要な役割の一つと言えるでしょう。

看護師として

ホスピスでは、最期の時をより穏やかに自分らしく迎えられるような対応がスタッフ全員に求められます。入居者様の生活を支えるには、全スタッフの協力体制が不可欠です。褥瘡に限ったことではありませんが、看護師だけが考え、動いても限界がありますし、信頼関係にはつながりません。褥瘡を早期発見早期対処できるような教育、環境、雰囲気作り、役割分担やチェック機能の検討等、それぞれが考え、共有し、アプローチしていくことが、入居者様やそのご家族からの信頼や自己の成長にも繋がると考えます。

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