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訪れるすべての人に最高の体験を届ける屋台骨と仕組みづくり&ホテルオペレーションを構築する仕事の本質について。『ぼくたちの開業(奮闘)日記 』 -長門編②-

こんにちは!Stapleで開業準備室を担当し、現在長門湯本の開業に向けて疾走中のMaayaです。今回は、私が現在携わっている来春開業予定の「SOIL Nagatoyumoto」のプロジェクトをご紹介しながら、普段みなさんが気に留めることがあまりないであろう『ホテルオペレーションをつくる』という仕事についてお話させてください。

1991年生まれ。大阪出身。大学在学中に起業家のコミュニティ運営を行うImpact HUB Tokyoにてコミュニティマネジメントの仕事に携わり場作りや空間設計の面白さと出会う。その後教育系IT企業やNPOが運営する学生寮のコミュニティづくりに携わった後にアートホテルの企画・設計・運営を手掛けるBnA株式会社にてオペレーションマネージャーとして運営体制の構築を手掛ける。また一棟丸ごと貸し切りで開催したイマーシブシアター(没入体験型の演劇)、周年イベントなど大規模イベントのプロジェクトマネージャーを務め、ホテル業界から転向しようとクラフトビアバーで働いていたところ、ご縁が繋がりStapleに参画、開業屋として長門湯本の開業準備に奔走中。

前職のコミュニティづくりで気付いた、空間に集う人とモノを設計する面白さ

「ホテルのオペレーションをつくる」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?ホテルの顔となるフロントスタッフ、清掃スタッフなど、館内で目に触れる要素から連想する方も多いかもしれません。
とはいえ、それらはあくまでオペレーション構築のごく一部。今回のこの奮闘日記では、“裏方中の裏方”的な存在として決して目に見えない「ホテルオペレーション構築」のお仕事とその魅力について、わたし自身の経験と共にご紹介し、これを読み終える頃には開業準備のこだわりを感じたり、どこかの宿の開業の裏側に思い馳せてもらえたら嬉しいです!

そもそも、オペレーションとは?

私がその言葉と出会ったのは、前職で起業家たちのコミュニティづくりに携わっていたとき。日々チームの仲間と一緒に、「どんな人達がこの場所に集って欲しいのか?」「どんな会話がそこで生まれてほしいのか?」「そのためにはソファをどこにおくか?」「そして誰が何を管理するか?」など、毎日その場所の使い方について、終わることのない議論を交わしながら、利用体験の満足度を最大化できるような仕組みを考え過ごすうち、オペレーションをつくる・まわすというのはこういうことなのか、と、肌感覚で学んだことがキッカケです。

スタートアップの会社創業期かつ事業創業期という非常にハードな環境のなかで、仕事のこなし方も分からず悪戦苦闘の日々でしたが、思い返せばこの経験を通じて、空間に集う人とモノの導線を設計したり、仕組み化する楽しさに出会えた気がしています。

Impact HUB Tokyoでアーティストと働いた経験が、後にアートホテルでのキャリアを志すきっかけに繋がりました。若い…!

そんながむしゃらな日々を送るなかで、予め決められたサービスを画一的に提供するのではなく、その場に集う人たちと一緒にリアルタイムで空間を創り上げていく面白さに出会い、その魅力にどハマリしていきました。
ブティックホテルやアートホテルといった尖ったコンセプトのホテルを手掛けるホテルベンチャーでの仕事を経験したことも今の自分の思想に大きく影響しています。

街の未来の風景を一緒につくっていく人たちが集う、良質なコミュニティが生まれるホテルを目指す

さて、そんなキャリアを歩みながらたどりついたのがStapleが力を込める「SOIL Nagatoyumoto」の開業プロジェクト。いままでの経験を活かし、宿泊サービスの提供に留まらない、その街の未来の風景を一緒につくっていくような人たちが集う良質なコミュニティが生まれる起点に成りうるホテルづくりをしたいと思いながら開業準備をすすめています。

温泉街のちょうど真ん中、音信川のほとりに佇むSOIL Nagatoyumoto。改修工事真っ盛り

舞台となる山口県は長門湯本という地域は、温泉郷の中心を流れる音信川、360年の歴史を誇る萩焼文化、600年の歴史の出発点である外湯施設「恩湯(おんとう)」をシンボルとする自然豊かな場所です。

バブル期に全盛期を迎えたあとは衰退し、2014年に地元の大型老舗ホテルが廃業。その後2016年から「星野リゾート 界 長門」を誘致するとともに、官民一体となって街おこしを進めている前向きなエネルギーに溢れたエリアとして知られています。

例えば、温泉街全体を魅力的な場所にする「長門湯本みらいプロジェクト」には、行政、金融機関、地元有志、外部専門家など、職の垣根を超えて同じ想いを持った人々が集い、大きなムーブメントを起こしています。その結果、立ち寄り湯「恩湯」のリニューアル、音信川のそぞろ歩きをテーマとしたインフラの整備、「cafe & pottery 音」や「365+1 BEER」など新しい街の風景がうまれました。

ダイナミックな街づくり計画のなかで、私たちSOIL Nagatoyumotoがこの街の未来にどのように貢献できるのかを問いかける日々です。

Stapleでの”ホテルオペレーションをつくる”とは?

