内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力
Amazon.co.jp: 内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力 : スーザン・ケイン, 古草 秀子: 本
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“声小さい族”というのは、内向型タイプの人間のことを指しており、私のことです。(物理的に声量少なめの方が多い傾向があるかなと思ってまして、“声小さい族”と呼んでいます)ちなみに“世界”と表現していますが、私と私の職場の小さな世界の話であり、“外向型優位”というのも内向型である私の一個人の意見でございます。
外向型の人って口から泉の如く言葉が湧き出るし友達めちゃ多いし金稼げそうだし、ていうか声でかくてよく通るのイイナ~~~~などと望む通りにいかない人生を憂いていたんですが、自分みたいなタイプが内向型と呼ばれ、どうやら私たちにしかできないことがあるらしいと知ったのが、この本を読んだ約10年前↓
著者のスーザン・ケインさんはTEDトークにも出ていらっしゃいます。
そもそも内向型・外向型に分かれるのは脳の働きが原因で、かつ遺伝学においても50%は遺伝するということが判明している生まれつきの「気質」であることが分かったことで諦めがついたし、なにより「自分みたいな人間が地球上に割といるっぽい!」と知っただけで元気が出て、徐々に自分自身のことを受け入れられるようになった気がします。
自分自身の気質を受け入れられたものの、社会においてやはり内向型は理解されづらく、外向型のほうが評価されやすいと感じてしまいます。口から泉の如く言葉が湧き出て友達めちゃ多くて金稼げそうで声でかくてよく通るほうが生きやすいに決まっている!!(苦しみは人それぞれにあることは分かっている前提で)
デザイナーという職業においても、黙々と良いモノを生み出せばよい、というわけにはいかない昨今。セブンデックスでもケイパビリティの幅広さ故にに、デザイナーのあり方も様々です。デザイン以外の様々な領域に関わることも少なくないため、”外向型的な行動”が求められる場面ももちろんあり、セブンデックスのデザイナーである以上それらから逃れるべきではないと考えます。
そんな環境ですが、周囲からの協力を得ながらも、私が内向型としての自分らしさを失わずにデザイナーとして工夫しながらどうにか上手くやれている!と思えています。
内向型の特徴としてまず挙がる「口数が少ない」。私の場合は、口から発していないだけで、頭の中ではめちゃくちゃ動いています、実は!考えを整理し最適な言葉を精査し発話までもっていく、というプロセスに時間がかかってしまうので、口数が少なくなってしまっているというわけです。なので、スピーディな会話で発話することが難しかったりします。
対処方法としては、プロジェクトメンバーに気質を説明し理解してもらい、ファシリテーションをするメンバーに「どう思う?」と話を振ってもらうように依頼をしています。
ミーティングの場では、”意見を言わなかった/言えなかった”ということがないように、また、発話が少ない分その場において有意なことを言えるように、できる限り頭を高速で回しておく努力はしています。(もちろんファシリテーターに頼らず、頑張って自ら発話することもあります!)
「発話が少ない」の延長線上にある弱みですが、即興で発話することが不得意です。デザイナーとして困る場面としては、プレゼンやスピーチを準備無しで行うことが難しいです。
対処方法としては、“再現するだけ”の状態にしておくことです。例えばプレゼンならば、伝えるべき内容に抜けがないように原稿を用意し、リハーサルも行います。カンペを見れない状況のプレゼンならば、原稿が頭に入るまでリハーサルを繰り返します。即興が不得意なだけで、時間をかければまともな文章を作ることができるので、“再現するだけ”にしておけば、まるでプレゼン上手な人!
感情を表に出さなかったり、あまり喋らないのに口を開くと核心を突いた発言をしたりするので、多分こわい人だと思われてるんじゃないかなと思っていますがどうでしょうか……
なんでも相談できる親しみやすい先輩への路線変更も考えましたが、会社に一人二人はこわい人いたほうが良いと思ってるので、これについては対処しないことにしました!
「あの人⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎なところあるけど、◻︎◻︎◻︎◻︎だからまあいいか!」の状況をつくるということです。
内向型だから強みになっていることだと自覚していることは、
これらを他の誰も真似できない領域まで突き詰めることで唯一無二の存在になり、組織に必要不可欠な存在になってしまえばいいのです……
そもそも「自分にしかできないことがあり、それが上手く発揮できている」こと自体が仕事の大きなモチベーションになりますし、強みを客観的に理解し自分自身を得意な領域へと上手く転がしていくことで、ストレス無く仕事できる環境をつくっていけたと思っています。
発話が少ないことへの対処方法として「プロジェクトメンバーに気質を説明し理解してもらう」と書きましたが、セブンデックスではメンバー同士で強み・弱みを理解し合うワークが幾度となく行われており、内向型としては動きやすい環境を構築するためのこれとない機会となっています。
例えばMBTIの結果から、それぞれの価値観や診断結果を裏付けるエピソードを共有し合って相互理解を深めたり、
クリフトンストレングスオンライン才能テスト | JA - ギャラップ
ストレングスファインダーの結果から、自認している強み・弱みに加えて、他者からの視点も加えた「取り扱い説明書」をつくってみるワークなどを行なっています。
自分を曝け出すことによる、いわゆる“濃い関係性”みたいなものを“職場”で構築することに対してそんなにポジティブに考えていなかった、というか割とやりたくない、そもそも自分の弱み・苦手と向き合いたくないしな…と以前は思っていました。
ワークをやってみて分かったことは、内向型の扱い方を理解するまでにかかるコミュニケーション量をスキップして、最短時間で最適な扱い方を知ってもらえる、というのは内向型にとっては超超超有り難い!
外向型にもできないこといっぱいありますよね?(知る由もありませんが)外向型にできなくて・内向型にできることがあるはず。そう考えると、特にクリエイションをする組織にはどちらもタイプも必ずいるべきですよね。
「社会に生きるのに向いてないな」と思い至りがちだったり、うまく自分らしさが伝わらないことで悔しい思いをしている内向型の方がいるのではないかなと思うのですが、内向型が発揮できる強みは良い社会を作り上げていくにはどう考えても必要としか思えませんし、もう少し“分からない他者”への歩み寄りがあってもいいんじゃないかなとも思っています。
なんなら生きる術を見つけた内向型が最終的には最強になるのでは?とすら思っているので、私はこの調子で自分らしさを受け入れながらスーパーマンを完成させていきたいと思いますし、多くの内向型たちが力を発揮できる居場所に辿りつけることを願います!