こんにちは!
株式会社NTTデータフィナンシャルテクノロジー(以下、NTTデータFT)決済イノベーション事業部キャリア採用チームの江口です。
NTTデータFTは一言で言えば「お金のとおり道」を作る会社です。決済イノベーション事業部では、国内外のペイメント市場を支えるITインフラを開発しています。
私たちが日常的に使っているクレジットカード決済やモバイル決済、また決済代行や後払いシステム、BtoB取引など、金融インフラを取り巻く環境は日々進化し、世界のペイメント市場は飛躍的に発展しています。
今回は、フランスにおけるキャッシュレス決済事情について簡単にご紹介していきます。
フランスで人気の決済手段は?
パリ発行の新聞『Le Monde』によると、欧州中央銀行の2022年調査では、フランスの取引総額に占めるカード支払いは53%、現金が35%、モバイルアプリケーションが3%を占めています。
La carte bancaire, chronique d’une disparition annoncée
Par Marc Angrand, Audrey Lagadec et Benjamin Martinez, Le Monde
【カルト・ブルー】カード払いの主流
フランスで使われるカードは「カルト・ブルー(Carte Bleu)」と呼ばれ、お店では「CB」と表示されています。カルト・ブルーは銀行と契約した個人に発行され、「キャッシュカード」「デビットカード」「クレジットカード」が一つになったカードで、支払い時に4桁の暗証番号を入力します。
フランスのスーパーマーケットやマルシェと呼ばれる市場、レストラン、カフェ、駅の券売機、郵便局、薬局など、生活必需品を購入する場面ではほとんどどこでも使えます。
カード払いの際にはレシートにサインをする必要はありませんが、暗証番号を3回間違えると決済ができなくなるので注意が必要です。また、サンコンタクト(非接触型決済)も普及しており、カードを機械にかざすだけで決済が完了します。2020年のパンデミック後、限度額が引き上げられ、現在は暗証番号の入力なしで50ユーロまでの支払いが可能です。フランスでは、この非接触型決済を利用できる店舗が急増しています。
【モバイル決済の台頭】Apple PayやGoogle Payの普及
2020年のパンデミック以降、フランスではApple Pay、Google Pay、Samsung Payなどのモバイル決済が広がりを見せています。主要なフランスの銀行(Societe Generale、BNP Paribas、Crédit Mutuel、Crédit Agricoleなど)は、顧客にスマートフォンでクレジットカードを登録できるようにし、さらに「Paylib」という新たなモバイル決済サービスも広く利用されています。
Paylibは、口座番号なしで個人間送金が簡単にできるため、レストランでの割り勘などでよく使用されています。モバイル決済の利用者は確実に増加していますが、現時点ではカード払いが依然として主流です。
【現金の利用】依然として根強い現金派
とはいえ、フランスではまだ多くの人が現金を使用しています。街のお店やカフェ、パン屋などでは、カルト・ブルーによる支払いが最低「10ユーロ」以上からとなっていることが多いです。
また、フランスでは支払い端末の故障も少なくないため、カード決済やモバイル決済ができない場合に備えて現金を持ち歩く人もいます。
ただし、現金での支払いではお釣りが間違えられたり、大きな額の紙幣を断られることもあります。また、偽札の流通も多いため、カードに切り替える人が増えているようです。
【小切手の時代は終わった?】使われる場面が限定的
かつてフランスでは小切手が一般的に使われていましたが、現在ではあまり見かけません。小切手は法人間の取引や一部の特定の支払いに使われることが多く、一般的な日常の支払い手段としてはほとんど使用されていません。
最後に フランスでも変わりつつある決済手段
フランスは、隣国オランダに次いで、ヨーロッパで最もキャッシュレス決済が進んでいます。
La carte bancaire, chronique d’une disparition annoncée
Par Marc Angrand, Audrey Lagadec et Benjamin Martinez, Le Monde
2024年にはパリオリンピックを控えており、観光客が急増することが予測されています。これにより、フランス政府はキャッシュレス決済の導入をさらに促進しています。
いかがでしたでしょうか?
今回はフランスのキャッシュレス決済事情を簡単にお伝えしました。
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