あらためて、ホテルオペレーションの話にもどりましょう。
Stapleで良いオペレーションをつくるために大切にしていることは、誰よりもその場所の未来の風景を細部まで描き切ること。そして、雑然としたスケルトン状態の工事現場に佇みながら、そこに生み出したい光景を何度も何度もシミュレートすること。

工事中のがらんとした空間に佇みながら、開業後の光景に想いを巡らす

例えば、このがらんどうの空間だったとしても、こんなことから思考します。

「街を訪れた人たちが恩湯の文化に触れ、地中から湧くお湯のありがたさを知り、黄昏の街をそぞろ歩く姿はどんな姿だろう?」
「夕飯前に温泉街のクラフトビアバーで一杯引っ掛けながら歩き、街の人達と出会う、その風景とは?」
「旅行者と街の人たちが交わす言葉の数々はどのようなものだろう?」

このように、この仕事は施設の外との関係性も含めた文脈に思考をめぐらせ、ゲストに宿泊体験をお届けするために必要なモノと人を集め仕組み化するところまでを一手に担う重要なものであると感じています。

きっとそれは、どんなホテルをつくりたいかというコンセプトづくりから企画メンバーと共に伴走し、ゲストに届けたい宿泊体験をサービスとして現場に落とし込み実装する仕事なのだと、今現在自分自身では定義しています。

企画段階から開業準備を駆け抜けて、運営チームといっしょに走りつづける。最強の伴走者であり続けたい。

ここまでかっこよく語ってきましたが、とはいえ実際の仕事内容は非常に多岐にわたり、とくに開業前後の時期は人海戦術で強引に乗り切るしかないことも多く(笑)、大汗をかいてバテバテになりながら現場に張り付いて陣頭指揮を取り続けるポジションなので、人によって向き不向きがはっきりするかもしれません。

かつて上司が「20〜30室規模のホテルをつくるって、もう小さい会社をひとつつくるのとほとんど同じだから」と言っていましたが、立ち位置としても企画〜運営の全体のフローの中で、大事な背骨の部分を担いながら自らが決めきっていくという意思決定力が何よりも重要だと感じています。

こうして文章に起こしながら改めて自らの仕事の役割について整理していると、企画段階から関わることができ無事に開業まで走り抜けたあとも運営チームに伴走しながら、どうしたらもっと良い場所をつくっていけるか、というところまで関わることができる、とてもやりがいのあるポジションです。

Stapleの開業準備チームはなぜか関西人率がとても高いのですが、裏方としてプロジェクトに寄り添いながら、いろんな苦労をネタに変えてゆく根本的に超ポジティブな関西人にはぴったりかもしれません笑

チーム長門湯本!一緒に走ってくれる仲間がいてくれるからこそ取り組めるプロジェクトです

ホテルというハコを飛び出して街とつながるプロジェクトに一緒に参加したい人求む!一緒に働く仲間を大募集中!

長くなりましたが、最後に長門湯本で出会った人たちの魅力について語らせてください!
大都市に生まれ育った私にとってこの長門湯本プロジェクトはドキドキだったのですが、初訪問から数時間過ごしただけで街も人も心から大好きになってしまいました。


まずなんといっても、出会う人達がみんな酒豪!!(笑)馴染みのお店に集まって乾杯してから、2次会は誰かのお家やお店でしっぽりというパターンが多いのですが、数度訪れただけですでに寛大なコミュニティの輪の中に入っていることを実感しています。(そして皆どんなに深酒しても、翌日は朝からチャキチャキと真面目に働いていて、その体力にはいつも驚嘆します。笑)

また新しいことに対して「いいじゃん、やってみなよ!応援するよ!」というポジティブな姿勢にあふれており、その勢いで始まった屋台麺のプロジェクトもあるとかないとか。

そんな街と人の文化を通して、ホテルというハコを目指して訪れた人たちが、ホテルを通してこの長門湯本という街とつながるような、地域に根づいた宿泊体験を生み出せると確信している今日この頃です。

そんな私たちと、来春の開業に向けて一緒に走っていく仲間を絶賛大募集中です。開業準備、オープニングスタッフ、運営スタッフと多岐に渡り開業を経験してみたい方、まずはお気軽にご連絡ください!!

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